◆(大園たつや議員) 日本共産党市議団を代表して、ただいま上程された議案三十六件のうち、第五八号議案 鹿児島市手数料条例一部改正の件、第七八号議案 特別職の職員の給与に関する条例等一部改正の件、第八一号議案 平成二十八年度鹿児島市一般会計補正予算(第三号)、第八三号議案 平成二十八年度鹿児島市病院事業特別会計補正予算(第二号)、第八四号議案 平成二十八年度鹿児島市交通事業特別会計補正予算(第二号)、第八五号議案 平成二十八年度鹿児島市水道事業特別会計補正予算(第一号)、第八七号議案 平成二十八年度鹿児島市船舶事業特別会計補正予算(第一号)、以上七件の議案に反対する立場から討論を行います。
まず、第五八号議案 鹿児島市手数料条例一部改正の件については、平成二十九年四月一日から鹿児島市介護予防・日常生活支援総合事業が実施されることに伴い、事業所の指定及び更新に係る申請手数料を定めるものですが、以下反対の理由を申し上げます。
一点目、来年度から実施される同事業は、要支援一・二と認定された高齢者への訪問や通所などの保険給付を人員、サービス内容、利用料など全て市町村任せのサービスに置きかえるものであり、市町村の財政によっては質が現行の水準を担保されないなど問題がある事業の準備であること。
二点目、金額については、新規四千円、更新二千円となっており、県から事業が移行された当時の金額をそのまま根拠とされていますが、他都市においてはこのような手数料を設定しない自治体もあること。
三点目、本市で同事業に参入しようとする事業者は既に介護保険制度で何らかの事業を行っているみなし指定の三百六十六件を含む事業者が介護報酬の減少等で厳しい運営となっている中、改めて新規・更新の費用を負担させられること。
以上、三点の理由から本議案には反対です。
次に、第七八号議案 特別職の職員の給与に関する条例等一部改正の件については、平成二十八年八月八日の人事院勧告に基づき、国の指定職職員の期末手当が引き上げられたために、これに準じて本市の特別職の期末手当の支給割合を平成二十八年度、平成二十九年度それぞれを〇・一カ月分引き上げる条例改正ですが、以下反対の理由を申し上げます。
一点目、鹿児島市特別職報酬等審議会では、期末手当を審議の対象とはしていないものの、人事院勧告に基づく改定により期末手当を含めて報酬が自動的に増減することから、これまで指摘してきたように十年近く開催されていない同審議会を開催し、まず、報酬自体の検討を優先すべきであったこと。
二点目、人事院勧告に基づく報酬改定はあくまでも準じて行われる改定であり、法的義務はなく、他都市においては現行のまま据え置く自治体もあることから、改定を行うべきでなかったこと。
三点目、市長、議員など特別職の報酬等については市民から厳しい目が向けられており、高過ぎると指摘されている議会費について、議員定数や議員報酬削減など市議会でも議論がなされています。このような中、市民生活を取り巻く厳しい環境を直視し、期末手当の引き上げを行うべきではないこと。
以上の三点の理由から本議案には反対です。
なお、この条例改正によって、第八一号議案 平成二十八年度鹿児島市一般会計補正予算(第三号)では、議員一人当たり八万二千三百二十円、市長十三万八千四百八十円、副市長がそれぞれ十一万一千七百二十円、教育長が九万七千五百六十円、常勤の監査委員一人当たり八万六千二百八十円が、第八三号議案については、病院事業管理者が十一万三千百七十円、第八四号、第八五号、第八七号議案のそれぞれの公営企業の特別会計補正予算の議案には公営企業管理者の期末手当がそれぞれ九万七千五百六十円引き上げられる影響が含まれることから、同様の理由により反対いたします。
次に、第八一号議案 平成二十八年度鹿児島市一般会計補正予算(第三号)中、款民生費、項社会福祉費、目社会福祉総務費、臨時福祉給付金(経済対策分)二十一億三千二百十万六千円については、平成二十八年度の市民税均等割が課税されていない約十三万人に対して一人一万五千円を支給するものですが、以下反対する理由を申し上げます。
一点目、臨時福祉給付金が実施される理由としては、消費税八%への増税の負担軽減とのことですが、そもそも経済対策であるアベノミクスが破綻したことが要因であるにもかかわらず、平成二十八年度の前半に支給された臨時福祉給付金については、国政選挙前の六月までに支給するために前年度からの繰越明許を設定し、今回は衆議院の解散の流れがある中で年度内支給を求めるものであり、国政選挙のためのばらまきと言わざるを得ないこと。
二点目、年度内に支給ができれば平成二十八年度はこれまでの臨時福祉給付金も含めて最も支給される年金生活者で四万八千円支給されることになりますが、この間の特例水準の解消による年金の減額や消費税の増税による物価高を埋める額には到底及んでいないことや給付金の対象とならない生活保護世帯は三年かけて生活保護基準が引き下げられているなど、市民は厳しい生活を強いられています。このような市民生活を踏まえると、ばらまきではなく、安心して老後を送れる年金制度や社会保障の確立こそ求められていること。
以上の理由から、このような事業を含む本補正予算には反対いたします。
今議会に上程された議案のうち七件に反対する理由を申し述べ、日本共産党市議団を代表しての討論を終わります。(拍手)
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