◆(大園たつや議員) 日本共産党市議団の一人として個人質疑を行います。
昨夜、台風十六号が通過した直後の本会議となりましたが、当局におかれましては、台風後の対応に遺漏なきようお願いを申し上げます。
さて、四月の鹿児島市議会議員選挙から始まり、参議院選挙、鹿児島県知事選挙を経て、先日、十一月二十日告示、二十七日投票に決定した鹿児島市長選で、鹿児島の将来を占う選挙イヤーもよほどのことがない限り最後となります。
最初の質問は、参議院選挙、鹿児島県知事選挙の結果、そして目前に迫った鹿児島市長選挙を踏まえて、市長の政治姿勢について、以下伺ってまいります。
質問の一点目、憲法違反の安保関連法制の強行成立から一年を迎えた昨日は、予定されていた同法の廃止を求める県民集会は台風で延期となりましたが、天文館に百名を超える市民が集まり、声を上げました。国民の反対運動は、絶対に無理だと言われた野党共闘を七月に行われた参議院選挙で実現させ、全国三十二の全ての一人区で共同候補が擁立されました。結果としては、前回野党が二議席しか獲得できなかった一人区で十一人の共同候補が勝利し、沖縄県の選挙区は衆参ともに野党が占めることになりました。自民・公明党を含む改憲勢力が三分の二以上の議席を獲得したことは民主主義の一つの結果と言えますが、一面的な評価にすぎません。
そこで、市長は、参議院選挙においてなぜ野党は共闘したのか、また、野党共闘についてどのような考えをお持ちか見解をお示しください。
質問の二点目、現在、政府の沖縄辺野古の新基地や高江村のヘリパッド建設強行に真正面から立ち向かう翁長沖縄県知事、原発を推進する九州電力に対し停止要請を行い、先日の県議会本会議で、「原発に頼らない社会をつくっていく」と表明した三反園新鹿児島県知事など、国民の不安や懸念の声に耳をかさない政治に意見し、具体的な行動に移す首長が誕生しています。
市長は、国や県の政治に対しても市民の命・暮らしを守る立場から、だめなものはだめと意見を明確に発信すべきではないかと考えますが、見解をお示しください。
質問の三点目、参議院選挙の投票が終わった七月十日の夜、安倍首相は、社会保障の伸びを抑えていくことも大変大切だと強調し、現在、高齢者医療の窓口負担について、七十五歳以上の方に二割負担を段階的に導入する計画や民主党政権時代に復活した生活保護の母子加算の切り捨て、介護保険では、要支援一・二と認定された人の保険給付外しに続いて、要介護一・二と認定された人の訪問介護などを保険給付から外す計画など、社会保障の改悪の具体案が次々と政府の審議会に出されています。社会保障の給付減、負担増が続く中、市民に豊かさを実感してもらう具体的な方策は何かお示しください。
以上、答弁願います。
[市長 森 博幸君 登壇]
◎市長(森博幸君) 大園たつや議員にお答えをいたします。
さきの参議院議員選挙における野党共闘については、与党が目指した改選過半数を阻止するため、野党が一人区における統一候補を擁立するなど、相互に支援・協力されたものと考えております。
国や県の制度・施策等における重要事項につきましては、これまで全国市長会や県市長会、県市意見交換会などを通じまして要望等を行ってきたところでございます。今後も国や県の動向を十分注視するとともに、市民福祉の向上と市勢の発展という観点から、あらゆる機会を通じて国や県に強く働きかけてまいりたいと考えております。
少子高齢化の急激な進行、厳しい財政環境など社会経済情勢が大きく変化する中、本市の活力を将来にわたり維持するとともに、市民の皆様が生涯を通して安心して生き生きと暮らせるよう、第五次総合計画の後期基本計画素案においては、子育てに対する経済的支援や生活困窮世帯の就労活動支援などを盛り込むとともに、若者の定着や雇用機会の拡大などを目指す“未来の担い手”若者応援プロジェクトや健康寿命の延伸や良好な医療・介護サービスの提供などを目指す“健「高」医「良」”元気創造プロジェクトなどのリーディングプロジェクトに取り組むことといたしております。これらの取り組みを初め、後期基本計画に掲げる各種施策を着実に推進し、豊かさ実感都市の実現を図ってまいりたいと考えております。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
参議院選挙では、国民を守ることが国の責務と強弁し、戦後半世紀以上、集団的自衛権は憲法九条のもとでは行使できないとした政府見解を百八十度変え、憲法違反と指摘されても数の力で安保関連法制を強行した安倍自公政権に、立憲主義の危機に直面した国民は主体的な運動で野党に結束を求めました。また、県知事選では、国の言いなりに原発を強引に推進してきた前知事に県民から退場の審判が下されました。今、政治を変えようと自分の頭で考え、行動する市民の運動が鹿児島でも変化をつくり出しています。
森市長は、国や県の政治について喫緊の課題についてはその動向を見守るという立場に終始し、特に、憲法違反と指摘されている安保関連法制についても憲法を遵守する立場から明確な発信はありませんでした。また、社会保障についても消費税増税など市民が負担増にあえぐ中、高齢者福祉センターの浴室使用料の新設など市独自の新たな負担増にも踏み出した四年間でした。政策の具体についてはさまざまな課題について今回の質疑でも実現についての姿勢をただしてまいります。
十一月の市長選では、私どもも憲法を守り市政に生かしていく、国や県の政治にも市民の立場からはっきり意見を表明する、市民の命、暮らし、平和を最優先で大事にする。そのような鹿児島市政を目指して全力で取り組む決意を申し上げ、この質問を終わります。
新しい質問に入ります。
こども医療費助成制度について、病院窓口での無料化を公約に掲げる三反園 訓鹿児島県知事の誕生と、市長選を前にこの制度のさらなる充実に対する姿勢を以下伺ってまいります。
質問の一点目、こども医療費の窓口無料を公約する知事が誕生したことへの市長の感想をお示しください。
質問の二点目、本年八月五日、鹿児島県市長会が県知事に提出した要望内容と感触をお示しください。
以上、答弁願います。
[市長 森 博幸君 登壇]
◎市長(森博幸君) こども医療費助成制度につきましては、これまでもより利便性の高い現物給付方式を導入するよう、県市長会等を通じて県に対し要望してきたところでございますが、本年八月五日に改めて三反園知事に要望書を提出したところでございます。知事は窓口での一時払いを完全ゼロにすることを公約に掲げておられますことから、今後、県から具体的な内容が示されるものと考えております。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
私ども日本共産党は、三反園知事に対しても、市民のためにならないものについては問題提起し反対もしていく。市民のためになるものについては協力して推進していくという立場です。同制度の充実については、私ども日本共産党としても、知事が今月十四日の就任後初となる所信表明の中で、こども医療費助成については市町村や関係機関と協議しながら充実に向けて検討を進めてまいりたいと述べられていることから、本市にイニシアチブを発揮していただき、早い段階で実現できるよう力を尽くす決意です。
そこで、次に、こども医療費の窓口無料化を実現させるために本市が先行、充実させることについて以下伺います。
質問の一点目、都道府県段階で償還払い、つまり、医療費を病院窓口で一旦支払う立てかえ方式であっても独自で現物給付に取り組む中核市の数と都市名をお示しください。
質問の二点目、県に先行して現物給付方式を実施した中核市の数と都市名をお示しください。
質問の三点目、償還払いと現物給付を自治体が選択できる併用方式の熊本県の基本的な考え方をお示しください。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) お答えいたします。
都道府県の償還払い方式に対し独自で現物給付方式を実施している中核市は、函館市、旭川市、川越市、越谷市の四市でございます。
また、県に先行して現物給付方式を実施した中核市は、福島市、高槻市、枚方市、高松市、長崎市の五市でございます。
また、熊本県の併用方式は、市町村の判断により償還払い方式と現物給付方式を選択できるものでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁から示されるように、立てかえ払いか病院窓口で無料にするかは、本来、自治体独自で判断できることであり、条例上も県ではなく市の条例の中に給付方法が規定されていることからも間違いありません。鹿児島県は伊藤前知事のもとで、現物給付実施について県市長会や鹿児島市議会での全会一致の意見書に背を向けるだけでなく、現物給付に独自に取り組む自治体は県の制度から外し補助金を出さないとの姿勢だったため、独自で実施する道も閉ざされていました。しかし、現在、こども医療費助成制度について、病院窓口での無料化を公約に掲げる知事が誕生し、国において現物給付の実施に伴う国保会計への減額調整、いわゆるペナルティーの廃止、見直しが年末をめどに検討されていることからも、次期市長の四年間で必ず突破しなければならない課題だと考えています。
市長選への立候補を明らかにされた森市長におかれては、中学校卒業まで病院窓口で立てかえ払いのない無料の制度の実現を公約する考えはないものか見解をお示しください。
以上、答弁願います。
[市長 森 博幸君 登壇]
◎市長(森博幸君) 私はこれまで、「子育てをするなら鹿児島市」を目指し、こども医療費の助成対象を中学三年生まで拡大するなど、安心して子育てができる環境づくりに積極的に取り組んでまいりました。現物給付方式の導入につきましては、先ほども申し上げましたが、今後、県から具体的な内容が示されるものと考えておりますことから、県の動向を注視してまいりたいと考えております。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
確かに、知事の公約では対象年齢など具体的な内容はまだ明らかではありませんが、県市長会としては、中学校卒業まで病院窓口で無料の制度を県に要望されています。県の制度の内容がどのようなものであれ、本市は独自にでも中学校卒業まで無料を目指していく、それを約束できる市長候補を私どもとしては応援したい。そのことを申し上げて、この質問を終わります。
新しい質問に入ります。
認可外保育施設が認可化された場合の在園児の取り扱いについて、市民から市議団に相談が寄せられていることから、その対応について、以下伺ってまいります。
質問の一点目、平成二十七年一月の国からの事務連絡、「保育所や認定こども園を現に利用している児童の取り扱いについて」の内容と事務連絡以前の本市の取り扱いをお示しください。
質問の二点目、事務連絡以降、本市で認可外保育施設が認可化される今後の見通しをお示しください。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 国の事務連絡では、認可外保育施設を利用している児童について、当該施設が保育所等に認可された場合、安定した環境で子供の心身の健全な発達を促す観点から、児童が現在利用している施設を継続的に利用することに配慮することが望ましいとされております。
本市におきましては、この通知以前の平成二十六年四月に認可外保育施設から認可保育所に移行した例がありますが、その際は通常と同様の選考を行ったところでございます。また、認可外保育施設の認可保育所への移行につきましては、来年四月に三カ所が予定されております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
国からの通知では、保育所や認定こども園だけでなく、認可外保育施設を認可化した場合の在園時の取り扱いについて、安定した環境で子供の心身の健全な発達を促す観点から、市町村は現在利用している施設を継続的に利用することを保障することが適当としています。この事務連絡以降、本市でも認可化の見通しがあることから、これまでなかった継続利用の具体的運用が求められます。
質問の三点目、他の中核市での事務連絡の具体的な運用事例をお示しください。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 本市を除く中核市四十六市のうち、認可外保育施設から認可保育所に移行した事例は二十四市あり、利用定員の範囲内で継続利用させるが十七市、調整点数を加点し、利用調整をしているが五市、配慮なしが二市となっております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
認可外保育施設から認可保育所に移行した事例がある中核市では、多くの自治体が保育の支給認定を受けることを原則としながらも、利用調整を行わず引き続き利用できる運用をしていることが明らかになりました。私どものもとに寄せられた相談も、負担が多少ふえたり、利用の仕方が変わっても先生方やお友達と一緒に卒園まで通わせてあげたいといった保護者の方であり、この保育園に通う多数の家族が継続利用を望んでおられます。また、園も信頼関係を築いてきた児童や保護者のために何とかできないものか苦慮されておられます。
そこで、本市でも原則は保育認定としても希望する児童は継続入所を認めることを検討すべきです。十一月には新年度の申し込みも始まることから今後の見通しも含めて見解をお示しください。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 在園時の継続利用の取り扱いにつきましては、国の事務連絡の趣旨や他都市の状況などを踏まえ今後検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
ぜひ、園と保護者が築き上げてきた信頼関係が今後の保育にも生かされるよう、保育認定を受ければ利用調整を行わずに継続利用できる運用の実現を強く要請し、この質問を終わります。
新しい質問に入ります。
人間らしく働くことができるルールづくりについて、本市の入札・契約のもとでの労働者の賃金と労働環境の改善を求める立場から、以下伺ってまいります。
まず、本市の入札・発注した事業について、後ほどおただしする毎月勤労統計調査が平成二十二年度を基本に指数を算出していることを踏まえておただしします。
質問の一点目、建設工事の発注件数と、そのうち総合評価落札方式による一般競争入札の件数を平成二十二年と二十七年を比較してお示しください。
質問の二点目、この間の総合評価落札方式、品確法、入契法の改正などの取り組みの推移と効果をお示しください。
質問の三点目、労働環境に係る調査票について、平成二十七年度の受注業者からの提出件数、そのうち、疑義があり聞き取り調査を行った数と主な事例、調査票の提出を求めることでの効果の認識を改めてお示しください。
以上、答弁願います。
◎企画財政局長(秋野博臣君) お答えいたします。
建設工事の発注件数と総合評価落札方式による一般競争入札の件数を平成二十二年度、二十七年度の順で申し上げますと、一千七百十一件、九件、一千二百六十九件、五十六件となっております。
また、この間の主な取り組みといたしまして、二十四年度には一般競争入札の対象拡大や指名業者名の事後公表、二十五年度には最低制限価格等の見直し、二十七年度には品確法等の改正に基づき入札時の工事費内訳書の提出義務化等を実施してきたところであり、これらによりダンピング受注の防止や工事の品質確保等に効果があったものと考えております。
次に、労働環境に係る調査票の二十七年度の提出件数は一千五百八十七件、うち四件で時間外労働の手続等の聞き取り調査を行っております。この調査によりまして受注者の意識が高まるとともに、適正な労働環境の確保につながるものと考えております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) お示しいただいた本市での取り組みが労働者の賃金、その他の労働条件、安全衛生、労働環境の改善にどのような影響を与えているのか。
次に、鹿児島県の設計労務単価と毎月勤労統計調査における労働環境について建設業を例に以下伺ってまいります。
質問の一点目、特殊作業員、普通作業員、軽作業員の設計労務単価について、平成二十二年と二十七年の金額の比較と上昇率をお示しください。
質問の二点目、本県の毎月勤労統計調査における建設業の平成二十七年度の実質賃金指数、総実労働時間指数、所定内労働時間指数、所定外労働時間指数について、事業所規模五人以上と三十人以上をそれぞれお示しください。
以上、答弁願います。
◎企画財政局長(秋野博臣君) 公共工事設計労務単価を特殊作業員、普通作業員、軽作業員の順に申し上げますと、平成二十二年度が一万七千四百円、一万二千八百円、一万二百円、二十七年度が二万円、一万四千七百円、一万二千四百円となっており、一五%から二二%の増となっております。
次に、二十七年の県の毎月勤労統計調査では、二十二年を一〇〇として指数を示しており、建設業の事業規模五人以上、三〇人以上の順で申し上げますと、実質賃金指数は一〇二・二、九一・〇、総実労働時間指数は一〇〇・二、九五・六、所定内労働時間指数は一〇一・〇、九九・八、所定外労働時間指数は八六・一、五四・八でございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
質疑の冒頭でお示しいただいたように、建設工事の発注減で所定外労働時間が大幅に減少し、実質賃金も微増か減少となっていますが、同調査では残業を除いた所定内給与も示しており、その指数は事務所規模五人以上が一〇四・八、三十人以上が九五・〇となっており、設計労務単価が一五%から二二%の伸びとなっていることを踏まえた場合、適正に反映されているのか疑問があります。
質問の三点目、これらの指数を踏まえて、設計労務単価が適正に反映していると言えるのか、当局の見解をお示しください。
以上、答弁願います。
◎企画財政局長(秋野博臣君) この調査は民間工事も含まれるので、その影響などもあるのではないかと考えております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
確かに毎月勤労統計調査は県全体、民間を含めてのものですので、当局が指摘されるようなこともありますが、では、本市が発注している建設工事や労働環境に係る調査票の対象事業で労働者に実際支払われた賃金について当局は把握しておられるのか、把握しておられたらお示しください。
以上、答弁願います。
◎企画財政局長(秋野博臣君) 賃金につきましては、基本的には関係法令に反しない範囲において労使間で決定されるものであり、本市では把握していないところでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
把握はしておられないとのことです。本市議会ではこれまでも公契約条例の提案も各面から論議されていますが、本市が独自に実施している労働環境に係る調査票を建設や委託等にも広げるなど、実際に支払われた賃金をチェックしていくことが品確法、入契法の改正の趣旨を実効あるものにしていくことにつながるのではないでしょうか。
これまでの質疑を踏まえて、実際の労働者の賃金に設計労務単価等が適正に反映されているのかチェックする仕組みづくりが必要と考えますが、当局の見解をお示しください。
以上、答弁願います。
◎企画財政局長(秋野博臣君) 本市では、資格審査や契約の際に労働保険加入状況の確認、下請契約に当たり留意すべき事項の通知、労働環境調査などを行っており、適正な労働環境の確保に努めておりますので、おただしの件については現在のところ考えていないところでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
現在のところ考えていないとのことでしたが、本市の取り組みで市民が人間らしく働けるルールを確立し、賃金を上げていくことが豊かさを実感していただくとともに、地域経済の活性化を図ることにつながるのではないでしょうか。間違っても本市発注の事業が官製ワーキングプアの温床とならないよう実態をチェックする仕組みづくりが必要ということを強く申し上げ、この質問を終わります。
新しい質問に入ります。
九月中にも実施方針が策定される予定のバイオガス施設について、これまでの問題提起を踏まえて、以下、改めて伺ってまいります。
まず、本市がモデルとしてきた南但クリーンセンターの運営上の課題について、一点目に、ごみ減量政策、事業系ごみの分別が悪いことが原因で破砕選別機の故障を防ぐため投入量が減少しており、発電量の低下につながり、売電収入が経常的な赤字になっている。
二点目に、ランニングコストがバイオガス施設以前の施設より大幅な増加となっており、特に、修繕費が増加するなど最新鋭の施設ゆえの想定外のコストがかかっている。
三点目に、実際起こり得る危険を想定できず、使い捨てライターが原因で深刻な爆発事故を起こした。
四点目に、運営費用を全額自治体が負担する民営化案が出され、情報公開、議会のチェックが困難になりつつある。
以上、四点についての当局の認識をお示しください。
以上、答弁願います。
◎環境局長(山口順一君) お答えいたします。
南但クリーンセンターによりますと、ごみの投入量については特に変化はなく、売電収入については、昨年度までは電気料金を下回っていましたが、今年度は発電設備の機能改良により同額程度となる見込みとのことです。
ランニングコストの増については、人件費や薬品費の増加、焼却灰の再資源化による費用の追加など、ごみ処理のシステムが変わったことが要因であるとのことです。
爆発事故については、燃やせるごみに大量に混入していた使い捨てライターのガスが破砕選別装置内で引火爆発したものと推定されるとのことで、換気用の空気を吹き込む設備を増設するなどの対策を行ったとのことです。新南部清掃工場の整備に当たりましては、爆発防止の観点からも対応を図ってまいりたいと考えております。
施設の運営につきましては、一部事務組合で行われており、今年度から運転管理業務を委託したとのことですが、情報公開等についてはこれまでと同様とのことでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
認識が一致しない部分もありますが、最新鋭の施設ということで思うように設備が稼働しないこと、事故やガス規制の変更に対する対応など、当初想定していなかった支出が大きな自治体負担となっていることなどが南但広域議会において報告、指摘がなされています。
また、本市は、建設から運営まで同事業者に発注するDBO方式を予定していることからも、情報公開、議会のチェックに対する透明性の確保やメーカーの思いのままの運営で自治体は長期にわたって際限のない支出増を迫られることも懸念されます。
次に、新南部清掃工場のごみ焼却施設、バイオガス施設の整備基本設計について、以下伺ってまいります。
質問の一点目、概算建設費について、ごみ焼却施設、バイオガス施設の内訳をお示しください。
質問の二点目、現在の財源計画とバイオガス施設を建設しなかった場合の試算をお示しください。
質問の三点目、二十五年間のライフサイクルコストの試算について、総額、ごみ焼却施設、バイオガス施設の内訳、バイオガス施設を建設しない場合のライフサイクルコストをそれぞれお示しください。
以上、答弁願います。
◎環境局長(山口順一君) 新南部清掃工場の概算建設費は基本計画時点で申し上げますと、ごみ焼却施設約百二十六億円、バイオガス施設約三十八億円の総額約百六十四億円となっております。なお、基本設計では施設ごとの内訳は算出しておりませんが、総額で約百七十八億円を見込んでおります。
財源につきましては、国の循環型社会形成推進交付金と一般財源を見込んでおります。また、バイオガス施設を建設しなかった場合の概算建設費は基本計画時点で約百四十九億円となっております。
二十五年間のライフサイクルコストは、基本計画時点で申し上げますと、バイオガス施設を建設した場合は、ごみ焼却施設と一体的に建設・運営することになり、内訳は算出しておりませんが、総額で約二百三十九億円、バイオガス施設を建設しない場合は約二百三十四億円と試算しております。なお、基本設計では、バイオガス施設の建設・運営を含め総額で約二百六十八億円を見込んでおります。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
整備基本設計段階で詳細な内訳は行っていないようですが、その前に示された基本計画段階と比べると、概算建設費が十億円増加、二十五年間のライフサイクルコストでバイオガス施設を建設しない場合は約五億円支出を抑えることができることがわかりました。
冒頭にただした南但クリーンセンターでは、当初四億円程度を見込んでいたランニングコストが五億五千万円と大幅に増加している実態があり、見込みや想定が大変難しい事業であることが言えると思います。
質問の四点目、南但クリーンセンターの運営の実情を踏まえて、ライフサイクルコストの試算については見方が甘いのではないかと考えますが、当局の見解をお示しください。
以上、答弁願います。
◎環境局長(山口順一君) 新南部清掃工場においてはDBO方式での事業実施としており、発注に向けて複数のプラントメーカーの見積もりを参考に民間によるコスト削減効果を加味し、建設・運営等の経費を積算してまいりたいと考えております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
DBO方式については今後改めてただしてまいりますが、この方式もPFIの一方式であり、本市では鴨池公園水泳プールでしか経験しておりません。また、経費削減効果であるバリュー・フォー・マネーも事業が終わるまで検証できない状態です。この点からもライフサイクルコストはもっと厳しく検証すべきということは指摘をしておきます。
この質問の最後に、平成三十年度までに一日当たりの家庭ごみの量を一人当たり百グラム減量していく新たな方針のもと、ごみがなければ稼働しない、技術的にも成熟していない大規模施設建設は矛盾するのではないかと考えますが、当局の見解をお示しください。
以上、答弁願います。
◎環境局長(山口順一君) 新南部清掃工場に整備する乾式のバイオガス施設は、南但クリーンセンターや防府市クリーンセンターで稼働しているほか、京都市でも整備中など複数の実績がございます。今後、ごみの減量化、資源化の取り組みや人口減少などによりごみ量が減少することが予想されますが、本市では現在、燃やせるごみが一日約七百トンであり、バイオガス施設の日量六十トンは十分確保できる見込みであることから、施設の稼働に影響はないものと考えております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
私ども党市議団は、かつて、北部清掃工場で約十八億円をかけて建設された灰溶融固化施設が一年度当たり二億八千万円の維持管理費で五年間運営された結果、技術的な問題から国との協議を経て休止状態になっている事例も挙げ、バイオガス施設がその二の舞になるのではないかと問題提起をしてまいりました。財政状況が厳しい中、あえて建設せずに福祉の財源にしていくという選択もあるのではないでしょうか。そのことを指摘し、今後も機会あるごとに質疑を交わしていくことを申し上げ、この質問を終わります。
新しい質問に入ります。
昨年度から生活保護利用者全てに対して年一回の資産調査が実施され、利用者に不安を与えていることから、資産調査の生活保護法との整合性と今後の本市の対応を明らかにする立場から、以下伺ってまいります。
本市は昨年度、政府が示した年一回の資産調査の方針を受けて、独自に一年間の通帳の写しの提出を全利用者に求めたため、行き過ぎた対応と指摘し、中止を求めていたことから、今年度、本市はどのような資産調査を行うのか、その内容についてお示しください。
質問の一点目、昨年度からの変更点とその理由。
質問の二点目、資産の確認は今回も全ての生活保護利用者に対して行うのか。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 生活保護の資産調査につきましては、二十七年度は一年分の預貯金通帳の写しを提出していただきましたが、本年度は国の通知により残高が一定額以下の場合には目視による確認もできるようにいたしました。
なお、調査は全ての生活保護受給世帯を対象としております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
一年間の通帳の写しの提出はなくなったようですが、生活保護利用者全ての通帳等を目視で確認するとのことです。
本年三月二十二日の参議院厚生労働委員会で、私ども日本共産党の国会議員がこの資産調査についての質疑を行っていますが、ケースワーカーが財布の中身を見せるように迫る事例や一年間の通帳の写しを提出させる自治体が出てきた事例を挙げ、利用者の方が驚きとともに大変傷ついた声やプライバシーと自己決定権侵害の問題として中止を求める声が上がっていることを紹介しました。
次に、生活保護法と資産調査の整合性について伺います。
質問の一点目、生活保護法第六十一条は、「被保護者は、収入、支出その他生計の状況について変動があったときは、速やかに保護の実施機関または福祉事務所長にその旨を届け出なければならない」となっていますが、変動がないにもかかわらず、機械的、定期的に届け出る義務を課すものか。
質問の二点目、生活保護法第二十八条第一項は、「保護の実施機関は、保護の決定もしくは実施のため必要があると認めるときは要保護者の資産及び収入の状況、当該要保護者に対して報告を求めることができる」となっていますが、実施機関の一般的、抽象的な調査権限を認めるものか。
質問の三点目、生活保護利用中の預貯金の取り扱いについての厚生労働省通知及び判例における考え方をお示しください。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 生活保護法第六十一条の規定は、生活保護受給者に収入等の変動や世帯構成の異動があったときなどに届け出るよう義務づけているものであり、同法第二十八条は、不正受給の疑いがある場合などに実施機関が生活保護受給者に報告を求め、または調査することができることを定めております。
保護費のやりくりによって生じた一定額以上の預貯金等につきましては、国の通知や判例により使用目的が生活保護の趣旨目的に沿うものか個別に判断し、対応をしているところでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
生活保護法は、前回の資産調査のような機械的、定期的かつ一般的、抽象的な調査を認めていないということが当局の答弁からも明らかです。また、調査によって預貯金を確認しても法の趣旨に反するものや余りにも多額でない限り不正受給でもなく保有を認められるものです。
では、生活保護法と資産調査の整合性を踏まえて、昨年度、本市が行った一年分の通帳の写しの提出は行き過ぎた対応だったのではないかと考えますが、当局の認識をお示しください。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 資産調査は国の通知に基づき二十七年度から行っておりますが、少なくとも十二月ごとに調査を行うようにされていたことから、一年分の通帳の写しの提出を求めたところでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
当局は国の通知に明確な実施方法が示されなかったことを理由に挙げられましたが、結果として、中核市では四市しかこのような対応をせず、国会でもプライバシーと自己決定権を侵害された事例として紹介され、現在の通知が出された経過があります。今後も年一回の資産調査が行われる以上、何をもってプライバシーや自己決定権の侵害となるのか認識を持っていただかなくてはなりません。
そこで、再質問をいたします。
昨年度実施した一年間の通帳の写しの提出は行き過ぎた対応と認めるのか認めないのか。大事な問題ですので端的にお答えください。
答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) ただいま申し上げましたとおり、国の通知に基づき行っておりますことから、行き過ぎた対応とは考えていないところでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
その姿勢は、今後の資産調査で利用者との信頼関係を損なう新たな問題を惹起しかねないということは厳しく申し上げておきます。
これまでの質疑を踏まえて、今後の資産調査における本市の考え方について伺います。
質問の一点目、他の中核市はどのような対応をしているのか、状況をお示しください。
質問の二点目、プライバシーや自己決定権の侵害に対する配慮、保護の停・廃止について本市の考え方をお示しください。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 本年度の他の中核市の状況につきましては、今後調査したいと考えております。
資産調査に当たりましては、今後とも国の通知に基づき生活保護受給者に配慮しながら適切な助言等を行い、対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
昨年度、国の通知に対して早々に独自の調査を行い、利用者との信頼関係が損なわれるような対応がなされたことを踏まえても、他都市の対応、特にプライバシーや自己決定権の侵害に対してどのような配慮が行われているかしっかりと把握してください。強く要請いたします。
今年度の利用者全てに目視を行うことも生活保護法の趣旨に反するものと考えることから、国におかれてはこのような資産調査はやめるべきということを強く申し上げ、この質問を終わります。
新しい質問に入ります。
本年九月一日に更新した鹿児島市指定緊急避難場所の更新を踏まえて、災害に強いまちづくりを求める立場から、以下伺ってまいります。
質問の一点目、鹿児島市指定緊急避難場所の平成二十八年九月一日更新の内容と数の変化をお示しください。
質問の二点目、松元地域仁田尾中自治公民館の指定を外した理由と背景をお示しください。
以上、答弁願います。
◎市民局長(中薗正人君) お答えいたします。
指定避難所につきましては、松元地域の仁田尾中自治公民館にかわり、本年九月一日付で県立松陽高等学校を新たに指定しましたが、指定避難所の数は二百四十で変更はございません。
仁田尾中自治公民館は、取りつけ道路の幅が狭く、駐車スペースも少ないことから、周辺自治会長の同意を得た上で指定避難所を解除したところでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
本年九月一日の更新の内容をお示しいただきました。
仁田尾中自治公民館周辺の方から、これまで指定されていた身近な公民館の指定を松陽高校に移すことになったと聞きました。松陽高校に避難するには横断歩道のない県道を越えていく必要もあり、距離も遠く、みんなは納得したのだろうかと相談がありました。周辺自治会長には同意をしていただいたとのことですが、公民館にこれまでどおり周辺住民が避難してきた場合は町内会で対応することになったとお聞きしています。それでは、指定の有無で災害時にどのような影響があるものか。
質問の三点目、災害時の指定緊急避難所での本市の対応をお示しください。
以上、答弁願います。
◎市民局長(中薗正人君) 指定避難所では、本市職員が避難所班員となり、避難者の台帳を作成するなどの管理を行うほか、必要に応じて備蓄品や支援物資を配布するなどの活動を行うこととしております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
指定緊急避難所では、災害時、市の職員が中心となってさまざまな運営がなされますが、今後、仁田尾中公民館では町内会任せになってしまいます。災害時みずからも被災者となる場合が多い中、安全で安心な避難所の運営が保障されるでしょうか。私は指定を移したことを問題視しているのではなく、なぜ、仁田尾中公民館の指定をそのままに新たに松陽高校を指定し、避難場所をふやす対応がなされなかったのかが疑問です。
質問の四点目、指定緊急避難場所をふやすことへの本市の基本的な考え方をお示しください。
以上、答弁願います。
◎市民局長(中薗正人君) 指定避難所をふやすことについては、対応できる職員数に限りがあることなどから現在のところ考えておりませんが、熊本地震の例もあるので検討すべき課題であると認識しております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
私どもの会派のたてやま議員が先日、本市が正規職員を減らし、非正規雇用に置きかえてきた問題点をただしましたが、災害対応という最もマンパワーが必要な場面で弊害が発生しかねないということは厳しく指摘いたします。
これまでの質疑も踏まえて、災害時、仁田尾中公民館に避難する方がいた場合、本市としても対応すべきと考えますが、当局の見解をお示しください。
以上、答弁願います。
◎市民局長(中薗正人君) 大規模災害時には指定避難所以外にも多くの方が避難することが想定されることから、熊本地震の対応事例等も参考に検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
検討されるとの答弁でした。
今答弁された熊本の例では、ほかにも指定避難所自体が地震で被害を受け、使えなくなるなど課題もありました。安全な避難場所がたくさんあり、その上、市の職員が責任を持って運営していただくことが災害時の市民の安心安全につながりますので、早急な検討と具体化がなされるよう当局に要請し、この質問を終わります。
新しい質問に入ります。
昨夜は久しぶりの台風通過となり、被害等が出なかったのか心配をいたしておりますが、風水害については私ども党市議団にも、側溝から水があふれるとの相談が数多く寄せられています。
今回は県道鹿児島吉田線の雀ケ宮交差点から滝之神浄水場間の本年七月二十日の大雨での現状を踏まえて、抜本的な側溝整備を求める立場から、以下伺ってまいります。
まず、この写真をごらんください。これは本年七月二十日の五時ごろ、吉野の雀ケ宮交差点で、大雨で側溝から水があふれ、川のように流れているところを乗っていた原付をおり、携帯電話のカメラで撮影した写真です。車のバンパーが水をかくほどの水かさで、私も足首はすっかり水につかりながら撮影しました。反対側の側溝からも水が吹き出ている状況が見受けられます。市内から吉野に上がっていく側の県道は滝之神浄水場付近から雀ケ宮の交差点まで左車線は川のようになり、通行することが困難になります。こちらは、もう少し下流の写真です。
そこで質問の一点目は、このような大雨時の県道の状況を当局は把握しておられるか。把握しておられれば、その状況をお示しください。
質問の二点目、本年七月二十日の本市での降水量は七月中で何番目かお示しください。
以上、答弁願います。
◎建設局長(鮫島健二郎君) お答えいたします。
大雨時には雀ケ宮交差点付近などにおいて側溝から水があふれている状況を把握しております。また、七月二十日の降水量は、鹿児島地方気象台によると、本年七月中で多いほうから六番目となっております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
七月二十日は、同月中に降った雨の量では六番目で、鹿児島地方気象台の月報を見ますと、降水量は二十三・五ミリであり、一番多く降ったのは七月八日の百六十二・五ミリでした。降水量はそこまで多くなかったにもかかわらず、このような状況になっていることをお示しいただきました。
吉野地域は土地区画整理事業や市街化調整区域の規制緩和による開発で大雨のときに側溝から水があふれる箇所がふえているようですが、原因はそれだけではありません。
質問の三点目、雀ケ宮交差点を中心にした側溝の規格はどうなっているのかお示しください。
質問の四点目、一般的に長距離の下り坂となる側溝はなるべく直線で下流に行くほど水が流れ込むため広く大きくしなければならないと考えますが、このような側溝で配慮されるべきことは何かお示しください。
以上、答弁願います。
◎建設局長(鮫島健二郎君) 県によると、断面は、上流側が幅五十センチ、深さ七十センチで、下流側は一部市道側へ排水している状況があり、幅四十センチ、深さ五十センチであるとのことでございます。
道路側溝は、一般的に上流側に比べて下流側の断面を大きくしており、長い下り坂で配慮していることは流速の低減や流れを阻害するような急激な形状の変化などでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁でお示しいただいたとおり、雀ケ宮交差点を中心に下流側の側溝の容量が小さいものになっています。この交差点には水を逃がす流末水路も市道側に設置されていますが、それを上回る水の量となっていることが冒頭紹介した写真でも明らかです。
また、下流側、滝之神浄水場の手前で大きくカーブしていることも流れを阻害する一因ではないかと考えます。
この質問の最後に、県道鹿児島吉田線は、本市地域防災計画において、災害救助を実施するのに必要な要因及び物資の輸送を迅速かつ的確に行うための緊急輸送道路として位置づけられているとともに、市役所本庁が被災し機能できなくなったとき吉野支所を代替施設とすることからも、これまで吉野地区土地区画整理事業による県道の拡幅などその役割が果たせるよう整備を求めてきました。
このような役割のある道路、とりわけ吉野方面に上がる道路が雨のたびに一車線通行できない状況になることは極めて大きな問題です。県道鹿児島吉田線の抜本的な側溝整備を県に求めるべきと考えますが、当局の見解をお示しください。
以上、答弁願います。
◎建設局長(鮫島健二郎君) 排水処理については、機能の改善に向けて県に要請してまいりたいと考えております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
前向きな答弁と理解いたします。
また、本市地域防災計画における他の緊急輸送道路が大雨等の災害の中、適切に機能するかについても実態を調査し、国や県に整備を求めることも必要ということをあわせて申し上げ、以上で、私の個人質疑の全てを終わります。
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