◆(大園たつや議員) 日本共産党市議団を代表して質疑を行います。
 これまでの代表質疑の中で明らかになった項目については、一部割愛することをあらかじめ申し上げておきます。
 最初の質問は、国政や鹿児島県との喫緊の課題における市長の政治姿勢について、以下伺ってまいります。
 まず、平成二十八年第四回定例会において、私ども党市議団は、南スーダンへのPKO派遣で憲法第九条が禁止する海外の武力行使になりかねない安保法制に基づく駆けつけ警護を付与されたことについて森市長に見解を伺ったところ、国において適切に判断されたものと答弁されました。
 現在開会中の第百九十三回通常国会において防衛相は、南スーダンPKOの陸上自衛隊が昨年七月の首都ジュバでの大規模戦闘の状況を記録した日報について、情報公開請求で廃棄を理由に不開示にしたものを一転、公表しました。日報は、激しい戦闘といった表現で情勢悪化の深刻さを報告していましたが、安倍政権が当時戦闘ではなく発砲事案や衝突とごまかしてきた責任は重大です。
 追及を受けた稲田防衛相は、「事実として殺傷行為があったが、憲法第九条上の問題になる言葉は使うべきではないことから、武力衝突という言葉を使っている」と答弁しました。つまり、現地から戦闘と報告があったが、この表現では憲法第九条やPKO五原則に抵触しかねない。だから、武力衝突と表現しているということにほかなりません。激化する情勢の中で駆けつけ警護などの任務は自衛隊が戦闘に巻き込まれ、殺し、殺される危険を現実のものにしかねないものです。
 森市長におかれては、このような現国会での論議を踏まえ、改めて駆けつけ警護の任務付与が適切に判断されたものとお考えなのか見解をお示しください。また、中央公聴会等では、自衛隊が憲法違反の武力行使を避けるために武力紛争停止の当事者間の合意などを定めたPKO五原則が崩れているとの指摘もなされている南スーダンPKOの撤退を国に求めるべきと考えますが、見解をお示しください。
 次に、鹿児島県との課題における本市の役割や基本姿勢について、以下伺ってまいります。
 質問の一点目、こども医療費の病院窓口での負担を軽減する現物給付の実施について、平成二十九年鹿児島県議会第一回定例会では一定の具体的な答弁もなされていますが、動向と評価をお示しください。また、現物給付実施を推進・後押しする本市の役割と中学校卒業まで所得制限を設けず窓口無料の制度を求めていくことへの見解をお示しください。
 質問の二点目、子どもの貧困実態調査について、子どもの未来応援事業での実態調査の対象・項目など内容をお示しください。また、県のかごしま子ども調査と本市子どもの未来応援事業は連携したものとなるのか関連をお示しください。次に、市独自の実態調査に踏み切った理由と今後の調査の活用について見解をお示しください。
 質問の三点目、県の新総合体育館・ドーム球場・サッカースタジアムの整備検討委員会と本市のかかわりについては、これまでの代表質疑の中で明らかになっておりますので割愛しますが、財政が厳しいと福祉の削減も目立つ中、建設ありきではなく、本当に市民が求めている施設なのかという段階から協議を重ねていただきますよう要望しておきます。
 新しい質問に入ります。
 手厚い観光振興の一方で、高齢者・生活保護利用者に負担増の特別会計を含む平成二十九年度本市予算案について、以下伺ってまいります。
 最初の質問は、プライマリーバランスが過去最高になった理由と背景をお示しください。
 次に、高齢者福祉について。
 質問の一点目、高齢者の生活に対する過去五年間の負担増について、介護保険、後期高齢者医療、年金の削減、高齢者福祉センターの入浴料の新設などの影響をお示しください。また、そのことを踏まえて、高齢者の暮らしぶりについて当局はどのように認識しておられるのかお示しください。
 質問の二点目、国の社会保障削減による二十九年度の高齢者への影響について、後期高齢者医療保険料の特例軽減の縮小の内容と対象人数、影響額を全体額とモデルケースでお示しください。また、七十歳以上の医療費の負担上限の引き上げ、入院時の居住費(水光熱費)の引き上げの内容と影響についてもあわせてお示しください。
 質問の三点目、敬老祝金の削減について、敬老祝金の目的と変遷。二十九年度の削減の内容と影響人数、影響額。むしろ今こそ拡充すべきと考えますが、削減の理由と政策決定の行程はどのようなものだったのかお示しください。
 次に、生活保護行政について、以下ただしてまいります。
 質問の一点目、他都市において生活保護利用者の自立支援を担当する職員が英語で「生活保護なめんな」などとプリントされたジャンパーを自主作成し、日常的に利用者の自宅等を訪問していたことが報道されました。生活保護利用者の人権を傷つけ、本当に生活に困っている方々が申請を控えることにもなりかねない事案でしたが、本市としての見解をお示しください。
 質問の二点目、生活保護制度について過去五年間の制度変更と負担増をお示しください。また、そのことを踏まえて、暮らしぶりについて当局はどのように認識しておられるのかお示しください。
 質問の三点目、法外扶助の削減について、そもそもの法外扶助の目的と変遷。今回の削減の内容と影響額。また、なぜ今なのか、削減の理由と政策決定の行程をお示しください。
 次に、市長の海外視察について、以下ただしてまいります。
 質問の一点目、この間、新聞紙上の報道により、市長夫人の公費による海外姉妹友好都市への同行が注目を集めました。私ども党市議団も予算について国際儀礼の一環として認めてきたことは率直に申し上げますが、市民も厳しい暮らしを強いられている今日、市長や議員の活動について厳しい目が向けられていることを踏まえ、チェック機能の役割を果たすとともに、見直すべきは見直すことをしっかりと提案していくことを改めて自覚したところです。
 去る一月、市長選で対立候補を擁立した市民の市政をつくる会と日本共産党市議団は、国際友好姉妹都市への市長夫人の公費による同行について、継続すべきか中止かを市民に問う街頭アンケートに取り組みました。これがそのときに使用したアンケートのボードです。短時間でしたが、天文館を通行する年配の方から学生さんまで協力していただき、投票結果は、「中止してほしい」が六十二名、「継続してもよい」が十六名、「どちらでもない」が七名でした。
 この件に関して森市長は、記者会見で御自身の任期中は同行させないとの考えを述べておられますが、改めて市長の今後の対応をお示しください。また、歴代の市長夫人が同行してきたのは当局としての施策の一環として要請してきたとのことですが、今後も市長夫人への要請を継続していく考えかお示しください。
 質問の二点目、このアンケート調査では、市長夫人の同行ということ以外にも市長の海外視察そのものへの疑問や改善の要望が寄せられています。
 まず、平成二十九年度の市長の海外視察の回数と主な内容、予算額の合計をお示しください。
 質問の三点目、海外視察について寄せられた市民の意見と改善の検討について、以下ただしてまいります。
 まず、海外視察の回数が多いのではないかとの御意見について、中核市の過去五年間の市長の海外視察の回数の状況と当局はどのように認識しておられるのかお示しください。
 次に、ビジネスクラスの使用はやめたほうがよいのではとの御意見について、ビジネスクラスを使用しない場合の二十九年度予算案での削減額と改善についての見解をお示しください。
 次に、大事な税金を使って視察をするのだから市民にしっかり説明や報告をしてほしいとの御意見について、これまでの報告の方法と今後の改善についての見解をお示しください。
 次に、大河ドラマ「西郷どん」プロジェクト推進事業負担金一億三千九百万円について、以下ただしてまいります。
 質問の一点目、事業内容について、負担金の内訳、大河ドラマ館の予定地と理由、期間。また、二十八年度補正予算の維新ふるさと館展示更新一億二千万円との内容の違いをお示しください。
 質問の二点目、これまでの大河ドラマ館について、本市での集客数、設置場所、事業費、展示品の行方。また、他都市の主な大河ドラマ館の集客数、設置場所、事業費をお示しください。
 質問の三点目、新設の上、仮設の大河ドラマ館に多額の費用をかけるのはやめ、既存施設の活用を検討すべきと考えますが、見解をお示しください。
 次に、昨日の代表質疑で南部清掃工場とバイオガス施設の一体的施設の債務負担限度額が約三百六十六億円にも上ることが示されましたが、バイオガス施設については、これまでも先進事例が少なく、技術的に確立されていない。中核市でも初めての施設となる問題やDBO方式の問題を提起してきた立場から、以下伺ってまいります。
 質問の一点目、昨年末、要求水準書案について業者から多数の質問や意見が寄せられ、スケジュールを更新されましたが、要求水準書はどのような点を修正したのか。
 質問の二点目、今後のスケジュールをお示しください。
 質問の三点目、南部清掃工場はDBO方式での運営において市職員のいない施設になるのか現時点での考え方をお示しください。
 最後の質問については、これまでの質疑への答弁をお聞きして改めて伺います。
 以上を一回目の質問とします。
 答弁願います。
   [市長 森 博幸君 登壇]
◎市長(森博幸君) 大園たつや議員にお答えいたします。
 南スーダン国際平和協力業務に駆けつけ警護の任務が追加されたことにつきましては、さきの第四回定例会においてお答えしたとおり、国において適切に判断されたものと考えているところでございます。また、同業務の継続についても国において判断されるべきものと考えております。
 こども医療費の助成制度につきましては、県において三十年十月から住民税非課税世帯の未就学児を対象に医療機関等における窓口負担をゼロにする考えが示されたところでございます。これまで私たちが要望してきたことが一部実現することは一定の評価をいたしますが、引き続き県に対し市町村への財政措置等にも十分配慮しながら、所得制限を設けることなく中学校卒業までのこども医療費の窓口負担解消の実現に取り組んでいただくよう要望してまいりたいと考えております。
 本市の国際交流の取り組みでございますが、これまで国際交流の方針として、姉妹友好都市において盟約を記念して行われる各種公式行事への参加や訪問都市の市長夫妻との交流などを図るため、国際儀礼として市長夫人も訪問団の一員として派遣してきているところでございます。このことにより、これまで培われてきた相互理解と信頼関係がさらに強固なものとなり、両市の交流がより円滑に進むことにつながってきているものと考えております。今後とも姉妹友好都市への訪問団の派遣に当たりましては、訪問目的や必要性を踏まえ団員構成や期間などを十分に検討し、より効率的・効果的な派遣となるよう努めてまいりたいと考えております。私といたしましては、任期中は原則として妻を同行させないことといたします。
◎総務局長(松永範芳君) お答えいたします。
 市長の海外出張につきまして、一括して申し上げます。
 二十九年度は、長沙市との友好都市締結三十五周年記念式典への出席やインドネシアの大規模噴火対策現地調査など五回で、合計で約一千五百万円を計上しております。
 平成二十三年度から五年間の市長の海外出張の状況について、回答のありました中核市四十七市におきましては、最も多い都市が一市で二十回、次が本市を含む四市で十八回、その他は十回から十七回が五市、九回以下が三十七市となっております。それぞれの自治体において都市の状況や国際交流の取り組みなどが異なることから、回数については一概に比較できないと考えております。本市といたしましては、今後とも市長みずからが先頭に立って観光プロモーションや国際交流のさらなる推進のために積極的に取り組んでいかなければならないと考えております。
 市長や市議会議員、市民代表につきましては、本市の代表として親善訪問など公務への支障が出ないよう長距離の移動における負担軽減や体調管理を図ることも必要となることから、海外出張の旅費では職員等の旅費に関する条例等に基づきビジネスクラスを利用できることとしており、今後におきましてもこれまでと同様の対応をしてまいりたいと考えております。
 なお、二十九年度の予算計上額をもとにエコノミークラスとして試算した差額は、延べ十人分で約百六十七万円となります。
 姉妹友好都市への訪問につきましては、出発前に定例記者会見等で目的や訪問団の構成などを公表するとともに、帰国後は市民のひろばやホームページなどで紹介しているほか、新聞等で活動の状況などを報道されているケースもございます。今後とも、より多くの市民の皆様に情報発信できるよう努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
◎企画財政局長(秋野博臣君) お答えします。
 プライマリーバランスにつきましては、市立病院跡地に係る事業の財源について基金を活用するなど、市債の借り入れを抑制したことにより過去最高となったものでございます。
 以上でございます。
◎環境局長(山口順一君) お答えいたします。
 バイオガス施設についてでございますが、要求水準書は、昨年九月に案を公表後、事業者から機器の仕様や業務内容について質問・意見が寄せられたことから、誤解のないよう記述内容をさらに明確化し、入札公告で公表することとしております。
 今後のスケジュールにつきましては、二十九年四月に入札公告、十月に事業者の選定、十二月に契約を締結し、建設に着手することとしております。その後、三十三年十二月までの約四年間で整備工事を行い、三十四年一月に供用開始し、五十四年三月までの二十年三カ月間の運営を予定しております。
 DBO方式での運営は事業者が主体に行うこととなりますが、その運営状況について本市もモニタリングを通して確認を行っていく必要があることから、職員の配置につきましては今後検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
◎健康福祉局長(上之園彰君) お答えいたします。
 子どもの貧困の実態調査につきましては、小中学校の児童生徒及びその保護者等を対象にアンケートを行い、本市における子供を取り巻く生活状況の調査を行うものでございます。調査項目につきましては今後検討してまいります。
 県が本年一月に実施したかごしま子ども調査は、県内全域の保護者を対象とした調査であり、地域ごとに調査結果を抽出することができないため、本市域の詳細な実態を把握することは困難であると考えているところでございます。そのため、本市域において独自の調査を行うこととしたところであり、実態調査の結果を踏まえ、庁内の情報共有を図り、本市関連施策に反映するための検討を進めてまいります。
 二十四年度からの五年間の見直し等の主なものを申し上げますと、介護保険では、保険料基準額が一八・五ポイントの増、一定以上所得者の利用者負担割合を一割から二割に変更、後期高齢者医療では、保険料の所得割率が〇・九二ポイント、均等割額が三千円の増、高齢者福祉センターでは浴室使用料百円を新たに設定したほか、老齢基礎年金等の額が減額となっていることなどから負担感が増したと感じている高齢者もおられるのではないかと考えております。
 二十九年度の後期高齢者医療保険料の軽減特例の見直し内容でございますが、所得割額の五割軽減措置は二割軽減となり、被用者保険の被扶養者であった方に対する均等割額の九割軽減措置は七割軽減となっております。
 次に、県広域連合によりますと、本市被保険者への影響について、二十八年度の確定賦課時点の試算では、所得割額の軽減措置が約七千六百人、約六千四百万円、被用者保険の被扶養者であった方に対する均等割額の軽減措置が約二千二百人、約一千五百万円とのことであります。また、夫婦二人世帯ともに被保険者で、夫の年金収入が百八十八万円、妻の年金収入が七十八万円の場合、妻が被用者保険の被保険者でなかった場合は年額で一万五百円の増、妻が被用者保険の被保険者であった場合は年額で二万八百円の増となります。
 七十歳以上の方の高額療養費制度の見直し内容と影響でございますが、自己負担限度額が二十九年八月から現役並み所得者は、外来療養の場合、月額五万七千六百円で一万三千二百円の増となります。一般所得者は外来療養の場合、月額一万四千円で二千円の増となりますが、新たに年間十四万四千円の上限が設けられております。また、入院療養の場合、月額五万七千六百円で一万三千二百円の増となりますが、新たに過去十二カ月間に三回以上該当した場合、四回目以降の自己負担額が月額四万四千四百円となる多数回該当が設けられております。
 六十五歳以上の方の入院時生活療養費の見直し内容と影響でございますが、医療療養病床に入院する方の居住費は、二十九年十月から、医療区分一の方は日額三百七十円で五十円の増、難病患者を除く医療区分二、三の方は新たに日額二百円を負担することとなります。
 次に、敬老祝事業は、長年社会に貢献してこられた高齢者を祝福し、敬老の意を表するとともに、さらなる長寿を祈念するもので、昭和三十二年度から実施しております。
 過去十年間の見直しの経緯でございますが、平成十八年度においては九十九歳の祝金を廃止し、百歳以上の祝金を百歳に限定したほか、男女最高齢者の祝金二十万円を新設しており、二十三年度には百歳の祝金を二十万円から十万円に変更したところでございます。二十九年度は、八十八歳の祝金を三万円から二万円に、百歳の祝金を十万円から五万円に、男女最高齢者の祝金を二十万円から十万円に見直すとともに、八十八歳以上への記念品を廃止しようとするものであります。見直しの対象となる方は一万五千六百二十一人で、事業費は五千六百四十三万二千円の減となるようでございます。
 敬老祝事業は本市の単独事業として実施しておりますが、対象となる高齢者の増加に伴い事業費は年々増加してきたところでございます。本市におきましては、地域包括ケアシステムの構築に向け各種施策を推進することとしており、財源の効率的・効果的な活用が必要なことなどから事業の見直しを行うものでございます。これまでも十八年度、二十三年度と社会情勢の変化などに応じて見直してきており、今回、他の中核市の状況も参考に事務事業を峻別する中で見直すこととしたところでございます。
 次に、生活保護担当者のジャンパー等の着用の事案につきましては、当該市において不適切であるとの謝罪が行われたところであり、本市としての見解は差し控えさせていただきたいと存じます。
 生活保護制度の過去五年間の主な変更につきましては、保護基準について生活扶助を平成二十五年八月から二十七年度にかけて段階的に改定したほか、二十七年七月から住宅扶助を、十一月から冬季加算の改定を行いました。また、二十七年度から資産申告書の提出を求めているところでございます。これらの改定等につきましては、国の通知に基づき行ったところでございます。
 法外扶助につきましては、自立更生意欲の助長等を目的として、被保護世帯等及び準要保護世帯に対し、昭和二十五年度の被保護世帯への年末見舞金に始まり、五十二年度からの葬祭供物料まで七種類の扶助を行っておりましたが、平成二十一年度から二十三年度にかけて被保護世帯等への年末見舞金など五種類の扶助を廃止いたしました。
 今回の削減の内容は、被保護世帯等に対する八月の夏季見舞金四千七百円と準要保護世帯に対する十二月の年末見舞金一人当たり四千七百円を二十九年度から廃止するものでございます。影響額等は、二十八年度予算額で申し上げますと、夏季見舞金が一万一千七百二十九世帯、五千五百十三万円、年末見舞金が六百九十二人、三百二十五万円で、合計五千八百三十八万円となります。
 今回の廃止の理由は、生活保護世帯等につきましては生活保護法により最低限度の扶助費が支給されているため、重複する年末見舞金等については、包括外部監査等の指摘もあり既に廃止いたしましたが、夏季見舞金も扶助費に上乗せした支給であることや他の中核市においても支給していないことから廃止するものでございます。
 準要保護世帯につきましても国の施策などで低所得者等に対する給付等の支援が充実してきていることや、生活困窮者自立支援法の施行に伴い相談体制や支援体制の拡充を図っていること、また、他の中核市においても支給していないことから廃止することとしたものでございます。
 以上でございます。
◎観光交流局長(圖師俊彦君) お答えいたします。
 大河ドラマ館の予算につきましては、収入は、本市負担金一億三千九百万円、県負担金五千万円、その他入場料収入など合わせて約四億七千万円を見込んでおり、事業費は、ドラマ館の仮設工事や展示工事などの設置運営経費約四億三千万円、誘客宣伝事業費や受け入れ体制整備費など約四千万円で、総事業費約四億七千万円を見込んでおります。ドラマ館の予定地につきましては、既存施設の活用を含めて検討した結果、五百平方メートル程度の展示面積を一年間継続して使用できることや交通アクセス、歴史的な背景を含めた地域性等を踏まえ、加治屋町の市立病院跡地を選定したところでございます。また、ドラマ館の開設期間は大河ドラマの放送に合わせて一年間を予定しております。
 次に、維新ふるさと館の展示更新は、鹿児島の偉人たちが学んだ郷中教育を来館者がより楽しく学ぶことができる展示とするため、大河ドラマ放送に合わせて幕末探訪・郷中教育コーナーの更新を行うものでございます。一方、大河ドラマ館は、放送に合わせて大河ドラマ「西郷どん」の魅力を紹介する施設として設置することで観光客の誘致を図るものでございます。
 次に、大河ドラマ「篤姫」が放送された際にドルフィンポートに設置した篤姫館は、約六十七万人の入場者があり、事業費は約三億八千万円となっております。また、展示品の一部は維新ふるさと館に移設し、展示しております。
 次に、他都市の入場者数、設置場所についてでございますが、姫路市の軍師官兵衛ドラマ館は姫路城近くの家老屋敷跡公園に仮設の建物を新設し、入場者数は約六十一万人、萩市の花燃ゆドラマ館は旧明倫小学校体育館に設置し、入場者数は約三十一万人、上田市の真田丸ドラマ館は旧市民会館に設置し、入場者数は約百三万人、浜松市のおんな城主直虎ドラマ館は、みをつくし文化センターに設置しており、現在開館中でございます。
 なお、事業費を把握しているものでは、姫路市が約五億一千万円、萩市が約四億一千万円となっております。
 次に、既存施設の活用を検討すべきとのことでございますが、先ほども御答弁申し上げましたように、大河ドラマ館の設置検討に当たりましては、既存施設の活用を含めて検討した結果、五百平方メートル程度の展示面積を一年間継続して使用できることや交通アクセス、歴史的な背景を含めた地域性等を踏まえ、加治屋町の市立病院跡地を選定したところでございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 南スーダンPKOについては、市長は、現国会情勢を踏まえても、なお適切に判断されたものとの見解を示されました。安倍政権は、憲法第九条やPKO五原則、自衛隊員の皆さんの命にもかかわる重大な問題で、都合の悪いことには口をつぐみ、反対の声にも耳を貸さず、数の力で押し通してきました。市長におかれては、このような政治や国会運営に危機感を持っていただきますよう申し上げておきます。
 鹿児島県との連携について答弁いただきました。
 開会中の県議会第一回定例会で、現物給付を平成三十年十月に未就学児非課税世帯を対象に実施する旨の見解が示されました。これまで県市長会として要望を続けてこられたことや本市議会でも全会一致で意見書が上げられたこと、県知事がかわったことや国も子育て支援の推進を掲げたことなど、大きな情勢の流れのもと九州で取り残されることなく具体案が示されたことに、実現を公約に掲げ、機会あるごとに質疑を交わさせていただいた私としても感慨深い思いがいたします。
 さらに、市長は今後も県に中学校卒業まで所得制限を設けない窓口無料の制度を求めていく考えを示されました。三反園知事は予算発表の際、平成二十九年度に設置される乳幼児医療費助成制度についての有識者懇談会のメンバーについて、県市長会、国保連合会、医療関係者などを想定していると記者に答えておられるとのことで、森市長も懇談会に参加する可能性が高いと考えます。そのときは、ぜひ知事の現在の考えありきではなく、市長や私たち市議会が求める制度を要望し、拡充させていただきますよう強く要望いたします。
 特別会計を含む本市二十九年度予算案の幾つかの特徴について質疑を交わさせていただきました。
 安倍政権のもとで公的年金を減らされ続けている上に、介護保険料・サービス料、後期高齢者医療保険料などの引き上げによる負担増、生活保護利用者は、基準額、住宅扶助、冬季加算の引き下げなど、史上かつてない見直しを強いられています。負担感が増したとの答弁もありましたが、間違いなく生活は厳しくなっています。
 このような中、市独自の祝金や法外扶助、夏季見舞金の削減に対して、全日本年金者組合鹿児島支部の皆さんから議会や当局に要望書が提出されました。ことし米寿、百寿を迎えられる方々は、あの大戦、戦後の苦労の中を生き、世のため、人のため、家族のために尽くされた社会の功労者と言うべき方々です。これらの方々をお祝いし一層の長寿を祈念するのであれば、なぜ祝金を減額し、祝品の支給を廃止されるのか理解に苦しみます。今こそ高齢者に対して温かい手を差し伸べるべきときではないでしょうかとの内容です。
 また、鹿児島市生活と健康を守る会の皆さんからの要望書の内容は、戦後最大の生活保護基準引き下げの影響は深刻で、光熱水費の極端な節約へ利用者を追い立てています。桜島の降灰という特殊事情があるにもかかわらず、電気代が心配でエアコンが使えない。このような中、四千七百円の夏季見舞金は極めて貴重であり、その廃止は大げさではなく、命を奪うことにもなりかねません。今なぜ廃止なのか全く理解できませんし、到底納得できませんと切実な声が届けられています。
 私ども党市議団も本市が市民に最も身近な行政として、市民の命、暮らし、平和を守る防波堤の役割が今ほど求められているときはないと考えています。ましてや、過去最高額の予算、プライマリーバランスのもとで、敬老祝金と法外扶助を合わせて約一億一千万円を削減する一方で、市長の海外視察の見直しも十分行われていない。他都市での大河ドラマ館も既存施設の活用が行われている中、大河ドラマ館の新設に負担金一億三千九百万円を計上するなど理解できません。
 市長は、予算の提案理由説明において、「あらゆる世代をまちの宝として支えることにチャレンジします」と述べられましたが、まちの宝である市民の福祉を削減するのではなく、市長の海外視察や観光予算の節減に努め、バイオガス施設の建設はやめて市民福祉を向上させるべきです。市長の見解をお示しください。
 新しい質問に入ります。
 都道府県単位化の直前となる平成二十九年度の国民健康保険制度について、制度がどのように変わっていくのか。また、国保税負担の引き下げを求める立場から、以下伺ってまいります。
 まず、平成三十年度の都道府県単位化について。
 質問の一点目、国の制度見直しの内容をお示しください。
 質問の二点目、今後の県との協議内容とスケジュールをお示しください。
 質問の三点目、平準化による国保税の引き上げや市独自の事業・負担軽減の廃止を引き起こさないための本市の基本姿勢をお示しください。
 次に、保険基盤安定繰入金の保険者支援分の活用による保険税の引き下げについて。
 質問の一点目、二十九年度予算案の保険者支援金の金額をお示しください。
 質問の二点目、同支援金を活用して保険税の引き下げを行っている他都市と引き下げ額をお示しください。
 質問の三点目、国保税を引き下げ、収納率を向上させることによって金額が増減する国からの財源についてお示しください。
 質問の四点目、本市でも同支援金の活用による保険税の引き下げをすべきと考えますが、見解をお示しください。
 新しい質問に入ります。
 ひとり暮らし高齢者等安心通報システム設置事業については、市議会の改選前、桂田みち子議員が本会議でも機会あるごとに取り上げ、市民の皆さんとともに力を合わせて充実を求めてまいりました。今回、制度の拡充が図られていますので、その内容を明らかにするとともに、さらなる充実を求める立場から、以下伺ってまいります。
 質問の一点目、これまでの利用者数と主な奏功事例をお示しください。
 質問の二点目、制度改善についてのこれまでの議会からの指摘や市民からの要望をお示しください。
 質問の三点目、拡充の目的と成果、内容・要件、予算での見込み、費用負担はどのようになるものかお示しください。
 質問の四点目、電話を貸与する同システムを実施する中核市、とりわけ、いわき市の実施状況と特徴をお示しください。
 質問の五点目、現システムは今年度を最終年度として契約更新となると思料しますが、契約期間をお示しいただくとともに、更新に当たってさらに充実していくことへの見解をお示しください。
 新しい質問に入ります。
 「保育園落ちたの私だ」と国会前で保護者らが待機児童問題の解決を訴えてから一年。安倍首相は、二〇一七年度末までに待機児童を解消するとの政府目標について、非常に厳しい状況になっているのは事実と述べ、目標達成を事実上断念する考えを示しました。保育の受け皿拡大や保育士確保に向け処遇改善などの取り組みが働く女性の増加による需要拡大に追いついていないのが実情です。
 そのことを踏まえ、本市の保育行政について、以下伺ってまいります。
 質問の一点目、先日、本市の認可保育施設で園長のパワハラなどを理由に十人前後の保育士さんが退職願を提出したことが地元紙で報道されました。保育の現場で献身的に働かれている職員の皆さんの適切な労働環境の確保は児童を取り巻く環境にも大きく影響するものであり、全体のこととして共有化を図る必要があります。
 そこで、この問題の経過と当局の受けとめ、今後の対応をお示しください。
 質問の二点目、私ども党市議団に先日このような相談が寄せられました。保育士の資格を持つ友人が再就職しようと保育園の入所を申請したところ、入ることができず、再就職を断念しました。市は保育士不足と聞いていますが、矛盾しているのではないかとのことでした。
 そこで、保育士不足への対応について伺います。
 本市の現状とそれを踏まえた保育士の処遇改善の内容、保育士が子供を預けることができずに再就職を断念する事態を避けるために入所申請時に保育士免許所有者の点数の配分を改善し、優先度を上げるなどの対策が必要と考えますが、見解をお示しください。
 質問の三点目、保育料の負担軽減について。
 施設型給付における所得の少ない多子世帯等への保護者負担軽減の内容・要件、対象見込みと認可外保育施設保育料補助金における負担軽減の内容について、上限額据え置きとの関係を踏まえてお示しください。
 質問の四点目、安倍政権は待機児童解消の目標達成を断念しましたが、本市としては後期基本計画でも解消を掲げていますので、改めて二十九年度予算における保育施設整備と待機児童の解消見込み、今後の基本姿勢をお示しください。
 新しい質問に入ります。
 街なかリノベーション推進事業については、私も平成二十七年第二回定例会において新たな官民連携の取り組みとして提案してまいりましたが、第五次総合計画後期基本計画に盛り込まれ、二十九年度予算で新たな事業として計上されておりますので、事業内容と今後の展開について明らかにする立場から、以下伺ってまいります。
 質問の一点目、改めてリノベーションまちづくりの他都市における成果と評価をお示しください。
 質問の二点目、街なかリノベーション推進事業の内容、目的をお示しください。
 質問の三点目、地域再生・雇用創出に期待される効果をお示しください。
 質問の四点目、この事業は、まず、補助金に頼らない、遊休物件の価値の向上によって地域・空間の価値を上げることが大前提となるため、市内のやる気のある大家さんや不動産屋さん、学識経験者の方など地域の人材との連携が大変重要です。当局は現在このような方々との連携が構築されているのか見解をお示しください。
 新しい質問に入ります。
 地域の課題について、平成二十九年度の取り組みを以下伺ってまいります。
 まず、吉野地域のまちづくりについては、一刻も早い吉野地区土地区画整理事業の工事完了と第二地区の着手、児童数が増加している小学校への対応を求めてまいりましたが、質問の一点目、平成二十九年度予算案における吉野地区土地区画整理事業について、事業費・移転建物ベースでの進捗、建物の移転棟数と年度末の残移転棟数をお示しください。また、残事業を考えたときに事業費、移転棟数がともに平成二十八年度より減少していることは事業のおくれが大変懸念されます。今後の方針をお示しください。
 質問の二点目、吉野第二地区土地区画整理事業について、雨水貯留施設の排水計画の修正の内容、今後のスケジュールをお示しください。
 質問の三点目、児童クラブについて、開設・設置予定の児童クラブの定員数、どのような施設となるのか、その構造、待機児童解消の効果をお示しください。
 次に、吉野小学校区の新設児童クラブ予定地周辺は路側帯が狭く、車がスピードを出して通行する道路事情がありますので、安全対策を講じるべきと考えますが、見解をお示しください。
 次に、大明丘児童クラブについては、これまで長年崖地に建っており、地域住民から移転・新設の要望が出ていることを議会でも取り上げてまいりましたが、移転の検討・協議状況をお示しください。
 次に、松元地域のまちづくりについては、県の住宅政策に端を発する松陽台町の人口増に対して、小学校の校舎、登下校の手段となるJR上伊集院駅、薩摩松元駅、安心安全通学費補助の適用などを求めてまいりましたが、二十九年度予算案における展開を以下伺ってまいります。
 質問の一点目、JR上伊集院駅の改善について、大規模バリアフリー化事業の事業費、整備内容、スケジュール、改善に至った経緯をお示しください。また、児童の登下校への影響と安全対策をお示しください。
 質問の二点目、児童クラブについて、開設・設置予定の児童クラブの定員数、構造、予定地をお示しください。また、待機児童解消の効果と今後の待機児童の見込み。下校時の児童クラブへの移動方法と安全対策についてもあわせてお示しください。
 以上を二回目の質問とします。
 答弁願います。
   [市長 森 博幸君 登壇]
◎市長(森博幸君) 二十九年度予算につきましては、次なる十年先、二十年先を展望し、仕事が人を呼び、人が仕事を呼び込む好循環を確立するとともに、これを支えるまちに活力を呼び込むため三つの重点項目を掲げて取り組んだところであり、予算編成に当たりましては、事務事業の峻別・見直しを行うなど、創意工夫を重ねる中で、財政の健全性を維持しながら市民の皆様方に約束した諸施策について可能な限り予算に盛り込んだところでございます。その中で、市民福祉の向上のため、「子育てをするなら鹿児島市」のさらなる充実を初め、結婚からシニアライフまで段階に応じたきめ細かな支援に取り組むことといたしたところでございます。
◎企画財政局長(秋野博臣君) JR上伊集院駅の大規模バリアフリー化は、国の移動等円滑化の促進に関する基本方針に基づきJR九州が実施し、国・県・市が支援するものでございます。事業費は約五億九千万円で、エレベーター二基の新設、跨線橋かけかえ、多機能トイレ設置等を計画しており、二十九年度に設計、三十・三十一年度に施工の予定でございます。
 工事期間中の安全対策については、本年一月に開催した国・県・市、JR九州で構成する協議会において本市から十分配慮するよう要請したところ、JR九州としては、主要な工事は安全面や運行面などに配慮し、夜間に行う予定であるとのことでございます。
 以上でございます。
◎市民局長(中薗正人君) お答えいたします。
 平成三十年度からの国保制度の見直しにつきましては、都道府県が財政運営の責任主体となり、安定的な財政運営や効率的な事業運営の確保等の国保運営に中心的な役割を担うこととされております。具体的には、県は市町村とともに保険者となるほか、県内の統一的な運営方針を策定し、市町村が担う事務の効率化、標準化、広域化を推進し、市町村は資格管理、保険給付、保険税率の決定、保健事業などを引き続き担うこととされております。
 今後の県との協議内容については、納付金及び標準保険料率の具体的な算定方法や市町村事務の効率化などの取り組み、特定健診・特定保健指導の実施率向上などの医療費適正化の取り組みなどについて協議・検討することとなっております。今後これらの協議を踏まえ、県において国保運営協議会での審議を経た上で、鹿児島県国保運営方針を二十九年度中に策定・公表される予定となっております。
 本市の基本姿勢については、持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険の安定化に向けた改革という趣旨を踏まえ、本市独自の施策についても継続されるよう対応してまいりたいと考えております。
 次に、二十九年度当初予算案における保険基盤安定制度に係る保険者支援分は十一億二千四百万円を計上しているところでございます。
 当該制度を活用し、保険税の引き下げを行っている都市については把握していないところでございます。
 保険税収納率の状況によって交付されるものとしては、国及び県の補助金として特別調整交付金がございます。
 本市国保は構造的な問題を抱え厳しい財政状況が続いており、単年度収支の改善及び累積赤字の解消が大きな課題となっていることから、二十九年度中に財政健全化計画を策定することとしております。この計画において国保の安定のための財政支援拡充を含めた国の施策などを踏まえるとともに、本市独自の医療費適正化対策、収納率向上対策など赤字解消を図るための実効性のある具体的な取り組みを行い、あわせて税率改定の検討を行うこととしております。
 以上でございます。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 安心通報システムの本年一月末の稼働台数は一千三百三十三台で、主な救助事例としては、心臓発作の方や転倒し身動きがとれなくなっていた方を救急搬送した例などがございます。
 現在のシステムは固定電話回線を必要としていることから、携帯電話所有者への福祉電話の貸与や固定電話がなくても利用できるシステムへの改善要望等があるところでございます。
 二十九年度からの拡充の内容等でございますが、固定電話を所有していない生活保護受給者のシステム利用が可能となるよう固定電話回線を貸与するもので、約四十台の利用を見込んでおります。設置に要する費用は本市が負担することとしており、生活の安全確保等が図られるものと考えております。
 いわき市では、電話を保有していないおおむね六十五歳以上の低所得世帯で緊急通報装置の貸与を希望する方を対象に福祉電話の貸与を行っており、二十七年度末の稼働台数は、緊急通報装置が九百九十九台、福祉電話が二十八台とのことでございます。
 現在のシステムは二十九年度までの長期継続契約となっており、三十年度以降につきましては、固定電話回線を必要としないシステムも含め各面から検討してまいりたいと考えております。
 次に、本市認可保育施設におけるパワハラ事案について、昨年九月以降、当該園の関係者から相談があり、園長と面談を行い、その事実を確認したところであり、その後、複数回にわたり指導を行ったところでございます。本市といたしましては、働きやすい職場環境づくりが重要であり、今月開催予定の保育所等への事務事業説明会においてパワハラの防止などの周知を図ってまいりたいと考えております。
 保育士不足についての本市の現状でございますが、入園児童の年齢ごとの職員配置により、一部の施設においては保育士が不足している状況がございます。
 保育士の処遇改善の内容につきましては、全ての職員を対象に月額六千円程度の改善に加え、園長及び主任保育士を除く経験年数がおおむね七年以上の中堅職員を対象に月額四万円、おおむね三年以上の職員に月額五千円の改善がなされることとされております。
 保育士の再就職等につきましては、本年四月からの入所の取り扱いを変更し、保育士の復職支援につながるよう改善を図ったところでございます。
 多子世帯等への保育料の保護者負担の軽減につきましては、市町村民税非課税世帯では第二子の保育料が半額から無償となり、対象者は約四百人を見込んでおります。また、ひとり親世帯等のうち市町村民税所得割課税額七万七千百円以下の世帯では、一号認定を受けている第一子の保育料は月額三千円で一千百円の軽減、対象者は約三十人、市町村民税所得割課税額四万八千六百円から六万七千円未満の世帯では二号、三号認定を受けている第一子の保育料は月額六千円、六万七千円から七万七千百円以下の世帯の第一子は月額九千円で、それぞれ四百円から最大六千三百円の軽減となり、対象者は約八十人を見込んでおります。
 認可外保育施設保育料補助金につきましては、認可保育所に入所した場合の保育料と実際に支払っている認可外保育施設の保育料との差額について一万六千円を上限に助成しているため、今回の低所得の多子世帯等の保育料の引き下げに伴い、対象階層の保護者については負担軽減が図られるものと考えております。
 二十九年度予算におきましては、例年と同様、当初時点での保育施設の整備費は計上しておりませんが、国からの補助内示等を踏まえて今後適切に対応してまいりたいと考えております。また、待機児童の解消に向けてはソフト・ハード両面から取り組み、早期の解消に努めてまいりたいと考えております。
 次に、吉野地域に二十九年度に開設する児童クラブにつきまして、校区ごとにクラブ名、定員、開設場所を申し上げますと、川上第三児童クラブ、二十五人、余裕教室、吉野第四児童クラブ、五十人、民間施設、吉野東第四児童クラブ、五十人、専用施設の二階部分、大明丘第二児童クラブ、四十人、民間施設でございます。これらの校区については待機児童の解消が図られる見込みでございます。
 次に、吉野第四児童クラブ開設場所の前の市道につきましては、一帯に横断歩道がないため、朝夕通学児童が車道を横断しており、車両の往来も多いことから、地域住民からは横断歩道の新設の要望が寄せられており、県警に要望内容をお伝えし、対応の検討を依頼しているところでございます。クラブにおきましても、利用児童に対し交通安全に十分注意するよう指導してまいりたいと考えております。
 大明丘児童クラブの移転につきましては、学校近隣の既存施設の活用に向けて、現在引き続き地域の関係者と協議を行っているところでございます。
 松元地域では、ガーデンヒルズ松陽台の中の県有地に松元第二児童クラブを開設することとしており、定員は五十五人で、二階建て専用施設の一階部分を予定しております。
 松元第二児童クラブの開設により、松元小校区においては現時点における待機児童は解消されるものと考えておりますが、同校区においては今後も利用児童数の増加が見込まれておりますことから、第二クラブの整備に合わせて第三クラブを整備することとしております。
 松元第二児童クラブを利用予定の児童は通学に主にJRを利用する児童であり、下校時の児童クラブへの移動もJRを利用することとなりますことから、利用の際の安全確認などについてクラブを通じて保護者や児童に周知をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
◎産業局長(山下正昭君) 街なかリノベーション推進事業についてお答えいたします。
 リノベーションの手法を活用して空き店舗等を再生する取り組みにつきましては平成二十三年度に北九州市で始まり、取り組みを進める民間団体が国土交通大臣賞を受賞するなど、まちづくりの手法として高い評価を得ております。これまで同様の取り組みが和歌山市、鳥取市、鹿屋市など全国に広がっており、雇用創出等の成果があらわれているところでございます。
 本市では、二十九年度からの新たな取り組みとして、空き店舗などの再生を担う人材を育成するため本年十一月にリノベーションスクールを開催し、実際の空き店舗を対象にした事業計画を立案の上、対象物件のオーナーなどへ事業提案を行うことといたしております。
 空き店舗等を活用した新しいビジネスが創出されることによりまして新たな雇用が生まれるほか、地域にもにぎわい創出などの波及効果が期待でき、地域再生につながるものと考えております。
 また、事業の推進に当たりましては、他都市のリノベーションスクールに参加経験のある方々にも御協力をいただきながら、対象物件の選定やスクールの開催等について連携して取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
◎建設局長(鮫島健二郎君) お答えいたします。
 吉野地区土地区画整理事業の平成二十九年度末時点における進捗率は、事業費ベースで一〇〇・二%、建物移転ベースで九六・五%となる見込みでございます。なお、事業費ベースの進捗率が一〇〇%を超えているのは事業計画の変更手続中によるものでございます。
 二十九年度の建物移転棟数は四十五棟で、二十九年度末時点における残移転棟数は八十棟となる見込みでございます。
 当地区は、より効率的に事業を進めるため、建物移転が完了した乙女塚配水池西側の区域において二十八年度からの三カ年で重点的に整備を行うこととし、必要な工事費を中心に二十九年度予算に計上したところでございます。今後も残る区域について早期の工事概成に向け、効率的に整備を進めてまいりたいと考えております。
 吉野第二地区関連の雨水貯留施設の排水計画の修正は、稲荷川と磯川の流域について河川管理者と協議を行い、それぞれの雨水貯留施設への流入量の配分を見直すものでございます。
 当地区については、現在、事業計画決定に向けた関係機関との協議を行っておりますが、吉野地区を初め、現在施行中の地区の進捗状況や本市の財政状況などを見きわめながら取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) まず、国民健康保険制度について答弁いただきました。
 都道府県単位化に対して、当局としては現行の制度を継続していけるよう取り組む見解が示されましたので、今後の県との協議の中で機会あるごとにただしてまいります。また、保険者支援金を活用して税負担の引き下げを行っている自治体は把握されていないとのことでしたが、私どもが政務調査課を通じて独自に調査を行ったところ、旭川市が行っているようです。当局としてもこのような事例の調査や検討をなされるよう要請いたします。
 ひとり暮らし高齢者等安心通報システム設置事業について答弁いただきました。現行でも心臓発作などの緊急搬送といった奏功事例につながっている事業ですが、議会や市民からの要望が実って、生活保護世帯に限って電話回線の貸与ができるようになりました。当局の御努力に敬意を表します。今回紹介いただいた他都市の事例のほかにも介護保険サービスの一環として所得のある方にも有償で貸し出す制度も存在します。システムの更新に当たっては他都市の先進事例も研究していただき、多くの市民が携帯電話の所持にかかわらず利用できるシステムにさらなる改善を重ねていただきますよう要請いたします。
 保育行政について答弁をいただきました。
 保育士不足の中、免許を持つ保護者が保育園に落ちるという事態への対策としては、質疑で求めた方向で改善が図られるということで理解するとともに、処遇改善、パワハラ問題への対応など周知を徹底していただき、働きやすい職場づくりに努めていただくよう要請いたします。また、認可保育施設の施設型給付や保育料の負担軽減などの補助が国の施策で充実する一方で、本市の保育の一翼を担う認可外保育施設は大変厳しい状況にあるということも認識していただき、認可外保育施設が果たす役割を踏まえた保育行政が展開されることを要望いたします。
 街なかリノベーション推進事業について答弁いただきました。
 前回の質疑でも伺いましたが、官・民・学のそれぞれの役割は、民間が独自に資金を調達し主体的に事業に取り組む、行政が不動産オーナーと民間事業者をつなぐとともにまちの情報を提供する、大学、学識経験者は専門的な立場からの助言と体系化をするということです。そのことを踏まえて、地域の人材との連携を密にしていただきたいと思います。また、四月には東京で全国のリノベーション経験者やこれから取り組みたい皆さんが経験・交流するリノベーションサミットも開催されるようですので、当局を中心に参加されてみてはいかがでしょうか。要望しておきます。
 吉野地域のまちづくりについて答弁いただきました。
 吉野第二地区の都市計画決定時の説明会の資料等を改めて見ますと、都市計画決定から約三年で事業計画決定、さらに三年かけて雨水貯留地の建設、その後、平成三十年代の前半の着手を目指すとなっています。現在施行中の吉野地区が事業完了後、円滑に事業展開できることを念頭に置いた案ではありますが、吉野地区の工事完了のおくれの影響が既に出ていると言わざるを得ません。吉野地区の早期完了、第二地区の早期着手は、長年、土地区画整理法上の制限を受けてきた地域住民や県道の拡幅による早期の渋滞解消を願う第二地区内の住民にとっても切実な願いです。そのことを踏まえて国・県との協議を進められるよう強く要請いたします。
 松元地域のまちづくりについて答弁いただきました。
 今回のJR上伊集院駅の改善は国の方針に基づくもので、JRが主体となって取り組まれることがわかりました。これまでも指摘してまいりましたが、朝は松陽台高校に登校する学生が電車から雪崩のようにおりてくる中を小中学生がかき分けて乗るなど混雑しているため、ホームの拡幅などは安全性の向上にも寄与するものです。当局としても工期中の安全対策など住民の声に耳を傾けて進めていただきますよう要望しておきます。
 児童クラブも吉野・松元地域において民間等の協力を得て設置されるほか、今後の児童増加を見込んだ二階建てもあるようです。周辺の安全対策や移転を希望されている児童クラブへの遺漏なき対応を要望いたします。
 最後に、敬老祝金や法外扶助の夏季見舞金の削減ではなく、大河ドラマ館や海外視察を節約し、バイオガス施設をやめて市民の福祉向上をという質問について市長の答弁をいただきました。
 市長、要望書にもあるとおり、なぜ今ということなんです。社会保障の削減に次ぐ削減で、年金生活者も生活保護利用者も生活は限界に達しています。十年先、二十年先を見据えるのも大事ですが、安倍政権が異例の速さで通そうとしている政府予算案も防衛費が五年連続の増額で、過去最大の五兆一千億円に達している一方で、社会保障分野では七十歳以上の高額療養費の改悪や後期高齢者医療の軽減措置の縮減、生活保護制度の基準見直しなどが提案されており、来年度の生活そのものが見通せない不安に皆さんの怒りが広がっているんです。
 市長は提案理由説明で、「国が国民のために何ができるかではなく、国民が国のために何ができるかを考えてほしい」と、ジョン・F・ケネディ大統領の演説の一節を引用し、「市民の皆様が市政に関心を持ち、市政を動かす原動力として主体的に活躍できるまちづくりを進めたい」と述べられました。今まさに年金生活者と生活保護利用者の皆さんが同じ境遇の市民の生活を鑑みて、主体的に制度の存続を求めて議会や当局のもとに訪れています。その皆さんの前で、先ほどの答弁では到底理解を得ることはできないと言わざるを得ません。
 ぜひ皆さんの声に耳を傾けていただき、あらゆる世代をまちの宝として支えていくことにチャレンジしてくださいますよう強く要請いたしまして、以上で、日本共産党市議団を代表する質疑の全てを終了いたします。