◆(園山えり議員) 日本共産党市議団の一人として個人質疑を行います。
私ども日本共産党市議団は、ことし四月に福島原発事故から六年たった町の実態を視察してまいりました。原発問題住民運動全国連絡センターの筆頭代表委員を務める伊東達也さんのガイドで福島第一原発のある大熊町、双葉町、第二原発のある楢葉町、富岡町、また、いわき市での行政視察を含め七つの自治体に伺いました。
国はこの春、帰還困難区域を次々と解除し賠償を打ち切ろうとしていますが、到底納得いくものではありません。私たちは避難指示が解除された第一原発から七キロほどの富岡町夜の森地区に伺いました。ここは、桜並木の名所で各地から毎年十万人の花見客が訪れていたところです。原発事故で町は帰還困難区域となり、人がいなくなりました。
ことし四月一日、除染が一部完了したといって、たった道路一本を境にして避難指示が解除されました。これがそのときの様子です。道路を挟んで左側は帰還困難区域、右側は避難指示が解除された住宅です。わずか数メートルの道路を隔てて、除染してありますから帰ってきてくださいと言われて果たして住民の皆さんは安心して暮らせることができるでしょうか。
また、このように田んぼや畑だったと思われる広大な土地には、除染作業で出た汚染物質の仮置き場としてフレコンバッグが高く積み上げられていました。第一原発から四キロほどの国道では、放射線量をはかるガイガーカウンターが途切れることなく鳴り響き、私は強い恐怖を感じました。私たちが鹿児島でふだん生活している線量からすると百倍も高い線量です。国道には人が入らないよう蛇腹の鉄の柵が張りめぐらされ、辻々に警備員が配置されていました。私は福島に伺うのは二年ぶりでしたが、この光景は変わっていませんでした。一たび原発事故を起こしたならば生活は一変し、その復興への道の困難さははかり知れないものがあることを改めて実感いたしました。
私たちはその後、いわき市に行政視察に伺いました。いわき市は、第一原発から二十キロから五十五キロ圏内に、第二原発からは十五キロから六十五キロ圏内に位置しています。川内原発から三十キロから七十キロ圏内の本市と距離的に大変似ています。中核市のいわき市は人口約三十四万七千人で、今でも県内最多の二万三千人の避難者が生活しておられます。
原子力対策課の担当の方から事故直後、国や県、電力会社のどこからも正確な情報が届かず市民がパニックに陥ったことや事故から六年かけて避難計画をつくってきたことなどを伺ってまいりました。ことし三月には広域避難計画が完成し、全世帯に原子力防災の手引きを配布しているとのことでした。
そこで、本市もその教訓を学び、原子力災害の避難計画について、より実効性ある避難計画の策定を求める立場から、以下伺ってまいります。
まず、いわき市の原子力災害広域避難計画について。
質問の一点目、いわき市が原子力災害広域避難計画を策定することになった経緯をお示しください。
質問の二点目、いわき市が当初策定していた原子力災害避難計画(暫定版)からの主な修正点はどのようなものかお示しください。
以上、答弁願います。
◎市民局長(星野泰啓君) お答えいたします。
いわき市の場合は、福島第一原発事故の際に、広域にわたり放射性物質が拡散されたことなどから、福島県がいわき市の意向を踏まえ、国の指示に基づく避難及び屋内退避の防護措置が講じられた範囲を考慮して三十キロ圏内地域を含むいわき市全域をUPZと定めたことに伴い、市外への広域避難計画を策定したようでございます。
次に、避難計画の暫定版は、いわき市内に避難場所を定めておりましたが、二十九年三月に策定された広域避難計画では、市内全域がUPZと定められたことから、災害時の被災リスクや気象状況を考慮して二方向の市外への避難などを定めたものでございます。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
いわき市の担当者は私どもに、道路一本で違う賠償問題など当事者には深刻な問題だとして、現実的に三十キロで線を引くことの困難を話してくださいました。いわき市としての意向を県に伝え、それを県も認め、市全域をUPZに指定したということです。自治体が市民の命を守る立場でその気になればできるという教訓ではないでしょうか。
また、計画の修正点ですが、これまでは第二原発の三十キロ圏内が市内間避難となっており、いわき市全域が避難対象となったことで、その対象者は六万二千人からいわき市に避難している方も含め三十六万人となりました。当局がお示しになった二方向への避難については、南側への避難は茨城県、西側への避難は新潟県へと県外避難を定めています。また、円滑な避難ができるよう、それぞれの地区ごとにまずは目指すべき避難中継所を設置し、施設の状況に応じて最寄りの避難所へ誘導することになっています。
次に、質問の三点目、いわき市全域がUPZ(緊急時防護措置を準備する区域)に指定されたことへの本市の見解をお示しください。
以上、答弁願います。
◎市民局長(星野泰啓君) いわき市全域がUPZに指定されたことについては、福島第一原発事故の状況を踏まえて福島県が判断したものと考えております。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
県が判断したとの答弁でしたが、いわき市からの意向も踏まえたことについては大変重要な教訓がここにはあると思います。本市も県任せにせず、いわき市の姿勢を見習うべきではないでしょうか。平成二十六年にいわき市は広域避難計画の策定に生かそうと市民三千人を対象に原子力災害時の避難等に関する市民アンケートを行い、被害時の情報の入手手段や避難先、避難時の苦労などを調査しています。
そこで、このアンケート結果から酌み取れる教訓はどのようなものか、当局の見解をお示しください。
以上、答弁願います。
◎市民局長(星野泰啓君) いわき市が実施したアンケート調査の分析結果では、放射線を避けるため、まずは屋内退避という市民の意識づくりや市民にとってわかりやすい、行きやすい避難先の設定などが課題として上げられており、訓練などを通して避難計画の実効性を高めていく取り組みが重要であると考えております。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
アンケート結果では、原発事故後六割の市民が避難し、そのうち七割が県外へ避難したとの結果が出ています。ガイドの伊東さんは、事故当時の住民の混乱について、ただただ恐怖の末に赴くままに誰をさておいても逃げる、これが原発事故なんだと振り返っておられます。本市の避難計画では、郡山地区の一千人弱の方が市内間で避難をすることになっていますが、いわき市の例を見れば、これでは不十分ではないでしょうか。
そこで、本市の原子力災害対策避難計画の充実についてお伺いいたします。
質問の一点目、いわき市の事例でUPZの対象はおおむね三十キロにとどまらない場合もあるとの理解でよいのかお示しください。
以上、答弁願います。
◎市民局長(星野泰啓君) UPZの対象範囲については、国の原子力災害対策指針で原子力施設からおおむね三十キロを目安とすることが示されており、本県では原子力施設の特性や行政区域、地勢等の状況を勘案して三十キロ圏内と定められております。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 答弁いただきましたが、いわき市全域がUPZに指定されたことからも、その対象は三十キロにとどまらないという認識を持つべきと厳しく指摘いたします。いわき市では、原発事故直後、一時は住民の半数に上る十五万人が避難したと言われています。担当の方は、当時を振り返って、情報が得られず、よそからの受け入れもしなければならなかった、めちゃめちゃな状態だったとおっしゃっていました。事故が起きれば全市が混乱することは明らかです。
いわき市の教訓からUPZを見直し、本市ではおおむね三十キロの範囲を全市に広げるよう県に要請するべきではないでしょうか。市長の見解を求めます。
以上、答弁願います。
[市長 森 博幸君 登壇]
◎市長(森博幸君) 園山えり議員にお答えいたします。
国の原子力災害対策指針にありますように、UPZの範囲は原子力施設からおおむね三十キロを目安とすることが示されていることから、現時点で対象範囲の拡大を県に要請する考えはございません。引き続き、国、県並びに九州電力におかれましては、徹底した安全対策や対応を行っていただきたいと考えており、本市としましても、今後とも関係機関等と連携を図りながら、訓練等を実施し、避難計画の実効性を高めてまいりたいと考えております。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
県に要請するお考えはないとのことでしたが、いわき市は国や県、電力会社任せでは住民の命と暮らしは守れないと身をもって経験したからこそ、県にその意向を伝え、UPZの対象範囲が見直されたと理解するべきです。本市は一部が避難する側でもあり、原発事故の被災者を受け入れる側でもありますが、いわき市の計画から見ても本市の計画は実効性のあるものと言えるでしょうか。UPZの見直しをぜひ検討し、県に求めていただくよう強く要請いたします。
私は、今後とも福島を忘れず、住民の命と暮らしを守る立場で徹底した避難計画の策定を求めていく決意を申し上げまして、この質問を終わります。
新しい質問に入ります。
LGBT(性的少数者)、セクシュアルマイノリティーの支援についてお伺いいたします。
今月一日から札幌市でも性的マイノリティーのお二人が互いを人生のパートナーとして宣誓するパートナーシップ宣誓制度が始まりました。東京都の渋谷区や世田谷区などに続き六例目となり、政令指定都市では初めてとなります。福井県の越前市では、LGBT当事者に配慮し、今年度から職員採用試験の申込書の性別欄を削除する取り組みが始まるなど、私はLGBTを取り巻く情勢が日々前進していることを実感しています。
先日、本市の教育委員会、また、県教育委員会の後援で開催された多様な性を知るLGBTQ講演会があり、私も参加させていただきました。主催したLGBT─JAPANは、LGBTが当たり前の個性として存在することを啓蒙し、LGBTを特別扱いしない社会をつくっていこうと取り組まれている団体です。当事者が抱えてきた大きな違和感を乗り越え、家族や友人にカミングアウトしたときのお話も伺い、理解を深める貴重な機会となりました。市の職員の中にも参加された方がいらっしゃいましたので、ぜひ今後の取り組みに生かしていただきたいと期待するものです。私は、性的少数者を含め全ての人が自分らしく生きられる社会を目指していく立場で質問いたします。
平成二十八年第四回定例会でも取り上げましたが、一橋大学の男子学生が友人のアウティング、いわゆる本人の了解を得ずに秘密を暴露されたことにより、深く傷つき、学内で飛び降り自殺するという痛ましい事件は社会に大きな衝撃を与えました。LGBT当事者への偏見や無理解からくるいじめや自殺は極めて深刻な問題です。
そこで、第一七号議案 平成二十九年度鹿児島市一般会計補正予算(第一号)中、款衛生費、項保健衛生費における自殺対策計画策定等モデル事業費についてお伺いいたします。
質問の一点目、これまでの本市の自殺対策の取り組みと自殺者の推移を直近五年間でお示しください。
質問の二点目、国のモデル事業とはどのようなものか、内容と要件をお示しください。
質問の三点目、平成二十四年八月に閣議決定された国の自殺総合対策大綱に盛り込まれた性的マイノリティーについての内容をお示しください。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) お答えいたします。
本市における自殺対策の取り組みとしましては、無料相談窓口カードを作成し、市内の医療機関や警察署、遊技場等に設置するとともに、市民、市職員、専門的支援を行う関係機関を対象とした講座を開催し、ゲートキーパーの養成やそのスキルアップに努めております。さらに、平成二十八年度からはセーフコミュニティ自殺予防対策委員会を中心に相談会を開催するなど、効果的な取り組みを進めているところでございます。また、人口動態統計による自殺者数の推移について二十三年から二十七年まで順に申し上げますと、百十一人、百五人、百十一人、九十一人、八十三人となっております。
国のモデル事業につきましては、二十八年四月一日改正の自殺対策基本法で市町村に義務づけられた自殺対策計画の策定を先行的に行うもので、組織内の自殺対策に係る推進体制を整備するとともに、ゲートキーパー養成講座等の事業を実施し、その成果を計画策定に生かすことなどが要件となっております。
国の自殺総合対策大綱に盛り込まれた性的マイノリティーにつきましては、生活困窮、児童虐待、性暴力被害、ひきこもり等と同様に自殺の要因となり得るため、関係者の連携による包括的な生きる支援を強化することが重要であると示されております。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
本市でも百人前後の方々が毎年自殺されていることがわかりました。みずから命を絶つ方が一日も早くいなくなるように早急な対策が求められていると思います。
国の大綱には、性的マイノリティーが自殺の要因となり得ると指摘し、包括的な生きる支援を強化するとうたわれていることがわかりました。また、大綱には、自殺念慮、つまり自殺したいという思いにとらわれるというその割合等が高いことが指摘されている性的マイノリティーについて、無理解や偏見等がその背景にある社会的要因の一つであると捉えて、理解促進の取り組みを推進するとも明記されています。LGBT当事者の自殺念慮が高いと指摘されていることは看過できない問題です。
質問の四点目、同性パートナーを公認する証明書を発行している東京都世田谷区が平成二十八年にLGBT当事者に行った「性的マイノリティ支援のための暮らしと意識に関する実態調査」について、この実態調査の目的と内容をお示しください。
また、あなたが経験したことを問う設問の中で、「自殺したいと思った」と答えた人の割合をお示しください。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 世田谷区の調査につきましては、世田谷区第二次男女共同参画プラン策定時の具体的な取り組みの検討を行うためのものであり、全国の性的マイノリティー当事者を対象に、調査項目は、住まいや雇用などの生活の実態や生活する上で直面する困難や不安などとなっております。
また、四九・七%の方が「自殺したいと思った」と回答しておられるようでございます。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
このアンケートは、行政が行ったものであるため、結果は一定の信頼性があるものと考えます。生きづらさを抱えた当事者がこれだけたくさんいらっしゃる、大変深刻な実態が浮き彫りとなっています。
質問の五点目、計画策定に当たり、性的少数者に配慮した取り組みについて当局の見解をお示しください。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 本市の計画につきましては、国が夏ごろに示す新たな自殺総合対策大綱や今後開催予定の国の説明会も踏まえながら内容を検討し策定してまいりたいと考えております。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
本市においては、これから計画策定に取り組むということですが、自殺の要因となり得る生活困窮や虐待、ひきこもりなどの問題と同様、性的マイノリティーについても配慮し、これからの計画策定に取り組んでいただくことを強く要請いたします。
次に、年度目標を決めたLGBT差別解消への取り組みについてお伺いいたします。
質問の一点目、ことし三月にLGBT差別解消を求めて開催されたレインボー国会の目的と内容をお示しください。
以上、答弁願います。
◎市民局長(星野泰啓君) 報道等によりますと、レインボー国会は、LGBT当事者や支援者及び国会議員の方々などが話し合い、交流するために開催されたもので、その中では当事者等から抱える現状についての報告があったとのことでございます。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
オリンピック憲章には、二〇一四年から性的指向による差別禁止が明記され、オリンピックの開催国はこれに準ずる必要があります。日本で開催される二〇二〇年を目標に、一刻も早くLGBT差別をなくす法整備が急がれていることからも、当事者や支援者、超党派の国会議員が力を合わせて取り組む問題だとしてレインボー国会が開かれました。
そこで、質問の二点目、世界中の方々がたくさん訪れるオリンピック・パラリンピックに向け、二〇二〇年を節目標に差別解消へスピード感を持って取り組んでいただきたいと考えますが、当局の見解をお示しください。
質問の三点目、その第一歩として当事者の生の声を聞くことについてどのようにお考えか当局の見解をお示しください。
以上、答弁願います。
◎市民局長(星野泰啓君) LGBT差別解消への取り組みとして、当事者の声を聞くことは意義のあることと考えております。
LGBTの人権課題につきましては、平成二十八年十二月に改訂いたしました人権教育・啓発基本計画の中で性的少数者を新たな人権課題として位置づけ、理解促進や相談、支援等の取り組みを進めていくことといたしております。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
私は、性的少数者を人権問題の一つの課題として、人権教育・啓発基本計画に盛り込まれたことは大変大きな前進だと思っていますが、まだ当事者の方々をサポートする専門の相談窓口さえありません。この計画を前に進めるためには、やはり目標を持って教育、啓発、具体的な事業をスピード感を持って進めるべきと考えます。そのためにも、当事者の方々がどのようなことに生きづらさを抱え苦しんでおられるのか、行政に何を求めておられるのか、これらを知る機会を早い時期につくっていただくことを強く要請いたします。
最後に、全国で毎日三万件の相談が寄せられている「よりそいホットライン」を運営する社会的包摂サポートセンターの代表理事を務める熊坂義裕医師は、全人口の七・六%がセクシュアルマイノリティーだという民間の調査結果を示し、「五世帯に一世帯にはセクシュアルマイノリティーの方がいる計算で、実際にはマイノリティーという言葉を使わなくてもいいくらいだ」と指摘し、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックに向けた法整備などを訴えておられます。
私ども日本共産党を含む野党四党は、昨年五月にLGBT差別解消法案を国会に提出していますが、専門家の方の御指摘やレインボー国会の開催など世論の高まりを見ても、LGBTへの支援は喫緊の課題です。日本にとって二〇二〇年までの三年間は、LGBT支援を大きく前進させる大変重要な期間だと捉え、当局にはスピード感を持って取り組んでいただくとともに、私も当事者の皆さんやアライと呼ばれる支援者の皆さんとともに、LGBT支援に全力を尽くす決意を申し上げまして、この質問を終わります。
新しい質問に入ります。
就学援助制度についてです。
これまで私ども党市議団は、入学準備金について、七月支給から三月に前倒しして支給することを求めてまいりましたが、ことしの第一回定例会において三月支給が実現し、保護者の皆さんに大変喜ばれています。さらに支給額の倍増や申請方法の改善を求めてまいりましたことから、今回の補正予算について、その内容とさらなる充実を求める立場で以下伺ってまいります。
第一七号議案 平成二十九年度鹿児島市一般会計補正予算(第一号)中、款教育費、項小・中学校費における就学援助事業について。
質問の一点目、平成二十九年三月三十一日付の通知、「平成二十九年度要保護児童生徒援助費補助金について」の趣旨と見直しの具体的な内容と本市の対応をお示しください。
以上、答弁願います。
◎教育長(杉元羊一君) お答えいたします。
平成二十九年三月三十一日付、文部科学省の通知では、新入学児童生徒学用品費等について、その支給単価を小学校四万六百円、中学校四万七千四百円にそれぞれ増額改定する内容が示されております。本市は、これまで就学援助事業の支給単価設定に国の基準を用いてきておりますことから、国の単価改定を反映し、今回増額して支給したいと考えております。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
入学準備金の予算単価が見直され、小学校が二万三百円から四万六百円に、中学校が二万三千七百円から四万七千四百円にそれぞれ二倍に当たる予算単価が示されたことがわかりました。本市もそれに対応し倍増されるということです。私どもはこれまで、ランドセルや制服代、体育服など入学準備に実際にかかる実態と、これまでの入学準備金が大きく乖離しているということを指摘し、倍増を求めてまいりましたので、二万円から四万円台に増額したことは大きな前進です。
質問の二点目、小学校、中学校それぞれの予算額と対象者をお示しください。また、七月に支給予定の対象者にも倍増した金額が支給されるのでしょうか、お示しください。
質問の三点目、三月支給後、児童生徒が本市からほかの自治体へ引っ越した場合について、私はこれまでも入学準備金の返還を求めない自治体があることも紹介してまいりましたが、本市の考え方と対応をお示しください。
質問の四点目、入学準備金の増額による効果についての認識をお示しください。
以上、答弁願います。
◎教育長(杉元羊一君) 今回の支給単価改定に伴う補正予算額と対象者を順に申し上げますと、小学校、五千九百五十四万四千円、二千九百五十八人、中学校、六千四百八十万円、二千七百十七人となっております。また、七月に支給を予定しております二十九年度入学者も改定後の単価で支給することとしております。
次に、三月支給後に転出した場合の取り扱いについてでございますが、入学準備のための支出は三月中になされるものと考えておりますことから、返還は求めないこととしております。
次に、新入学児童生徒学用品費等を増額して支給することで、保護者の経済的負担のさらなる軽減が図られるものと考えております。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
七月支給の対象者も今回倍増された入学準備金が支給されることを確認いたしました。中学生の価格表を見ますと、制服とジャージ、体育服や運動靴など身につけるものだけでも七万円以上かかります。学用品や部活動の道具を含めると十万円程度はかかることになり、保護者の負担は大変大きいものです。三人の息子を育てる三十六歳の父親は、中学生になった息子の入学準備金をこの七月に受け取る予定ですが、二万円の増額は助かりますと喜んでいます。
また、来年からは三月支給が始まりますが、さまざまな理由で引っ越すことになっても入学準備のために必要なものとして返還は求めないことを確認いたしました。準備金の倍増と返還を求めないことについて、当局の御努力に敬意を表します。
次に、平成二十九年第一回定例会で党市議団が提案しておりました就学援助制度の申請手続の方法についてお尋ねいたします。
質問の一点目、来年小学校に入学する新一年生の保護者に対して制度の周知はどのようになされるのか、また、入学準備金の三月支給までの申請手続のスケジュール、申請手続の方法をお示しください。
質問の二点目、新一年生以外のほかの学年の児童生徒の申請手続については検討しておられるのかお示しください。
以上、答弁願います。
◎教育長(杉元羊一君) 小学校入学予定者に対しまして、就学時健康診断の受け付けの際に案内文と申請書を配布して周知いたします。また、スケジュールは九月から十月にかけて申請書を配布した後、一月末まで受け付けを行い、三月中旬に支給する予定としております。なお、申請手続は教育委員会宛てに郵送で申請書を提出していただく方法を考えております。
次に、在学中の児童生徒の申請手続について、学校を通じて申請する現在の方法の見直しは考えておりません。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
新一年生は、入学前健診の受け付けで申請書を配布することや郵送での申請を考えておられるということです。郵送であれば、新一年生は申請がしやすいのではないかと思われます。また、第一回定例会では、大分県日田市が郵送での申請にしたところ、利用率が上がったことなど質疑を交わしてまいりましたが、ほかの学年は検討しておられないということでした。
質問の三点目、新一年生以外の児童生徒が申請しやすくするためにも、郵送で申請できるよう改善を求めるものですが、見解をお示しください。
以上、答弁願います。
◎教育長(杉元羊一君) 現在、児童生徒全員から申請意思の確認を含めて申請書の提出を受けており、申請漏れもないことから、申請方法の変更は考えておりません。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
変更は考えておられないとのことでした。郵送であれば人目につきませんので、保護者のためらいを払拭するものとなるのではないでしょうか。教育委員会としても申請が倍増した要因を該当する自治体に調査するべきではないでしょうか。就学援助を受けたくても受けにくい状況はないか、必要とされる援助が全ての児童生徒に行き渡るように、就学援助制度のさらなる改善を強く要請いたしまして、この質問を終わります。
最後の質問に入ります。
ことし二月に私のもとに、児童クラブに入ることができず待機児童となった宇宿小校区の保護者の方から、このままだと仕事をやめざるを得ないとの切実な相談が寄せられました。三月二日には、NGO団体である新日本婦人の会の方々が市役所を訪れ、宇宿小校区の児童クラブを早急に設置してほしいと申し入れをされ、私も同席いたしました。放課後を子供たちが安全で楽しく過ごすことができ、保護者も子供の安否を心配せず安心して働けるように、その環境整備は待ったなしの課題であり保護者の願いです。待機児童ゼロを目指して早急に施設整備を進めていただきたい、その思いで質問をいたします。
今回、補正予算におきまして、児童クラブの施設整備事業が示されました。第一七号議案 平成二十九年度鹿児島市一般会計補正予算(第一号)中、款民生費、項児童福祉費における児童クラブ施設整備事業費についてお伺いいたします。
まず、児童クラブの待機児童と施設整備の状況について、質問の一点目、本市の待機児童数と特に多かった校区の上位五位をお示しください。
質問の二点目、今回の補正予算によって解消される待機児童の見込みは何人かお示しください。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 本年五月一日現在の児童クラブの待機児童数は二百二十九人で、待機児童が多い校区と児童数は、中山二十六、川上二十二、宇宿二十一、春山二十、星ケ峯東十九人でございます。
今回の補正予算での整備により六百二十人程度の定員枠が確保されることになりますが、本年五月一日現在の待機児童数で申し上げますと、九十五人が解消される見込みでございます。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
二百二十九人の待機児童のうち、今回の補正予算で九十五人の待機児童が解消される見込みであることがわかりました。また、政務調査課を通じて当局に求めた資料によりますと、既に予算がついて施設整備が進んでいるものも合わせると、現時点で今年度は百四十五人の待機児童が解消される見込みです。
次に、二十一人の待機児童がいる宇宿小校区について、今回の補正予算では宇宿第二、第三児童クラブの施設整備の予算の提案がなされましたので、以下伺ってまいります。
質問の一点目、待機児童となっている保護者の声や要望、申し入れの内容をお示しください。
質問の二点目、第二、第三クラブの建設される場所と定員、面積、建物の構造、供用開始まで保護者への説明や児童の募集時期などのスケジュールをお示しください。
質問の三点目、今後の児童クラブの利用者の見込み数と本市の対応をお示しください。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 宇宿校区の保護者の方々からは、親が帰宅するまでの間、低学年の子供を一人で留守番させることに対する不安感などから第二児童クラブの早急な設置について要望等をいただいているところでございます。
宇宿校区において利用を希望する児童数は、本年五月一日現在で七十六人でございますが、来年度以降も増加し三十三年度には百人を超えることが見込まれますことから、今回、第二と第三クラブを合わせた二階建ての専用施設を現在の児童クラブの敷地内に整備することとしており、いずれも定員の見込みは五十五人で面積は約八十三平方メートルでございます。
また、来年四月の開設に向けて今後、施設の整備を進める一方、運営委員会において九月ごろから保護者への周知を行い、十一月ごろから児童の募集を開始する予定でございます。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
今後の利用者を見込んで第二、第三とも開設するということで、利用者の増加にも対応ができるということを確認いたしました。しかしながら、供用開始まで待機児童にどう対応していくのかも課題です。来月には夏休みが始まります。
最後に、この子供たちに対しては、何とか急ぎで暫定的な対応をしていただきたいと考えますが、供用開始までの期間、本市としての待機児童への対応と課題をお示しください。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 児童クラブの開設に当たりましては、施設整備を行い、供用開始するまでの間に、校区公民館の使用が可能であることや支援員の確保など、地域の運営体制の確立などの条件が整う場合には先行実施により対応しているところでございますが、このような条件が整わない校区もあるところでございます。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
供用開始するまでの間に一部では校区公民館などを利用し先行して児童クラブを開始していることがわかりました。夏休みを目前に対策のめどが立っていない児童クラブも残されていますので、積極的に運営協議会や地域住民、保護者とも連携を図り、放課後や夏休みなどに一人で過ごす子供をなくす対応に努めていただきますよう心から要請をいたします。
ことし四月から鍵っ子になった小学二年生の女の子は、お母さんによると、最初は一人で自由な時間を過ごしていたようだが、そのうち日が落ち始めると心細く、窓から外を見たり、母親の携帯に何度も電話をかけてきたりするそうです。そういう子供たちが残されていることは看過できない問題です。間もなく始まる夏休みを前に、何としても解決できるよう私も当局の皆さんと御一緒に頑張る決意です。
鹿児島市の子ども・子育て支援事業計画では、平成三十一年に待機児童を解消する目標が設定されています。当局におかれましても、待機児童を一刻も早く解消し、子供も保護者も安心して安全な生活が送れるよう、施設整備を進めていただくよう要請いたしまして、私の個人質疑の全てを終わります。