◆(園山えり議員) 日本共産党市議団の一人として個人質疑を行います。
初めに、六月末から本市に降り続いた大雨と九州北部豪雨、台風十五号などで亡くなられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、千葉県では停電が解消されず、今もなお深刻な被害が続いていることから、被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げ、一刻も早い復旧をお祈りいたします。
初めに、市長の政治姿勢について伺います。
一点目、川内原発のテロ対策施設・特定重大事故等対処施設の建設が大幅におくれている中で、九電は原子力規制委員会に設置期限延長を要求いたしましたが、当然ながら認められませんでした。また、安全協定に基づく同施設の県の事前了解についても情報を公開しないなど、九電の安全に対する責任が問われているのではないかと考えますが、市長の見解をお示しください。
二点目、他都市では市営バスが民間移譲される地域への事前説明や路線の活性化を図ることを目的とした協議会を設立するなどの取り組みも行われている中で、本市交通局のバス路線の民間移譲は団地再生推進事業の観点などからも拙速であり、本市としての交通政策を後退しかねないと考えますが、住民説明会の実施も含めて市民の不安の声にどのように応えるものか、市長としての見解をお示しください。
以上、答弁願います。
[市長 森 博幸君 登壇]

◎市長(森博幸君) 園山えり議員にお答えをいたします。
私は、これまで申し上げてきましたとおり、原発は住民の安全性を確保することが最優先されるべきであり、九州電力におかれては、特重施設の早期建設など、今後も徹底した安全対策を行っていただきたいと考えております。
市営バス路線の一部移譲につきましては、平成二十九年度の交通事業経営審議会での審議や答申を踏まえて民間事業者との協議を整え、先般、基本協定の締結に至ったところであり、市営バスと同様のサービス水準の維持や経営改善による事業継続の道筋が見えてくるとともに市民の移動手段の維持・確保につながるものと考えております。交通局には自動車運送業の抜本的見直しを着実に進めて経営改善を図り、災害時の避難輸送はもとより、市民生活を支える公共交通として今後とも本市の交通体系の一翼を担ってほしいと考えております。

◎交通局長(鞍掛貞之君) 住民説明会等の実施についてでございますが、利用者の皆様には民間事業者と連携し、今回の移譲は運行経路や便数が原則三年間は維持されることなども含め適時適切に周知・広報を行うこととしております。また、路線移譲に関して説明してほしいとの要請があった場合には市政出前トーク等の場を活用してまいりたいと考えております。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
川内原発一号機は三月、二号機は五月が設置期限となっておりますが、今回これが間に合わないことに加え、延長を認めるよう求めた九電の姿勢に怒りの声が上がっています。事前了解についても玄海原発は公開し、川内原発は未公開にするなど、住民にとって重要な情報はしっかり公開するべきと考えます。このような企業に危険な原発を預かる資格がないのではないかということを指摘しておきます。
また、市営バス自体が廃止となった熊本市は、民間バスの運転手不足という理由で利用者が少なく採算が厳しい六路線をこの九月末で廃止するようですが、本市の路線移譲の対象になっている唐湊線は営業係数がワースト八位であり、減便や廃止の対象に真っ先になってしまうのではないかという住民の不安が広がっています。要請があれば市政出前トークも活用されるということですが、要請がなければそのままで構わないのでしょうか。市長とされましても、まずは市民の声を聞く場をつくっていただくことを要請いたします。
次に、性的少数者(LGBT)の方々への支援について、私は、施策をより一層進めていただき、当事者の皆さんが一刻も早く安心して暮らせるよう求めていく立場で、以下伺います。
初めに、本市の人権教育・啓発基本計画について、改めて性的少数者を盛り込んだ理由とその後の取り組みをお示しください。
以上、答弁願います。

◎市民局長(古江朋子君) お答えいたします。
本市人権教育・啓発基本計画につきましては、社会情勢の変化や国の動き等を踏まえ、人権啓発に関する懇話会や庁内の人権教育・啓発推進本部会議で協議し、平成二十八年十二月に性的少数者を人権課題に加えたものでございます。その後の取り組みでございますが、啓発冊子や職員研修会のテーマに性的少数者を取り上げるとともに、本年四月、公文書における不要な性別記載欄の削除を行ったところでございます。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
本市とされても社会情勢の変化などを踏まえ、平成二十八年十二月に人権教育・啓発基本計画に盛り込み、計画に基づいて施策の実現に取り組んでおられることを改めて確認いたします。
次に、当事者が直面する困難について伺います。
一点目、性的指向および性自認等により困難を抱えている当事者等に対する法整備のための全国連合会、略してLGBT法連合会が当事者の困難をまとめた「性的指向および性自認を理由とするわたしたちが社会で直面する困難のリスト」というものがありますが、その中で、子ども・教育、就労、医療、公共サービス・社会保障の分野での主な内容をお示しください。
以上、答弁願います。

◎市民局長(古江朋子君) LGBT法連合会がまとめた主な内容として、性的少数者が抱える困難として、「学校で侮蔑的な言葉を投げかけられ、自尊感情が深く傷つけられた」、「就職活動の際、カミングアウトしたところ面接を打ち切られた」、「意識不明になったパートナーが入院したが、病院からの情報や治療内容の説明がなく、面会もできなかった」、「同性パートナーと公営住宅への入居を申し込もうとしたが、同居親族に当たらないことを理由に拒否された」などがございます。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
深刻な不利益が発生していることがわかります。就職活動の際にカミングアウトしたら面接を打ち切られたなど、いまだこのような実態がある中で、本市はことし四月から公文書における不要な性別記載欄の削除に取り組み、職員採用試験の性別記載欄も削除されたと聞いております。当事者の方に伺うと、「採用試験を受けたいけれども、まず申し込むというところにハードルを感じて受験できない人がいる」、「性別欄の削除は性別ではなく個人としてその人物を見てくれると感じる」という声を伺いました。男性、女性ではなく、その人を個人として評価することは、心と体の性が一致しない性同一性障害の方だけでなく、医学部入試で女性が差別的な扱いを受け続けてきた実態があるように差別で苦しむ女性にとっても公平・公正に評価されるという励みになるのではないでしょうか。
質問の二点目、多くの困難を抱えている当事者の存在がなぜ身近な存在として可視化できないのでしょうか。社会的背景をどのように分析しておられるのかお示しください。
以上、答弁願います。

◎市民局長(古江朋子君) 当事者の存在が表面化しにくいという点につきましては、社会的に性的少数者についての理解がいまだに十分ではなく、当事者において偏見や差別、いじめを受けたくないという気持ちがあるのではないかと考えております。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
いまだ社会的にも理解が不十分であることから、差別や偏見、いじめを恐れて表に出ることができない、このような現実に直面しています。
それでは、私たちは今何をするべきでしょうか。法務省の人権擁護局が呼びかけている三つの内容をお示しください。
以上、答弁願います。

◎市民局長(古江朋子君) 法務省人権擁護局では、「多様な性について知る」、「習慣・常識を変える」、「理解者を増やす」と呼びかけているところでございます。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
人権擁護局は、身の回りの習慣や常識となっている考え方をいま一度点検し、性的指向・性自認に関する差別やハラスメントにつながるものはないか、習慣や常識を変えようと呼びかけています。
名古屋市の市民意識調査では市民一万人を対象にLGBTの言葉の認知度などを調査されましたが、周囲に性的少数者がいるかどうかという質問に対して年齢層ごとに見ると、若い年齢層ほど「いる」と回答した割合が高いという特徴があるようです。特に十八歳から二十九歳の女性の三分の一が「周囲に性的少数者がいる」と回答しています。また、十八歳から二十九歳の女性の六割が「LGBTの言葉も意味も知っている」と回答しています。LGBTとは何かを知り、カミングアウトしやすい環境を日ごろからつくっておくことで当事者が安心してカミングアウトでき、見える存在となることをこの調査は裏づけています。まだまだ当事者と言えない環境であることを私たちは認識し、改善していく必要があると思います。名古屋市では実態調査に取り組まれた上でパートナーシップ制度の導入を検討されているようです。
そこで、地方自治体の取り組みについて伺います。
質問の一点目、福岡、北九州、長崎、熊本、宮崎、那覇の九州六市が導入するパートナーシップ制度の主な趣旨をお示しください。
質問の二点目、同性カップルにも養育里親の門戸を開いた大阪市の事例に対する厚生労働大臣の評価はどのようなものかお示しください。
以上、答弁願います。

◎市民局長(古江朋子君) 六市のパートナーシップの制度は、一人一人の人権を尊重し、多様性を認め合いながら生き生きとした社会の実現を目指すなどを趣旨としているようでございます。
お触れの件でございますが、当時の厚生労働大臣が、子供さんがしっかりと真っすぐに育っていくことが大事であり、どのようなカップルであろうとそれが達成できれば我々としてはありがたいと発言されておられます。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
多様性を認め合いながら生き生きとした社会の実現を目指すという趣旨を市民と共有することにこの制度に取り組む大きな意義があると思います。
里親制度は、さまざまな事情で家族と暮らせない子供を自分の家庭に迎え入れ、温かい愛情と正しい理解を持って養育することが目的であり、単身者でも親子でも条件を満たせば里親になれる制度です。厚生労働省によると、里親に委託された理由のうち、父母による虐待や父母の養育拒否が四割近くを占めており、父母がいても困難を抱え一緒に暮らせない家庭もあるのです。全国で児童虐待が相次いでいますが、父母による虐待で亡くなっていく子供を一刻も早くなくし、厚生労働大臣の言葉にあるようにどのようなカップルであろうと子供さんがしっかりと真っすぐに育っていくことが大事であるという本質的なことが大切にされるべきではないでしょうか。
次に、来年に控える東京オリンピック・パラリンピックですが、オリンピック憲章の定める権利及び自由は、性的指向を含め、いかなる差別も受けることがあってはならないとうたっており、開催地にこのことを求めていることから、主な取り組みについて伺います。
一点目、オリンピックにかかわる物品やサービスなどを調達する際の基準となる調達コードの内容。
二点目、東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例の目的とその内容をお示しください。
以上、答弁願います。

◎市民局長(古江朋子君) 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、調達コードの中で性的少数者など社会的少数者の人々の権利を尊重し、プライバシー保護にも配慮しつつ、平等な経済的・社会的権利を享受できるような支援に配慮すべきであるとしているところでございます。
東京都の条例につきましては、いかなる種類の差別も許されないというオリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念が一層浸透した都市となることを目的とし、誰もが認め合う共生社会の実現や多様性を尊重する都市の実現に向けた内容となっているようでございます。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
調達コードは、東京オリンピックにかかわりたい企業はすべからくLGBT施策を行いなさい、そうでない企業はお断りですと宣言されたのです。これを受け同性パートナーも配偶者として扱うよう社内制度を改定するなど、企業側もさまざまな取り組みを進めています。オリンピックはここまで日本に求めていることを私たちは認識する必要があります。
次に、平成二十六年の国連自由権規約委員会から日本政府へのLGBTに関する勧告の内容の中で、主に公営住宅における同性カップルの除外について触れられた内容とそれに対する日本政府の対応、また本市の対応をお示しください。
以上、答弁願います。

◎市民局長(古江朋子君) 国連自由権規約委員会から出された総括所見では、性的指向を含む差別を禁止する反差別法を採択し意識啓発活動を強化するほか、公営住宅に関して同性カップルへの制限を取り除くべきであるとしております。
以上でございます。

◎建設局長(松窪正英君) お答えいたします。
公営住宅についての勧告に対する政府の対応は把握しておりませんが、今後、国の動向を注視してまいります。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
日本政府は平成二十年に国連から公営住宅に同性カップルが入居できるようにするべきとの勧告を受けています。その後、平成二十四年の公営住宅法の改正に伴い、親族関係にない同性の同居を認め、同居親族による入居者資格の制限はなくなっていると国連に答えました。国が同性カップルは入居できると認めているにもかかわらず、そのわずか二年後にも国連から同様の勧告を受けているのは自治体レベルでの対応が進んでいないことを証明するものです。私は、平成三十年第四回定例会において同性カップルの入居を求めたところ、当局は、市営住宅の入居においても同様の課題の一つと考えている、他都市の状況を注視していくと答弁され、課題であることは認めておられます。国の見解は既に示されているのですから、動向を見守るのではなく、一刻も早く改善するべきです。
最後に、市長に伺います。
同じ鹿児島市に住みながら、このように市民が差別されている実態が残されている性的少数者の方々にとって、本当に住みやすい、安心して暮らせるまちにするためにもさらなる取り組みが必要と考えますが、全ての人の人権が尊重される鹿児島市の実現に向けて決意をお示しください。
以上、答弁願います。
[市長 森 博幸君 登壇]

◎市長(森博幸君) 私は、第五次鹿児島市総合計画におきましても人権尊重社会の形成を柱の一つに掲げたところであり、全ての人が日常生活のさまざまな場面においても安心して暮らせるよう、今後もなお一層の人権教育・啓発を推進し、全ての人の人権が尊重される社会の実現を目指してまいりたいと考えております。
[園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
今後もなお一層の人権教育・啓発を推進するとの市長の決意をお述べいただきました。本市が市民に啓発するための人権問題啓発資料「みんなの幸せを求めて」には、「人は、生まれながらにして自由・平等であり、幸せに生きる権利を持っています。幸せに生きたい、暮らしたいと願い、その実現を図る自由が守られていることが、「人権」が守られているということ」と明記しています。市長におかれましては、御答弁にあったように全ての人の人権が尊重される社会の実現に全力を挙げて施策を進めていただきますよう強く要請いたします。私も声を上げられない方、その存在すら明らかにできない当事者の皆さんとともに声を上げ続けることをお誓い申し上げまして、この質問を終わります。
次に、DV(ドメスティック・バイオレンス)の被害者の市営住宅への入居の取り扱いについて伺います。
まず、DVとはどのようなものかお示しください。
以上、答弁願います。

◎市民局長(古江朋子君) DVとは、一般に配偶者や恋人など親密な関係にある、またはあった者から振るわれる暴力のことで、殴る蹴るなどの身体的暴力だけではなく、言葉などで精神的に追い詰める精神的暴力や経済的、性的な暴力など多岐にわたっております。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
身体的暴力だけではなく言葉などで精神的に追い詰める暴力や経済的なものまで多岐にわたるということを確認いたします。
次に、配偶者暴力相談支援センターにおける国、県、市の相談件数の推移をそれぞれ平成十九年度と二十九年度でお示しください。
以上、答弁願います。

◎市民局長(古江朋子君) DVに関する相談件数を国、県、市の順に申し上げますと、平成十九年度、六万二千七十八、六百十八、二百六十四、二十九年度、十万六千百十、一千二百二十五、三百七十六件でございます。なお、十九年度の本市の件数は配偶者暴力相談支援センター開設前のものでございます。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
この十年で相談件数が県では二倍近く増加するなど大変ふえているということがわかりました。
私たちの身近なところでもDVという言葉の認知が広がり、被害を訴える方がふえているように感じますが、このような状況のもとで公営住宅においてはどのような対策がとられているものか伺います。
まず、国交省が平成十六年に出した公営住宅への優先入居の基準を市町村を含む全自治体に通知した通知書、さらに平成二十一年に出した通知書の内容と目的、その背景をお示しください。
以上、答弁願います。

◎建設局長(松窪正英君) 平成十六年の通知は、優先入居が可能であることや対象被害者の要件に関するもので、二十一年の通知は、当該措置を講じていない自治体に対し導入を求めたものでございます。目的は、DV被害者の居住の安定を図りその自立を支援するためであり、被害者数が増加する中で住宅確保が難しいことが背景にございます。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
国の二度にわたる徹底からもわかるようにDV被害者が直面する住宅の確保は大きな課題であることが理解できます。DV被害者の居住の安定を図り、その自立を支援するためにも取り組みが求められているのではないでしょうか。
そこで、本市の取り組みについて伺います。
一点目、DV被害者に対しての市営住宅の取り組み内容。
二点目、入居要件。
三点目、過去三年の実績の推移をお示しください。
以上、答弁願います。

◎建設局長(松窪正英君) 優遇措置としては、定期募集抽選時の増し玉や緊急時の行政財産目的外使用による入居がございます。
入居要件は、母子生活支援施設等による保護終了日から五年未満、または地方裁判所の保護命令から五年未満のいずれかに該当するDV被害者のうち、定期募集は入居者資格を満たしていること、行政財産目的外使用は住宅に困窮していることでございます。
過去三年の実績を平成二十八年度から順次申し上げますと、増し玉による抽選での入居は、一、二、ゼロ件であり、行政財産目的外使用による入居は実績がございません。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
本市では抽選時の増し玉などの取り組みが行われており、入居要件は保護命令を受けたときから、また、母子生活支援施設、いわゆるシェルターで保護されたときからそれぞれ五年未満という期限があるようです。本市では昨年において増し玉による抽選での入居も行政財産目的外使用も実績がなかったということですが、DV被害者の増加を勘案すると住宅支援が十分に行き渡っているとは言えないと考えるものです。
そこで伺います。
DV被害者が市営住宅に申し込みができなかった具体的事例はあったものか、また、課題認識を持っておられるかお示しください。
以上、答弁願います。

◎建設局長(松窪正英君) これまでDV被害者としての要件を満たさず申し込みができなかった事例はありますが、現在のところ特に課題認識はございません。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
DV被害者という認識があっても入居要件に該当しなければ申し込みすらできない方が残されています。私のもとにも長期間にわたる身体的・精神的暴力から逃れ数年前に家を出たが、民間は家賃も高く市営住宅に入れないものかと相談がありました。この方は離婚が成立すれば単身入居の入居要件は満たすものの、市営住宅に申し込みができない実態があることを当局は課題として認識していただきたいと思います。
次に、指定管理者のDV被害者も含む申し込み者のプライバシーへの配慮の徹底について伺います。
質問の一点目、申し込みの際に窓口業務に当たる職員への研修の有無。
質問の二点目、住宅を申し込む窓口のDV被害者等に配慮する取り組みをするべきと考えますが、当局の取り組みをお示しください。
以上、答弁願います。

◎建設局長(松窪正英君) 窓口業務に当たる職員に対しては、指定管理者において個人情報の取り扱いの研修のほか、定期募集ごとに申し込み者のプライバシーに配慮した受付業務について研修を行っております。
プライバシー配慮については、DV被害者を含む申し込み者の相談に対して専用のカウンターを設置するなどの取り組みを実施しております。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
相談の専用窓口を設置されたということですので、DVなどデリケートな相談があった際には十分にプライバシーの配慮に努めていただくとともに、ことし六月から始まった指定管理者への職員への徹底を要請いたします。
また、DV被害者の入居に関しては、他都市を幾つか調査させていただいたところ、特定の要件を設けず、地域や関連部署と連携し、被害者の状況を精査した上で目的外使用の可否を判断しているという自治体もあるようですので、本市のDV被害者の入居要件が実態に即しているものか今後私どもも調査を行い、引き続き取り上げていくことを申し上げ、この質問を終わります。
次に、六月末からの豪雨災害について、地元の唐湊でも新川の増水や土砂災害が起きたことから、対策を求める立場で以下伺ってまいります。
まず、七月三日に新川田上橋で氾濫危険水位に達したことについて伺います。
質問の一点目、市民への周知方法と課題、対策はとられたものかお示しください。
以上、答弁願います。

◎危機管理局長(千堂和弘君) お答えいたします。
氾濫危険水位の超過などに伴う避難勧告等の発令については、地域防災計画に定められた基準を参考に総合的に判断しており、防災行政無線を初め、安心ネットワーク一一九や緊急速報メール、LINE、テレビ、ラジオ、消防車両など、さまざまな手段により伝達しておりますが、今後とも情報伝達手段のさらなる充実に向け取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
情報伝達手段のさらなる充実に向け取り組まれるということですが、私は、新川の水位情報を把握するために安心安全ガイドブックに示されている河川水位情報テレホンサービスを利用していましたが、今回の災害時に課題だと感じることがありましたので、以下伺います。
まず、テレホンサービスの内容をお示しください。
次に、氾濫危険水位に達した際に避難勧告等の情報を流したものかお示しください。
そして、課題認識をお示しください。
以上、答弁願います。

◎危機管理局長(千堂和弘君) 県河川水位情報テレホンサービスでは、稲荷川、甲突川、新川の水位観測所における現在の水位から堤防までの高さ、堤防高、現在の水位、氾濫危険水位が自動音声で流れております。
七月三日の十九時に氾濫危険水位を超過したことに伴い、防災行政無線等で注意喚起を促しており、避難指示については同日の九時三十五分に市内全域へ発令しております。
県河川水位情報テレホンサービスで提供している情報では危険の度合いが伝わりにくい面もあるものと考えております。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
テレホンサービスは現在の水位に加え、水位から堤防までの高さがあとどれくらいありますと自動音声で流れるのですが、氾濫危険水位に達したその当日も当局もお認めになったように危険の度合いが伝わりにくい面があります。
そこで、市と情報を共有し危険度レベルごとに切迫する災害に備えて避難等を促す情報の提供をするべきと考えますが、当局の見解をお示しください。
以上、答弁願います。

◎危機管理局長(千堂和弘君) 水位情報を提供する情報の中に避難情報を追加するなど、市民の避難行動につながるような改善ができないか県に伝えてまいりたいと考えております。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
リアルタイムで水位が確認できるこのサービスでもぜひ危険を察知できるように改善を要請いたします。
次に、新川水系河川整備計画について伺います。
質問の一点目、計画の概要と計画対象期間。
質問の二点目、近年の主な被害と降水量をお示しください。
以上、答弁願います。

◎建設局長(松窪正英君) お触れの整備計画によると、洪水被害を早期に軽減するため、治水基準点田上橋地点において毎秒百三十トンを流下させる整備を行うと明記されており、計画対象期間については平成十九年から二十年程度となっております。
主な被害状況としては、十五年七月に床上浸水八十戸、床下浸水二百二十二戸などの甚大な被害が発生しており、当時の降水量は時間最大雨量五十六ミリとなっております。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
二十年程度の計画ということを確認いたします。
質問の三点目、過去五年間の新川流域の市民に出された避難勧告等と対象人数。
質問の四点目、想定される洪水の降水量と何年に一度の降雨と想定しているものか。
質問の五点目、計画の進捗状況と課題をお示しください。
以上、答弁願います。

◎危機管理局長(千堂和弘君) 新川流域への避難勧告等については、平成二十七、二十八、三十年に一回ずつ発令しており、対象人数は、三千七百九十四人、三千八百七十一人、三千九百二十七人となっております。
以上でございます。

◎建設局長(松窪正英君) 県によると、県内の河川はおおむね時間雨量六十ミリに対応できる整備を進めているとのことでございます。また、おおむね二十年に一回程度の降雨が想定されております。
新川の河川改修については、河口から新天神橋までの拡幅工事がおおむね完成しており、現在、JR田上橋のかけかえに着手し、工事桁工などの橋梁仮設節工事を進めており、計画的な整備を図るための予算確保が課題とのことでございます。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
想定されているのは二十年に一回程度の降雨であり、時間雨量六十ミリに対応できるように整備中とのことです。平成十五年は時間雨量五十六ミリで甚大な被害が出ており、さらに、ここ数年、新川流域には避難勧告が毎年のように出されていることや昨今の気象状況を踏まえ、早急な整備を求めるとともにさらなる雨量に耐え得る計画が必要ということを指摘いたします。
次に、唐湊地域の問題について伺います。
質問の一点目、今回の豪雨では唐湊の住宅地に流れ出た土砂災害が起きましたが、その原因と対応、対策をお示しください。
質問の二点目、土砂災害が起きた現場につながる斜面は、現在施工しておられる道路災害防止事業の区域外であることは承知しておりますが、道路災害防止事業などとあわせ部分的な復旧ではなく面的な整備を要請するものです。見解をお示しください。
以上、答弁願います。

◎建設局長(松窪正英君) お触れの災害は、今回の豪雨による多量の流水で既設側溝が破損し、周辺土砂が市道へ流出したものであることから、対策として水流がスムーズになるよう側溝の線形を緩やかにして再設置しました。
また、道路災害防止事業区域外につきましては、状況を調査の上、事業手法等を含め検討を行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
側溝の再設置など早速対応していただいたようですが、災害直後からもたび重なる短時間の大雨に崖周辺の住民は不安を抱えておられます。崖下には防空壕なども残っているようですので、部分的な復旧だけでなく斜面も含む一体的な整備を要請いたしまして、この質問を終わります。
次に、農業振興と都市計画について伺います。
昨年の第二回市議会定例会におきまして、私は、生産緑地制度の導入を求めて質疑を交わし、市街化区域内にどれくらいの農地があるものか、その実態や農家の方々の意向調査を求めたところですので、以下伺ってまいります。
初めに、平成三十年十二月の農業振興地域整備計画の全体見直しにおける意向調査について伺います。
質問の一点目、調査の目的と内容。
質問の二点目、対象者数、有効回答数、回答率。
質問の三点目、調査結果の受けとめをお示しください。
以上、まとめて答弁願います。

◎産業局長(鬼丸泰岳君) お答えいたします。
農業振興地域整備計画の全体見直しにおける意向調査につきましては、同計画の改定に向け農家の方々の意見を参考とするため実施したもので、その内容は、農業経営の現状と方向性や農業後継者の状況などに関するものでございます。
調査の対象者数は五千百十八戸、有効回答数は一千六百五十三票、回答率は三二・三%でございます。
調査結果としましては、本市の農家は小規模で、約七割が農業を続けたいとする一方、高齢化等による規模縮小の意向や後継者不足などの回答がございました。今後とも優良農地の確保や新規就農者等の担い手の育成などに取り組み、農林水産業の持続的発展と活力ある農村地域づくりに努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
五千人を超える調査において七割の方が農業を続けたいと回答されていることは本市としても大変希望の持てることではないでしょうか。農業振興地域の整備については、現状や所有者の意向を踏まえ、実効性ある計画の策定を求めるものです。
次に、都市計画上も必要性が見直され、守るべき農地と位置づける生産緑地制度について伺います。
質問の一点目、今回の意向調査に都市計画課名で追加された「市街化区域の農地についておたずねします」というアンケート調査について伺います。
まず、同調査の目的と結果のうち、調査に回答された方の全体面積と、また三アール(三百平米)以上の面積をお示しください。また、これから長期的に営農される意向についての結果をお示しください。
以上、答弁願います。

◎建設局長(松窪正英君) お触れの調査は、農業振興地域整備計画に関する意向調査にあわせて市街化区域における農地の状況などを把握するために産業局において実施したものでございます。調査結果によると農地面積の合計は七十三万五百平方メートル、このうち三百平方メートル以上のものは七十二万七千平方メートルであり、回答者のおよそ二割が長期的に農業をしていく意向があったところでございます。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
あくまでも産業局が調査をしたということでありましたが、私は生産緑地制度の導入を求める立場で市街化区域内の農地の実態調査は建設局とも連携し取り組まれるよう議会で要請した経緯がありますので、建設局とされましても意向調査の結果を分析し、今後に生かしていただくよう要請するものです。回答された方の農地面積のうち三百平米以上は七十二万七千平方メートルであり、回答者の二割が長期的に農業をしていく意向があったことは大変重要なことではないでしょうか。
そこで伺います。
生産緑地制度の要件である三アール(三百平米)以上所有している方がほとんどを占めていましたが、そのことについての見解をお示しください。また、同調査では制度の説明やメリットが示されない中で二割を超す方が長期的、三十年以上農業をしていく意向があると回答されたことについて当局の見解をお示しください。
以上、答弁願います。

◎建設局長(松窪正英君) 調査結果によると回答者の多くが三百平方メートル以上の農地を所有しているものの、長期的に農業をしていく意向の方は二割程度にとどまっていると認識しております。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
今回の意向調査に生産緑地制度が都市計画上どのように位置づけられているものか、三十年間は農地として保全することや農家の方々には負担の重い税金が軽減されることなど、メリットやデメリットも率直に説明していたならば、農家の方々の意欲を励まし、意向も変わったのではないでしょうか。そのような説明がない中においても二割の方が長期的に営農したいというのは評価できる数と言えるのではないでしょうか。
次に、質問の二点目、生産緑地制度が導入された場合、農地全てが指定されるものなのかお示しください。
以上、答弁願います。

◎建設局長(松窪正英君) 生産緑地地区は面積要件や農地所有者の同意などさまざまな要件が整った場合に指定するものでございます。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
生産緑地制度を導入しても農地全てが指定されるわけではなく、農家の意向が尊重されることを確認いたします。
次に、質問の三点目、生産緑地法の要件緩和等による効果の認識について建設局に伺います。
まず、農地面積の要件が五百平米以上から三百平米以上へ引き下げられたこと、次に、建築規制の緩和によって生産緑地に指定された農地に農産物の直売所、農家レストラン等が建築可能となったこと、そして、生産緑地の指定から三十年経過した後も農地を手放したくない方は十年ごとに延長が繰り返しできること、また、指定によって軽減される固定資産税の減収分のうち七五%は普通交付税で措置されること、以上、これらの要件緩和された点の効果について認識をお示しください。
以上、答弁願います。

◎建設局長(松窪正英君) お触れの緩和等があったことは承知しておりますが、三十年間の営農が義務づけられ住宅等の建築が規制されるなどの課題もあるところでございます。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
要件緩和の効果についてはお触れになりませんでした。要件緩和によって生産緑地が指定しやすくなることで農地を守り、農家の経営を守ることにつながると考えます。
質問の四点目、今回の意向調査から生産緑地制度の必要性をどのように認識されたものか。
以上、答弁願います。

◎建設局長(松窪正英君) 今回の意向調査では長期的に農業をしていく意向をお持ちの方が一定数おられましたが、生産緑地制度については農地所有者の同意以外にも防災面での効果などが求められることから、さまざまな検討が必要となるところでございます。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
長期的に農業をしたいという方が一定数おられたことを認めていただきましたが、防災面での効果の検証が必要ということは理解いたしますので防災の観点からも私どももさらに研究を重ねていきたいと思います。
質問の五点目は、中核市の導入状況と面積要件の引き下げを実施または予定している自治体数をお示しください。
以上、答弁願います。

◎建設局長(松窪正英君) 令和元年七月末時点で中核市において生産緑地制度を導入している自治体数は二十二、このうち面積要件を引き下げた自治体は十二、引き下げ予定が二となっております。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
平成三十年の第二回定例会で中核市での導入状況を伺ったところ、十八自治体が制度を導入しており、面積要件の引き下げの実績はありませんでしたが、現在は十二自治体が面積要件の緩和を実施したとのことです。
最後に、都市型農業の振興と都市計画上の役割として生産緑地制度について局間で認識を深めていただくとともに連携を図りながら具体化に向けて取り組みをするべきと考えますが、建設局、産業局それぞれ見解をお示しください。
以上、答弁願います。

◎産業局長(鬼丸泰岳君) 市街化区域内の農地につきましては、農産物の生産や市民農園などに活用できることから、今後関係部局と連携し、将来的な農地の活用方法などについて意向調査を検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。

◎建設局長(松窪正英君) 生産緑地制度の検討に当たっては、引き続き、関係部局と連携を図りながら他都市の動向を見守ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 答弁いただきました。
産業局におかれましては、さらなる意向調査を検討していかれるという前向きな答弁をいただきました。
今回の調査では市街化区域内の農地に対して生産緑地の対象となる農地があることが明らかになりましたので、農家の方々が制度を知り、課題も認識できるような調査に取り組まれるよう要請いたしまして、私の全ての個人質疑を終わります。