◆(園山えり議員) 日本共産党市議団の一人として個人質疑を行います。
 まず初めに、九州電力川内原発についてお聞きいたします。
 十二月八日、九電は、川内原発一号機の定期検査を終えたとして再稼働いたしました。新規制基準に適合後の再稼働は川内原発が全国で初めてで、定期検査後再稼働するのも川内原発が全国で初めてとなりました。十一月二十三日には、ストップ川内原発!三・一一鹿児島集会実行委員会の呼びかけで、全国集会が鹿児島市で開催され、二千人の市民が川内原発を二度と動かさないと声を上げ、私もその一人として市街地をパレードしてまいりました。十二月に入り、県庁や川内原発のゲート前では、連日、再稼働に反対する集会が繰り広げられています。私は命と暮らしを脅かす原発は今すぐ廃炉を決断し、再生可能エネルギーへの転換を目指す立場で、以下質問をいたします。
 まず、全国の原発や川内原発をめぐる現状について市長の見解をお伺いいたします。
 質問の一点目、十一月二十二日早朝、福島県沖において発生した地震により、震度五という大きな揺れが福島を含む東北を襲いました。この地震で福島第二原発の三号機では、冷却プールの水面が激しく波打ついわゆるスロッシング現象が起き、使用済み核燃料を冷やすためのポンプが自動停止するトラブルが発生しました。敦賀原発二号機では、放射性物質を含んだ一次冷却水が作業員にかかる事故が起き、福島第一原発三号機では、溶けた核燃料を冷却する注水が停止したなど、原発をめぐるトラブルが相次いでいます。この状況をどう認識しておられるのかお示しください。
 質問の二点目、九電は当初申請していた免震重要棟から耐震構造に変更いたしました。十一月三十日に原子力規制委員会はこの変更を適合としましたが、同委員会の姿勢も住民の安全をないがしろにしたもので、容認できるものではありません。再稼働前の住民説明会で九電は、免震重要棟をつくるので安心してくださいと説明を繰り返してきましたが、住民との信頼を裏切る行為であり、住民の皆さんの不安も大きくなっています。そのことについての見解をお示しください。
 質問の三点目、新知事は、原子力問題検討委員会を県庁内に恒久的に設置すると公約し、開会中の第四回県議会に同検討委員会の関連予算案を提案しました。知事の提案理由説明において、原子力発電の安全性の確認、避難計画の検証など原発に関する諸課題について、技術的、専門的見地から意見・助言をいただく原子力工学や地震学、放射線防護、防災関係などの有識者による検討委員会を設置することとし、九州電力から提出される特別点検の結果報告について、この検討委員会において、検証、確認していただき、その結論を踏まえた上で、どのような対応が必要か総合的に判断すると述べています。この検討委員会についてどのような評価をしておられるのか。また、九電は同委員会の審査を待たずに再稼働しましたが、どのような見解かお示しください。
 以上、答弁願います。
◎市民局長(中薗正人君) 原発に関しましては、住民の安全性を確保することが最優先されるべきであると考えており、お述べになられたトラブルでは人為的ミスもあったようでございますので、原子力事業者におかれましては、徹底した安全対策を行っていただきたいと考えております。
 今回の緊急時対策所における免震構造から耐震構造への変更につきまして、九州電力によりますと、耐震構造でも免震構造と同等の安全性の確保は可能で、また、耐震構造のほうが早期に運用を開始でき、安全性の向上につながるため見直しを行ったとのことであり、原子力事業者として、さらなる安全対策の充実に努めていただきたいと考えております。
 県の原子力問題検討委員会の設置につきましては、知事が県民の安心安全の観点から、原発に対する不安感を払拭するために掲げられたものであると考えております。県によりますと、安全性、避難計画などの観点で検討するものであり、今回の稼働のために設置するものではないとのことでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 原発を運転するのもマンパワーであり、その中でお述べになられた人為的ミスやトラブルが起きるのは当たり前のことです。先日、地元紙に原発事故で被害にあった浪江町の馬場町長が、再稼働は万一の時、家族がバラバラになる覚悟をと語られたと紹介されていました。まだ安全神話にすがっていないか、福島は鹿児島にそう問いかけている気がするという社説でした。まさに私たちが問いかけられていると思います。
 九電は、免震重要棟について県議会で「最後のとりで」と表現し、二〇一六年三月末までに建設すると何度も説明してきました。福島原発事故では、免震重要棟があったからこそ、大惨事といえども何とか職員がとどまり、最前線の拠点として対応することができました。あの事故から学ぶべき教訓を事前に何の説明もなく変更するというのは、住民の命を預かっている公の企業としての責任や自覚が余りにもなさ過ぎます。当局の、九電の一方的な言いわけをうのみにするこのような姿勢では市民の安全を守ることはできません。検討委員会については、一日も早い同委員会の設置を望む声が高まっています。知事は、専門的見地から安全性に問題があるとなった場合、九電に対し対応をとるという姿勢であることから、九電は検討委員会の審査を待つべきだったということを申し上げておきます。
 質問の四点目、市長は、福島原発事故も収束しておらず、トラブルも続いている原発問題について、この不安に応えるためにも、市長選挙で正面から訴え公約を掲げるべきではなかったでしょうか。市長の見解をお示しください。
 以上、答弁願います。
   [市長 森 博幸君 登壇]
◎市長(森博幸君) 園山えり議員にお答えをいたします。
 原発につきましては、これまでも申し上げてきましたとおり、再生可能エネルギーにより必要な電力が確保されるまでの間、できる限りの節電に努め、市民の日常生活や経済・産業活動に深刻な影響が出ない時点で可能な限り原発への依存を抑えていくべきであると考えており、四期目のマニフェストでも掲げたように、安定的な電力の供給に向けた再生可能エネルギーや省エネルギー技術の利用・導入に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
   [園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 川内原発から三十キロから六十キロ圏内に市民のほとんどが暮らす本市で、市長は率先して住民の不安の声に応え、市民の信任を得るべきではなかったでしょうか。私どもは、市長選で原発は直ちに廃炉にし実効性ある避難計画の見直しと安定ヨウ素剤の配布などを正面から掲げた市民の市政をつくる会の桂田みち子候補を支援いたしましたが、掲げた公約実現のためにも全力を尽くす決意を申し上げます。
 次に、原子力安全協定についてお伺いいたします。
 質問の一点目、鹿児島県と薩摩川内市が九電と結んでいる安全協定について、協定では原発周辺住民の安全の確保と環境保全に必要がある場合、県が原発の立入調査ができるとなっており、九電は適切な措置を求められた場合、誠意を持って措置すると定めています。本年、第三回県議会におきまして、我が党議員の質問に対し、県当局は、「適切な措置の中には原発の停止も含まれていると考えている」との認識を示されました。本市と九電の安全協定の前文には、県と薩摩川内市が締結している安全協定書を尊重の上、協定を締結すると示されています。本市も県と同じ認識に立たれるのかお示しください。
 以上、答弁願います。
◎市民局長(中薗正人君) 県議会における答弁に関しましては、県が九州電力と締結している安全協定書に関する県の考えを示したものであると考えております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 答弁いただきましたが、同じ認識であるかという質問には答えていただけませんでした。
 本市の協定には、県の安全協定を尊重すると示されています。今回、新たに適切な措置に原発の停止も含まれると県が認識を示した以上、同じ認識に立つべきです。そのことを指摘いたします。
 質問の二点目、本市を含む六市町、鹿児島市、出水市、日置市、姶良市、さつま町、長島町の安全協定と、いちき串木野市、阿久根市の安全協定の違いとそれぞれ締結に至った経緯をお示しください。
 以上、答弁願います。
◎市民局長(中薗正人君) 安全協定につきましては、平成二十四年七月に本市を含む六市町で九州電力に申し入れを行い、同年十二月二十七日に締結しております。いちき串木野市、阿久根市については、二十キロ圏内にあることなど、置かれた状況が異なるとして、二十五年三月二十六日に六市町とは別に安全協定を締結しております。
 それぞれの協定の異なる点については、本市が防災対策に関する県の立入検査に同行できることに対し、両市は県が実施する全ての立入検査に同行できる点やその立入検査の結果、必要があると認めた場合には、県を通じて適切な措置を講ずるよう求めることができる点などがございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 いちき串木野市と阿久根市の協定書は、適切な措置が含まれ、県を通じて適切な措置を講ずるよう求めることができるとなっています。六十万市民の命を預かる市長は、市民の安全が確認できなければどんな場合でも明確な停止を含む適切な措置を要請できるよう盛り込むべきと考えますが、市長の見解をお示しください。
 以上、答弁願います。
   [市長 森 博幸君 登壇]
◎市長(森博幸君) 本市の安全協定は、福島第一原発事故の被害が広範囲に及んだことを踏まえ、県内市町村を代表する県の協定とは別に住民の安全確保や防災対策の充実を図るために締結したものであり、措置の要請については立地自治体である鹿児島県及び薩摩川内市が責任を持って対応されるべきものと考えております。
   [園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 市長も今お述べになられたように、福島原発事故は大変広範に及び立地自治体だけの被害におさまっていないことが明らかです。今なお、八万四千人の方々が避難生活を強いられています。三十キロ圏内の市長として、県や薩摩川内市任せではなく、当事者意識をもっと自覚していただき、九電との安全協定を一層充実していく立場に立っていただきたいのです。明確な停止を含む適切な措置を盛り込んでいただくよう強く要請いたしまして、この質問を終わります。
 新しい質問に入ります。
 LGBTを初めとする性的マイノリティーの支援についてお伺いいたします。
 差別や偏見をなくそうと十二月四日から十日は人権週間でした。性的マイノリティーをめぐっては、当事者が公表しなければ事態が表面化しないために、最後のマイノリティーと言われてきました。私もきょう、レインボーフラッグと言われるバッジをつけておりますが、これは多様性をあらわす虹をモチーフとしてつくられたもので、LGBTの象徴として世界中で掲げられているものです。
 この間、報道などでLGBTという言葉をよく耳にするようになりました。二〇一五年四月からは、渋谷区で同居する同性を結婚に相当するカップルとみなして証明書を発行し、区営住宅の入居申し込みや医療機関などでの便宜を図ることなどを明記したパートナーシップ条例が施行されるなど人権問題という認識が高まりつつあります。とはいえ、昨年八月、東京の一橋大学の法科大学院の男子学生が友人にゲイであることをSNS、いわゆるソーシャルネットワークサービスで暴露され、学内で飛び降り自殺するという大変痛ましい事件も起きています。まだまだ偏見や差別がある中で、私もLGBTのことについて深く理解し、この社会に生きる仲間としてその尊厳がしっかり守られる社会をつくっていきたい、その思いで質問をさせていただきます。
 質問の一点目、LGBTとは何か、まずその定義をお示しください。
 質問の二点目、人口に占める割合と本市の推定人数をお示しください。
 以上、答弁願います。
◎市民局長(中薗正人君) LGBTとは、一般的にLが女性の同性愛者、Gが男性の同性愛者、Bが両性愛者、Tが性同一性障害で、それぞれの頭文字をとり性的少数者を指しております。
 民間会社が平成二十七年四月に全国の約七万人を対象に行った調査によりますと、全体に占める割合は七・六%であったと言われておりますが、本市における推定人数については把握できていないところでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 LGBTは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字をとったものですが、最近では、LGBTQといってクエスチョンのQ、つまり自分の性別がわからない状態のこともあるようです。これだけでも多様な性があることがわかります。推定人数は把握しておられないようですが、人口の七・六%というのは十三人に一人に上ります。これは左ききの人やAB型の人の割合にも匹敵する数字だと言われており、大変身近に性的マイノリティーの当事者が存在していることがわかります。
 次に、本市のLGBT支援についてお伺いいたします。
 質問の一点目、本市における人権問題としての位置づけと取り組みをお示しください。
 質問の二点目、相談窓口や相談員の体制、相談件数とその内容。
 質問の三点目、今後どのような課題があると認識しておられるのかお示しください。
 以上、答弁願います。
◎市民局長(中薗正人君) 本市人権教育・啓発基本計画のその他の人権問題の中で、性的指向や性同一性障害者の人権問題に対して人権教育・啓発を推進し、それらに関する知識や理解を深めるとともに、一人一人の人権が尊重されるよう努めることとしております。
 次に、相談窓口や相談員の体制等については、私のほうで一括してお答えいたします。
 本庁・各支所において、人権擁護委員等による人権全般についての人権相談を行っているほか、保健所では、医師または相談員による精神保健福祉相談において、性同一性障害などの相談を行っております。人権相談においては、性的少数者に係る相談は平成二十七年度以降寄せられておりませんが、精神保健福祉相談においては、性同一性障害についての相談が二十七年度は十一件あり、治療ができる病院や自助グループについての相談があったところでございます。
 今後の課題としましては、性的少数者が安心して暮らせるよう、また、性的少数者に対する差別や偏見をなくしていくために、さらに取り組みを進めていく必要があると考えております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 本市の人権教育・啓発基本計画では、その他の人権問題として一くくりにされているようですが、女性や子供などと同じように一つの項目に位置づけ、支援していく必要があります。
 また、相談窓口については、まだ基本的な本市での位置づけが弱いため、性同一性障害のみにとどまっており、相談窓口の周知徹底や専門の相談員の配置など、相談しやすい体制をしっかりつくる必要があります。第五次総合計画後期基本計画案に対するパブリックコメントの中にも、「人権問題の一つ、理解を促す課題の一つにLGBTによる人権が掲げられていないのは納得がいかない。性的マイノリティーに関する人権について考え、その理解を促すことは、いじめや自殺、不登校などを未然に防ぐことにもつながる」との意見があったことからも、早急にその位置づけと体制づくりをしていただくよう要請いたします。
 先日、私は当事者の方々のお話を聞く機会が鹿児島大学でありました。その方は、鹿児島県の出身で女性に生まれましたが、自認する性は男性で、幼いころから自分の性に違和感を持ち、学生時代制服を着ることが苦痛だったこと、周りの人に打ち明けるまで自分を偽って毎日苦しかったことを話してくださいました。今は性転換手術をし、戸籍を男性に変更し、男性として仕事もしながら暮らしておられます。その方は、まずこの問題を知ってほしい、そしてできることから始めてほしいと訴えておられました。
 そこで質問の四点目、当事者が利用しやすいトイレマークの導入や気軽に相談できるホームページの改善などについてです。先日、鹿児島大学にお伺いしたとき、レインボーフラッグの上に「みんなのトイレ」と書かれたマークを目にしました。男性、女性、障害者と枠を決めるのではなく、誰でも使えますよというメッセージが伝わってきて大変温かい気持ちになりました。本市でも多くの予算を使わなくても、鹿児島大学の取り組みのように、みんなが使えるトイレですというわかりやすい表示をしてみてはいかがでしょうか。
 また、性同一性障害の相談窓口について、本市のホームページを見ますと、「「性同一性障害」専用の相談機関ではありませんが、お話をお伺いしております」とだけ書いてあります。このようなことも踏まえて、すぐにでもできる改善点など、今後取り組む必要性について当局の見解をお示しください。
 以上、答弁願います。
◎市民局長(中薗正人君) 私のほうで一括してお答えいたします。
 本市が所管する施設においては、誰もが利用できる多目的トイレを設置しているところでありますので、そのわかりやすい表記や設置場所の周知に努めてまいりたいと考えております。
 また、保健所において精神保健福祉相談の一つとして性同一性障害の相談を行っておりますが、市民の方が相談しやすいようホームページの内容についても検討してまいります。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 検討していただけるとのことでしたので、ぜひ一刻も早い改善を要請いたします。
 次に、平成二十七年四月三十日付で出されました文科省の「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」の学校現場における取り組みについてお聞きいたします。
 質問の一点目、通知の内容はどのようなものかお示しください。
 質問の二点目、この通知が出されて一年以上がたちましたが、学校現場としてはどのような対応がなされたものか。また、実際に寄せられた相談があればお示しください。
 質問の三点目、今後の課題をどのように認識されておられるのかお示しください。
 以上、答弁願います。
◎教育長(杉元羊一君) お答えいたします。
 文部科学省の通知内容は、性同一性障害やいわゆる性的マイノリティーとされる児童生徒に対する相談体制を充実し、本人や保護者の意向に配慮するとともに、必要に応じて医療機関と連携するなど、きめ細かな対応を求めたものでございます。
 この通知以降、相談は寄せられておりませんが、今後、学校等に相談があった場合には、適切な対応等を行ってまいります。
 課題としましては、本人が安心して学校生活を送れるよう教職員等の理解を促し、いじめや差別を許さない生徒指導、人権教育等を推進することであると考えております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 本当は相談したくても相談できない児童や生徒がいるのではないかと推測されます。不安や悩みを抱える当事者の児童生徒が安心して学校生活を送れるよう環境づくりが求められていると思います。
 質問の四点目、性的マイノリティーへの偏見をなくそうと平成二十九年度から高校の教科書にLGBTが初めて登場することになりました。自分らしい性のあり方や多様な生き方についての本格的な教育が学校現場でも始まるところです。
 そこで、教員への徹底はどう図っていくのか。また、学校現場での今後の取り組みをお示しください。
 以上、答弁願います。
◎教育長(杉元羊一君) 教育委員会としましては、文部科学省の通知や教科書の記載を踏まえ、職員会議や研修等で教職員への周知や理解を図るとともに、校内での相談体制を充実するなど、今後とも管理職研修会等を通じて指導してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 本市の本格的な取り組みが一刻も早く開始されるよう要望いたしますとともに、性的マイノリティーの尊厳が守られる鹿児島市に向けて、引き続き取り組んでいくことを申し上げまして、この質問を終わります。
 新しい質問に入ります。
 経済格差が広がり、子供の貧困が深刻な社会問題となっている今、一日も早い就学援助制度の充実を図る立場から、本年第三回定例会に引き続き伺ってまいります。
 私は、第三回定例会におきまして、本市では七月支給になっている入学準備金を三月支給にしていただきたいと強く求めたところです。文部科学省も児童生徒が援助を必要とする時期に速やかに支給できるよう十分配慮するようにと指導しており、九州各地で補正予算を組んで三月支給が実施されていることもわかりました。
 そこで、質問の一点目、市長は入学準備金を入学前に支給すると公約されましたが、その理由をお示しください。
 以上、答弁願います。
   [市長 森 博幸君 登壇]
◎市長(森博幸君) 私は、これまでも「子育てをするなら鹿児島市」の実現に向けてさまざまな面から取り組んできたところでございますが、保護者の経済的負担の軽減をさらに進めるために、新入学学用品費の入学前支給をマニフェストの項目の一つとして掲げたところでございます。
   [園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 入学前にはランドセルや制服、体育服を初めたくさんのお金が必要です。本市では児童生徒の四人に一人が就学援助制度を利用していることからも、保護者の経済的負担のより一層の軽減に努めることが求められています。
 次に、他都市の実施状況についてお伺いいたします。
 質問の一点目、中核市で入学準備金の入学前支給を実施している自治体、また、実施予定の自治体をお示しください。
 質問の二点目、前倒しして支給する自治体はその場合の財源と予算額をどのように見込むのかをお示しください。
 以上、答弁願います。
◎教育長(杉元羊一君) 中核市四十七市のうち現時点で実施済みの市は三市で、今後実施を予定している市は五市でございます。
 実施している市では、財源は一般財源で支給対象見込み者数と支給単価から所要額を見込んでいるようでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 私も政務調査課を通じて調べたところ、中核市においては、二十九年度からの実施とそれ以降にも実施予定の自治体が七市ありましたので、答弁いただいたものと合わせて十五市は三月支給を実施、または支給予定であることがわかりました。
 次に、本市の状況についてお伺いいたします。
 質問の一点目、本市の入学準備金の支給対象の人数と支給額を小学校、中学校それぞれ直近のものをお示しください。
 質問の二点目、本市が来年三月に支給する場合、新入学生の見込み人数と予算をどう見込むのかお示しください。
 以上、答弁願います。
◎教育長(杉元羊一君) 平成二十八年度に支給した新入学児童生徒学用品費等の現時点の支給人数、支給額を申し上げますと、小学校、一千四百三十五人、二千九百三十七万四千四百五十円、中学校、一千二百九十一人、三千四十万三千五十円となっております。
 本市で二十九年三月に新入学児童生徒学用品費等を支給すると仮定した場合の支給人数、予算額を申し上げますと、小学校、約一千四百六十人、約三千万円、中学校、約一千三百八十人、約三千二百四十万円と見込まれます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 入学準備金を必要とする新入学の児童生徒が、小中合わせて二千八百四十人いることが明らかになりました。また、三月支給を実施する場合、初年度は小学校、中学校合わせて約六千万円あれば実現可能だということも明らかになりました。貧困が深刻になる中で、子供たちが安心して入学できるように、ぜひ来年の三月から支給を実施するべきと考えます。
 次に、私は前回、三月支給を実施するに当たっての課題などをお伺いいたしました。
 そこで、入学準備金の支給対象となっていた児童生徒のうち、市外へ転出した小学校一年生と中学校一年生の人数をお示しください。
 以上、答弁願います。
◎教育長(杉元羊一君) 平成二十八年度に新入学児童生徒学用品費等を支給した者のうち、七月までに市外へ転出した人数は、小学一年生二人、中学一年生三人となっております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 小学校、中学校ともそれぞれわずか二、三人しか転出していないのであれば、これは何とか対応できるのではないでしょうか。政務調査課を通じた調査によりますと、高槻市のように、入学準備金の支給後に転出した場合でも返還を求めていない自治体もあります。
 質問の四点目、他都市もさまざまな困難を乗り越え入学前支給を実現しています。来年の四月に入学予定の新一年生を対象に、来年の三月支給を実施するべきと考えますが、市長の見解を伺います。
 以上、答弁願います。
◎教育長(杉元羊一君) この件につきましては、私のほうで答弁をいたします。
 実施時期につきましては、システム改修など準備が必要なことから、二十九年三月から実施することは困難でございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 市長ではなく教育長に答弁いただきました。
 私ども市議団は、今年度から入学前支給を求めてまいりましたし、市民の会の候補も公約に掲げてきましたので大変残念です。少なくとも既に就学援助を利用している小学校六年生については、来年の三月支給は十分可能なのではないでしょうか。就学援助制度の重要な役割を踏まえて、保護者が入学準備金を立てかえなくて済むよう、来年の二月認定、三月支給の実施をするべきではないでしょうか。そのことを強く求めまして、この質問を終わります。
 次の質問は、田上小学校周辺での土地区画整理事業の検討についてお伺いいたします。
 まず初めに、市長が田上小学校周辺での土地区画整理事業の検討を公約された理由をお示しください。
 以上、答弁願います。
   [市長 森 博幸君 登壇]
◎市長(森博幸君) 私は、これからの人口減少や少子高齢化の急速な進行に適応した機能的で快適な生活環境を実現するためには、それぞれの地域の特性に応じた良好な生活環境づくりなど、質の高い機能的な都市空間を形成することが肝要であると考えております。
 そのため、田上小学校周辺においても、さまざまな課題を改善し、便利で快適な住環境を創出するため土地区画整理事業の検討を進めることといたしたところでございます。
   [園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 同地区については、市民から生活環境においての切実な要望も寄せられており、面的整備による抜本的な改善が求められることから、私どもも検討が始まることを評価したいと思います。
 私もこの田上小学校周辺の住民の方から、側溝の整備をしてほしいという相談を受けてまいりました。現地を確認しましたところ、わずか二メートルほどの道には側溝がなく、行き場のない水が道路の上を走るという状況です。水はけが悪いのでコケが生えて滑りやすい上、悪臭などにも悩まされているということでした。生活道路ですから、子供やお年寄りは滑って大変危険だということもお聞きしています。また、この道路は里道であるため、住民の方々が法定外公共物等整備の申請をしたところ、一年間で二件ほどしか予算が出ないことから、あと五年はかかると言われ、その順番を待っておられる状況です。このような現状を踏まえ、田上小学校周辺の特徴と課題についてお伺いいたします。
 質問の一点目、第五次総合計画後期基本計画案で示されている同地区の課題をお示しください。
 以上、答弁願います。
◎建設局長(鮫島健二郎君) お答えいたします。
 後期基本計画案では、同地区は生活環境の改善及び治水対策が課題となっております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 生活環境の改善、治水対策が課題であるとのことですが、小学校周辺では新川から逆流した水と山手のほうからあふれてきた水で道路が冠水し、浸水被害が出るなど深刻な状況となっています。
 次に、質問の二点目、生活環境の改善について同地区の道路等の状況と市民から寄せられている相談。
 質問の三点目、治水対策について当局が把握しておられる新川や大雨による主な浸水被害と課題、また、住民からの相談とその特徴をお示しください。あわせて、側溝の整備や新川の河川改修など今後の対策についてもお示しください。
 以上、答弁願います。
◎建設局長(鮫島健二郎君) お触れの地域は狭隘な道路が多く、一部が新川の護岸高より低い状況にございます。住民からは、大雨時に新川の水位が上昇し道路側溝への逆流により、道路が一部冠水するとの相談が寄せられております。
 治水上の課題は、河川改修が完了していないことでございます。当地域の治水対策としては、県が新川の改修に取り組んでいるほか、本市においても田上小上流域において調整池の改良や個人住宅への雨水貯留施設等の設置助成などに取り組んでおります。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 当局が述べられた現状を踏まえて、面的整備による抜本的な対策が急がれます。
 最後に、土地区画整理事業についてお聞きいたします。
 質問の一点目、田上地区においては、面的整備について議会などでもるる議論がなされてきたと思いますが、これまでの議会での議論や市民からの意見や要望をお示しください。
 質問の二点目、同地区の整備手法の検討に当たって地域住民の意見をどのように反映されるのか、当局の基本姿勢をお示しください。
 質問の三点目、今後のスケジュールについて、一刻も早く住民の皆さんの安心して暮らしたいという願いに応えるためにも、早急に検討、具体化を進めていただきたいと考えますが、ほかの土地区画整理事業の進捗との関連性はどうなるのかお示しください。
 以上、答弁願います。
◎建設局長(鮫島健二郎君) これまで議会では、過去、事業化に至らなかった経緯や新川改修、県道拡幅など計画策定上の課題、事業化の手順などについて質疑が交わされております。また、市民の方々からは、土地区画整理事業の早期着工や公園整備などの要望が寄せられております。
 検討に当たっては、住民参加によるまちづくりを進めるために、地域住民の意見等を聴取しながら、地域が抱えている問題やそれに対応したまちづくりの方向性の整理などに取り組んでまいりたいと考えております。
 現在、計画中も含め八地区で土地区画整理事業を進めていることから、これらの地区の進捗状況や残事業量などを勘案しながら、事業化の時期を検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 住民参加によるまちづくりを進めるために、地域住民の意見を聴取されるということを確認いたしました。
 ぜひその立場で地域の皆さんがこれまで長年抱えてきた浸水被害や防災の面からも安心して暮らせるよう私どもも事業の検討状況を注視し、今後も議論をさせていただくことを申し上げまして、私の全ての質問を終わります。