◆(たてやま清隆議員) 日本共産党市議団の一人として個人質疑を行います。
 あすから始まる参議院選挙について、安倍首相は、アベノミクスをもっと加速するのか、それとも後戻りするのかが最大の争点であり、そして同時に、来年四月に予定していた消費税増税を再延期することについて、国民の信を問いたいと表明しています。
 そこで質問します。
 安倍首相が、平成三十一年十月実施まで消費税増税を二年半先送りすることを表明した際の新しい判断の内容と首相自身のアベノミクスへの評価についてお示しください。
 答弁願います。
◎産業局長(山下正昭君) お答えいたします。
 安倍首相は、六月一日の記者会見において、消費税増税に対する新しい判断として、世界的な需要の低迷、成長の減速という大きなリスクに直面していることから再延期すると表明し、また、アベノミクスにより中小企業の倒産は減少し、正規雇用は増加に転じ、有効求人倍率は二十四年ぶりの高い水準になったなどの発言をされております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 安倍首相は、大企業がもうければ家計や消費も潤うという大企業応援のアベノミクスを推進してきましたが、みずからの経済失政を覆い隠し、世界経済のリスクに責任を転嫁する新しい判断を示しました。そして、内閣府がまとめたこの「アベノミクスの三年間の成果」の中で成果を主張していますが、果たして真実と言えるのか。五つの点について、以下質問いたします。
 第一に、国民総所得(GNI)が三十六兆円増加したと述べていますが、これらには円安や物価高の影響がどのように含まれているのかお示しください。
 第二に、就業者数が二十四年から二十七年の三年間で百十万人増加したと述べていますが、労働力調査による正規・非正規雇用の増減はどうかお示しください。
 第三に、有効求人倍率が本年四月、一・三四倍となり、これは一九九一年十一月以来の二十四年ぶりの高水準となったと述べています。では、本年四月の正社員の有効求人倍率は幾らか。また、二十五年四月と二十八年四月の正社員の就職件数の推移をお示しください。
 第四に、給与で三年連続の二%水準の賃上げが実現できたと述べていますが、その賃上げ率の根拠、物価変動の影響を除いた賃金水準を示す二十四年度から二十七年度の実質賃金の推移をお示しください。
 第五に、税収が二十四年から二十八年にかけて二十一兆円増加したことをアベノミクスの成果の果実だと主張していますが、これには消費税増税による税収増も含まれているのではないか、お示しください。
 以上、それぞれ答弁願います。
◎総務局長(松永範芳君) お答えいたします。
 お触れになられた税収増につきましては、内閣府の資料によりますと、消費税分が含まれているようでございます。
 以上でございます。
◎産業局長(山下正昭君) 内閣府によりますと、国民総所得(GNI)は、平成二十四年から二十八年で三十六兆円増加の見通しとなっております。また、対米ドル円レートは、平成二十四年五月と二十八年五月を比較すると、八十二円台から百十三円台へと円安傾向に推移し、消費者物価指数は平成二十三年と二十七年の年平均で比較すると約四%上昇しております。
 これら円安による企業収益の改善や物価高による経済活動の活性化が国民総所得の増加に一定の影響を与えているのではないかと考えております。
 次に、国の労働力調査によりますと、平成二十四年から二十七年の正規・非正規雇用の人数及び増減は、正規が三千三百四十万人から三千三百四万人で三十六万人の減、非正規が一千八百十三万人から一千九百八十万人で百六十七万人の増となっております。
 また、国の職業安定業務統計によりますと、本年四月の正社員の有効求人倍率は〇・八五倍、就職件数は、平成二十五年が七万三千六百八十五件、二十八年が六万五千二百三十三件となっております。御質問の賃上げ率につきましては、春季労使交渉経団連集計に示されているところでございます。
 また、国の毎月勤労統計調査によりますと、従業員五人以上の事業所における定期給与の実質賃金指数は、平成二十四年が九九・七、二十七年が九四・三で五・四%の減となっております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 国民総所得の増加は、国民の懐が暖まるような印象を与えますが、大企業の内部留保も含まれており、円高・物価高の影響には、物価高による家計の圧迫や円安による輸入コストの増大による円安倒産などの負の側面があります。
 就業者数は、非正規がふえ正規は減少しています。正社員の有効求人倍率は依然として一倍未満であり、正社員の就職件数は減少しています。賃上げ率も一部の大企業労組を中心とした水準であり、実質賃金は下がり続けています。税収増の中には、庶民いじめの消費税増収九兆円も含まれています。
 以上のように、五つの成果は、安倍政権が都合のよい数字だけを取り上げて成果を主張しているだけであり、アベノミクスによって、低賃金かつ雇用不安定な非正規労働者が大量につくり出され、深刻な格差社会が広がりました。
 引き続き質問します。
 一点目、消費税増税後の二十七年四月と二十八年四月の実質消費支出と鹿児島市の二人以上世帯の二十六年度と二十七年度の一カ月の消費支出をお示しください。そして、このような全国及び本市の消費支出の動向について、当局の認識をお示しください。
 二点目、政府の二十七年度、二十八年度予算における消費税増税に伴う社会保障充実と社会保障関連予算の削減の内容をお示しください。また、法人税の減税と財務省法人企業統計による資本金十億円以上の大企業の利益剰余金の内部留保の推移についてお示しください。
 以上、それぞれ答弁願います。
◎総務局長(松永範芳君) 法人税につきましては、税率引き下げによる影響額として、国の二十七年度予算では四千五百七十億円、二十八年度では一千五百五十億円の減がそれぞれ見込まれております。
 お触れになった大企業の利益剰余金の推移につきましては、二十五年度が百五十七兆円、二十六年度は百七十兆円となっております。
 以上でございます。
◎健康福祉局長(上之園彰君) お答えいたします。
 国の二十七年度及び二十八年度予算における消費税増税に伴う社会保障の充実の主な内容でございますが、子ども・子育て支援の充実として、子ども・子育て支援新制度の実施など、医療・介護の充実として、地域包括ケアシステムの構築や難病、小児慢性特定疾病への対応などとなっております。
 また、社会保障関連予算のうち、前年度より減額となっている主な内容でございますが、二十七年度は介護報酬の改定によるものなど、二十八年度は医薬品価格の適正化によるものなどとなっております。
 以上でございます。
◎産業局長(山下正昭君) 国の家計調査報告によりますと、全国の二人以上の世帯の消費支出は、二十七年四月が三十万四百八十円、二十八年四月が二十九万八千五百二十円、また鹿児島市の二人以上の世帯の一カ月の消費支出は、二十六年度が二十八万一千三百六十五円、二十七年度が二十六万九千十円となっており、いずれも減少傾向を示しているところであり、消費税増税や生活必需品の値上げによる実質賃金の低下、消費者の節約志向の高まりなどが影響しているものと考えております。 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 実質賃金が伸びない中で、全国も本市においても消費支出が減少しています。
 また、消費税増税は全額社会保障に充てているのではなく、社会保障の充実に使ったのは増収分の一六%にすぎず、年金、介護、生活保護等の給付削減も強行されました。
 その一方、大企業は減税と株高によって内部留保を増大させた上にタックスヘイブンに見られるような税逃れをしています。
 では、国民はこの三年余りのアベノミクスについてどう評価しているんでしょうか。報道各社が行っている調査の中で、アベノミクスを評価しない、評価するについての世論調査の動向をお示しください。
 答弁願います。
◎産業局長(山下正昭君) アベノミクスに対する世論の動向につきましては、報道各社の調査によりますと、実施時期等によりばらつきはございますが、「評価する」がおおむね三割から四割程度、「評価しない」がおおむね五割から六割程度となっているようでございます。 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 世論調査の結果が示しているように、多くの国民は、アベノミクスを加速してほしいと思っていないことは明らかであります。
 この質問の最後に、市長にお聞きします。
 「アベノミクスは既に破綻している」、「消費税増税は二年半後に先送りではなく、中止し断念すべき」、「消費税増税に頼らない別の道、富裕層や大企業を優遇する不公平税制の是正等に進むべき」という意見について、市長の見解をお示しください。
 答弁願います。
   [市長 森 博幸君 登壇]
◎市長(森博幸君) たてやま清隆議員にお答えいたします。
 アベノミクスや消費税率の引き上げに対しましてはさまざまな意見がございますが、私としましては、社会保障の安定財源の確保及び財政の健全化によって、持続可能な地方財政の運営を実現することが肝要であると考えております。
 今回、安倍首相におかれては、世界の経済情勢や内需への影響を考慮し、消費税率の引き上げを先送りする判断を表明されたところでございますが、今後も国の動向を注視してまいりたいと考えております。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 社会保障の安定財源の確保及び財政の健全化のために消費税増税路線をとり続ける限り、経済の好循環は生まれず、貧困と格差は広がるばかりです。消費税増税の先送りではなく、きっぱり断念を国に求めるべきであります。そして、アベノミクスで莫大な利益を得た一部の富裕層と大企業にこそ増税をすべきです。
 私たち党市議団は、全国で確立した市民と野党との共同の力を発揮して、憲法改悪に踏み出す安倍政権を退陣に追い込み、戦争法を廃止し、立憲主義を取り戻すために奮闘する決意を申し上げ、この質問を終わります。
 新しい質問に入ります。
 昨年五月一日、新市立病院が開院し、二年目を迎える市立病院について質問します。
 初めに、新年度における市立病院の患者の負担増について質問します。
 一点目、四月から入院食事料の改定が行われていますが、その内容と改定によって負担増となる入院患者数とその影響額について。
 二点目、七月から、紹介状を持たないで来院する外来患者から、診察料とは別に三千二百四十円の初診時選定療養費が徴収されますが、この目的と徴収対象となる一日当たりの外来患者数の推計について。
 三点目、これらの患者の負担増に対する病院当局の認識と医療の質向上のための病院当局の今後の対応について。
 以上、答弁願います。
◎病院事務局長(内山薫君) お答えいたします。
 入院時食事療養費の改定は、本年四月から、一食当たりの自己負担額が二百六十円から三百六十円に見直されたもので、平成二十七年度の実績に基づき算定しますと、対象患者数は年間七千三百人で、一人当たり三千八百円の負担増となります。
 次に、初診時選定療養費は、当院が地域の高度急性期を担う医療機関としての役割を果たすとともに、医療機関の機能分化と連携を進めるため導入するものであり、二十七年度の実績に基づき算定しますと、一日当たり二十人が負担することになると見込んでおります。
 次に、患者さんにはこれまでと比べ御負担をおかけすることになりますが、患者さんにとって必要な医療を適切に提供できる体制づくりを整えるために導入するものであることを御理解いただくことが肝要であると認識しており、今後とも、周知と丁寧な説明に努めてまいります。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 入院食事料については、診療報酬制度上、徴収しなければならない負担であり、七千三百人の入院患者が一人当たり三千八百円の負担増となりますが、平成三十年四月から、さらに一回の食事料が三百六十円から四百六十円に引き上がることが決まっていることも指摘しておきたいと思います。
 また、初診時選定療養費三千二百四十円の徴収については、一日二十人の外来患者数が想定されているようですが、この負担は、市立病院の場合、診療報酬制度上は徴収義務のない任意の徴収制度であることを指摘しておきたいと思います。
 そこで、七月一日からの徴収開始に向けて、これまで病院当局が初診時選定療養費についてどのように周知を図ってきたのか。市民からの意見を含む活動内容をお示しください。
 答弁願います。
◎病院事務局長(内山薫君) 市民等への広報につきましては、市民のひろばやホームページへの掲載、テレビスポットや市政広報ラジオ番組での告知、院内でのポスター掲示や院内放送、県・市医師会等へのチラシ配布などを行ってきております。市民からは制度の導入理由や徴収開始時期などについてお尋ねがあったところでございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 七月一日からの徴収開始に向けた取り組みを示していただきましたが、事前の周知とともに外来受付での慎重な対応と丁寧な説明が求められます。それはなぜかというと、厚生労働省は初診時選定療養費を徴収する際の除外規定を定めているからであります。
 そこで質問します。
 一点目、緊急やむを得ない事情がある場合。
 二点目、支払いを求めないことについて、正当な理由がある場合として。
 それぞれの患者推計と病院当局としての対応方針をお示しください。
 以上、答弁願います。
◎病院事務局長(内山薫君) 緊急やむを得ない事情に該当するケースを二十七年度の実績に基づき算定しますと、救急車等で搬送される患者は一日十二人、公費負担の患者は一日四人で、いずれも初診時選定療養費は徴収しないこととなります。
 また、無料低額診療事業は当院では実施していないこと。HIV感染者については、当院がエイズ拠点病院ではないことから、これらの要件に該当する患者はいないことになります。
 次に、それぞれのケースごとの患者の推計数でございますが、当院の他の診療科を受診している患者は一日九人、医科と歯科との間で院内紹介される患者は半年間で二人、救急医療事業等における休日・夜間受診患者は一日五人、外来受診から継続して入院する患者は一日十一人、治験協力者である患者は半年間で一人、労働災害等の患者は一日三人となります。特定健康診査等の結果により精密検査受診の指示を受けた患者数は把握していないため算定は困難でございます。また、災害により被害を受けた患者や当院が直接受診する必要性を特に認める患者については、状況に応じて判断することから、算定することは困難でございます。
 ただいま申し上げました全てのケースについて、初診時選定療養費は徴収しないこととなります。
 なお、当院が標榜する診療科が地域内になく、実質的に当院のみが外来診療を担っているようなケースはないことから、この要件に該当する患者はいないことになります。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) ただいま示された四例と十例の除外規定については、初診時選定療養費の徴収の対象とせず徴収しないとの方針が示されましたが、これらの除外規定も含めて、市民、患者、関係機関へのさらなる周知を徹底し、外来受付等でのトラブルを防止すべきと考えますが、防止する上でどのような課題があると御認識かお示しください。
 答弁願います。
◎病院事務局長(内山薫君) 周知の徹底とともに、院内の職員などが制度や取り扱いについて共通の認識を持つことが課題であると考えておりますので、マニュアルの配付や説明会の開催などを通して、混乱のないよう対応してまいります。
 また、初診時選定療養費は、紹介状を持参いただければ徴収しないことから、このことを市民のひろば七月号にも再度掲載する予定でございます。
 なお、先ほど申し上げました徴収対象外となるケースについては、掲示中のポスターやチラシなどで引き続き周知を図ってまいります。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 外来受付等でのトラブルを防止するためにも、各部門の職員が初診時選定療養費についての認識を一致させることが重要ですので、全職員に徹底してください。
 次に、先ほど、初診時選定療養費徴収の除外規定の中で、当院は無料低額診療制度を実施していないので対象者はいないとの答弁が示されたことに関して、以下質問いたします。
 まず、健康福祉局にお聞きしますが、同制度の目的と本市で同制度を実施している医療機関数と二十五年度、二十六年度の利用件数の実績をお示しください。
 次に、病院当局にお聞きしますが、同制度を市立病院が実施していない理由をお示しください。
 以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 無料低額診療制度は、社会福祉法に基づく第二種社会福祉事業で、生計困難者が経済的な理由によって必要な医療を受ける機会を制限されることのないよう、無料または低額な料金による診療や医療上・生活上の相談、定期的な健康相談、保健教育などを行う事業でございます。
 本市で同制度を実施しているのは四医療機関で、平成二十五年度、二十六年度の延べ利用件数は、それぞれ四百五十五件、九百八十五件でございます。
 以上でございます。
◎病院事務局長(内山薫君) 当院におきましては、事業の実施要件となっている対象患者数が基準に達していないなど、必要な要件を満たしていないことから、無料低額診療事業は実施していないところでございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 無料低額診療制度は、生活困窮者が経済的な理由によって必要な医療を受ける機会を制限されることがないように医療機関が医療費の負担を減免する制度であり、現在、市内で四つの医療機関がこの制度を実施し、二十六年度では九百八十五件の利用実績が示されました。しかし、市立病院では対象患者数が基準に達していないため、同制度を実施していないとの見解が示されました。
 そこで質問いたします。
 医療機関が無料低額診療制度を届け出する際の基準と、現在、同制度を実施している四つの医療機関では、同制度を利用できる患者の所得基準の範囲をどう設定しているのか。また、届け出の際、低所得者の客観的な定義があるのか、医療機関での定義が可能なのかお示しください。
 答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 医療機関が同制度を届け出する際の基準としましては、生活保護法による保護を受けている者及び無料または診療費の一〇%以上の減免を受けた者の延べ数が、取り扱い患者の総延べ数の一〇%以上であること、医療ソーシャルワーカーの配置、定期的な健康相談を行うことなどが定められております。
 同制度を利用できる所得基準の範囲、低所得者の定義については特に定められておりませんが、届け出をした医療機関が市町村民税非課税者、生活保護基準等を参考にそれぞれ独自に設定しているところでございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 同制度の届け出基準は、生活保護者を含む医療費の減免を受けることができる低所得の患者が取り扱い患者の総延べ数の一〇%以上であれば届け出ることができ、しかも、低所得者の定義は医療機関で定めることが可能とのことです。
 私の調査では、四つの医療機関では、生活保護基準の一三〇%から一五〇%の所得基準の範囲で同制度を利用できる患者を定めています。
 そこで質問します。
 まず、市立病院の生活保護患者数とその割合、先ほど答弁された入院食事料を負担している入院患者の中で、住民税非課税の患者の割合をそれぞれお示しください。
 次に、住民税非課税の七十歳単身の年金生活者の収入と同年齢の生活保護基準の一三〇%の収入の試算をそれぞれお示しください。
 以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 七十歳単身世帯で住民税非課税となる年金生活者の収入を試算しますと、年百五十一万五千円以下となり、同年齢の生活保護基準の一三〇%は、年百五十四万五千円程度となります。
 以上です。
◎病院事務局長(内山薫君) 平成二十七年度に当院を受診した患者のうち生活保護受給者は延べ一万六千六十二人で、全体の四・五%となっており、また、入院時食事療養費を負担した患者のうち、住民税非課税世帯の患者は二〇・一%でございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 市立病院では、外来・入院で生活保護患者数が四・五%、住民税非課税の患者数が、入院のみの割合ですが、二〇・一%です。
 また、七十歳単身の年金生活者の住民税非課税の場合と生活保護基準比一三〇%の場合、ともにおよそ百五十万円台の年間収入に相当し、市立病院でも低所得者の患者の割合は高く、届け出基準を満たすのではないかと推定されます。
 市立病院では、住民税非課税世帯を含む低所得の患者が取り扱い患者の総延べ数の一〇%以上ではないのか、正確な実態を調査すべきと考えますが、答弁願います。
◎病院事務局長(内山薫君) 当院では、医療費の支払いが困難な患者さんに対し、医療ソーシャルワーカーが相談に応じ、生活保護や生活福祉資金貸し付けなどの福祉制度の情報提供を行っており、来院患者さんを対象に世帯の状況や収入等についての調査を実施することは考えていないところでございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 調査を実施することは考えていないとの答弁ですが、私は、対象患者数が基準に達していないという病院当局の見解が実態と事実に基づいた見解なのかをただしているわけです。事実を明らかにするために実態調査に取り組むことを強く要請いたします。
 国が初診時選定療養費の徴収対象から無料低額診療制度の利用可能な患者を除外しているのは、経済的な理由によって必要な医療を受ける機会を制限されることがないようにするためです。低所得の市民の中には、初診時選定療養費も払えない患者もおられます。低所得の市民の受療権を保障するために、無料低額診療制度の実施を検討し、市民が安心して来院できる市立病院にすべきと考えますが、答弁願います。
◎市立病院長(坪内博仁君) お答えいたします。
 無料低額診療事業は、生計困難者に対し必要な医療を確保する上で一定の役割を果たしていると認識しておりますが、同事業は経営面に影響を及ぼすことから、当院での実施は考えていないところでございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 経営面に影響を及ぼすという点については別の機会にただしたいと思いますが、市立病院は公立病院として既にさまざまな税法上の優遇措置を受けているということは申し上げておきます。
 また、初診時選定療養費を導入して市立病院への紹介率を高めていくことと無料低額診療制度を導入することは決して対立する問題ではないということを申し上げておきます。
 市立病院が市民のためのセーフティーネットとしての無料低額診療制度を検討されることを重ねて要請して、この質問を終わります。
 新しい質問に入ります。
 肝炎対策について質問します。
 初めに、肝炎患者団体の要望活動が実り、昨年六月から始まった県のウイルス性肝炎患者等重症化予防推進事業について質問します。
 一点目、同事業の本県及び本市での平成二十七年度の実績とその評価及びその理由について。
 二点目、国の同事業の二十八年度の内容と本県の予算とその事業内容について。
 三点目、同事業が利用可能な対象者数の予算上の本県の推計について。
 以上、それぞれお示しください。答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 県及び本市の初回精密検査費用助成の実績を件数、助成額の順に申し上げますと、県全体は二十二件、十五万六千六百六十円、そのうち本市は七件、四万七千三百七十円、定期検査費用助成につきましては、県全体で本市の一件のみで一万三千四百七十円でございます。
 定期検査費用の助成利用者が少なかったことにつきましては、所得制限により対象者が限定されていることや助成回数が年一回であることが主な理由として考えられます。
 二十八年度の同事業につきましては、国が定期検査費用の助成措置を拡充したことにより、県も同様の改正を行う予定とのことでございます。これまで住民税非課税世帯の方を対象に県が認めた定期検査費用を、初回精密検査を含め年一回の助成としていたものを年二回とすることとしております。また、対象を市町村民税の所得割課税年額が二十三万五千円未満の世帯まで拡大し、それに該当する場合は、県が認める定期検査費用から、一回につき慢性肝炎で三千円、肝硬変、肝がんで六千円を控除した額を初回精密検査を含め年二回助成できるようにするものでございます。
 また、県に確認しましたところ、初回精密検査と定期検査の対象者数は二百八十八人を見込んでいるとのことでございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 定期検査費用の助成については、二十七年度がわずか一件のみの実績にとどまった要因は、対象者を住民税非課税に限るとしたことが要因の一つであり、二十八年度はこの所得制限が緩和され、住民税所得割二十三万五千円未満の患者に対象が拡大されることが示されましたが、このような制度拡充の内容を市民、患者、医療機関にいかに周知していくかも大きな課題です。
 そこで、過去にインターフェロン治療費助成を受けたことのある受給者は、慢性肝炎、肝硬変、肝がんの治療を今も継続し、同事業の定期検査費用の助成を利用できる可能性があることから、本市が把握している患者に同事業を個別に案内するなどの取り組みを検討していただきたいと考えますが、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 市民や患者等への広報につきましては、引き続きホームページや市民のひろばへの掲載、関係部局でのチラシ配布や医療機関でのポスター掲示などを行っておりますが、個別通知につきましては、事業主体である県にお伝えしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) ぜひ、県と協議して、慢性肝炎、肝硬変、肝がんの患者さんたちに定期検査費用の助成制度が個別に伝わるように取り組んでください。
 次に、市民のB型・C型肝炎ウイルス検査の受検状況について質問します。
 一点目、四十歳以上の健康増進法に基づく二十五年度から二十七年度の総受検者数と、その中で五歳節目の年齢を対象に実施している無料の個別勧奨の受検実績とその割合を集団、個別ごとにもお示しください。
 二点目、個別検診が受託されている医療機関数と一医療機関当たりの受検者数、検査ゼロの受託医療機関数をお示しください。
 以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 健康増進法に基づく肝炎ウイルス検診について、受診者数、個別勧奨による受診者数とその割合を順に申し上げますと、二十五年度の集団検診は、B型が二千二十八人、六百十三人、三〇・二%、C型が二千二十四人、六百十二人、三〇・二%、個別検診は、B型が三千六百九十人、一千六百九十五人、四五・九%、C型が三千六百九十六人、一千六百九十六人、四五・九%、二十六年度の集団検診は、B型が二千二百七十八人、七百八人、三一・一%、C型が二千二百七十五人、七百八人、三一・一%、個別検診は、B型が四千五十九人、二千二百三人、五四・三%、C型が四千六十一人、二千二百五人、五四・三%、二十七年度の集団検診は、B型が二千四百四人、六百十五人、二五・六%、C型が二千四百三人、六百十五人、二五・六%、個別検診は、B型が四千百九十九人、二千四百九十一人、五九・三%、C型が四千二百五人、二千四百九十二人、五九・三%でございます。
 平成二十七年度の受託医療機関は三百三十五カ所、一医療機関当たりの受診者数は十二・五人、実績のなかった医療機関は三十七カ所でございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) ただいまお示しのこの三年間で、四十歳以上の市民がB型検査を一万八千六百五十八人、そのうち八千三百二十五人、四四・六%の市民が年齢別個別勧奨の無料検査を受けていること、C型検査は一万八千六百六十四人、そのうち八千三百二十八人、同じく四四・六%の市民が無料検査を受けていることが示され、無料検査を利用している市民が多く、徐々に増加していることが示されました。
 また、医療機関で個別に検査を受ける市民が、B型検査が一万一千九百四十八人、C型検査が一万一千九百六十二人で、ともに全体の六四%であり、病院で検査を受ける市民が多いことが示されましたが、一医療機関平均の受診件数は十二・五件であり、検査ゼロの医療機関が三百三十五施設のうち三十七施設あることが示され、受託医療機関での推進が課題です。
 では、肝炎ウイルス検査の受託医療機関である市立病院における、二十五年度から二十七年度の受検件数と院内での周知状況について答弁願います。
◎病院事務局長(内山薫君) 当院における肝炎ウイルス検査の受検件数を、平成二十五年度から二十七年度まで順に申し上げますと、二十四件、二十七件、二十三件となっております。また、当院では、診療科受付でチラシを配布するなど周知を図っているところでございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 一医療機関の平均受診件数は上回っていますが、一カ月に二名程度の受診であり、市立病院の一日の外来患者数を考えると決して多いとは言えません。外来患者への案内を強化する必要があると考えます。
 次に、二十歳以上の保健所での無料検査の二十五年度から二十七年度の受検者数の実績と各センターの検査体制についてお示しください。
 次に、九州県都市と中核市における四十歳以上の市民を対象にした肝炎ウイルス検査の無料検査の実施状況についてお示しください。
 以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 保健所での無料検査の受検者数をB型、C型の順に申し上げますと、二十五年度、七百三十人、六百七十八人、二十六年度、九百七十六人、九百六十五人、二十七年度、六百八十五人、六百七十二人となっております。
 検査体制につきましては、保健所において毎月九回の実施に加え、年二回、休日にも行っているほか、各保健センターで毎月二回、また各保健福祉課で年二回実施しているところでございます。
 九州県都市における四十歳以上の市民の無料検査の実施状況についてですが、特定感染症検査等事業による検査につきましては、本市を含む全ての都市で無料での検査を実施しております。
 また、健康増進法に基づく検診は本市を含む四市で実施しており、うち二市が無料、残る二市が一部無料で実施しております。なお、その他の中核市の状況につきましては把握していないところでございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 九州県都市では、健康増進事業としては、鹿児島市を含む四市の中で二市が無料検査を実施しているとのことですが、特定感染症検査等事業としては、福岡市、熊本市、長崎市、宮崎市の四市では、四十歳以上の市民の無料検査を実施していることも指摘しておきたいと思います。したがって、肝炎検査を有料化しているのは本市を含む二市のみとなります。
 一方、二十歳以上の市民なら誰でも無料で受検できる保健所では、毎日検査できる体制ではないため、受検者数も医療機関での個別検診と比較すると少ない現状にあります。全ての市民が一度は肝炎ウイルス検査を受けるための条件整備をさらに拡充するために、検査費用の無料化、保健所での受検体制の拡大、医療機関での受検推進について検討すべきと考えますが、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 肝炎ウイルスの検診につきましては、特定の年齢の方を対象に個別勧奨による無料検診を実施しております。
 また、保健所や各保健センターにおける健康相談等の際に無料検査も実施しているところであり、医療機関での検査も含め、今後とも多くの市民の方々に検査を受けていただけるよう、さらに周知・広報に努めてまいります。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 肝炎ウイルス検査の受検体制を拡充していくための具体的な回答が得られませんでしたが、中核市の現状も調査して、本市の新たな対策を示されるよう要請いたします。
 次に、肝炎ウイルス検査によって陽性者等をフォローし、早期治療に結びつけていくことが重要ですが、この三年間の要精検者、陽性者数とその要フォローの状況と初回精密検査費用の助成の活用等も含む今後の課題についてお示しください。
 答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 二十五年度から二十七年度までの要精検者または陽性者は合わせて二百五十人であり、そのうち経過を把握できている方は百十五人となっております。
 今後とも助成制度のさらなる周知・広報が必要と考えております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 二十七年度は七件の利用実績にとどまっている初回精密検査費用の助成制度を今後はもっと活用して、陽性者のフォローに取り組まれるよう要請いたします。
 次に、肝炎患者の要望活動が実り、平成二十二年度から肝機能障害についても障害者手帳が交付されるようになりました。しかし、診断基準が厳しく、改善が求められていましたが、二十八年度から診断基準が緩和されましたので、この点について、以下質問いたします。
 一点目、障害者手帳交付の級別の二十五年度から二十七年度の実績とその件数の要因について。
 二点目、新年度からの診断基準緩和の内容と期待される効果を、過去の却下理由も含めてそれぞれお示しください。
 以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 本市での肝機能障害による手帳の交付実績を級別に申し上げますと、二十五年度、一級五件、二級二件、三、四級についてはゼロ件、二十六年度、一級七件、二級から四級についてはゼロ件、二十七年度、一級十件、二級一件、三級一件、四級一件でございます。他の内部障害と比べて交付件数が少なく、その要因としては、これまでの国の基準では、対象者が重度の方に限定されていたことが考えられます。
 本年四月からの改正点につきましては、基準の一つであるチャイルド・ピュー分類の合計点数が十点から七点に緩和されたことなどでございます。点数が基準を下回り過去に却下となった方については、新基準では交付を受けられる可能性があることから、今後、手帳交付件数が増加することが予想されます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 三年間で合計二十七件の肝機能障害への障害者手帳の交付は、他の内部障害に比べれば明らかに少なく、その主な要因は、厳し過ぎる診断基準にあることは明白であり、国も肝炎患者の実態を踏まえて診断基準を見直すことになったわけです。
 今年度から、診断基準の緩和によって障害者手帳が交付される可能性が広がることになるわけですが、障害者手帳一級、二級が交付された場合の医療費助成の内容と今回の改正内容を肝硬変、肝がん患者にどのように周知を図るのかお示しください。
 答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 障害者手帳の一級または二級を取得しますと、重度心身障害者等医療費助成制度により、保険診療による医療費の自己負担分の助成を受けることができるようになります。
 また、肝硬変、肝がん患者への周知につきましては、ホームページに新基準について掲載したほか、今後、市民のひろばでの広報や医療関係者へのさらなる周知について検討したいと考えております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) ぜひ、重症の肝硬変、肝がんの患者に今回の改正内容が伝わるように努力してください。肝炎患者への個別の周知方法については、保健予防課とも協議し、検討してください。
 なお、この障害者手帳交付の改正内容を周知するためには医療機関の協力も必要です。肝疾患専門医療機関である市立病院の肝硬変、肝がん患者への対応方針をお示しください。
 答弁願います。
◎市立病院長(坪内博仁君) 当院は、肝疾患診療専門医療機関として、地域のかかりつけ医と連携し、専門的な医療を提供しております。
 今回、身体障害者手帳の認定基準が変わったことについては、肝臓専門医が共通の認識を持ち対応しているところでございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) ぜひ市立病院でも対応を強めていただき、一人でも多くの肝硬変、肝がんの患者さんに障害者手帳が交付され、医療費の負担軽減につながることを期待しております。
 次に、B型肝炎ワクチン接種事業について質問します。
 一点目、本市でのB型肝炎母子感染防止事業の内容と二十五年度から二十七年度の実績について。
 二点目、国のB型肝炎ワクチンの定期接種化の経過と実施目的と内容、ワクチンの安全性、本市の対応について、それぞれお示しください。
 以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 本市では、妊婦健康診査の一回目において、B型肝炎母子感染防止事業の抗原検査を実施しており、各年度の受診者数とそのうちの陽性者の数を順に申し上げますと、二十五年度、五千六百四十五人、十人、二十六年度、五千六百九十二人、七人、二十七年度、五千六百五十九人、十八人となっております。
 B型肝炎ワクチンにつきましては、乳児期におけるB型肝炎ウイルスの感染を予防することを目的に、国が本年十月からの定期予防接種化を予定しており、二十八年四月一日以降に生まれた一歳未満の乳児に対して三回のワクチン接種を行うこととなっております。
 また、ワクチンの安全性については国において確認されているところであり、本市においても定期接種の実施に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 国が本年十月からB型肝炎ワクチンの定期接種に踏み出した背景には、特に若年層への感染を防止していくことがあります。厚労省予防接種基本方針部会の審議では、「近年、急性B型肝炎は増加傾向にあり」と指摘され、B型肝炎の慢性化予防のために患者団体からも要望が出されている、感染防止可能な三歳児までの接種に有効性があるとの知見に対して見解をお示しください。
 答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) B型肝炎は、罹患歴または予防接種歴がない場合には、どの年齢においても感染のリスクがあるとされていることから、早期の予防接種を初めとする感染防止策は有効であると考えております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 有効であるとの見解が示されました。
 国の定期接種の対象はゼロ歳児までですが、対象者を二歳、三歳児までとする市独自の任意助成を検討できないか答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 国の方針では一歳未満の乳児を対象としていることから、本市におきましても、この方針に基づき、実施に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) これから二十年後のことをぜひ考えていただきたいと思います。
 B型肝炎ワクチンの接種年齢を引き上げることで将来のB型肝炎の発生を予防することができます。子供たちの未来のためにも、本市独自の任意助成について再検討を求めて、この質問を終わります。
 新しい質問に入ります。
 市営住宅について質問します。
 初めに、家賃減免制度について、一点目、本市独自の家賃減免制度の内容と収入区分一ランクの入居世帯数と割合について。
 二点目、本市の住宅管理戸数と家賃減免世帯数、平成十九年度、二十四年度から二十七年度の減免率の推移とその認識について。
 以上、それぞれお示しください。答弁願います。
◎建設局長(鮫島健二郎君) お答えいたします。
 本市の家賃減免制度は、収入区分が一ランクの世帯の中で収入が著しく低い場合に減免を行っており、お尋ねの入居世帯数とその割合は、本年三月三十一日現在で七千八百七十六世帯、七八・八%でございます。
 次に、本市の住宅管理戸数、家賃減免世帯数、減免率を順に申し上げますと、平成十九年度、一万一千百八十七、百六十七、一・五、二十四年度、一万一千百四、三百三十四、三・〇、二十五年度、一万一千百四十六、三百四十一、三・一、二十六年度、一万一千七十四、三百七十三、三・四、二十七年度、一万一千五十三戸、四百十八世帯、三・八%で、減免世帯数及び減免率は増加傾向にあります。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 本市独自の家賃減免制度を利用できる対象世帯は全体の七八・八%であり、減免率はこの四年間で三%から三・八%へと増加傾向にあるとの認識が示されましたが、問題は、家賃減免制度が周知された上での減免率であるかが問われています。
 そこで質問しますが、一点目、家賃の減免世帯の減免前の家賃の階層別の世帯数の二十七年度実績の上位三位までをお示しください。
 二点目、家賃の滞納世帯数と家賃の階層別の世帯数の直近の上位三位までをお示しください。
 以上、答弁願います。
◎建設局長(鮫島健二郎君) 減免前の家賃の階層別世帯数の二十七年度実績について、上位から順に申し上げますと、二万一円から二万五千円が百八十五、一万五千一円から二万円が百、一万一円から一万五千円と二万五千一円から三万円がそれぞれ六十一世帯となっております。
 次に、二十七年度の家賃滞納世帯数は六十九世帯で、階層別世帯数を上位から順に申し上げますと、一万五千一円から二万円が二十二、二万一円から二万五千円が十八、一万一円から一万五千円が十一世帯でございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 家賃減免を受けている世帯の中で、減免前の家賃が一万一円から二万五千円の範囲の世帯が最も多く、合計三百四十六世帯であり、一方、直近の家賃滞納世帯の中で最も多い五十一世帯も家賃が同じ範囲であることが示されました。
 そこで質問しますが、一点目、家賃の滞納世帯の家賃減免制度の利用状況と減免制度の活用による滞納防止の取り組みについて。
 二点目、本市と同じ家賃減免制度を持つ九州県都市の二十六年度の管理戸数と減免率、そして中核市の状況について。
 以上、答弁願います。
◎建設局長(鮫島健二郎君) 本市では、滞納世帯の家賃減免については認めていないところでございます。また、滞納世帯については、個別の納付指導の中で減免制度の周知を行っており、完納後、減免を適用することで、その後の滞納防止につながっていると考えております。
 次に、家賃減免制度がある九州県都市の管理戸数と減免率を順に申し上げますと、福岡市、三万一千六百七十八、一四・六、熊本市、一万三千三百四十九、二二・三、大分市、五千四百五十三、四七・四、長崎市、九千五百六十九戸、一〇・六%となっております。
 なお、中核市の状況については把握していないところでございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 月額一万一円から二万五千円の家賃世帯の中で滞納世帯が多く、また、家賃減免前の世帯が多い点を踏まえるならば、家賃滞納を防止するためにも家賃減免制度の周知が必要と考えます。
 また、九州県都市の減免率は本市と比較して非常に高いようです。本市と他都市の家賃減免率の格差の要因についての認識をお示しください。
 また、減免率が本市より高い自治体の調査をすべきと考えますが、答弁願います。
◎建設局長(鮫島健二郎君) 本市と他都市の減免率の相違については、適用される収入基準が異なることなどが要因と考えられますが、今後一層の制度周知に努めたいと考えております。
 なお、他都市調査については予定していないところでございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 本市より減免率の高い福岡市、熊本市、大分市、長崎市との格差の要因が、収入基準の違いだけで説明できるでしょうか。中核市の状況も含めて、本市との減免率の相違について、調査にぜひ取り組んでください。
 次に、家賃減免制度の周知を徹底するとともに、入居手続の際の家賃減免の申請についてお示しください。
 答弁願います。
◎建設局長(鮫島健二郎君) 制度については、契約説明会で配布する入居者のしおりなどにより周知を行っており、契約と同時に申請があれば受け付けております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 申請があればという申請主義ではなく、入居手続の際に積極的に家賃減免制度を案内し、市民負担の軽減を図る立場に立って住宅行政に取り組んでください。
 次に、旧喜入町の市営住宅について質問します。
 一点目、旧五町地域の市営住宅の空き住宅数と随時募集戸数と旧喜入町の地域と戸数、その要因について。
 二点目、先日行われた喜入地域での市長とふれあいトークでの市営住宅に関する要望内容について。
 以上、答弁願います。
◎建設局長(鮫島健二郎君) 合併前の五町地域の空き住戸数は、現在募集対象の住戸が六十一戸、そのうち随時募集の住戸が六戸でございます。六戸のうち、旧喜入町の住宅は五戸、全て一倉住宅で、応募がない要因としては立地条件などが考えられます。
 また、市長とふれあいトークでは、市営住宅の入居条件の緩和ができないかなどの要望が出されております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 旧五町地域の六十一戸の空き家のうち、随時募集六戸であり、そのうち五戸は喜入一倉町の市営住宅です。応募がない条件として立地条件と言われましたが、入居資格条件の緩和を求める要望が市長とふれあいトークでも出されています。
 次に、旧喜入町の各小学校、中学校の児童生徒数の合併前と二十八年度の推移とその認識について答弁願います。
◎教育長(杉元羊一君) お答えいたします。
 喜入地域の各学校の児童生徒数を、合併前の十六年度と二十八年度の順に申し上げますと、瀬々串小学校、百四十三、百一、中名小、百三十六、九十七、喜入小、三百四十三、二百四十三、前之浜小、六十二、五十、生見小、五十四、二十七、一倉小、二十二、四、喜入中、四百五十七人、三百六人でございます。この地域においても少子高齢化が進み児童生徒数が減少しているものと考えております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 全ての小中学校で減少しており、とりわけ一倉小では二十二名から四名に減少しています。地域の皆さんは、一倉校区への若年層、子育て世帯をふやす対策を求めています。若年層、子育て世帯をふやすための住宅政策の具体化と旧喜入町の公営住宅の入居制限の緩和について答弁願います。
◎建設局長(鮫島健二郎君) 子育て世帯などへの対応でございますが、本年六月より、空き家募集時に二戸に一戸を子育て世帯向けとして募集する優遇措置を旧喜入町を含む合併前の五町地域に拡大するとともに、対象世帯に新婚世帯を加えることといたしました。
 また、市営住宅の入居制限については、小学生以下の子供がいる世帯などへは一般世帯よりも収入基準額の緩和を行い、対象者の拡大を図っております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 本年六月より一定の入居制限の緩和が図られていることは承知しましたが、若年層の単身者の入居受け入れや児童数の減少が著しい校区に新たな子育て住宅の建設などを要望して、この質問を終わります。
 新しい質問に入ります。
 安心安全な喜入のまちづくりのために、四つの地域の課題について、以下質問します。
 初めに、国道二百二十六号瀬々串線の歩道整備事業について、一点目、歩道整備の理由と住民からの要望の経過と本市のこれまでの対応経過。
 二点目、国の平成二十八年度整備予算内容と住民への説明等、以上の点についてお示しください。
 答弁願います。
◎建設局長(鮫島健二郎君) お尋ねの歩道は、狭小で歩行者の安全が確保されていないことから整備を行うもので、平成二十五年一月に地元からの要望を受け、同年二月に国に対し整備要望に関する進達書を提出し、その後、国や地元との協議及び意見交換会を行っております。
 国によると、今年度、鹿児島二百二十六号交差点改良等の事業名で、測量設計費として二千百万円が計上され、今月三十日に地元説明会の開催を予定しているとのことでございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) この写真パネルでもわかるように、交通量も多い上に大型車等が通行すると国道沿線の住民は歩行できません。今回の国の予算措置を受けて、国に対し二十九年度から歩道整備着工のための予算措置が図られるよう、本市としても要請すべきと考えますが、答弁願います。
◎建設局長(鮫島健二郎君) 本市としては、引き続き、早期着工について国に要請してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 ぜひ早期着工となるよう、本市からも強く国に要請してください。
 次に、側溝整備について質問ですが、一点目、側溝整備について住民要望を受けている箇所のうち、現時点で未整備の要望箇所を受け付け年度別にお示しください。
 二点目、二十五年度から二十七年度の側溝整備済みの箇所の整備基準と住民要望年度、残された要望への対応について。
 以上、答弁願います。
◎建設局長(鮫島健二郎君) 未整備の要望箇所は、二十一年度、梅田二号線ほか二線の一件、二十四年度、喜入前之浜線の一件、二十五年度、麓渕田線の一件、二十七年度、有田線の一件となっております。
 整備基準については、老朽度や排水不良などの整備の必要性や継続路線などを総合的に検討し、路線の選定を行っております。
 整備箇所数を整備年度別に申し上げますと、二十二年度要望分は、二十五年度三件、二十六年度二件、二十三年度要望分は、二十六年度二件、二十七年度一件となっており、未整備箇所については、整備基準を踏まえ、計画的な整備に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 住民が要望してから整備されるまで三、四年を要しているようですが、未整備の四カ所の側溝についても、早く着手していただくよう要請いたします。
 次に、喜入瀬々串町の星和台団地の歩道問題についての質問ですが、一点目、団地内の一部の歩道区間が傾斜のままになっている問題の経過とその課題認識について。
 二点目、歩道の傾斜を補修していくために今後どう取り組んでいくのか。
 それぞれ答弁願います。
◎建設局長(鮫島健二郎君) お触れの路線については、平成二十年度から二十二年度に整備を行っております。当該路線は、車道と宅地に高低差があり、二十年度施工区間については、この歩道内ですりつけをしたため、歩道が急な横断勾配になっております。二十一年度からは、沿線住民の方々の承諾がいただけた宅地については、宅地側を切り下げることで勾配を緩やかにしております。
 歩道の横断勾配の緩和については、宅地側の切り下げが必要となるため、沿線住民の方々と協議しながら取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) この歩道は傾斜があるため車椅子の方は利用できないため車道を通ります。とても危険です。平成二十年度の施工方法そのものに問題があったと思いますので、ぜひ補修に取りかかってください。
 次に、仮屋崎の砂防ダム問題についての質問です。
 一点目、仮屋崎集落に砂防ダムから土砂が流入している問題の内容として、経過、原因、調査結果、市の対応について。
 二点目、砂防ダム問題に対する県の予算措置や方針と本市の今後の対応について。
 以上、答弁願います。
◎建設局長(鮫島健二郎君) お尋ねの件については、平成二十七年七月に、地元住民より本市へ集落内への土砂流入の相談があり、調査により、施工中の農地造成のり面が一部崩壊したことが原因であることを確認いたしました。
 この工事は、二十四年四月に条例に基づき本市へ届け出された箇所であったことから、造成関係者に崩壊したのり面を含む土砂流出防止対策を要請し、九月に完了させ、その後ものり面などの適切な維持管理について指導を行っております。
 また、市道や里道については、所管する部署などにおいて、流出土砂の除去などを実施しております。さらに、造成のり面の下流の砂防ダムについては、所管する県と合同で調査を行ったところでございます。
 県によると、土砂流出の発生源が造成のり面であることが現場調査で確認されていることから、砂防施設内の土砂撤去については原因者が行うことが適当であるとのことでございます。
 本市としては、今後とも県と情報を共有するなど連携を図りながら対応するとともに、造成のり面などの適切な維持管理について引き続き指導してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 私は十九日の大雨の日、仮屋崎集落への土砂の流出経路を明確にするため現場を確認しましたが、この写真パネルからもわかるように、砂防ダムの上流にある太陽光発電施設の敷地にたまった雨水が排水溝を伝わって押し流され、砂防ダムに堆積した土砂を削りながら集落に流れ込んでいることがわかりました。土砂撤去と同時に排水溝対策も必要であります。
 なお、私は五月二十四日、県の担当者から砂防ダムの土砂を撤去するための予算を確保したとの説明を受けています。ただいまの答弁と事実経過が異なります。住民は一刻も早い土砂の撤去を望んでいます。事実経過を明らかにした上で改めてこの問題について質問することとし、この質問を終わります。
 新しい質問に入ります。
 歩道橋等の耐震強化について質問します。
 初めに、熊本地震による歩道橋等の被害状況と本市の歩道橋の耐震性についてお示しください。
 答弁願います。
◎建設局長(鮫島健二郎君) 熊本地震による歩道橋などの被害状況については、熊本県内にある九州縦貫自動車道の跨道橋九十四本のうち六本において落橋や橋脚が傾いたり、歩道橋部分の橋脚にひびが入るなどの被害があったとの新聞報道がございました。
 なお、本市の歩道橋は、建設当時の立体横断施設技術基準や道路橋示方書などの設計基準により架設しており、一定の耐震性を有していると考えております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 建設当時の設計基準による一定の耐震性であり、本市の歩道橋等が熊本地震の規模に耐え得るかは疑問です。
 では、本市の建設局が管理する歩道橋の所管別の箇所数と長寿命化計画策定の進捗状況、耐震性の点検についてお示しください。
 答弁願います。
◎建設局長(鮫島健二郎君) 建設局が管理する歩道橋の数を所管課別に申し上げますと、公園緑化課七橋、道路建設課二橋、道路管理課十七橋、谷山建設課八橋であり、今後、長寿命化計画を策定していくこととしております。なお、耐震点検は実施していないところでございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 健全度を点検する長寿命化計画の策定は取り組まれているが、耐震点検が実施されていないということは、熊本地震の教訓を踏まえれば問題です。
 では、皇徳寺団地内の歩道橋の長寿命化計画策定の状況について質問しますが、一点目、公園緑化課所管の一号、四号、六号、九号、十号歩道橋の概略点検の内容と実施時期について。
 二点目、その他の二号、三号、五号、七号、八号歩道橋の計画策定と今後の対応について。
 以上、答弁願います。
◎建設局長(鮫島健二郎君) 皇徳寺団地内にある公園緑化課所管の歩道橋の概略点検については、目視や打音調査などによる点検を行い、その結果をもとに健全度を判定するもので、本年七月から十二月にかけて実施することとしております。
 市道認定され、路線延長に含まれる皇徳寺第二号、第三号、第五号歩道橋については、人道橋として平成二十二年度に橋梁長寿命化修繕計画を策定しております。また、それ以外の横断歩道橋である皇徳寺第七号、第八号歩道橋については、今後、長寿命化計画を策定していく予定でございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 この写真パネルで示している皇徳寺団地の四号歩道橋は、昭和六十二年三月に竣工されたものであり、高速道路の真上を通る歩道橋です。熊本地震では、高速道路をまたぐ橋が折れて落下しています。やはり歩道橋等の耐震性について調査を行い、今後の対応を検討すべきと考えますが、答弁願います。
◎建設局長(鮫島健二郎君) 歩道橋の耐震化は、今後、国土交通省や他都市の動向などを参考に検討してまいります。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 今回の質疑を通じて、歩道橋等の耐震強化について、点検も含めて実施されていないことは驚きでした。
 他都市も参考にして、ぜひ具体化を検討していただくよう強く要請して、私の個人質疑を全て終わります。