◆(園山えり議員) 日本共産党市議団の一人として個人質疑を行います。
 初めに、原子力災害における安定ヨウ素剤の事前配布についてお伺いいたします。
 質問の一点目は、先ほどの質疑で明らかになりましたので割愛いたしますが、川内原発から三十キロ圏内にヨウ素剤を条件つきで事前配布する鹿児島県の方針については、私どもとして一定の前進だと評価いたします。
 次に、川内原発の周辺自治体などでつくる原子力安全対策連絡協議会では、県の方針を受けて、ヨウ素剤の配布について影響を受けやすい子供を含め、できれば希望者全員に配布をとの要望が出されたようです。意見が出されたことへの当局の見解をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎健康福祉局長(上之園彰君) お答えいたします。
 原子力安全対策連絡協議会で希望者全員に配布をとの意見が出されたことにつきましては、新聞報道により承知はいたしておりますが、その詳細については把握できていないところでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 新聞報道等もありましたが、当局としても情報の把握をしっかりなされるよう指摘しておきます。本市議会にも希望する市民に対して安定ヨウ素剤の事前配布を求めることについての陳情が出されています。陳情では、「私たち市民は川内原発から二十キロから六十キロ圏内に住んでおり、原発事故で万が一放射性物質が放出したら外部被曝、内部被曝し、がんなどの健康障害が発生する危険がある、ヨウ素剤の事前の配布があれば専門家から十分に説明を受けることができ、被曝の前に飲むことがより可能となる」として、希望する市民に安定ヨウ素剤の事前配布を求めています。
 現在、陳情を審査中ではありますが、県は条件つきで配布するとの方針ですので、本市として、まず、希望する全市民に安定ヨウ素剤の事前配布をするよう県に要請するべきではないでしょうか。当局の見解をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎健康福祉局長(上之園彰君) 安定ヨウ素剤の配布につきましては、今後におきましても国の原子力災害対策に関するガイドラインに従って対応してまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 国のガイドラインに沿って対応されるということは、県にも要請しないことと理解をいたします。本市が住民の不安に応えて、少なくとも希望する全市民に事前配布するよう県に要請するべきです。そのことを強く要請いたしましてこの質問を終わります。
 次の質問に入ります。
 私ども党市議団は、学費の引き下げと給付型奨学金制度の一刻も早い創設を強く求めるとともに、本市の奨学金制度の拡充を求める立場から、以下伺ってまいります。
 日本の奨学金制度は、名前は奨学金となっていますが、これまで返済が必要な貸与型しかなく、その実態は学業資金を学生に押しつける学生ローンとなっています。そのような中で、学生の皆さんや国民の長年の運動が実り、ことしから国も給付型奨学金制度に取り組み始めていますが、その一方で、高校一校当たりの生徒数なども明らかになり、問題点も明らかになってきています。
 ここでまず、国の給付型奨学金の推薦枠についてお伺いいたします。
 質問の一点目、推薦枠の人数と推薦枠はどのように決定されているのか。
 質問の二点目、推薦枠の多かった上位三県と鹿児島県の推薦枠をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎教育長(杉元羊一君) お答えいたします。
 国の給付型奨学金制度の推薦枠につきましては、全国の高等学校等に各一人を割り振った上で残りの枠数を各学校の非課税世帯の奨学金貸与者数をもとに配分する方法で決定されております。
 新聞報道によりますと、日本学生支援機構のデータをもとにした都道府県の一校当たりの推薦枠は、上位から沖縄県一〇・五一人、大阪府七・六九人、福岡県六・三〇人で鹿児島県の推薦枠は四・六六人となっております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 非課税世帯の奨学金貸与者数の実績で推薦枠が決まるということですが、推薦枠が上位の県は子供の貧困率とも一定の相関関係があるようですが、推薦枠の配分が一番多かった沖縄県と鹿児島県を比較しますと二・五倍の差が生じています。全国ではその差が最大五倍に上り、推薦枠を受ける現場の高校からは、「過去の実績に縛られ、来春進学予定の生徒の実態を反映していない」と、制度の改善を求める声も上がっているようです。私は、第一回定例会で質疑を交わし、全国で二万人という枠では不十分であるということを指摘してまいりましたが、そもそも給付型奨学金の希望者に比べて枠が少な過ぎると指摘せざるを得ません。
 質問の三点目、推薦枠の地域差についての当局の認識と課題をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎教育長(杉元羊一君) 地域差につきましては、推薦枠が過去の奨学生の貸与状況をもとに決定されているため生じているところであり、奨学金の希望者数と推薦枠の人数との間に差が生じる場合もあると考えられます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 国の給付型奨学金制度においては、要件に当てはまる対象者が少なくとも六万人以上いると推計されています。二万人しか利用できない状況では、経済的に困難にあり、本当に学びたい学生が進学を諦めざるを得ない状況はこれまでと変わりません。
 鹿児島市で働く二十五歳の男性は、高校で百八万円、大学で二百十六万円の合わせて三百万円以上の奨学金を借り、毎月二万円ずつ返済をしています。あと十二年かけて三十七歳のときに完済予定です。友人たちも奨学金を返済していると言いますが、若い世代での貯蓄ゼロは当たり前だと言っています。将来の見通しが立たず、貯蓄どころか生活するのに精いっぱいというのが奨学金を返済している若者の現実です。
 このような実態や来年からこの制度が本格運用となることを踏まえて対象者の拡充を国に求めるべきではないでしょうか。当局の見解をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎教育長(杉元羊一君) 対象者の拡充につきましては、全国市長会等を通じて国に要望してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 第一回定例会では状況を見守るというお立場でしたので、全国市長会等を通じて国に要請されるということを評価いたします。引き続き、機会あるごとに給付型奨学金の拡充が図られるよう国に求めていただきますよう強く要請いたします。
 次に、地方創生・奨学金返還支援制度についてお伺いいたします。
 質問の一点目、奨学金返還支援制度の目的と概要をお示しください。
 質問の二点目、地方創生の財源を利用した県の返還支援制度の人材育成枠の定員七十人に対してことしの申込者数をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎教育長(杉元羊一君) 鹿児島県の奨学金返還支援制度は、本県の発展に寄与する産業分野に就業した場合、奨学金の返還を支援することにより、鹿児島の将来を担う有為な人材の育成・確保を図るもので、日本学生支援機構から無利子奨学金を借りた者が大学等卒業後に県内で就業し、一定の要件を満たした場合に奨学金の返還を支援するものでございます。
 県によりますと、平成二十九年度の人材育成枠への申し込み者は二百八十六人とのことでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 卒業後に県内の企業に就職することなど、要件を満たせば返還支援制度を受けることができる県の制度に対し、ことしは二百八十六人が将来、鹿児島に帰って返還支援を受けたいと申し込み四倍もの高い倍率となっています。このような観点からも、地方創生事業としても効果があるものと考えます。
 そこで私は、政務調査課を通じて調べたところ、佐世保市やいわき市は県と同様、地方創生を財源に市でも返還支援制度に取り組んでいることがわかりました。
 そこで、質問の三点目、奨学金返還支援制度を県と同様に実施している中核市の佐世保市やいわき市などの取り組みに対して本市の評価はどのようなものか。
 質問の四点目、本市も返還支援を検討するべきではと考えますが、当局の見解をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎教育長(杉元羊一君) 奨学金返還の支援を行っている市では、幅広い人材の確保や特に人材が求められている業種への就業促進など、それぞれの目的に基づき制度を実施しているようでございます。
 平成二十八年度に創設されました県の奨学金返還支援制度の基金に対しまして県市町村振興協会から出捐することとしており、県と連携しながら本制度の推進に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 私は、県の返還支援制度では不十分だからこそ、ほかの中核市でも取り組んでいるように、本市でも返還支援制度を導入していただきたいのです。当局は、昨年の第二回定例会で、新しい制度は考えておられないとのことでしたが、地方創生の交付金を活用しての新しい検討ができないものでしょうか。ぜひ検討していただくよう要請をいたします。
 最後に、教育長は給付型奨学金に対して、これまでも財源の課題を理由に各面から研究していきたいとの答弁に終始しておられます。給付型奨学金の研究、検討状況をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎教育長(杉元羊一君) 給付型奨学金につきましては財源などの課題もありますことから、引き続き、各面から研究しているところでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 今回は、地方創生を財源としての新しい取り組みができないものか提案をさせていただきました。県の制度に定員の四倍もの申し込みがあったように、地方創生の財源を使って返還支援制度をつくることは県外へ流出する若者人口を本気で呼び戻すことにもつながるはずです。検討、具体化を図られるように要請いたします。
 奨学金問題に詳しい中京大の大内裕和教授は、本来、奨学とは学問を奨励しそれを支援するという意味ですが、日本の奨学金制度の実態は学生の自由を奪い、進路を阻み、長く生活を圧迫し、ひいては少子化、人口減少などをもたらしかねないものです。借りたものは返すのが当然だと責められるこの状況において、彼らをまずはサポートするというのが先決だと指摘をしておられます。奨学金返済に苦しみ、貯蓄もできず、結婚や出産を諦めざるを得ない現在の状況を日本の喫緊の課題として、本市から給付型奨学金の実現に全力を挙げていただきたいと強く要請をいたしまして、この質問を終わります。
 次に、農業問題についてお伺いいたします。
 今、日本の農業が衰退の一途をたどっています。国の農業政策は、農畜産物や水産物の輸入自由化で食の海外依存度が高くなる一方、日本の農業は切り捨てられ続けています。安倍政権は、この政策を改めるどころかTPPやEPAを推進し、食料の海外依存度をさらに高めています。アメリカやEUは、広大な農地と直接支払制度も充実しており、所得に占める補助金の割合が高い国々であるにもかかわらず、日本の小規模農家が競争を強いられています。一刻も早く日本の農業を守るという当たり前の農政の転換を図る立場から、以下伺ってまいります。
 農水省が八月に二〇一六年度の食料自給率を発表しましたので、まず、食料自給率についてお伺いいたします。
 質問の一点目、国と本市のカロリーベースの食料自給率と自給率の目標を前回調査からの推移でお示しください。
 以上、答弁願います。

◎産業局長(山下正昭君) お答えいたします。
 国の食料自給率とその目標の推移でございますが、平成二十八年度の自給率は三八%で、二十二年に策定した三十二年度の目標値は五〇%、二十七年に策定した三十七年度の目標値は四五%でございます。本市の自給率は、農林水産省が示す方式で試算いたしますと、二十七年度は四%でございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁をいただきました。
 政府は自給率の目標を五〇%から四五%へと引き下げたものの、今回、自給率のアップどころか、実質的には一・九ポイントも下がるという深刻な事態になっています。また、本市の自給率はわずか四%、ただただ驚くばかりです。私たちが口にする食料のそのほとんどを市外からの供給に頼っているということが明らかになりました。目標の設定もなされていないようです。外国から大量の食料を買いつけるということは、飢餓を輸出することに等しいもので、日本が食料自給率を上げることは、決して日本の問題だけでなく国際社会への責任でもあるということを私は訴えたいと思います。
 六十万人市民の食を守る構え、そして作物をつくり続け私たちに食べ物を供給してくださる農家を守るという姿勢が今大きく問われているのではないでしょうか。
 そこで、質問の二点目、内閣府が平成二十六年一月に行った食料の供給に関する特別世論調査において、将来の我が国の食料供給についての受けとめという問いに対して、「非常に不安がある」、「ある程度不安がある」と回答した人の割合とその理由をお示しください。
 質問の三点目、食料自給率の現状について、本市はどのような課題認識を持っておられるのかお示しください。
 以上、答弁願います。

◎産業局長(山下正昭君) 内閣府の食料の供給に関する特別世論調査では、「不安がある」と答えた人の割合は八三%でございました。また、その理由は、農地面積の減少や農業者の高齢化などにより、国内生産による食料供給能力が低下するおそれがあるためという回答が最も多かったところでございます。
 本市におきましては、農業者の高齢化による農家戸数の減少や経営規模の縮小が進んでいる一方、約六十万人の消費人口を抱えていることから自給率は低いところでございます。引き続き、自給率の向上に向けて、農地の集積・集約化による経営規模の拡大や担い手の確保・育成などの取り組みにより農業振興を図ることが重要であると認識いたしております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 八割を超す人が農地の減少や農家の高齢化などを理由に国内での食料生産に対して不安を持っているということがわかりました。六十万人の消費者を抱えている本市の自給率は低く、農業振興を図ることが重要だということですが、実効性ある農政に取り組むことは喫緊の課題だと思います。
 次に、本市の農業の現状についてお伺いいたします。
 質問の一点目、農業従事者について国と本市の農業就業者数と平均年齢の推移を国の調査である農林業センサスに合わせて平成十七年、二十二年、二十七年でお示しください。
 次に、年齢別の農業就業者数の特徴。
 また、直近の農業所得の状況を段階別納税義務者数と段階別所得金額でお示しください。
 以上、答弁願います。

◎総務局長(内山薫君) お答えいたします。
 平成二十八年の農業所得の状況につきまして、課税標準額の段階別に納税義務者数と総所得金額を順に申し上げますと、十万円以下が十五人、一千三百六十九万九千円、百万円以下が六十三人、八千百九十三万三千円、二百万円以下が三十二人、八千二百四十三万五千円、三百万円以下が十三人、四千五百四万五千円、四百万円以下が六人、三千六万三千円、五百五十万円以下が三人、一千七百三十四万八千円、七百万円以下が三人、二千二百八十一万四千円、一千万円以下が一人、九百二十九万五千円でございます。
 以上でございます。

◎産業局長(山下正昭君) 農業就業者数について農林業センサスに基づき、国、本市の順に申し上げますと、十七年、三百三十五万二千五百九十、三千二百三十八、二十二年、二百六十万五千七百三十六、二千五百四十一、二十七年、二百九万六千六百六十二、一千七百九十一人で、また同様に平均年齢について申し上げますと、十七年、六十三・二、六十五・八、二十二年、六十五・八、六十八・二、二十七年、六十六・四、七十・六歳でございます。
 本市の農業就業者数の特徴といたしましては、二十七年で七十歳以上が六割以上を占めており、国より高い傾向にございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 本市の農業就業者は十年前と比較し半分近く減少している中で、平均年齢は七十・六歳で全国の平均年齢を四歳も上回っており高齢化も深刻です。また、認定農業者の百六十三人も含め、一千五百人を超える農業就業者のうち納税できた方はわずか百三十六人です。その中で所得二百万円以下が八割を占めており、依然として厳しい経営状況だということがわかります。
 次に、質問の二点目、農地についてお伺いいたします。
 農地面積、そのうち市街化区域の農地面積と全体に占める割合。
 耕作面積と農地面積に占める割合。
 耕作放棄地と相続未登記の農地面積、農地面積に占めるそれぞれの割合。
 作物など本市の農業の特徴はどのようなものかをお示しください。
 以上、答弁願います。

◎産業局長(山下正昭君) 本市農業の特徴といたしましては、都市近郊においてビニールハウスなどを利用したコマツナなどの軟弱野菜や花卉類などの生産が行われておりますほか、桜島小ミカンやオクラなど地域の特色を生かした特産農産物の生産が行われております。
 以上でございます。

◎農業委員会事務局長(馬場明弘君) お答えいたします。
 農地台帳における直近の農地面積は六千三百六十五ヘクタール、そのうち市街化区域の農地面積は百九十六ヘクタール、全体に占める割合は三・一%となっております。
 次に、平成二十八年農林水産統計年報による耕地面積は三千三百三十ヘクタールで、農地面積に占める割合は五二・三%となっております。
 次に、耕作放棄地の面積は、平成二十七年農林業センサスによりますと八百八十三ヘクタール、相続未登記農地の面積は平成二十八年に国が取りまとめた相続未登記農地等の実態調査結果によりますと一千二百四十八ヘクタールで、農地面積に占める割合はそれぞれ一三・九%、一九・六%となっております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 農地の中で実際に耕されているのは半分で農地の二割近い相続未登記もあることがわかりました。
 次に、質問の三点目、農業振興の取り組みについてです。
 平成二十七年に制定された都市農業振興基本法制定についての評価。
 本市第二期農林水産業振興プランの都市農業についての内容と第一期からの進捗状況、当局の課題認識はどのようなものか。
 本市の農業委員会から出されている要望の内容と農業後継者等の確保や対策など具体的な取り組みがなされていましたらお示しください。
 以上、答弁願います。

◎産業局長(山下正昭君) 都市農業振興基本法は、新鮮な農産物の供給や良好な景観形成など、都市部の農地が有する多様な機能が適切かつ十分に発揮されることを通じて良好な都市環境の形成に資するものと考えております。
 第二期農林水産業振興プランでは、引き続き都市型農業の振興を初め、重点施策等に取り組むことといたしておりますほか、都市農業振興基本法を踏まえ、都市部の農地の有効活用を新たに図ることといたしたところでございます。今後においても、農地と宅地の混在化が進むことが予想されますことから、持続的な生産活動と生活環境の土地利用の調整に配慮していくことが重要であると考えております。
 本市農業委員会から二十九年九月十四日に有害鳥獣被害対策や農業後継者等の確保対策、農業施策の充実などについて要望がなされたところでございます。農業後継者等の確保対策につきましては、二十八年四月に担い手育成係を新設するとともに、第二期農林水産業振興プランにおいて重点施策に位置づけ、技術習得の支援、施設等の整備に対する助成や指導農業士との連携による技術指導など、関係機関一体となって取り組んでいるところでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 農業委員会から出された後継者対策については、本市も重点施策として掲げられているようですので、待ったなしの課題として取り組んでいただくとともに、ほかの要望も受けとめていただき、支援が図られるよう要請をいたします。
 次に、質問の四点目、本市においても都市農業振興基本法を踏まえ、都市農業の振興に取り組んでいかれるということですが、農林水産業振興プランを踏まえた都市農業振興に対する市長の決意をお伺いいたします。
 以上、答弁願います。
   [市長 森 博幸君 登壇]

◎市長(森博幸君) 園山えり議員にお答えいたします。
 本市は、これまで農林水産業振興プランに基づき、都市近郊の有利性を生かし、安全安心かつ新鮮で良質な農産物等を供給する都市型農業や地域の特性を生かした特産農産物の振興等を推進してまいりました。また、私はあらゆる機会を通じてトップセールスを行い、本市の魅力ある農産物のPRと販路拡大に積極的に取り組んできております。
 平成二十九年三月に策定した今後五年間の基本指針であります第二期農林水産業振興プランに新たな重点施策として、新規就農者など担い手の確保・育成や遊休農地の解消、六次産業化の推進などを位置づけたところでありまして、今後とも本市の強みを生かした都市型農業をさらに振興するために農家の皆さんや関係機関と連携して強力に推進してまいりたいと考えております。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 本市の都市型農業を強力に推進するという市長の力強い決意をお聞きいたしましたので、その決意を踏まえまして今後の具体的な取り組みを提案させていただきます。
 まず、生産緑地について伺います。
 私たち党市議団は、これまでも生産緑地の役割を明らかにしながら、一刻も早い導入をと質疑を交わしてまいりました。都市農業振興基本法の制定で市街化区域の農地の位置づけは大きく発展しています。そのことを踏まえ、生産緑地の導入を検討するべきとの立場でお伺いいたします。
 質問の一点目、生産緑地制度の目的と効果。
 質問の二点目、生産緑地地区を適用した場合、固定資産税などにおける負担軽減のメリットと具体的な試算額を田の場合でお示しください。
 質問の三点目、都市農地保全の推進に向けた課題をどのように認識されておられるのかをお示しください。
 以上、答弁願います。

◎総務局長(内山薫君) 生産緑地地区の指定を受けた場合、市街化調整区域における一般農地と同様の評価となり、課税額を面積五百平方メートルの田で試算しますと、固定資産税で約五万円、都市計画税で約二万円の減額となります。
 以上でございます。

◎産業局長(山下正昭君) 市街化区域内の農地は、都市化の進展に伴い、生産環境の変化によって持続的な農業経営が難しくなるとともに、新たな担い手の確保や住宅地に散在する農地の保全・活用などの課題がございます。
 以上でございます。

◎建設局長(水元修一君) お答えいたします。
 生産緑地制度は、市街化区域内の緑地機能等のすぐれた農地などを計画的に保全することにより、良好な都市環境の形成を図ることを目的としており、災害の防止など良好な生活環境の確保に効果があるものと考えております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 生産緑地は、都市農地の保全、災害の防止など良好な生活環境の確保に効果があるとのこと、また、固定資産税、都市計画税合わせて田の場合で七万円の大きな減額も見込まれることが明らかになりました。農家にとってこれだけ負担が軽くなることは大きなメリットではないでしょうか。
 私は、市街化区域で農業を営む方から、固定資産税が高くて経営が厳しいという相談を受けておりますので、農家の負担を軽減するという立場からも生産緑地制度の導入は必要と考えます。
 次に、質問の四点目、市街化区域内の耕作農地の評価と位置づけを産業局、建設局それぞれ見解をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎産業局長(山下正昭君) 市街化区域内にある農地は、都市農業振興基本法では、新鮮な農産物の供給や良好な景観形成の役割を果たすほか、都市部住民の農作業体験などを通じた安らぎの場として確保すべき農地に位置づけられております。
 以上でございます。

◎建設局長(水元修一君) 市街化区域は、既に市街地が形成されている区域及びおおむね十年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域であることから、市街化区域内の耕作農地については、開発許可等により宅地開発などが可能となります。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) それぞれ答弁いただきました。
 産業局は確保すべき農地、建設局は開発許可により宅地開発は可能という答弁です。そもそも耕作農地の評価が局ごとに違っているもとで本当に都市農業の振興ができるのでしょうか。
 そこで、質問の五点目、生産緑地地区の導入に向けた具体的な検討状況とこれまでの実績。
 質問の六点目、農林水産業振興プランにおける中央地域での都市農地の保全の推進に対する具体的な取り組みをお示しください。
 以上、答弁願います。

◎産業局長(山下正昭君) 中央地域におきましては、少量多品目の野菜などの生産指導や生活環境にも配慮した減農薬栽培などを推進し、農地の保全・活用を図るとともに、生産者みずからによる農産物直売所などでの地産地消や都市部の農地を市民農園として有効活用することなどを通じて活力ある地域づくりに努めてまいります。
 以上でございます。

◎建設局長(水元修一君) 生産緑地地区については、平成十七年度から十九年度にかけて検討を行いましたが、本市の市街化区域内で指定要件を満たす農地等はほとんど見られない状況であったことや農地以外への転用ができないことなどから導入に至らなかったところです。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 本市が積極的に都市農地の面的な確保として面積をいかに減らさないか、その姿勢が見えません。だからこそ生産緑地制度を提案しているわけです。
 そこで、質問の七点目、平成二十九年五月十二日に公布された改正生産緑地法についてお伺いいたします。
 今回の見直しの主な内容と要件緩和に対して本市の対応をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎建設局長(水元修一君) 見直しの主な内容については、地区の指定要件が法で五百平方メートル以上となっておりますが、新たに市区町村の条例により三百平方メートルまでの引き下げが可能となること、地区内で生産された農産物の直売所等の建築が可能となることなどでございます。なお、要件緩和については、生産緑地地区の指定がないことから対応していないところでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 今回の改正で五百平米だった要件が条例によって三百平米まで引き下げることが可能となりました。日本共産党はこれまで、農家や市民の皆さんと力を合わせこの要件緩和に取り組んでまいりましたので、今回の要件緩和を評価するものです。本市としても要件が緩和されたことをきっかけに導入を検討するべきではないでしょうか。
 そこで、質問の八点目、生産緑地への評価と導入に向けての課題は何か。産業局、建設局それぞれお示しください。
 以上、答弁願います。

◎産業局長(山下正昭君) 生産緑地は、営農の継続を通じて農地を維持保全することにより良好な都市環境の形成など多面的機能が期待されていることから、今後も関係課と連携し、他都市の動向などを見守ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◎建設局長(水元修一君) 生産緑地は、環境や防災などにおいて効果があるとされておりますが、三十年間の営農等の継続を前提としていることや農地所有者等の同意など幾つかの課題があることから、関係課と連携を図りながら他都市の動向を見守ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 本市が生産緑地の導入を断念してから十年、この十年の間に法改正も行われ都市農地の有効活用や適正保全が掲げられています。局間での連携を図り農地保全のための積極的な施策に取り組んでいただきますよう、また、なぜ法改正が行われたのか今日的役割を深めていただき、生産緑地の導入を再度検討していただきますよう強く要請をいたします。
 次に、米の直接支払交付金についてお伺いいたします。
 米の直接支払交付金が廃止され、私たちの主食をつくる米農家の経営が大変心配されています。交付金の廃止に反対する立場で以下伺ってまいります。
 質問の一点目、交付金制度の目的、概要、制度の変遷、予算をこの制度が始まった平成二十二年から制度の変遷に合わせて二十六年、二十八年でお示しください。
 以上、答弁願います。

◎産業局長(山下正昭君) 米の直接支払交付金は、米の生産調整に取り組む販売農家などに対し、生産費と販売価格の差額分を補償するもので、十アール当たり七千五百円を交付するものでございます。二十二年度から戸別所得補償モデル事業として開始され、二十五年度から米の直接支払交付金として実施しており、三十年度に廃止されることとなっております。また、国の予算額につきましては、二十二年度、一千九百八十億、二十六年度、八百六億二千五百万、二十八年度、七百二十三億三百万円でございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 制度の導入当時、十アール当たり一万五千円だった交付金は、第二次安倍政権発足後七千五百円に減額をされ、予算も一千九百八十億円から七百二十三億円と生産調整に協力してきた米農家にとってその収入源が奪われ死活問題となっています。
 そこで、本市の交付金の状況をお聞きします。
 質問の二点目、本市の水稲の作付面積と収穫量はどのような状況か。
 質問の三点目、本市が交付した農家数と交付額の推移をいずれも平成二十二年、二十六年、二十八年でお示しください。
 質問の四点目、二〇一八年問題と指摘されている交付金廃止で考えられる米農家への影響を本市はどのように捉えておられるのかお示しください。
 以上、答弁願います。

◎産業局長(山下正昭君) 本市の水稲の作付面積と収穫量は、二十二年、二十六年、二十八年の順に申し上げますと、九百七十四、八百八十三、八百四十六ヘクタール、四千五百五十六、三千九百九十七、四千百トンでございます。
 本市の交付農家数と交付額は、二十二年度、二十六年度、二十八年度の順に申し上げますと、四十八、五十四、五十四人、百七十四万二千、百三十二万二千、百七十八万八千円でございます。
 本交付金の廃止は米農家の収入減少となり、農業経営への影響が懸念されるところでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 交付金の廃止で米農家の離農を招きかねないと懸念されています。本市でも生産調整に参加し交付金を受け取っておられる農家が五十四戸あることもわかりました。
 そこで、質問の五点目、米価の暴落を防ぐとともに農家の負担軽減のためにも国に交付金制度の継続を求めるべきではないでしょうか。当局の見解をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎産業局長(山下正昭君) 全国市長会におきましては、二十九年六月に米政策の見直しに当たっては、米価下落等に対するセーフティーネットの整備を初め、需要に応じた生産を可能とする情報提供など万全の支援措置を講ずることを内容とする重点提言を国等に要請したところであり、国の動向を注視してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 この間、交付金を廃止しないよう国へ求める意見書が五十もの地方議会で提出されています。農業者が営農意欲を失うことなく持続的に農業経営に取り組めるよう、引き続き米の直接支払交付金の継続を求めていただきますよう強く要請いたします。
 また、農家への影響が懸念されると認識しておられるのであれば、独自に補償することも必要ではないでしょうか。このことは改めて取り上げてまいりますが、自分たちの食はみずから守るという立場で都市農業の振興も含め、実効性ある取り組みに全力で推進されるよう要請をいたします。
 私は農家の生まれです。農薬を使わない有機無農薬の野菜をつくり続けてきた父親の姿を見てまいりました。農業だけでは食べていくことができませんでしたので、なぜこんなに働いても生活がよくならないのか幼いころの私には理解ができませんでした。日本の農政が農家を切り捨ててきたことがわかり、このような政治のもとで、それでも安心安全な食を守るために農業を続けてきた父親を含め農家の方々には心から敬意を表するとともに、引き続き、農地を守り、私たちの食を支えていただきたいと思います。農家が普通に食べていけるよう農政の転換のために私も全力を挙げることを申し上げてこの質問を終わります。
 最後の質問に入ります。
 八月二十八日の産業観光企業委員会の陳情審査において、市道水上坂横井線近くの無届け伐採についての陳情が委員会で採択されました。先ほど、当該現場について質疑も行われましたが、再発防止や今後の防災上の対応についてお伺いをいたします。
 まず、再発防止に向けて質問の一点目、陳情審査における指摘とその後の対応。
 質問の二点目、今回の無届け伐採を受けての課題と教訓をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎産業局長(山下正昭君) 陳情審査においては、近隣住民の不安解消に向けて関係機関と連携したきめ細かな防災対策について業者への指導を徹底すること、森林簿の表記の改善について県に要望すること等の指摘があったところでございます。その後の対応でございますが、随時現場を調査し、土砂等の流出がないことなどを確認しておりますが、今後も必要に応じ対策を業者に指導してまいります。また、再発防止に向け建設部局との協議を行っているところでございます。森林簿につきましては、平成三十年度に見直しがありますことから、県林務担当部局へ改善を要望してまいります。
 今回の無届け伐採を受けまして、届け出制度についての周知を徹底するとともに、伐採跡地が林地以外に転用される場合、事前の現地調査を行い、伐採範囲や制限林に該当しないか確認するなどの見直しを行ったところでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 今回、県が作成している森林簿の表記に漏れがあったことから、森林簿の改善を県に要望していくことや伐採跡地が林地以外に利用される場合、事前の現地調査を行うことなど改善に向けての取り組みを確認いたします。
 次に、防災対策の徹底を図るための対策について、質問の一点目、防災上の観点で地域住民から寄せられている声や要望。
 質問の二点目、当該斜面に業者がとった緊急対策をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎産業局長(山下正昭君) 地域住民からは、現場説明会において、大雨のときこの対策で本当に大丈夫なのかとの声があったほか、業者への指導を徹底してほしいとの要望があったところでございます。
 伐採業者が行った緊急対策は、土砂流出防止木柵や土のう等による水切り、簡易沈砂池の設置などでございます。また、県の命令により、急傾斜地崩壊危険区域内の作業路にはブルーシート等を設置し、斜面への雨水の流出防止を行っております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 当該現場では簡易な沈砂池や作業路の水切りなどの緊急対策がなされたとのことでした。私も地域住民の皆さんとともに現地調査に参加しましたが、住民の皆さんからは、こんな簡単な沈砂池で各地で多発している豪雨や台風などに耐えられるのか、作業路の水切りなどの仕方などに対して不安の声も上がっていました。
 そこで、質問の三点目、一般的な水切りや沈砂池についての基準やあり方と当該斜面の対策の課題は何か。
 質問の四点目、土木や防災の専門家などの力もかりて防災対策の徹底をするべきと考えますが、当局の見解をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎産業局長(山下正昭君) 森林法に沿って伐採届が提出された場合など、防災対策について特に定めはありませんが、傾斜が急な箇所や下流に土砂流出等が懸念される場合には、水切りや粗朶柵など自主的な対策がとられております。当該地においては、これらの防災対策に加え沈砂池の設置を指導したところでございます。現在、萌芽による早期の森林の復旧を図っておりますが、密度が低い場所もあり、植林を行っていく必要があるものと考えております。
 これまで市や県の専門部署と意見を聞きながら現場の対応を行ってまいりましたが、今後も状況に応じて庁内や県と連携し、必要な対策を指導してまいります。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 先日も大きな被害をもたらした台風十八号など、これからも住民の皆さんは台風や豪雨への心配が続きます。大規模災害に備え、今後も市と県が連携し、防災対策を徹底していただきますよう要請をいたしまして、私の個人質疑の全てを終わります。