◆(大園たつや議員) 日本共産党市議団の一人として個人質疑を行います。
 最初の質問は、市長の政治姿勢について伺います。
 去る六月十二日、アメリカのトランプ大統領と北朝鮮の金正恩国務委員長の会談がシンガポールで行われました。両国間には過去、関係改善や北朝鮮の非核化を目指す合意がありましたが、いわゆるトップ同士の共同声明は史上初めてとなり、新しい両国関係、朝鮮半島の永続的で安定した平和体制を目指すことで合意し、完全な非核化に向けた北朝鮮の強い誓約を再確認しました。
 昨年は核兵器を含む戦争も危惧された両国が、初の首脳会談を持ち、朝鮮半島並びに世界の平和と繁栄に貢献する関係を目指すと宣言したことは画期的であり、私ども日本共産党も歴史的なプロセスが開始されたものと受けとめています。
 まず、この米朝首脳会談についての森市長の所感をお示しください。
 あわせて、日本政府の外交姿勢は、米朝首脳会談に至るまで圧力一辺倒、対話否定路線に固執し、トランプ大統領が会談の中止を表明した際も関係国で唯一支持を表明するなど、平昌オリンピック以降の劇的な変化に取り残されていました。このような外交における日本政府の姿勢についても見解をお示しください。
 以上、答弁願います。
   [市長 森 博幸君 登壇]

◎市長(森博幸君) 大園たつや議員にお答えをいたします。
 今回の米朝首脳会談においては、朝鮮半島に永続的で安定した平和の体制を構築するために努力することや完全な非核化に向けて取り組むことを約束することなどを内容とする米朝共同声明がなされ、北朝鮮をめぐる諸懸案の包括的な解決に向けた一歩であると認識をしており、共同声明の内容が完全かつ迅速に実行に移されることを願っております。
 また、これに関する政府の外交姿勢について、安倍首相は、米朝首脳会談に向けて、日米において緊密に連携しており、その認識、方針においては完全に一致していると述べられております。政府におかれては、今後とも関係国を含めた国際社会としっかりと連携していくことが大切であろうと考えております。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 米朝間の合意が覆されてきたとの悲観論もありますが、これまでと決定的に違うのは、歴史上初めて首脳間で合意したということであり、市長が述べられたように、関係国、国際社会が連携し、この方向を実らせていくことが重要だと考えます。
 日本政府としても、北東アジアの平和秩序をいかにしてつくり上げるかという構想を持って、核・ミサイル、拉致問題、過去の清算という両国間の懸案を包括的に解決して国交正常化を図るという日朝平壌宣言を改めて据えて、本腰を入れた対話の追求が必要であることを申し上げ、この質問を終わります。
 新しい質問に入ります。
 本市の子育て支援策について、今議会に市長から提案された補正予算及び条例改正案の内容を明らかにするとともに、さらなる充実を求める立場から、以下伺ってまいります。
 最初の質問は、「子育てをするなら鹿児島市」の到達についてです。
 質問の一点目、厚生労働省が六月一日付で発表した出生数・率の状況と本市の現状分析をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎健康福祉局長(上之園彰君) お答えいたします。
 先般公表されました平成二十九年人口動態統計概数における出生数、合計特殊出生率を国、県の順に申し上げますと、九十四万六千六十人、一・四三、一万三千二百八人、一・六九で国の出生数は過去最少となっております。また、本市の直近、平成二十八年の出生数、合計特殊出生率は五千四百七十四人、一・四七となっており、出生数はやや減少傾向にありますが、出生率は近年やや上昇が見られるところでございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 昨年の日本の子供の出生数は九十四万六千六十人で過去最少を更新、合計特殊出生率も一・四三と二年連続で減少したことが厚生労働省の統計をもとに発表され、少子化に歯どめがかかっていない実態が明らかになりました。
 私は、女性が子供を産むことはあくまで個人の自由であって、他人からとやかく言われる筋合いのものではないと考えていますが、子供を産んで育てたいと願ったとき、それを実現できない社会から脱却できないことは日本の未来にかかわる大問題です。安心して出産・子育てができない深刻な現状を打開するために政治の姿勢を大もとから変えることが求められています。
 質問の二点目、本市としても出生数については減少傾向にあるようですが、「子育てをするなら鹿児島市」の到達と今後の充実についての見解をお示しください。
 以上、答弁願います。
   [市長 森 博幸君 登壇]

◎市長(森博幸君) 私は、これまで、「子育てをするなら鹿児島市」の実現に向け、保育所や児童クラブ等の利用定員の拡大、こども医療費助成の充実や地域の子育て支援の核となる親子つどいの広場の整備、子育て世代包括支援センター等による支援など、次代を担う子供たちが健やかに育ち、子育てに喜びを感じられる環境づくりに積極的に取り組んできたところであり、着実にその推進が図られてきておりますが、今後におきましても、さらなる充実に各面から取り組んでまいりたいと考えております。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 本市としても待機児童の問題やこども医療費の現物給付化、独自の児童相談所の設置など、安心して子供たちを産み育てていくことができる社会を実現する上で進めていかなければならない課題もあります。
 ただいまの答弁を踏まえて、子育て支援施策の諸課題について質疑をしてまいります。
 次に、本市の保育行政について、以下伺います。
 質問の一点目、直近の待機児童数と地域別の特徴をお示しください。
 質問の二点目、平成三十年度の保育施設整備予定数とそのうち第一九号議案 平成三十年度鹿児島市一般会計補正予算(第一号)での対応及び待機児童解消の見込みをお示しください。
 質問の第三点目、待機児童が生じる最近の原因分析と今後の見通しをお示しください。
 以上、答弁願います。

◎健康福祉局長(上之園彰君) 本年四月一日現在の本市の保育所等の利用待機児童数は百六十一人で、二十九年度に保育所等を整備した谷山北部地区で待機児童が大幅に減少し、一定の効果が見られた一方、同様に整備を行った鴨池地区、谷山地区や二十八年度に整備した松元地区では入所率の減少が見られ、待機児童が生じております。
 保育所等の施設整備につきましては、本年度は十一施設、五百二十人の定員増を図ることとしており、そのうち今回の補正予算においては八施設、四百四人の定員増を図る施設整備に対する補助金を計上したところであり、解消に一定の効果があるものと考えております。
 利用待機児童が生じる要因としましては、女性の社会進出などに伴う保育需要が引き続き高い状況にあること、また保育士不足により定員を超えた受け入れが困難になっていることなどが考えられるところでございます。今後の見通しでございますが、先ほど申し上げた保育所等の整備による定員増や保育士・保育所支援センターを活用した潜在保育士の掘り起こしなどハード・ソフト両面から早期の待機児童解消に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 今回の補正予算で八施設、四百四人の定員増を図り、一定の待機児童の解消を見込んでいますが、入所率の減、つまり、施設はつくったが保育士が足りないために、定員どおり入所させることができていない実態がより深刻になってきています。現状については改めて委員会審査でも伺いますが、一層の取り組みを要請しておきます。
 次に、保育施設における乳幼児の就寝時の見守りセンサーについて、昨年四月に起きた本市の認可外保育施設での乳幼児の死亡事例の再発を防止し、保育士の精神的な負担の軽減を図る施策として提案する立場から、以下伺います。
 質問の一点目、本市での認可外保育施設における乳幼児の死亡事例の検証状況と今後の本市の対応をお示しください。
 質問の二点目、内閣府「平成二十八年教育・保育施設等における事故報告集計」の公表及び事故防止対策についての内容と本市の対応をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎健康福祉局長(上之園彰君) お触れになりました事案につきましては、発生原因の分析を通して再発防止のための提言の取りまとめを行うため、学識経験者や弁護士を委員とする検証委員会を二十九年七月に設置し、これまでに八回開催して、関係者のヒアリングや課題、問題点の整理、提言の検討を行っているところでございます。本市といたしましては、今後提出される検討結果を踏まえ、再発防止に向けた具体的な施策を検討してまいりたいと考えております。
 内閣府が公表した事故報告集計によりますと、二十八年中の事故報告件数は合計八百七十五件で、死亡の報告は十三件、そのうち七件はゼロ歳児となっております。また、その中で、事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドラインによる事故防止の取り組みとその周知徹底などが示されております。本市におきましては、これまでも安全対策に関する通知を行うとともに、事務事業説明会などの機会を捉えてガイドラインを周知するなど、事故防止に向けた啓発に努めているところでございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 今後、本市は、検証委員会の提言を受け、具体的な再発防止策の検討に入るとのことでした。内閣府の事故報告集計については最新のものもあるようですが、平成二十八年の報告に基づいたガイドラインが策定され、それを受けて厚生労働省の平成二十九年度補正予算で、乳幼児の就寝時の見守りセンサーの購入補助が対象になったことから、東京都を中心に制度が広がったようです。
 そこで、質問の三点目、乳幼児の就寝時の見守りセンサーとは何か。また、効果についての認識をお示しください。
 質問の四点目、中核市及び東京二十三区での見守りセンサーの実施自治体数と導入の経緯、本市において実際に独自で導入し、活用している保育施設等はあるのか、状況をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎健康福祉局長(上之園彰君) 見守りセンサーは、睡眠中の乳幼児の呼吸停止や継続的なうつぶせ寝状態を感知した場合に警告を出す装置であり、保育士の目視などによる午睡時の確認において補助的な役割を果たすものと考えております。
 他都市での見守りセンサーに対する補助制度の実施状況ですが、本市を除く中核市五十三市のうち八市、東京二十三区のうち十五区で国や都の制度を活用した補助制度を導入しております。本市では補助は実施しておりませんが、センサーを活用している保育所もあるようでございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 中核市でも導入している自治体があることが明らかになりました。また、本市でも独自に購入し活用している保育施設があることもわかりました。
 私どもが政務調査課を通じて行った調査によりますと、今後の国や東京都の補助が不確定であるために、時限的な対応をされている自治体やこれから検討していくとした自治体、本市と同じように保育施設での死亡事例があり、検証委員会から提言を受けて導入した自治体もありました。私としては、昨年の死亡事例が起こった時点で、少しでも再発防止の一助になるのであれば、補正予算も含めて本市でも検討し導入すべきだったと考えています。
 そこで質問の五点目、本市でも見守りセンサーの購入補助を検討すべきと考えますが、当局の見解をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎健康福祉局長(上之園彰君) 見守りセンサーの購入補助につきましては、今後提言が行われる検証委員会での再発防止策を踏まえる中で導入の必要性について検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 検証委員会の提言を踏まえて検討したいとのことです。乳幼児の見守りについては、基準どおりに人員を配置して、目視による確認をするのが大原則であり、見守りセンサーはあくまで補助と考えますが、子供の命を守ることを最優先に考えるとともに、保育士の精神的な負担軽減にもつながることから、できることはすぐに実施する立場で検討いただきますよう要請いたしておきます。
 次に、第一一号議案 鹿児島市こども医療費助成条例一部改正の件について、以下伺います。
 質問の一点目、議案の内容と制度開始までの具体的なスケジュールをお示しください。
 以上、答弁願います。

◎健康福祉局長(上之園彰君) 条例改正の内容につきましては、本年十月から市町村民税非課税世帯の未就学児の医療費について、医療機関等での窓口負担をなくす新たな制度を導入するもので、スケジュールといたしましては、六月に確定した今年度分の市町村民税に基づいて非課税世帯の判定を行った上で、対象者に対して九月に新たな受給者証を送付することとしております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 いよいよ病院窓口で医療費を負担することのない現物給付方式を十月から一部実施するための条例改正案の内容とスケジュールをお示しいただきました。
 質問の二点目、現物給付方式と立てかえ払いである自動償還方式の対象者が分かれていることでの課題について具体的な対応を伺います。
 まず、これまで本会議でも質疑を交わしてまいりましたが、他者に非課税世帯であることがわからないようにする対応、医療機関が混乱しないための対応について、いよいよ条例改正を提案されていますので、なるべく具体的にお示しください。
 以上、答弁願います。

◎健康福祉局長(上之園彰君) 本市の受給者証につきましては、県から記載すべき事項が示されましたので、県とも協議をしながら工夫してまいりたいと考えております。医療機関に対する制度の説明につきましては、県が行うこととなっており、七月から八月にかけ県内七カ所で説明会を開催するとのことでございます。また、本市におきましても、さらに制度の周知徹底を図る観点から、制度開始前に市内の医療機関等に対し文書により周知する予定としております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 医療機関については、具体的に県により七月から八月に説明会が開かれることがわかりました。他者に非課税世帯であることがわからないようにする対応も県と協議中とのことですが、具体化を進めていただきますよう要請しておきます。
 次に、過去、国保税を滞納した世帯が無保険状態となり、こども医療費助成制度がその世帯の児童に適用されない事例があり、私ども党市議団としても本会議において、子供には保険証を送る改善や年度途中からの税の減免を求め実現してきた経過があります。
 そのことを踏まえて、突然の失業などで年度途中に世帯の収入に著しい変動があった場合の対応、国保税の滞納などによる資格証明書、無保険状態の世帯への対応をそれぞれお示しください。
 以上、答弁願います。

◎健康福祉局長(上之園彰君) こども医療費助成につきましては、当該年度の市町村民税の課税状況により判断することとなるため、失業等により年度途中に所得の変動があった場合には翌年度の助成において反映されることとなります。
 国民健康保険税の滞納等により、世帯主に被保険者資格証明書が交付されている場合におきましても、子供には被保険者証が交付されるため助成を受けることができるところでございます。また、助成の対象が保険診療の一部負担金であるため、無保険での診療につきましては助成の対象外となりますが、資格取得の手続をしていただき、さかのぼって国保の被保険者となった場合は、最長一年前から助成の対象となるところでございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 資格証明書を発行されている場合、また、無保険状態の場合でも助成制度を利用できることがわかりましたが、年度途中で所得が激減した場合は、市民に寄り添った対応ができないものでしょうか。失業などで収入を得ることができなくなったときこそ無料で窓口負担なしの制度が切実に必要となることを指摘し、当局の検討を要請するとともに、私どもも他都市の調査を行い、引き続き質疑を交わしていくことを申し上げておきます。
 質問の三点目、鹿児島市こども医療費助成制度の変遷について伺います。
 まず、制度がどのように充実されてきたのか、その変遷をお示しください。
 次に、充実ごとの事業費総額と県、市の負担割合がどのように推移してきたのかお示しください。
 次に、中核市の現状について、中学校卒業までが対象の自治体数とそのうち自己負担の有無別の自治体数の現状をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎健康福祉局長(上之園彰君) 子供の医療費に対する助成制度は、昭和四十八年七月にゼロ歳児を対象に開始し、その後、対象を平成十九年四月には小学校就学前までに、二十五年八月には小学六年生までに、二十八年四月には中学三年生までに拡充したところでございます。
 拡充した年度の事業費総額と県補助金の割合を順次申し上げますと、十九年度、八億一千七百四万円、約三〇%、二十五年度、十億二千六百十二万円、約二四%、二十八年度、十三億五千六百八十七万円、約一八%でございます。
 入院、通院ともに中学校卒業までを助成対象としているのは中核市五十四市中三十六市で、そのうち自己負担がないのは十六市、自己負担があるのは本市も含めて二十市でございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 私は、鹿児島市議会で議席をいただいて以来、子供たちの命と健康に直結する同制度の拡充を事あるごとに求めてまいりました。先ほど、当局が述べられた充実の変遷以外にも、平成二十五年には本市議会で県に対して、乳幼児医療費・重度心身障害者医療費等助成の現物給付方式の実施を求める意見書が全会一致で可決され、十年目の節目となる今回の議会では、一部ですが現物給付実施の条例改正が提案されたことに感慨深い思いがしております。
 この質問の最後に、市長に伺います。
 今回の現物給付の一部実施の実現について、どのような評価をされるものかお示しください。また、中学校卒業まで窓口無料の制度へは道半ばです。今後の市独自の充実についての見解もあわせてお示しください。
 以上、答弁願います。
   [市長 森 博幸君 登壇]

◎市長(森博幸君) こども医療費助成制度につきましては、県の補助事業でありますことから、これまでも県市長会等を通じて制度の拡充を県に要望してきたところであり、その一部が実現することは一定の評価をいたしておりますが、今後も中学三年生までの児童生徒全てを対象に所得にかかわらず医療費の負担軽減を図り、現物給付方式を導入することを引き続き要望してまいりたいと考えております。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 明確に中学校卒業まで所得にかかわらず窓口無料の制度を求め続けるとのことですので、私どももさらなる充実のために全力で取り組んでまいります。
 県当局への要請だけでなく、本市でもできる限りの充実を検討されますよう強く要請いたします。
 次に、就学援助の充実について伺います。
 質問の一点目、校納金における就学援助の対象費目と委任状との関係をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎教育長(杉元羊一君) お答えいたします。
 就学援助金の対象となります校納金は、給食費、補助教材費、学用品費、修学旅行費などで、これらに未納があった場合、教育委員会は学校から報告を受けた金額を保護者から事前に提出していただいた委任状に基づき、校長口座に入金しております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 私ども党市議団に就学援助制度を利用している市民から相談が寄せられました。「今度、修学旅行があるのでまとまったお金を準備しなければならず、子供に恥ずかしい思いをさせたくない一心で何とかかき集めて支払うことができた。また、就学援助を申請する際には、修学旅行費や給食費などの校納金を滞納した場合、校納金に充当、精算することを学校長に委任する委任状に署名捺印をすることになっており、日ごろから申しわけない気持ちで制度を利用しているが、一層申しわけない気持ちになる」との内容でした。
 このことから、就学援助の校納金に属する項目、特に修学旅行費、給食費について、立てかえ払いのない現物給付方式を求める立場で質問をいたします。
 質問の二点目、修学旅行費について、以下伺います。
 まず、過去三年間の利用者数と支給額の推移及び本市の修学旅行の平均額をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎教育長(杉元羊一君) 修学旅行費に対する就学援助費の支給対象者数と金額につきましては、平成二十七年度、小学校、一千四百六十二人、約二千七百六十八万二千円、中学校、一千四百三十七人、約六千四百二十七万五千円、二十八年度、小学校、一千四百六十八人、約二千七百七十二万四千円、中学校、一千四百五十七人、約六千五百三十四万一千円、二十九年度、小学校、一千三百五十四人、約二千五百九十六万四千円、中学校、一千二百九十七人、約五千九百二十五万七千円でございます。次に、二十九年度の修学旅行費の平均額は、小学校、約一万九千円、中学校、約四万六千円でございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 本市では二千五百人を超える児童生徒が就学援助の修学旅行費を利用しています。中学生ともなると、平均でも四万六千円の旅費、それ以外にも準備やお小遣い等が必要であり、後で返ってくるとはいえ、重い負担となっているのではないでしょうか。
 次に、利用者の立てかえ払いによる費用負担についての教育委員会の基本的な考え方をお示しください。
 また、利用者の費用負担は実際どのような現状にあるのか。実態についての認識をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎教育長(杉元羊一君) 修学旅行費に対する就学援助費は対象経費の実績に基づいて支給することとしております。
 また、旅行代金は、通常、事前に旅行業者に支払う必要があることから、保護者には原則、事前の支払いをしていただいているところでございます。なお、各旅行業者には、教育委員会と学校から、支払いの猶予を文書等で依頼しておりますが、支払い猶予を受けられない場合、就学援助費が支給されるまでの間、対象者に一旦費用を負担していただくことになります。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 市教委としては、利用者の立てかえ払いにならないよう、学校や業者に支払いを猶予してもらう働きかけを行っているとのことですが、実際には保護者が事前に支払いをしている実態があります。
 次に、答弁で示されたように、極力、利用者に立てかえ払いによる負担が生じないよう、学校や業者への周知と対応を徹底する必要があると考えますが、今後の対応をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎教育長(杉元羊一君) 就学援助対象者の旅行代金につきましては、学校と連携して旅行業者に支払いの猶予を引き続き依頼してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 これまでこども医療費でも立てかえ払いの場合、お金がなければ無料であっても病院に行くことができない課題を指摘してきました。修学旅行についても立てかえるお金が準備できずに、児童生徒が断念することがないよう特段の配慮が必要です。全ての学校で立てかえ払いがなくなるよう強く要請いたします。
 質問の三点目、給食費について伺います。
 まず、過去三年間の利用者数と支給額の推移及び支給までの流れを具体的にお示しください。
 以上、答弁願います。

◎教育長(杉元羊一君) 給食費に対する就学援助費の支給対象者数と金額につきましては、二十七年度、小学校、八千五百四十一人、約三億八千八十八万七千円、中学校、四千三十六人、約二億百七十九万三千円、二十八年度、小学校、八千五百二十六人、約三億八千百三十八万九千円、中学校、三千九百八十六人、約一億九千九百九十七万一千円、二十九年度、小学校、八千三百十五人、約三億七千三百六十三万二千円、中学校、三千八百五十二人、約一億九千四百六十七万七千円でございます。また、対象者には給食費を毎月学校へ納めていただき、教育委員会は各学校から報告された金額を学期末であります七月、十二月、三月に対象者へ支給しております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 給食費についても一万人以上の児童生徒が利用し、本来無料であるにもかかわらず立てかえ払いになっています。
 次に、平成二十九年十月十九日の文部科学省通知「学校給食費に係る就学援助費等の取扱いについて」の内容と経緯をお示しください。
 また、この通知についての本市教育委員会の受けとめをお示しください。
 以上、答弁願います。

◎教育長(杉元羊一君) 二十九年十月の国の通知では、学校給食費に係る就学援助費について、金銭給付だけでなく、学校給食そのものを現物給付として提供することも可能であり、その際は保護者の委任状を要しない旨が示されております。
 この通知は、学校現場における業務改善の取り組みを強く推進していくことが求められている中、学校給食費に係る就学援助費の金銭給付以外の取り扱いについて、改めて整理されたものであると考えております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 今、全国で学校給食無償化に取り組む自治体が広がっていることや先ほど答弁にもあった学校の業務改善にもつながることから、現物給付方式の考え方も示した通知だと受けとめています。本市としてもぜひ検討すべき課題ではないでしょうか。
 質問の四点目、これまでの質疑を踏まえ、通知の「児童生徒に卑屈感や劣等感を抱かせることのないよう」との趣旨を踏まえて、修学旅行費や給食費などの校納金の現物給付化を進めるべきだと考えますが、見解をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎教育長(杉元羊一君) 校納金のうち修学旅行費や給食費に係る就学援助費の現物給付につきましては、就学援助の審査期間中は対象者が未確定であることや支払い回数の増加が見込まれるなど課題がありますことから現時点では困難であると考えておりますが、今後、他都市を調査してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 現時点では困難とのことですが、校納金の現物給付化が進むことは、就学援助を利用している市民に必要のない負担を強いることがなくなりますし、校納金を取り扱う学校にとっても業務の負担軽減につながると考えることから、今後の中核市での実施状況などを調査し取り上げてまいりますので、当局としても具体的に研究をされるよう強く要請し、この質問を終わります。
 新しい質問に入ります。
 小規模修繕希望者登録制度については、平成二十九年第二回定例会で、仕事を受注できていない業者の方が六、七割となっていたため、受注機会の公平性を確保する観点から、その後、繰り返し質疑を行い、当局も一定の改善策を講じてきました。その改善によって、直近の平成二十九年度実績でどのような効果が見られたのか、以下伺ってまいります。
 質問の一点目、平成二十九年度の実績について、まず、発注件数と発注金額を平成二十八年度と比較してお示しください。
 次に、発注件数の多い上位三局の発注件数、金額とあわせて発注件数の多い上位三業種の発注件数、金額及び発注がなかった業種をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎企画財政局長(鉾之原誠君) お答えいたします。
 小規模修繕の発注件数と金額は、二十八年度、四百五件、五千四百十四万円、二十九年度、五百二十三件、六千六百十一万円でございます。
 発注件数の多い上位三局の二十九年度の件数と金額を順に申し上げますと、教育委員会、三百五十一件、三千四百四十万円、建設局、六十七件、一千六百三十七万円、消防局、二十九件、百八十八万円でございます。発注件数の多い上位三業種の件数と金額は、建具、二百三件、一千三百十万円、管、百三十九件、一千六百八十四万円、とび・土工・コンクリート、四十件、一千百九十九万円で発注のなかった業種は、左官、舗装など八業種でございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 制度開始以降、毎年、発注件数、金額が過去最高を更新しているものと理解します。その一方で、板金、電気通信、造園、消防施設などは二年連続で発注がないことは課題の一つとして指摘しておきます。
 質問の二点目、登録業者の状況について、まず、登録業者数と受注がなかった業者数、割合。
 次に、発注がなかった業種に単一で登録していた業者数について、平成二十八年度と比較してそれぞれお示しください。
 次に、受注件数が多い上位三業者の受注件数、金額をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎企画財政局長(鉾之原誠君) 登録業者数と受注がなかった業者数、その割合は、二十八年度、七十八業者、四十六業者、五九%、二十九年度、八十六業者、五十一業者、五九%でございます。
 発注のなかった業種に単一で登録していた業者数は、二十八年度、六業者、二十九年度、七業者でございます。
 受注件数が多い上位三業者の二十九年度の件数と金額を順に申し上げますと、百八十七件、九百十七万円、五十三件、一千百一万円、四十六件、六百八十二万円でございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 登録業者数はふえているものの受注がなかった業者の割合は変わらず、数字だけ見れば改善の効果がなかったと言わざるを得ません。
 質問の三点目、平成二十九年度の改善について、以下伺います。
 まず、改善の内容とそれが具体的にどのような効果となってあらわれたのかお示しください。
 次に、改善の効果を踏まえての今後の課題をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎企画財政局長(鉾之原誠君) 二十九年度は制度の趣旨を踏まえて発注を行うよう四回の周知を行うとともに、前年度に受注のなかった業者の名簿を各課に配付し、見積もり依頼の状況を把握できる管理表の活用を促したところでございます。効果としましては、二十八年度に受注がなかった業者で、新たに十二業者の受注があったところでございます。
 改善の効果は一部見受けられますが、即時対応が求められる工事や対応できる業者がほかにいない特殊な工事が多いことから、受注に偏りが生じており、このことは受注機会の確保という面から課題であると認識をいたしております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 これまで受注機会のなかった十二業者に発注ができたことは改善の効果と理解しますが、受注ゼロの業者をせめて全体の半分以下に抑えたいと考えれば、周知だけでは不十分です。
 質問の四点目、そこで、これまで提案してきた枚方市のように、四半期ごとに見積もり状況を調査し、全課合わせた業者別見積もり状況を全庁的に提示し、事務連絡で均等な業者選定を周知徹底する仕組みをつくらなければ抜本的な改善につながらないのではないかと考えますが、当局の見解をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎企画財政局長(鉾之原誠君) 昨年度から実施をいたしました受注のなかった業者の名簿の配付回数をふやすとともに、改めて業者選定のあり方について周知を行うなど、受注機会のさらなる拡大を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 今後は見積もり状況の把握と発注がない業種の工夫が課題と考えます。年間六千万円を超える小規模の公共事業がすべからく市域内業者に行き渡り、地域経済活性化につながるよう一層の改善を図られるよう強く要請し、この質問を終わります。
 新しい質問に入ります。
 マリンポートかごしま、いわゆる人工島建設の新たな局面についてです。
 去る五月二日、マリンポートかごしまに十六万トン級のクルーズ船クアンタム・オブ・ザ・シーズが入港するということで、私ども党市議団も現地で調査を行いました。入港してくる船の大きさに驚きましたが、疑問に思ったのは、マリンポートかごしまの図面と違い、百八十度旋回して海側にへさきを向けて着岸したことです。
 そこで、質問の一点目、十六万トン級、二十二万トン級クルーズ船の同時着岸への疑問について伺います。
 まず、十六万トン級クルーズ船が水域施設内で旋回して着岸する理由と船が旋回するための水域施設内のスペースの確保の考え方をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎建設局長(坂元浩君) お答えいたします。
 クルーズ船の接岸方法については、船長が風向きなどの気象条件等を考慮して判断するものでございます。また、クルーズ船が旋回するための水域施設内のスペースについては、国の港湾の施設の技術上の基準によると、対象船舶の全長の二倍を直径とする円に相当する泊地が必要でございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 私も大型船に詳しい方から旋回する理由について伺ったところ、大型船は基本的にはバックを多用せず、出港する方向にへさきを向ける出船の状態で着岸するとのことでした。また、水域施設内のスペースの確保について、港湾知識のABCという手引書によりますと、「船が引き船やいかりを用いないで自力で回頭する場合、船の長さの三倍の直径の円が必要となります。いかりや引き船を使用する場合は、船の長さの一・五倍から二倍の円が必要であるとされています。新しく水域施設を設ける場合の船回し場の広さは少なくとも船の長さの二倍の円を確保しなければなりません」とあります。そうはならない既存施設の場合には特殊な船回しが必要なはずです。
 そのことを踏まえて、次に、十六万トン級、二十二万トン級クルーズ船の全長と接岸する岸壁から沖防波堤までの距離をお示しください。
 あわせて人工島建設当初に想定していた着岸する船の大きさをお示しください。
 以上、答弁願います。

◎建設局長(坂元浩君) クルーズ船の全長については船舶ごとに異なりますが、例えば、十六万トン級のクアンタム・オブ・ザ・シーズは全長三百四十七メートル、二十二万トン級のオアシス・オブ・ザ・シーズは全長三百六十二メートルであり、新たな岸壁から沖防波堤までの距離は、二十二万トン級クルーズ船の全長二倍である七百二十四メートル以上が確保されております。
 また、当初の港湾計画における対象船舶は七万トン級のクルーズ船となっております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 お聞きのとおり、当初、七万トン級の船を想定してつくられたマリンポートかごしまの水域施設は、沖防波堤までの距離が二十二万トン級の長さの二倍ぎりぎりの広さしかありませんし、引き船を使っている様子もありませんでした。先に二十二万トン級が着岸していれば一層旋回することが困難になります。旋回しないことを前提とすれば、陸を向いて着岸することになり、出港する際はバックで水域施設の外まで引き船で引くことになるのではないでしょうか。当局は、さきの第一回定例会で、同時着岸は可能との見解を示されました。県としても港湾関係者にも意見を聞いた上で計画を策定し、国も事業を採択したからには、技術的な裏づけが当然あるべきと考えます。
 そこで、次に、どのように同時着岸し出港していくのか、素人の私にもわかるよう具体的にお示しください。
 以上、答弁願います。

◎建設局長(坂元浩君) 十六万トン級及び二十二万トン級のクルーズ船が同日に寄港する場合は、二隻の入港及び出港時間について調整されるものと考えております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 時間を調整して入港することくらいは私もわかります。では、どちらが先なのか、旋回するのかしないのか。出港するときはどのように出るのか。それが示されない中で着岸は可能なのか、安全なのかを判断するのは困難です。水域施設さえつくってしまえば、後は船長任せの姿勢というのは問題というのを指摘いたしておきます。
 質問の二点目、クアンタム・オブ・ザ・シーズを視察した日は、観光バスが七十台余り観光客を乗せるため待機をしていましたが、熊本や宮崎、遠くは福岡のナンバーもあり、鹿児島市の会社だけではなかったことや、十一時に着岸した船は十九時に出港とあり、短い停泊期間での経済効果についても率直に疑問を持ったところです。
 そこで、これまでの協議の状況と経済効果の試算の必要性について伺います。
 まず、平成三十年第一回定例会後の動向と今後のスケジュールをお示しください。
 次に、国、県、市の負担割合、想定事業費とそれを含む本市の人工島建設における累計事業費と市債の想定をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎建設局長(坂元浩君) 新たな岸壁の整備については、平成三十年三月三十一日に国の直轄事業として新規事業採択されたところであり、三十四年の運用開始に向けて、三十年度は調査設計等が進められる予定でございます。
 新たな岸壁の総事業費は七十八億円が見込まれており、これまでの直轄事業の負担割合から試算しますと、それぞれの負担割合と負担額は、およそ国が六割、四十七億円、県が三割、二十三億円、市が一割、八億円、また、これらを含む本市の負担額及び市債額の累計はおよそ四十一億円、三十億円でございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 本市も事業費の一割である約八億円を負担し、借金による後年度の負担は約三十億円にもなります。本市も事業費を負担する以上は市民に説明責任が果たせなければなりません。
 次に、二十二万トン級クルーズ船の国内での寄港実績と県は経済効果の試算を示すべきと考えますが、見解をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎建設局長(坂元浩君) 二十二万トン級のクルーズ船については、これまで国内での寄港実績はございません。県によると、「新たな岸壁の整備により、十六万トン級と二十二万トン級の大型クルーズ船が二隻同時に並んで接岸できる日本初のクルーズ専用ターミナルとなり、昨年、過去最高を記録したクルーズ船の寄港数がさらに伸び、インバウンドを含めた観光客が飛躍的に増加することが見込まれる」とのことでございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 人工島の建設当初でさえ、国際会議場などの経済効果の試算がなされていました。それを一つ一つ検証することで、くるくる目的が変わって今のマリンポートの姿があります。その試算さえ出さずにお金だけ出せというのは余りに理不尽ではないでしょうか。
 質問の三点目、本年一月三十一日に開催された第四十六回鹿児島県地方港湾審議会において、本市も港湾計画の変更に同意されていますが、市長にかわって出席された松山副市長は、同時着岸の安全性や経済効果を示すことなどの対応はなされたものか、見解をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎副市長(松山芳英君) お答えいたします。
 本年一月三十一日に開催されたお尋ねの審議会では、今回の港湾計画の一部変更につきましては、クルーズ船の寄港数の増加やさらなる大型化への対応が可能となり、本市の観光振興に寄与することから異存がないことと、今後の事業実施に当たっては、本市とも十分な連絡、協議を行っていただきたい旨を申し上げたところであり、審議の結果、原案どおり適当である旨の答申がなされております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 経済効果や安全性に関する発言はなかったものと理解します。私もあれだけの観光客が乗っているクルーズ船ですから、全く経済効果がないとは思いませんが、費用対効果として、約八十九億円を投じる必要があるのか疑問です。
 質問の四点目、これまでの質疑を踏まえて、同時着岸への安全性や経済効果が示されない限り計画を進めるべきではないと考えますが、当局の見解をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎建設局長(坂元浩君) 本市としては、二隻のクルーズ船が同日に寄港する場合は、二隻の入港及び出港時間について調整され、船舶の安全性が確保されると考えております。また、新たな岸壁の整備については、本市の観光振興に寄与するものであると考えております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 これまでも私は、こども医療費の現物給付実施が一部にとどまったことや土地区画整理事業の県補助金が一〇%から半分の五%に削減されている問題を引き合いに出して、まずは、県民・市民の暮らしが最優先ではないかと申し上げてきました。
 経済効果や同時着岸の実現性、安全性が示されない中での新たな人工島建設は進めるべきではないことを厳しく指摘し、この質問を終わります。
 新しい質問に入ります。
 本日は鹿児島市も雨に見舞われ、あすにかけて激しくなる予報も出ていますが、梅雨・大雨対策について、以下伺ってまいります。
 質問の一点目、去る五月十八日深夜から十九日にかけて、本市は激しい雷雨に見舞われました。本市で一定の被害があったものと思料することから、梅雨時期の対策も含め、この大雨の状況について伺います。
 まず、降雨量と発令された警報などの状況。
 本市が把握している被害件数と主な内容及び今後の対応をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎危機管理局長(星野泰啓君) お答えいたします。
 五月十九日の降水量は、鹿児島地方気象台によりますと、二十四時間の合計が四十・五ミリで、このうち一時間当たりの最大値は、午前一時から二時にかけて二十九・五ミリでございました。また、警報等は、午前零時三十五分に大雨警報、午前零時五十六分に洪水警報、午前一時十分に土砂災害警戒情報が発表されております。
 次に、被害状況につきまして、私のほうから一括してお答えをいたします。被害件数につきましては三十六件で、主なものは、吉野町の磯川の護岸崩壊、犬迫町の市道草戸線の路肩崩壊、小山田町の農業用水路ののり面崩壊等がございました。これらにつきましては、市が行う復旧対象外の四件を除き全て災害応急工事等で対応しており、このうち十九件につきましては復旧済みとなっております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 短時間のうちの強い雨によって、本市でも少なくない被害が出ています。梅雨で二次被害などにつながらないよう迅速な対応を要請いたします。
 質問の二点目、さきの大雨での被害の中に、吉野町中別府の磯川における排水路の崩壊がありましたので、以下伺ってまいります。
 まず、磯川と現場周辺の特徴、排水路の規格をお示しください。
 次に、被害状況と本市の対応をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎建設局長(坂元浩君) 磯川は磯地区の河口から吉野台地に延びる延長四・二キロメートルの準用河川で、現場周辺は、吉野東小・中学校の付近に位置しております。崩壊した箇所の断面は、幅一・四メートル、高さ一・六メートルとなっております。
 被害については、河川の暗渠部分を雨水が越流したことにより、下流の護岸等が延長十四・六メートル崩壊したものであり、六月二日に応急工事を完了しております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 私も翌日には地域住民の方から連絡があり、現場に直行しました。これがそのときの写真です。この排水路は、吉野東小・中学校の南側にあり、プールの排水なども流れ込んでいます。暗渠となっている部分は通学路となっていますが、この道路を水が乗り越えて金網を倒し、反対側ののり面もろとも流れています。すぐ下流の家の敷地と擁壁が崩壊し、排水路に落下している状況です。このお宅の住民の方にお話を伺いますと、この家に住んでから三十年、このようなことはなかったとのことでした。当局におかれては、翌日が土日だったにもかかわらず、迅速に対応していただきましたが、この排水路が崩壊に至った原因をどのように分析しておられるのか。また、梅雨時期ですので、今後の抜本的な改善についての見通しをお示しください。
 以上、答弁願います。

◎建設局長(坂元浩君) 越流の原因として、当該暗渠部分で断面の不足などが想定されることから、今後、調査、測量等を実施し、対策を検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 原因はそもそも流量に対する断面の不足とのこと。この地域では、大規模、小規模の宅地開発が続き、流れ込む排水も多くなっているのではないかと思料されます。地域住民が一日も早く安心できるように対策を講じられるよう強く要請いたします。
 これまでの質疑で流量が課題となりましたが、質問の三点目、路面排水等に用いられる降雨強度について、以下伺います。
 まず、本市での雨の強さや道路側溝から水があふれる事例についての当局の現状認識をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎建設局長(坂元浩君) 鹿児島地方気象台によると、近年、局地的大雨が全国的に増加傾向にあり、本市も同様であるとのことでございます。また、短時間に強い雨が降ったときに、河川や水路等の水位が急激に上昇することなどにより、一時的に道路冠水があることを確認しております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 私は、最近の雨の降り方や地域で側溝から排水が噴き出る状況を目の当たりにするとき、現在の道路側溝は現状に合ったものなのか常々疑問を持ってきました。
 そこで伺いますが、降雨強度とは何か。また、その用途をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎建設局長(坂元浩君) 降雨強度は瞬間的な雨の強さを一時間当たりに換算した雨量のことで、雨水流出量を算定し、路面排水施設等の断面を求めるために用いる値でございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 県の道路排水施設等の設計に当たっての基本的な考え方としては、近傍観測所の確率降雨強度式の適用、標準降雨強度図の利用、特性係数法の運用を示しています。
 そこで、日本道路協会の標準降雨強度図での本市の降雨強度と根拠となっているデータ及び鹿児島県土木部河川課の鹿児島県における短時間降雨強度式での本市の降雨強度と根拠となっているデータをお示しください。
 あわせて、本市は、路面排水等の規格の計算にどちらを採用しているかお示しください。
 以上、答弁願います。

◎建設局長(坂元浩君) 標準降雨強度図には一九六一年から二〇〇八年における気象観測データに基づく三年確率十分間降雨強度が示されており、本市は一時間当たり百二十ミリです。鹿児島県の降雨強度式は、一九二七年から二〇一一年における鹿児島地方気象台の雨量記録に基づくもので、五年確率十分間降雨強度であり、本市は一時間当たり百二十・一ミリです。
 本市では、路面排水施設に用いる降雨強度は標準降雨強度図を使用しております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 本市は降雨強度が強く出ている標準降雨強度図を採用していることがわかりました。しかし、どちらの降雨強度も二〇〇八年、二〇一一年までのデータに基づいており、ここ十年の雨の変化が反映されていないのではと懸念するところです。
 次に、降雨強度のこれまでの改定状況をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎建設局長(坂元浩君) 降雨強度が掲載されている道路土工要綱については、直近では平成二十一年に改訂されております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 私が標準降雨強度図を掲載している日本道路協会の道路土工要綱について調べたところ、改訂は不定期な上、長くて二十年以上の間隔となることもあるようです。
 先日は、台風六号が沖縄県や奄美大島で猛威を奮い、六月に降る雨の量が一日で降ったことなどが報道され、本市での今後の梅雨の影響も大変心配されます。
 これまでの質疑を踏まえ、近年のデータをもとに本市としても独自の計算をし、降雨強度の再計算を国や県に求めるべきと考えますが、当局の見解をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎建設局長(坂元浩君) 本市としては、今後も道路土工要綱にのっとり、標準降雨強度図を採用していきたいと考えております。なお、道路土工要綱の改訂については、日本道路協会に要請してまいります。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 本市は八・六水害以降大きな水害は起こっていませんが、本市はそのときの被害を大きな教訓として、内水対策や可搬式ポンプの導入など水害対策を講じてきました。そのことは午前中の質問の中でも質疑が交わされております。
 今は少なくない地域で側溝から水があふれている実態がありますが、それがダムの小さい穴となり、大きな被害につながっていかないよう、常日ごろから防災に関する基準や施設が現状に合っているのかを検証し続けることが、万が一のときの被害を最小限に抑えることにつながるのではないか、そのことを問題提起してこの質問を終わります。
 新しい質問に入ります。
 西坂元町への公園設置の要望について新たな動きがあったことから、平成二十九年第三回定例会に引き続き、以下伺ってまいります。
 質問の一点目、これまでの公園設置についての要望の経過と本市の対応を改めてお示しください。
 質問の二点目、西坂元町における住民の交流や避難場所としての公園の必要性についての当局の認識をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎建設局長(坂元浩君) 公園設置については、西坂元町町内会から市長とふれあいトークや市民相談カードを通じ、市有地の埋め立てによる要望が寄せられておりますが、当該地は砂防指定地内に位置することなどから困難である旨をお伝えしているところでございます。
 なお、お触れの地域には公園がないことから、その必要性は認識しておるところでございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 本市としては、当初要望のあった上之原管理地については困難との考え方を町内会に対して示しましたが、西坂元町において公園は必要との認識で協議を続けられているものと思います。
 最近、私も西坂元町町内会の公民館の北に位置する県立大成寮がことし三月に廃止となったことを受け、公園用地として活用することができないか相談を受けました。
 そこで、質問の三点目、西坂元町の県立大成寮の沿革や敷地面積などの概要と県は今後どのような活用方針を持っておられるのかお示しください。
 以上、答弁願います。

◎建設局長(坂元浩君) 県立大成寮は、離島などから高校に進学にする生徒の寄宿舎として、昭和四十一年に開設、平成三十年三月末に廃止されております。敷地面積はおよそ一千平方メートルで、県によると、今後の利活用については未定とのことでございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 まだ既存の建物が残っているのでわかりませんでしたが、敷地面積は一千平方メートルと上之原管理地より広いようです。西坂元町の皆さんは、公園設置について、これまでも粘り強くさまざまな提案を含めて本市と協議を続けてきました。今後の県の活用方針は未定とのことでしたので、今が交渉のチャンスではないでしょうか。
 質問の四点目、公園用地として活用できるよう県に要請すべきと考えますが、当局の見解をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎建設局長(坂元浩君) 県立大成寮跡地については、地元要望や周辺状況などを考慮し、公園用地として活用できるよう既に要請しており、引き続き協議を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 既に要請を行い、協議を開始されておられるとのことです。更地になってさらに無償貸し付けであれば、町内会の皆さんも大変喜ばれるのではないかと思います。私どもとしても、県に対して働きかけをしていきたいと考えておりますので、当局としても、できるだけ早く結果が出るよう一層の御努力を強く要請いたします。
 以上で、私の個人質疑の全てを終了いたします。