◆(園山えり議員) 日本共産党市議団の一人として個人質疑を行います。
 去る十二月八日未明、国会で強行可決されました漁業法の改正について伺います。
 この漁業法の審議をめぐっては、戦後七十年続いてきた漁業法の改正にもかかわらず、採決ありきの余りの国会軽視の運営に野党や国民から厳しい批判と抗議の声が上がっています。審議も不十分、漁民に対しても不十分な説明であり、断固として認めることができません。
 漁業法の改正に反対する立場から、以下伺ってまいります。
 質問の一点目、本市の水産業における漁業生産状況と現状に対する認識をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎産業局長(山下正昭君) お答えいたします。
 本市の漁獲量は、漁船漁業、海面養殖漁業とも減少傾向にございます。漁船漁業では高齢化や後継者不足、海面養殖漁業では魚価の低迷や餌の高騰による生産コストの増大などによるものと考えているところでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 高齢化と後継者不足、また生産コストの増大で漁獲高が減少傾向にあることがわかりました。本市の平成十七年度の生産状況を指数一〇〇とすると、二十九年度は五五にまで落ち込んでいます。危機的状況ではないでしょうか。このような情勢のもと今回の改正が漁業者にとってどのような影響を及ぼすものでしょうか。
 質問の二点目、漁業法の改正内容と当局の課題認識をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎産業局長(山下正昭君) 今回の法改正は、適切な資源管理と水産業の成長産業化を両立させるため新たな資源管理システムを構築するとともに、生産性の向上に資する漁業許可制度や養殖・沿岸漁業の発展に資する海面利用制度など、漁業生産に関する基本的制度を一体的に見直されたものでございます。課題としましては、これまで地元漁協に優先的に付与されていた漁業権の規定が廃止されることなどでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 課題については当局もお認めになっているように、地元漁協に優先的に与えられていた漁業権の規定が廃止されることは大変重大です。このような改正内容をどれだけの漁協の皆さんが把握しておられるでしょうか。私ども党としても市内の漁協に伺いましたが、そのほとんどが何も聞かされていない、わからないなどというもので、改正内容の周知がなされていないことは申し上げておきます。
 今回、国会では、野党が要求した現地調査も地方公聴会も行っていません。改正される中身が見えない中で水産庁主催の説明会に参加した漁協数は、全国九百五十五漁協中、わずか七十七漁協に過ぎないことも明らかになっています。そのうち五十五は香川県の漁協であり、香川県議会では全会一致で「水産政策の改革」における慎重な検討を求める意見書を上げ、優先権の廃止ではなく継続を求めています。また、今回、漁業法第一条の法の目的から、漁業者及び漁業従事者を主体という言葉と漁業の民主化が削減され、漁業調整委員会の公選制も廃止してしまいます。これでは漁業者の意見が反映しにくくなるのは明白ではないでしょうか。さらに、大型船のトン数規制が撤廃され、漁業権を持った大企業が参入し、とり過ぎによる沿岸漁場の資源の減少につながりかねないと懸念の声が上がっています。
 そこで市長に伺います。
 漁業生産や流通の大型化を促進し中小漁業を軽視する漁業法改正に反対するべきと考えますが、市長の見解をお示しください。
 以上、答弁願います。
   [市長 森 博幸君 登壇]

◎市長(森博幸君) 園山えり議員にお答えいたします。
 このたび国は、水産資源の持続的な利用を確保するとともに、水域の総合的な利用を図り、水産業の成長産業化を目的として漁業法を一部改正したところでございます。この法改正が水産業の活性化にどのようにつながっていくか注意深く見守っていきたいと考えており、引き続き、漁業関係者と一体となり、本市水産業の一層の振興に努めてまいります。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 国会では参考人質疑の中で、専門家や全国の漁業調整委員から問題視する意見が相次いでいます。「漁業の民主化を削減し、地元漁業者が優先するという原則を今回の改定で企業優先に変更するということは、戦前のシステムに後戻りすることを意味する」、「今の制度でも問題はない」など、今回の改正に反対する声が続出している中で、この改悪で大企業優先のシステムになってしまえば、市長がお述べになられた本市水産業の振興どころか、地域漁民のなりわいを保障できなくなる懸念があることを指摘し、漁民の声に耳を傾け反対していただくよう強く求めて、この質問を終わります。
 新しい質問に入ります。
 ことし十月、十一月の週末に合わせて八回も行われた九州電力の太陽光発電を初めとする出力抑制について伺います。
 三・一一福島原発事故後、危険な原発からの撤退と再生可能エネルギーの本格的な普及が求められているもとで、出力抑制については、市民を初め、事業者からも疑問の声が上がっています。本市としても再生可能エネルギーの普及に力を入れているもとで、九電はそれに水を差すように出力抑制を行いました。私どもは、出力制御を実施するならば、太陽光発電などの再生可能エネルギーではなく、まず原発を先にとめるべきと考えることから、以下伺ってまいります。
 質問の一点目、九電が出力制御をする理由をお示しください。
 質問の二点目、離島を除く本土で出力制御された太陽光発電の抑制量、また、その対象となった事業者の声が寄せられたものかお示しください。
 以上、答弁願います。

◎環境局長(古江朋子君) お答えいたします。
 九州電力によりますと、電力の需給バランスを維持し、安定供給を確保するために出力制御を実施するとされており、太陽光発電の抑制量は、平成三十年十一月末までの八日間の合計で最大四百七十一万キロワットとのことでございます。また、事業者からの出力制御に関する問い合わせはこれまで寄せられていないところでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 電気の需給バランスをとるための出力制御ですが、私ども日本共産党は太陽光発電に取り組む地元の業者さんから聞き取り調査を行い、その実態を伺いました。事業者の方々からは、「損失も大きく、太陽光発電の出力抑制はやめてほしい」という声が上がっています。本市としても、事業者にどれほどの損失があったものか、その実態把握に積極的に努めていただきたいと要請いたします。
 次に、本市の公共施設の太陽光発電への影響について伺います。
 質問の一点目、本市における太陽光発電の設置数、発電出力の合計をお示しください。
 質問の二点目、出力制御によって本市の公共施設や公共施設の屋根を貸している事業者も含めて影響はなかったものかお示しください。
 以上、答弁願います。

◎環境局長(古江朋子君) 本市公共施設の太陽光発電の設置状況は、平成二十九年度末で八十施設、二千六十三・一六キロワットでございます。
 また、これらの施設については、導入時期や発電出力によりまして全て出力制御の対象外で、影響はなかったところでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 影響はなかったとのことでした。
 次に、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令(平成二十七年一月二十二日経済産業省令第三号)について伺います。
 質問の一点目、太陽光発電における出力制御の対象を見直した概要をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎環境局長(古江朋子君) 改正省令では、出力制御の対象を五百キロワット未満まで拡大する見直しが行われております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 省令は、出力制御の対象がこれまで五百キロワット以上の大規模な太陽光発電だったものを五百キロワット未満にも対象を広げたものですが、この省令によって、事業者はとりわけ厳しい環境となりました。
 次に、質問の二点目、この省令が出された平成二十七年から太陽光発電の関連業者の倒産件数、負債総額、特徴をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎環境局長(古江朋子君) 民間の調査機関によりますと、二十七年から三十年六月末までの倒産件数は二百三十七件、負債総額は八百十二億四千三百万円となっております。特徴としましては、倒産件数が連続して前年同期比で減少したことから、ピークアウト感も出ているとされております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 倒産件数は二百三十七件に上り、およそ八百十二億円もの負債額が発生しています。福島原発事故後、国の政策で再生可能エネルギーを促進してきたものですが、二十七年のこの省令によって事業者の経営が大変厳しくなり、関連業者の倒産件数も急増している。
 このような状況の中で、再生可能エネルギー導入促進行動計画に取り組む本市とされては、どのような見解をお持ちかお示しください。
 以上、答弁願います。

◎環境局長(古江朋子君) 行動計画に掲げております公共施設等を活用した太陽光発電の導入につきましては、二十七年の出力制御の見直しを踏まえ、対象外である自家消費を原則として、今後もその導入に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 計画では、本市が率先して再生可能エネルギーの導入に取り組むことにより、市民、事業者の自主的・積極的な取り組みにつなげるものとうたっています。再エネを推進していく計画と今回の太陽光発電の出力制御は相入れないことは指摘しておきます。原発はフル稼働、再エネは抑制という国や九電の姿勢をただしていくべきではないでしょうか。
 そこで、市長に伺います。
 とめるべきは原発であり、再エネの優先接続へ転換するよう国や九電に求めるべきではないでしょうか。
 市長の見解をお示しください。
   [市長 森 博幸君 登壇]

◎市長(森博幸君) 九州電力による出力制御は、電力の需給バランスを保ち、広域で停電が起こることを回避するため、電源の特性に合わせて省令等に基づき実施されたものと承知しております。国は、第五次エネルギー基本計画において、再生可能エネルギーの主力電源化に向けた取り組みを進めるとしていることから、その動向を注視してまいりたいと考えております。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 出力制御が必要になったとき、原発はすぐにとめることができないという特性があります。再生可能エネルギーがこの九州では大変ふえてきたことからも、出力制御に対応できない原発という発電からは今すぐ撤退するべきではないでしょうか。ヨーロッパでは、再エネの給電を優先し、原発も含めた他の電源を出力抑制するようになっていることからも、決して実現不可能ではないはずです。危険な原発からの撤退とともに、出力抑制で再生可能エネルギーを切り捨てる政策は今すぐ転換することを訴え、この質問を終わります。
 新しい質問に入ります。
 ベンチの設置については、これまで本会議でもたびたび取り上げられ、議論が交わされてきたと思いますが、私も市民の皆さんが利用しやすく、安心して乗りおりできるバス停の改善を求める立場から、ベンチや上屋の設置について、以下伺ってまいります。
 質問の一点目、七十歳以上の高齢者や障害のある方に交付される敬老パスや友愛パスの所有者数を平成二十五年度、二十九年度でお示しください。
 質問の二点目、市営バスにおいて、敬老パス、友愛パスをお持ちの方が一日にどれくらい利用しておられるものか、二十九年度の延べ利用者数をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎健康福祉局長(上之園彰君) お答えいたします。
 敬老パス等の交付者数を平成二十五年度と二十九年度の順に申し上げますと、敬老パスが八万一千五百五十八、九万二千九百七人、友愛パスが一万六千二百五十一、一万七千六百二人となっております。
 以上でございます。

◎交通局長(鞍掛貞之君) お答えいたします。
 市営バスの平成二十九年度一日延べ利用者数は、敬老パス、五千百六十七人、友愛パス、二千八百十八人でございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 敬老パスの所有者数はこの五年間でおよそ一万一千人、友愛パスもおよそ一千四百人ふえているようです。また、一日の利用者数は、市営バスだけでも敬老パス、友愛パス合わせて八千人近くの方々に利用されていることがわかりました。
 次に、このような現状を踏まえて、ベンチの今日的な役割についてお示しください。
 以上、答弁願います。

◎交通局長(鞍掛貞之君) バス停留所のベンチは、利用者の待ち合い環境を向上させると考えております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 利用者の待ち合い環境を向上させるというベンチの役割をお示しいただきました。高齢化が進む中、バス停でも腰かけることができれば負担が軽くなるのではないでしょうか。
 そこで、ベンチと上屋の設置について伺います。
 質問の一点目、平成二十五年度から二十九年度に寄せられた設置を求める要望内容と件数をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎交通局長(鞍掛貞之君) 市営バス停留所への過去五年間のベンチ等の要望はほとんどが新設で、ベンチは、二十五年度、二件、二十六年度から二十八年度まではそれぞれ三件、二十九年度、二件ございました。上屋は、二十五年度、三件、二十六年度から二十八年度はなく、二十九年度、三件ございました。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 毎年、二、三件のベンチの設置要望があるようです。ことし九月に住みよい紫原をつくる会の皆さんが交通局に出された要望については、私も要請に同席させていただきましたが、紫原で市営バスと民間バスの両方が運行するバス路線において、市営バスと民間バスが同時刻、または一、二分前後に運行しており、利用客は連続してやってくるバスに乗りおくれてしまうと次のバスまで三十分近い大幅な待ち時間が発生しているという実態が示されました。待ち時間が長いという点からもベンチが必要です。
 次に、質問の二点目、バス停におけるベンチと上屋の設置基準はどのようなものかお示しください。
 質問の三点目、市営バス停留所にベンチと上屋が設置されている数、設置において課題をどのようにお考えかお示しください。
 以上、答弁願います。

◎交通局長(鞍掛貞之君) ベンチ等の設置基準でございますが、市街地中心方向への上りバス停留所や学校等があり乗客数の多い下りバス停留所等の中で歩道が広いなどの一定の条件を満たして道路占用許可が得られたところに設置するとしております。なお、上屋につきましては、建築審査会の同意も必要でございます。
 市営バスの運行路線には道路占用許可を得て、交通局及び県バス協会等がベンチを五十停留所、上屋を百八十九停留所に設置しております。課題としましては、歩道の幅員など、通行の安全確保や近隣住民の同意、設置するための財源等がございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 設置基準もお示しいただきましたが、上屋に比べベンチはわずか五十カ所の設置状況であり、大変少ないのではないかと思います。設置費用の財源も課題があるとのことです。
 そこで、質問の四点目、平成二十五年度から二十九年度に新設された設置実績をお示しください。
 質問の五点目、設置費用に係る補助などの内容をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎交通局長(鞍掛貞之君) 過去五年間の設置実績でございますが、ベンチは、二十五年度から二十七年度までは、それぞれ三件、二十八年度、四件、二十九年度、二件でございます。上屋は、二十五年度、二件、二十六年度はなく、二十七年度から二十九年度それぞれ一件でございました。
 上屋等の設置に対する補助金等としましては、県の運輸事業振興助成補助金や一般社団法人公営交通事業協会のモデルバス停留所施設設置事業による寄贈がございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 ベンチは年間で三カ所程度の設置、上屋においては新設されない年もあり、県などの補助金等を利用している現在のペースでは、市民の要望にスピード感を持って応えることができないのではないでしょうか。高齢者や障害者の方々が利用しやすくなることは市民全体の利便性にもつながります。上屋とベンチの早急な整備を要請いたします。
 東京都町田市では、バス利用者のバス待ち環境向上を目的として、上屋、ベンチの設置にかかる費用の半額を民間を含むバス事業者に補助し、バス停でのベンチ等の設置を促進するという独自の取り組みをしています。交通局は設置費用の財源が課題としておられることからも、本市の一般会計からの補助制度の検討を求めるものですが、当局の見解をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎企画財政局長(鉾之原誠君) お答えいたします。
 本市におきましては、現在、中心市街地の利用者の多い共同バス停における上屋やベンチの整備に対して助成を行っておりますが、その他の地域での整備への助成につきましては、今後、研究してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 バス利用者の減少でバス事業の縮小が検討されており、市民からは、バスの減便や廃止などでサービスのさらなる低下を懸念する声が上がっています。利用客が安心して乗ることができ、利用客の減少に歯どめをかけるためにも、民間事業者も含め、本市全体のバス待ち環境の整備のために調査研究していただくよう要請いたしまして、この質問を終わります。
 新しい質問に入ります。
 十二月四日から十日は人権週間、きょう十日は人権デーです。全ての人がその人らしく生きやすい社会を一歩一歩実現させていきたい、その立場から質問いたします。
 LGBTの当事者の方々が家を探したり、借りるときに偏見の目で見られたり、差別的な言動が後を絶ちません。私は、トランスジェンダー、いわゆる性同一性障害の方が引っ越した先で御近所にカミングアウトしたところ、見た目と本当の性別が違うということで心ない言葉を投げかけられたという経験を伺いました。住宅支援は喫緊の課題だと思います。
 そこで、本市の市営住宅は、婚姻と同様のパートナーシップを結ぶお二人が同性である場合、そもそも入居を認めておられるものか、以下、住宅支援の取り組みについて伺ってまいります。
 質問の一点目、当事者の方からの相談や申し込み実績があったものかお示しください。
 質問の二点目、入居の可否とその理由をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎建設局長(坂元浩君) お答えいたします。
 市営住宅の入居について、これまでに相談や申し込みの実績はございません。
 また、二人以上の入居資格については、条例により事実上の婚姻を含む親族に限られております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 条例により、事実上の婚姻を含む親族に限られるということですが、現在、本市においてはパートナーシップ制度が導入されておりませんので、同性カップルの方々は事実上の婚姻を証明することができません。同性カップルは市営住宅に入居ができないということです。
 では、他都市ではどのような取り組みがあるものでしょうか。
 次に、パートナーシップ制度がない場合でも公営住宅に入居できる自治体の取り組みをお示しください。
 以上、答弁願います。

◎建設局長(坂元浩君) お触れの事例としては、東京都文京区の区営住宅において、婚姻に生じる義務と同等の関係を有すると認められる同性の者に対し入居資格を認めているようでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 文京区ではパートナーシップ制度はないものの、入居資格に同性パートナーを認めるという取り組みをしておられることがわかりました。
 パートナーシップ制度がなくても取り組む自治体がある中で、本市は入居ができないという状況について伺います。
 本市の人権教育・啓発基本計画に照らした本市の課題認識をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎建設局長(坂元浩君) 本市の人権教育・啓発基本計画において性的少数者に対する偏見などを人権課題と位置づけており、今後の市営住宅の入居においても同様の課題の一つと考えております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 本市とされても入居ができない今の状況については課題であるとお認めになりました。同じ市民でありながら不利益や差別があってはならないと思います。一刻も早い改善を求めるものです。
 次に、民間が取り組む住宅支援について伺います。
 質問の一点目、インターネットで賃貸物件を検索できるサイトを運用している会社が「LGBTの住まい・暮らし実態調査二〇一八」というアンケート調査をしましたが、その中で住まい探し、特に賃貸住宅でセクシャリティ、いわゆる性的指向が原因で困難や居心地の悪さを経験したことがあると答えた割合をお示しください。
 質問の二点目、物件探しなどで民間が取り組む住宅支援をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎建設局長(坂元浩君) お触れの調査結果によると、割合は二八・七%でございます。
 また、民間の取り組みとしては、不動産検索サイトの入居項目にLGBTを加えることや家族向け社宅への入居を認める企業などがあるようでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 不動産検索サイトでLGBTを加え、同性カップルも入居できる物件を紹介するという取り組みや、また、社宅についても認める会社が出てきています。その一方で、およそ三割の当事者の方が困難を経験したと回答していることは深刻です。ある当事者の方は、やっとの思いで探した物件をいざ契約するときに不動産会社から証明書とは別に顔写真を撮られたが、家を借りるために我慢したといいます。本市はこのような現状があることを認識していただき、その解決の先頭に立って住まいを保障していく、また、住宅賃貸に関連する方たちに対して啓発や教育など、さまざまな働きかけをしていく必要があると思います。
 そこで伺います。
 本市でも同性パートナーとの入居を検討するべきではないでしょうか。当局の見解をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎建設局長(坂元浩君) 現状では取り扱いを変更する予定はございませんが、今後、他都市の状況などを注視してまいります。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 住まいの確保は生活の基本です。本市が率先して住宅支援に取り組まなければ市民の理解は広がりません。お隣の熊本市でもパートナーシップ制度の導入が検討されることになり、当事者の皆さんに大変喜ばれています。パートナーシップ制度が導入されていなくても市営住宅に入居できる自治体もあることを踏まえ、当局も他都市を調査研究していただき、早急な改善をしていただくよう要請し、この質問を終わります。
 新しい質問に入ります。
 厚生労働省は、放課後児童クラブの支援員について、現在定められている配置基準を緩和する方針を打ち出しました。保護者や支援員の方々から、子供たちの命と安全を第一に考えるべきだと危惧する声が上がっています。子供たちの放課後の生活を安心したものにするためには、支援員を減らすのではなく処遇改善を図り、安心して働ける環境づくりを整え、支援員をふやしていくことこそ求められているという立場から、以下伺ってまいります。
 質問の一点目、本市が設置する児童クラブの直近の待機児童数と待機児童解消に向けた今後の見通しをお示しください。
 質問の二点目、本市設置の児童クラブ数を二十九年度、三十年度それぞれお示しください。
 質問の三点目、本市設置の児童クラブの支援員、補助員のそれぞれの人数を二十九年度、三十年度でお示しください。
 以上、答弁願います。

◎健康福祉局長(上之園彰君) 本市が設置する児童クラブの待機児童数は、本年八月一日現在で九十七人で、そのうち、和田、川上、錦江台校区につきましては、来年四月の開設に向け現在二階建ての専用施設の整備を進めており、五十七人の待機児童が解消される見込みでございます。また、その他の校区につきましては、設置場所の確保等について関係者等との協議を行っているところでございます。
 本市が設置する児童クラブは、二十九年度末で百三十九クラブ、三十年度は、現在、百五十三クラブでございます。
 支援員等の人数につきまして、二十九年度と三十年度の五月一日現在で順に申し上げますと、支援員が五百九十一、六百四十七人、補助員が百五十八、二百三十八人でございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 二十九年度末から十四カ所を増設し、支援員、補助員もそれぞれふやして対応されている中で、まだ百人近くの児童がクラブに入れない状況のようです。解消の見通しもお示しいただきましたが、共働き世帯がふえ、長時間労働や女性の社会進出、核家族など、家庭を取り巻く環境が複雑化・多様化している中で児童クラブの役割はますます重要になっており、量的にも質的にも拡充が求められているのではないでしょうか。
 次に、放課後の生活を子供たちとともに過ごす支援員について、当局はその役割をどのように考えておられるものかお示しください。
 以上、答弁願います。

◎健康福祉局長(上之園彰君) 支援員は、国の運営指針において、必要な知識及び技能をもって育成支援に当たるとともに、関係機関と連携して子供にとって適切な養育環境が得られるよう支援する役割を担うとされております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 支援員は子供にとって適切な養育環境が得られるよう支援するという大変重要な役割を担っておられます。
 次に、二十七年度から定められた配置基準と経緯、支援員の資格要件についてお示しください。
 以上、答弁願います。

◎健康福祉局長(上之園彰君) 支援員の配置基準でございますが、国においては全国的な一定水準の質を確保する観点から、社会保障審議会児童部会の専門委員会における議論を踏まえ、設備及び運営に関する基準を策定されており、その中で支援員は、支援の単位ごとに二人以上とすることなどが示されております。また、資格要件につきましては、保育士の資格や教員免許状を有する者等であって、県が実施する認定資格研修を修了した者等とされているところでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 支援員は誰でもできる仕事ではなく、保育士や教員免許状の資格を持ち、研修を受けた専門家であるということです。国の基準では二人配置するよう義務づけられていますが、児童クラブがふえる一方で、なり手不足も問題となっています。
 そこで、支援員不足について伺います。
 質問の一点目、本市の認識と対策をお示しください。
 質問の二点目、本年六月の条例改正の内容と条例改正後に支援員となった方の実績をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎健康福祉局長(上之園彰君) 児童クラブの支援員につきましては、クラブ数の増加等もあり、校区によってはその確保に苦慮している状況があると認識いたしております。このため、支援員報酬等の時間単価の引き上げなど処遇改善を図ってきておりますが、今後、各クラブの募集についての必要な支援などにさらに取り組んでまいりたいと考えております。
 また、条例改正の内容でございますが、国の基準の改正に伴い、高等学校を卒業していない者であっても、五年以上、放課後児童健全育成事業に従事した者で市長が適当と認めた者については、支援員になれることとしたもので、本市が設置する児童クラブでは新たに一人の方が支援員となられたところでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 支援員の確保については苦慮しておられるとのことです。また、六月の条例改正によりお一人の方が新たに支援員になられたことがわかりました。補助員として長年経験を積んでこられた方に支援員の道が開かれるということは、大変励みになるのではないでしょうか。
 また、さらなる処遇改善も必要ではないかと考えます。二十代の支援員さんの中には、フルで入っても十万円ほどの手取りでは生活していけず、転職も考えていると訴えておられるそうです。また、パートと支援員のダブルワークをしなければ生活できないという方もおられます。このような実態があることを踏まえると、本市の雇用形態では若い人材が働き続けることが困難なのではないでしょうか。支援員の確保については引き続き処遇改善などの対策をしていただくよう要請いたします。
 国は、このような情勢のもと、支援員が不足しているという理由で配置基準を緩和する方針を出しました。子供たちの安全と保育の質の低下を招きかねません。
 そこで、国の支援員の配置基準の緩和について、質問の一点目、要件緩和の内容をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎健康福祉局長(上之園彰君) 現在、国において検討されている支援員の配置基準の見直しは、市町村が条例を定めるに当たり、従うべき基準とされている「従事する者及びその員数」を地域の実情を踏まえて参酌すべき基準にしようとするものでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 これまで従うべきであった支援員二人の基準を廃止し、参酌すべき基準になってしまえば自治体における裁量が認められることになり、専門性のない職員が一人で児童クラブを担うことが可能になってしまいます。これでは子供たちの安全を確保することができません。支援員の方に伺うと、子供が無断で欠席することがあり、安否確認のために一人が学校に見に行ったり、クラブの周りを探したりすることもあるそうです。また、情緒障害や発達障害で特別に支援が必要な児童も通っており、今でも十分な人数とは言えないという声もお聞きしています。
 そこで、質問の二点目、この方針を受けての本市としての姿勢をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎健康福祉局長(上之園彰君) 現在、国において検討がなされておりますことから、本市といたしましては、その動向を注視しつつ、子供の安全の確保などの観点から適切に対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
 子供の安全の確保の観点から適切に対応されるとのことでした。子供にとって安全安心な場所を保証するためには、一人一人の子供を理解し、専門性を持った支援員の複数配置が不可欠です。参酌基準とされてしまえば基準が骨抜きになってしまい、質の低下が懸念されます。
 本市におかれましては、少なくとも現行どおりの二人の支援員は確保し、減らすことがないよう強く要請いたします。また、支援員不足の問題の解消に向けて取り組まれている他都市のクラブ運営について、私も今後、調査研究していくことを申し上げ、以上で、私の個人質疑の全てを終わります。