◆(たてやま清隆議員) 日本共産党市議団を代表して、ただいま上程されました十五議案のうち、第六号議案 鹿児島市家庭的保育事業等の設備及び運営の基準に関する条例一部改正の件、第一三号議案 鹿児島市立斎場条例一部改正の件、以上二つの議案について反対する立場から討論を行います。
 初めに、第六号議案の家庭的保育事業等とは、原則として三歳未満の乳幼児を対象とする保育事業であり、定員五人以下の家庭的保育事業、定員六人から十九人の小規模保育事業、乳幼児の居宅で行う居宅訪問型保育事業、そして、企業内に設置される事業所内保育事業の四つの類型に分けられています。これらの事業は、小規模保育所等をふやすことによって、待機児童の多いゼロ歳から三歳未満の解消を図ることを目的に地域型保育事業として実施されています。県内には三十九施設あるとのことですが、本市では、保育所及び認定こども園により保育を確保するとしていることから、実施していないとのことであります。
 しかし、今回、平成三十年の地方からの提案等に対応するために家庭的保育事業等の設備及び運営の基準の一部を改正する省令が公布されたことに伴い、本市の条例改正が提案されたところですが、本市は家庭的保育事業等は実施していないから直接関係ないというのではなく、今後、本市においても家庭的保育事業等が実施された場合、改正内容には保育の質の低下を招く要件緩和の基準改正が含まれていることから、第六号議案には次のような理由から反対します。
 反対の第一の理由は、そもそも家庭的保育事業等に共通する問題点は、保育士の資格がなくても一定の研修を修了した家庭的保育者が従事できるという問題点があり、保育の質をいかに確保するのかという点が課題としてありました。
 そこで、家庭的保育事業等には連携施設として保育士が配置されている保育所、幼稚園、または認定こども園のいずれかを確保する義務があり、その連携施設と、保育内容の支援、代替保育の提供及び卒園後の受け皿となる、この三つの要件を五年をめどに全て満たすことが求められていました。ところが、この三要件を全て満たしている家庭的保育事業等は全体の四六%にとどまっているにもかかわらず、保育士資格を有しない従事者が半数を占めることが認められている企業主導型保育施設を新たな連携施設として容認する要件緩和が改正案に明記されています。
 このような条例改正は、家庭的保育事業等の保育の質を確保することにつながらないばかりか、保育士の配置基準の後退の連鎖を容認する改正であり、問題であります。
 反対の第二の理由は、本市が所管しない企業主導型保育施設を連携施設とすることについて、立入調査を実施しており、保育の質は一定の確保がなされているとの見解が示されました。しかし、同施設を直接所管し、指導監査する責任を負うのは、東京に本部を置く公益財団法人児童育成協会です。平成二十八年度の制度創設以来、同施設は急速に増加していますが、許可申請はインターネットによる書面審査のみで、設置責任者との事前面談も行われていません。このようなずさんな対応が突然の休園や廃園という社会問題を引き起こし、平成二十九年度の指導監査では七〇%の施設が基準を満たしていない実態が明らかにされています。
 国もこのような事態を受けて検討委員会を設置し、本年三月には報告書を発表しています。その中で開設後の指導監査等において保育の質の視点が不足していたことを国も認め、企業主導型保育事業の実施機関と自治体が相互に連携しながら、必要に応じて指導監査、巡回指導の合同実施に努めるべきと今後の課題が提起されています。つまり、同施設の保育の質の確保については問題があり、また、自治体との連携が不十分であることが指摘されています。
 したがって、今回の条例改正は保育士の配置基準が低い同施設で連携施設としてどのように保育の質の確保を図っていくのか、その方策も不明確なまま要件緩和のみが最優先されており、保育士が配置されている保育所と認定こども園を中心に保育行政を進める本市の方針にも合致しない条例改正であり、問題であります。
 以上の理由から、本条例改正議案には反対します。
 続いて、第一三号議案は、鹿児島市立の北部斎場と南部斎場において、受け付け、案内、収骨の管理を一体的に行うために指定管理者制度を導入しようとする条例改正議案ですが、次のような理由から反対します。
 反対の第一の理由は、昭和四十三年、昭和四十六年、当時の厚生省が二度にわたり火葬場等の経営主体について、「株式会社等、営利を目的とする法人の経営を許可する事例が見受けられることを踏まえて、原則として市町村等の地方公共団体でなければならない」、「経営主体が公益法人である場合であっても、いやしくも営利事業、類似の経営を行うことなく公益目的にのっとって適正な処理が行われるよう関係者に対して強く指導されたい」という通知が各自治体に発出されています。質疑の中でも、この通知の趣旨は現在も引き継がれていることは明らかにされており、全国五十八の中核市の中で本市を含む過半数の三十四の中核市が市直営で行っています。ところが、市直営を廃止し指定管理者制度を導入することにより、営利を目的とする株式会社が参入することも可能となります。現に九州中核市の中で唯一指定管理者制度を導入している隣県の宮崎市では火葬炉設置等をなりわいとする株式会社に指定管理を委ねています。
 このようなことから、今回の条例改正は非営利性が求められる斎場の管理にそぐわない条例改正だと考えます。
 反対の第二の理由は、指定管理者制度導入の目的は市民サービスの向上と経費の縮減を図るとのことですが、平成十六年、ある民間団体が地方自治体を対象に実施した斎場の管理運営に関するアンケート調査結果によると、各自治体の当局が指定管理者制度導入に関する不安について、四三・八%の自治体が「行政のチェックが間接的になり、個人情報の管理に不安を感じる」と回答、また、三四・六%の自治体が「斎場の指定管理者導入事例が少なく、導入効果を確認しにくい」と回答、また、三〇%の自治体が「斎場の中心業務である火葬業務を担える指定管理者は限定され、競争原理が働きにくい」と回答しています。
 これらの不安内容について本市の見解を求めたところ、「個人情報の管理のために必要な措置を講じる」、「どれだけ導入効果があるか不明」との答弁が示され、経費縮減の効果についても先行事例として一例の紹介にとどまりました。市民サービスの向上についても、本市の斎場について、市民から苦情や具体的な改善要望が示されているわけではありません。したがって、今なぜ斎場の管理運営に指定管理者制度を導入しなければならないのか積極的な意義が見受けられず、実質的には本市の行政改革大綱に基づいて提起された計画ありきの提案であり、市民本位の提案とは言えません。
 以上の理由から、本条例改正議案に反対いたします。
 以上をもちまして、第六号議案、第一三号議案に関する反対討論とします。(拍手)