◆(たてやま清隆議員) 日本共産党市議団の一人として個人質疑を行います。
 ただいま提案されました第二号議案 専決処分の承認を求める件(鹿児島市国民健康保険税条例の一部を改正する条例)については、国保税の課税限度額等を改定するものであり、市民生活に直結する条例改正ですが、既に市長の専決処分によって執行されている議案であります。
 そもそも専決処分は、地方自治法第百七十九条のとおり、無制限に専決処分をするべきではなく、幾つかの条件に該当する場合に限るとされています。
 したがって、専決処分の妥当性を確認するとともに、今回の条例改正が今後の市民生活に対して、とりわけ国保加入者の国保税にどのような影響を与えるのか、その内容を明らかにするとともに、課税限度額の引き上げの是非と今回の専決処分によって生じる国保税の歳入の増減を国保税の負担軽減を図るためにどのように活用するのかという点について、以下質問してまいります。
 まず初めに、質問の一点目、今回の条例改正の内容と背景。
 質問の二点目、地方税法施行令の一部改正に至る国会審議の経過と専決処分に至った理由をそれぞれお示しください。
 答弁願います。

◎市民局長(白石貴雄君) お答えいたします。
 今回の条例改正は、基礎課税額の課税限度額を四万円引き上げるとともに、五割軽減及び二割軽減の対象となる世帯に係る軽減判定所得の基準を引き上げるものでございます。
 これは、平成二十五年十二月に成立した、いわゆる社会保障制度改革プログラム法において、国民健康保険の保険料負担に係る公平性の確保を図るため、低所得者の負担の軽減及び賦課限度額の引き上げが規定されたことを受けて、本年三月三十一日に地方税法施行令の一部改正がなされたことから、条例を改正したものでございます。
 次に、国会審議の経過でございますが、本年二月六日に地方税法等の一部を改正する法律案が衆議院で受理され、三月二十八日の参議院可決後、三月三十一日に改正地方税法施行令が公布されております。また、国保税につきましては、六月中旬の当初納税通知書の発送に向け、五月には本賦課処理を行う必要があったことから専決処分したものでございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 ただいま条例改正の内容と地方税法施行令の改正に至る経過をお示しいただきましたが、施行令の公布が三月三十一日であったこと、既に定例議会は閉会中でしたが、本市としては六月中旬の当初納税通知書の発送に間に合わせるために専決処分を行ったとの理由が示されました。
 そこで、引き続き質問いたしますが、質問の三点目、他の中核市における国保の専決処分の実施状況。
 質問の四点目、本年一月二十九日、今回の条例改正と同様の内容で平成三十年度課税限度額(案)として市国保運営協議会に諮り答申を得ていますが、今回の条例改正の内容が当初予算に反映されているのか、その有無と見解について。
 以上、それぞれお示しください。
 答弁願います。

◎市民局長(白石貴雄君) 税方式を採用している中核市二十三市のうち、専決処分は本市を含めて十三市、議決予定としている市は六市、改正する予定のない市は四市でございます。
 次に、三十年度の課税限度額につきましては、本年一月の本市国保運営協議会に、国において年度末に地方税法等の一部改正が公布される見込みであることから、本市においても同様に改正することを想定してお諮りし、答申をいただいたものであり、本市の当初予算案の提案時点においては改正地方税法施行令が公布されていなかったことから、歳入予算として計上していないところでございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 条例改正の内容については、事前に国保運営協議会の答申を得ていたが、法改正が行われていなかったため、当初予算には反映させなかったとのことですが、新年度方針として、本市は、国保税の課税限度額を引き上げることは既に決めていたことになります。また、本市と同じ税方式の二十三の中核市の中で議会議決により改正予定の中核市が六市、そして、四市が課税限度額を現行のまま据え置き、改正する予定がないとのことであり、本市の対応と異なるわけであります。なぜ対応が異なるのか。
 そこで質問いたします。
 質問の五点目、国が地方税法を改正しても自動的に改正に応じる必要はなく、改正予定のない四市のように国が地方税法を改正しても地方自治体の裁量で課税限度額は設定できると思いますが、その点についての当局の認識と、なぜ条例改正を行ったのか、本市の今回の対応について見解をお示しください。
 質問の六点目、今回の条例改正は、一定の所得段階の市民にとっては負担増につながることから、このような市民生活に直結する条例改正を専決処分することについての見解をお示しください。
 以上、それぞれ答弁願います。

◎市民局長(白石貴雄君) 国保税の課税限度額は、地方税法施行令に定める額を上回ることはできませんが、その額以下とすることは地方自治体の裁量で可能であると認識しております。本市では、平成九年度までは施行令に定める額を下回る設定をしておりましたが、十年度以降は国保財政が厳しい状況にあること等を踏まえ、施行令に定める額と同額に設定しているところでございます。
 専決処分は、議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるときなどに行うものであり、市民に直接影響を及ぼす案件につきましては慎重な対応が必要であろうと考えております。今回は、改正地方税法施行令の公布が年度末となったこと及び納税通知書の作成のための準備作業も必要であることから専決処分したところでございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 国が地方税法を改正し国保の課税限度額を引き上げても、国の基準を下回ることは地方自治体の裁量により可能であるとの認識を示されましたが、本市は、国保財政が厳しいという理由から、国の法改正に従い一定の所得段階の国保加入者の国保税を引き上げるための専決処分を実施したことになります。
 しかしながら、当局も市民生活に直接影響を及ぼす案件については慎重な対応が必要であるとの認識を示されましたが、議会議決により改正を行う中核市が六市あることから、本市においても国保財政が厳しいからという理由について議論を交わし、その上で条例改正の可否を問うべきではなかったのかということを指摘しておきたいと思います。
 したがって、専決処分された後ではありますが、今回の条例改正を受けて、国保財政が厳しい中でも国保税の負担軽減を図ることは可能か否かという観点から問題提起をし、本議案について議論を交わしたいと思います。
 次に、条例改正に伴う市民生活への影響について質問します。
 初めに、今回の条例改正の一つである課税限度額引き上げの影響について質問します。
 一点目、課税限度額の引き上げの内容と目的及び本市の低中間所得層の国保世帯に与える効果。
 二点目、現行の基礎課税額の課税限度額の対象世帯数と割合及び改正前と改正後の基礎課税額の課税限度額に達する一人世帯の所得。
 以上、それぞれお示しください。
 答弁願います。

◎市民局長(白石貴雄君) 課税限度額の改正につきましては、基礎課税額を五十四万円から五十八万円に改めるもので、本市の国保特会は、十七年度以降、毎年度繰上充用を行っており、厳しい財政状況にあることから、国が示した課税限度額に改正することにより歳入の確保を図ることとしたところでございます。また、効果といたしましては、一定の負担能力を有する所得層の方々に応分の負担を求めることにより、公平性の確保が図られるものと考えております。
 改正前の課税限度額の対象世帯数と割合は、本年四月末で約一千二百世帯、一・五%でございます。また、課税限度額に達する一人世帯の所得は、改正前が六百五十二万七千円、改正後は七百二万七千円でございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 現行の基礎課税額五十四万円が課税限度額となる対象世帯は一千二百世帯、一・五%であり、その所得水準は、一人世帯の場合、改正前では六百五十二万七千円でしたが、改正後は七百二万七千円となります。課税限度額を五十四万円から五十八万円に引き上げることにより基礎課税額の所得水準が五十万円上昇することになり、一定の負担能力を有する所得層と低中間所得層の国保世帯との負担の公平性を確保する効果を求めていることが明らかになりました。しかしながら、課税限度額の引き上げは、一定の所得水準の国保世帯の負担増となるわけであります。
 そこで質問いたします。
 一点目、今回、基礎課税額の課税限度額を引き上げることに伴い、負担増となる実世帯数とその割合、影響総額、一世帯当たり負担増額。
 二点目、課税限度額の引き上げに伴う国保特会歳入への影響。
 以上、それぞれお示しください。
 答弁願います。

◎市民局長(白石貴雄君) このたびの改正による影響については、全体の一・四%に当たる約一千百五十世帯が対象となり、その影響額は約四千二百六十万円、一世帯当たりでは約三万七千円と見込んでおります。
 また、国保特会への影響については、この約四千二百六十万円が歳入増になるものと見込んでおります。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 実質負担増となる対象世帯は一千百五十世帯であり、一世帯当たり三万七千円の負担増となり、同時に、この負担増は平成三十年度の国保特会の歳入増となることが明らかになりました。しかし、これらの負担増が新たな国保税の滞納につながらないか懸念されるところであります。
 次に、条例改正のもう一つの内容である国保税の法定軽減の軽減判定所得基準の改正の影響について質問します。
 一点目、今回の軽減判定所得基準見直しの内容と目的及び本市での効果。
 二点目、基準額改正前の七割、五割、二割軽減の法定軽減の対象世帯数と割合。
 以上、それぞれお示しください。
 答弁願います。

◎市民局長(白石貴雄君) 軽減判定所得基準の改正は、五割軽減につきましては、これまで被保険者一人につき二十七万円を加算していたものを二十七万五千円に、二割軽減につきましては、同じく四十九万円を五十万円にそれぞれ改めたものでございます。これは、低所得者に対する負担軽減措置を拡充するために行うもので、負担能力に応じた公平性の確保が図られるものと考えております。
 また、改正前の法定軽減の世帯数と全世帯数に対する割合は、二十九年十二月時点で、七割軽減が約二万六千六百世帯、三二・〇%、五割軽減が約九千八百世帯、一一・八%、二割軽減が約六千九百世帯、八・三%でございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 特に減免の申請の必要がなくて、前年の一定の所得水準の世帯を対象に均等割、平等割を自動的に減免する制度が法定軽減制度ですが、現行では合計四万三千三百世帯、五二・七%の国保世帯が七割、五割、二割減免の法定軽減を受けていることが明らかになりました。
 今回の条例改正により、軽減判定所得基準を五割軽減では被保険者一人当たり加算を二十七万円から二十七万五千円に、二割軽減では四十九万円から五十万円に引き上げることにより、それまで法定軽減の対象ではなかった世帯が新たに法定軽減の対象となることから、当局も低所得者に対する負担軽減措置を拡充し、負担能力に応じた負担の公平化が図られると、その効果を認識しています。
 続いて、今回の基準額改正に伴う対象世帯数と負担軽減について質問します。
 一点目、五割軽減並びに二割軽減の対象世帯数と負担軽減総額、一世帯当たり負担軽減総額。
 二点目、基準額改正に伴う国保特会歳入への影響及び法定軽減の対象世帯の負担軽減総額とその財政措置。
 以上、それぞれお示しください。
 答弁願います。

◎市民局長(白石貴雄君) 改正により新たに五割軽減の対象となる世帯数、負担軽減総額及び一世帯当たり負担軽減額を順に申し上げますと、約百八十世帯、約六百八十万円、約三万九千円。また、二割軽減については、同様に、約三百世帯、約四百七十万円、約一万六千円と見込んでおります。
 これらの改正による影響額は、二割軽減から五割軽減へ移行した分を考慮いたしますと、約八百七十万円で、国保税が減となりますが、国の保険基盤安定制度に基づき一般会計からの繰入金で補填されることとなっております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 新たな負担軽減となる対象世帯は合計四百八十世帯であり、一世帯当たりの負担軽減は約一万八千円となります。そして、今回の基準額改正により本市の国保特会は歳入減となりますが、負担軽減に必要な総額は、国の保険基盤安定制度に基づき一般会計からの繰り入れで措置されることが明らかにされました。
 次に、今回の基礎課税額の課税限度額の引き上げによる超過世帯の現状と課題を明らかにする立場から質問いたします。
 初めに、二十一年度から数えると、今回も含めて合計六回、基礎課税額の課税限度額が引き上げられていますが、その超過世帯数と割合についての質問です。
 一点目、本市の超過世帯数と割合の二十一年度、二十八年度の推移。
 二点目、超過世帯数の割合についての全国水準と国の方針及び本市の現状の評価。
 以上、それぞれお示しください。
 答弁願います。

◎市民局長(白石貴雄君) 課税限度額の超過世帯数と割合は、二十一年度が一千八百五十一世帯、二・一%、二十八年度が一千百二十八世帯、一・三%でございます。
 この超過世帯の割合については、国においては、医療保険料に関する国民の公平性を確保する観点から、一・五%に近づけるよう、二十七年度以降、課税限度額を段階的に引き上げる運用上のルールを設けており、全国水準における限度額超過世帯は、二十九年度の二・〇九%から今回の改正により一・九三%に低下すると見込まれております。本市では、二十九年度は一・三六%であり、今回の改正で一定の負担能力を有する所得層の方々に応分の負担を求めることにより、さらに公平性の確保が図られることになるものと考えております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 二十一年度の基礎課税額は四十七万円、二十八年度は五十四万円でしたので、課税限度額を引き上げることによって所得水準が上昇した結果、超過世帯数は一千八百五十一世帯から一千百二十八世帯に、割合も二・一%から一・三%に減少していることが明らかになりました。
 しかし、課税限度額を超える超過世帯数の割合について、全国的には今回の条例改正により二・〇九%から一・九%の割合を見込みつつ、被用者保険との公平を図る観点で、二十七年度から運用ルールとして一・五%の割合に近づけていくとしていますが、本市では超過世帯の割合が一・三%となっており、既に一・五%を大きく下回っています。したがって、国の目標をクリアしていることから、そもそも課税限度額の引き上げの必要性があったのかが問われることになります。
 次に、今回の改正により、基礎課税額五十八万円の課税限度額に達する世帯について質問します。
 一点目、基礎課税額の課税限度額に達する一人、二人、四人のモデル世帯の二十一年度と二十八年度の所得とその負担割合について。
 二点目、二十一年度及び二十八年度の本市の国保世帯の平均所得と基礎分の平均国保税とその負担割合について。
 以上、それぞれお示しください。
 答弁願います。

◎市民局長(白石貴雄君) 課税限度額に達する世帯の所得額とそれに対する国保税の負担割合につきまして、一人世帯、二人世帯、四人世帯を順に申し上げますと、二十一年度は、五百六十五万二千円、八・三%、五百三十八万九千円、八・七%、四百八十六万四千円、九・七%、二十八年度は、六百五十二万七千円、八・三%、六百二十六万四千円、八・六%、五百七十三万九千円、九・四%でございます。
 次に、本市の国保世帯の平均所得額及び平均国保税額とその負担割合について順に申し上げますと、二十一年度は、百三万五千円、九万七千円、九・三%、二十八年度は、九十四万四千円、八万七千円、九・二%でございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 先ほど当局は、課税限度額を引き上げる目的は、負担の公平を図ることだと述べられましたが、平均所得に対する基礎課税分の平均国保税の負担割合で比較すると、二十一年度は九・三%、二十八年度は九・二%であるのに対して、基礎課税額に達する一人、二人、四人のモデル世帯の所得と基礎課税額の負担割合を比較すると、平均国保税の負担割合の推移と同じように、平均所得の減少に伴い、いずれのモデル世帯の負担割合も減少しています。また、その負担割合は世帯人員数で異なりますが、八・三%から九・四%の範囲にあることから、課税限度額の引き上げにより負担の公平化が進行していると考えることができます。
 次に、基礎課税額五十八万円を超える超過世帯を含む所得六百万円以上の国保世帯について質問します。
 一点目、二十一年度並びに二十八年度の所得六百万円超の国保世帯数と滞納世帯数及びその割合。
 二点目、所得六百万円以上の百万円区分ごとの直近の国保世帯数と割合及び基礎課税額の課税限度額のそれぞれの負担割合。
 以上、それぞれお示しください。
 答弁願います。

◎市民局長(白石貴雄君) 所得が六百万円を超える世帯数及び滞納世帯数とその割合を順に申し上げますと、二十一年度は、一千四百五十三世帯、百五十五世帯、一〇・七%、二十八年度は、一千二百二十三世帯、八十七世帯、七・一%でございます。
 また、二十九年度の所得が六百万円以上の世帯数とその割合及び課税限度額の負担割合について百万円ごとに順に申し上げますと、六百万円台が三百九世帯、〇・四%、八・〇%、七百万円台が百八十四世帯、〇・二%、六・九%、八百万円台が百六十三世帯、〇・二%、六・三%、九百万円台が百二十世帯、〇・一%、五・五%、そして一千万円以上が四百七十世帯、〇・六%、二・六%でございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 所得六百万円超の国保世帯の滞納世帯の割合が二十一年度と比較すると減少していますが、それでも七・一%の滞納世帯があることが明らかにされました。
 そして、所得六百万円以上の百万円区分ごとの国保世帯数と基礎課税額の課税限度額の負担割合を示していただきました。基礎課税額の課税限度額に達する所得水準は、先ほどの答弁のとおり、改正前の六百五十二万七千円から、改正後は七百二万七千円となり、この所得水準を超える国保世帯は、どんなに所得がふえても基礎課税額の負担は一定となるわけであります。そのため、所得一千万円以上の世帯が四百七十世帯ありますが、その負担割合は二・六%であることから、先ほど申し上げた基礎課税分の平均国保税の二十八年度の負担割合九・二%と比較すると、まだ大きな格差があることは明らかであります。本当に負担の公平化を図るというならば、所得一千万円以上の国保世帯の負担割合をどう引き上げていくか検討する必要があるのではないでしょうか。
 次に、今回の条例改正により法定軽減の対象とならない国保世帯について質問します。
 一点目、基準額改正後の法定軽減の対象とならない世帯数と割合。
 二点目、法定軽減の対象とならない、一人、二人、三人、四人世帯ごとの所得水準。
 以上、それぞれお示しください。
 答弁願います。

◎市民局長(白石貴雄君) 改正後における法定軽減の対象とならない世帯数とその割合は、約三万九千四百世帯、四七・四%と見込んでおります。
 また、これらの世帯人員ごとの所得は、一人世帯では八十三万円を超える場合、同じく二人世帯で百三十三万円、三人世帯で百八十三万円、四人世帯では二百三十三万円でございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 低所得の国保世帯の負担軽減を図るために法定軽減の制度があるわけですが、今回の条例改正が行われても、その対象とならない世帯が三万九千四百世帯、四七・四%存在いたします。
 国は、法定軽減の対象をさらに拡充していくことについてどのような方針を示しているのか、その財政措置も含めてお示しください。
 答弁願います。

◎市民局長(白石貴雄君) 法定軽減の対象につきましては、社会保障制度改革プログラム法に基づき二十六年度から拡充されているところであり、さらなる拡充については、現時点においては示されておりません。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 今後の方針については現時点では示されていないということですが、国に対して、本市として法定軽減のさらなる拡充を要請すべきと考えます。
 これまでの質疑を通じて明らかになった点を改めて再確認いたします。
 第一に、課税限度額の引き上げは、一定の負担能力を有する所得層の国保世帯の負担増によって国保特会の歳入増を図り、また、低中間所得層の国保世帯との負担の公平化を図るものであり、その負担割合について効果があらわれていることは確認されましたが、本市の課税限度額を超える超過世帯数の割合は、既に国の基準をクリアしており、課税限度額の引き上げによる歳入増は限界に来ていること。また、超過世帯の中でも、とりわけ所得一千万円以上の国保世帯の国保税の負担割合は極端に少なく、負担の公平が図られているとは言えないという点が明らかになりました。
 第二に、法定軽減の軽減判定所得基準額の改正は、低所得者の負担軽減を図るために行われる改正であり、五二・七%の国保世帯が法定軽減の対象となっています。その法定軽減に伴う負担軽減に必要な財源は一般会計繰り入れによって措置されています。しかし、所得水準によっては法定軽減の対象とならない国保世帯があることから、国はこれまで法定軽減の対象を拡充していく措置を講じてきたことが明らかになりました。
 以上、今回の条例改正により明らかになった二つの点を踏まえて、国保財政が厳しい中でも国保税の負担軽減をどう図るのかという観点から質問いたします。
 初めに、本年四月からスタートした国保の県単位化後の自治体独自の国保税の負担軽減について、国や県の方針をお示しください。
 答弁願います。

◎市民局長(白石貴雄君) 国保の都道府県単位化後におきましても、市町村独自の国保税の負担軽減はそれぞれの裁量でできることとなっておりますが、実施した場合、負担軽減相当額を税率算定の基礎となる保険税収納必要額に上乗せすることとされております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 国保税の負担軽減は、自治体の裁量で可能ではあるが、国保の県単位化によって、今後は、負担軽減相当額を保険料算定の際の保険税収納必要額に上乗せするという問題、つまり、国保税を減免するなら、その分だけ自前の国保税で賄いなさいという国保の県単位化の問題点が改めて明らかになりました。
 私は、ここに、今回の課税限度額引き上げによる世帯の所得と国保税の関係をあらわした図を厚生労働省の資料をもとに作成し、パネルにいたしました。
 国保税は、応能分と応益分の二つに分かれて、均等割、平等割を七割、五割、二割に軽減する法定軽減の対象世帯数は、先ほどの答弁のとおり四万三千三百世帯であり、緑の部分で示しています。今回の条例改正により、五割軽減が百七十六世帯、二割軽減が二百九十六世帯ふえる部分が赤色の部分になり、歳入減となりますが、その負担軽減に必要な総額は八百七十万円であります。一方、基礎課税額の引き上げによって、平成二十九年度までの基礎課税額五十四万円、この五十四万円に達する所得水準は、一人世帯では所得六百五十二万七千円であり、オレンジの部分に相当いたします。
 今回の条例改正により、基礎課税額五十八万円に達する所得水準が一人世帯で七百二万七千円に引き上げられることから、新たに課税限度額を負担する国保世帯が一千百四十九世帯、その負担総額は四千二百五十万円で、国保特会の歳入増となり、ピンク色の部分に相当いたします。
 そこで質問いたしますが、今回の課税限度額引き上げによる歳入増と法定軽減判定所得の基準額改正による歳入減との差額をお示しください。
 答弁願います。

◎市民局長(白石貴雄君) 今回の改正による影響額は、差し引き約三千三百九十万円の増と見込んでおります。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 今回の条例改正による歳入増減の差額が三千三百九十万円の増であることを示していただきました。この歳入増は、国保財政が厳しい中で当局は必要な歳入だと考え、国の法改正に従い、課税限度額の引き上げを実施されたわけですが、私は、課税限度額引き上げによる歳入増を国保の安定的な運営のためにも、低所得者の負担軽減のためにも、政策的に活用するという新たな視点が求められていると考えます。
 そこで、所得二百万円以下の低所得の国保世帯について質問します。
 初めに、二十八年度の所得二百万円未満の国保世帯数と滞納世帯数とその割合及び国保税の収納率向上による保険者努力支援制度の財政効果についてそれぞれお示しください。
 答弁願います。

◎市民局長(白石貴雄君) 二十八年度の所得二百万円以下の世帯は七万八百五十一世帯で、うち滞納世帯は一万八百八十世帯、一五・四%でございます。また、本市は収納率は向上しているものの、国の公費による保険者努力支援制度の指標には該当しなかったところでございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 本市国保の構造的な問題は、本市の国保財政健全化計画の中で述べられているように、低所得であるにもかかわらず国保税の負担が重いという問題であります。健保組合の保険税負担率が五・八%であるのに対して、本市国保は一一・九%であり、倍以上の負担率です。ただいま所得二百万円未満の国保世帯の中で滞納世帯が一五・四%であることを示していただきましたが、負担が重いから滞納者が減らないのではないでしょうか。
 当局は、国保税の滞納を回収することに努力されておりますが、生活実態を無視した強引な徴収は、滞納世帯の生活破壊をもたらす可能性もあります。国も法定軽減の対象を拡大して低所得者の負担軽減の措置を進めていますが、まだ極めて不十分であります。やはり、市独自にも所得二百万円以下の国保世帯の負担軽減を図ることによって低所得者が払える国保税にしていくことが国保税の収納率の向上にも寄与し、保険者努力支援制度に基づく財政効果も期待できるのではないでしょうか。
 そこで質問いたします。
 一点目、所得二百万円未満の国保世帯における法定軽減の対象とならない国保世帯数。
 二点目、今回の条例改正による歳入増減の差額を法定軽減の対象とならない国保世帯数で割った額。
 以上、それぞれお示しください。
 答弁願います。

◎市民局長(白石貴雄君) 二十九年度の本賦課時点において、所得が二百万円未満で法定軽減の対象とならない世帯は約一万九千世帯であり、先ほどお答えいたしました差し引き額をこの世帯数で除しますと、約一千八百円となります。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 所得二百万円未満の低所得の国保世帯の中でも一万九千世帯が法定軽減の対象ではないことが明らかにされました。そして、今回の条例改正による歳入増を法定軽減の対象ではない国保世帯の負担軽減に活用した場合、試算では、一世帯当たり一千八百円の負担軽減効果があることが明らかになりました。
 そこで、他自治体での国保税の負担軽減について質問します。
 一点目、法定軽減の対象とならない国保世帯に対する市独自の軽減判定所得の基準に基づく千葉市の負担軽減の事例と本市の見解。
 二点目、十八歳未満の子供に対し市独自の均等割の減免を行う旭川市の事例と本市の見解。
 以上、それぞれお示しください。
 答弁願います。

◎市民局長(白石貴雄君) 千葉市においては、法定軽減の適用されない世帯のうち所得が二百万円未満の世帯に対し保険料の均等割額及び平等割額のそれぞれ十分の一を減免しております。
 また、旭川市においては、七割軽減及び五割軽減の対象世帯以外の世帯で、その世帯の十八歳未満である被保険者に対する均等割額の十分の三を減免しております。本市においては国保財政が非常に厳しい状況にあること等を踏まえ、両市が実施しているような制度の創設につきましては、現段階では考えていないところでございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 両市とも本市と同様に国保財政が厳しい中でも法定軽減の対象とならない低所得の国保世帯に着目をし、市独自の減免制度を実施しているのはなぜか、本市としても調査研究すべきということを申し上げておきます。
 今回の条例改正により、課税限度額を引き上げることについての問題点を指摘いたしましたが、課税限度額を引き上げるならば、その歳入増を単に歳入の確保のためだけでなく、法定軽減の対象とならない国保世帯の負担軽減のために政策的に活用すべきと考えますが、答弁願います。

◎市民局長(白石貴雄君) 本市においては、先ほど申し上げましたとおり、国保財政が非常に厳しい状況にあること等から、お触れになられた減免制度の創設につきましては、現段階では考えていないところでございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 考えていないという答弁ですが、私は、今回の専決処分による条例改正について、とりわけ課税限度額の引き上げに関して以下の問題点を指摘したいと思います。
 第一に、課税限度額を引き上げることは、低中間所得層に負担を求めることなく増収を図ることができるメリットがある反面、本市のような所得水準の低い自治体では、相対的に低い所得層で課税限度額に達する傾向があり、高額所得とは言えない層までが負担増となること。
 第二に、本市の課税限度額の超過世帯の割合は一・三%であり、国の目標である一・五%を既に大きく下回っていることから、課税限度額を引き上げる根拠がないこと。
 第三に、課税限度額の超過世帯の中で所得一千万円以上の基礎課税額の負担率は二・六%であり、負担の公平性の観点から課題ですが、課税限度額の引き上げにより、この課題を克服することは困難であり、所得階層に応じた限度額のあり方など、抜本的な制度の見直しが必要であること。
 第四に、子供の数が多い世帯ほど、より低い所得水準で課税限度額を負担しなければならない課題があることから、国庫負担増による国保税の引き下げと法定軽減措置の拡充、そして、自治体独自の均等割、平等割の負担軽減を図る必要があること。
 以上の問題点を指摘して、私の個人質疑の全てを終わります。