5月1日(金)新型コロナウイルス対策について3月18日の第一弾の要請書に引き続き、
市民の皆さんから寄せられた声や市議団で政策した制度一覧表をもとに、
支援のさらなる充実を求め、市に20項目の第二弾の要請書を提出しました。
健康福祉局長と保健所長が対応してくださいました。申し入れの内容は、下記の通りです。
当市議団は、引き続き、市民の皆さんのご意見やご要望をお受けしますので、ぜひご連絡ください。
新型コロナウイルス対策についての要請
緊急事態宣言の対象地域が、4月17日から5月6日までの期間、7都府県から全都道府県に拡大されたことにより、
本県・本市においても、新型コロナウイルス感染症対策の取組みが進められています。
とりわけ、本県では、新型コロナウイルス感染拡大防止策として、4月25日から5月6日までの期間、
飲食業など99業種に対して、休業要請が行われていると共に、また大型連休の期間中、不要不急の帰省や
旅行の自粛も呼びかけられており、感染拡大防止の効果が期待されています。
一方、全国的には、今なお感染が拡大しており、本県では、3月26日に、本市では、4月8日に最初の感染者が確認され、
現在10名の感染者が発表されています。
しかし、新型コロナウイルス感染症の市中感染率は依然として不明確です。また本県の陽性者数の
PCR検査実施人数に対する比率は0.8%であり、全国平均の9.8%(4月28日現在、厚労省)を大幅に下回っており、
PCR検査の増加が求められていることから、本県、本市においても感染拡大のリスクが潜在していることを
認識すべきと考えます。
このような状況の下で、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急経済対策を実施するための国の補正予算が、
昨日、国会で成立しました。また既に本県では、「緊急対策」として補正予算が専決処分され、執行されています。
本市では、4月28日、市長が記者会見で、4つの項目について「取組み」が発表され、
それぞれ事業内容が示されており、早急な実施が求められています。
つきましては、安倍首相が、昨日「緊急事態宣言」の延長を表明したことから、去る3月18日付けの8項目に亘る
「申入れ」に続き、新型コロナウイルスから「市民の健康と暮らしを守る」ために、今後の本市の
新型コロナウイルス対策を推し進める上で、下記の20項目について要請致します。
記
感染拡大の防止のために(6項目)
1,必要な検査を受けられない状態が続くと、市中感染が広がり、院内感染のリスクが高まることで
医療崩壊を招きます。今後、PCR検査を大幅に増やすためには、「帰国者・接触者相談センター(保健所)」を
介する現行の仕組みを改め、検査と治療・隔離を速やかに行なうための「PCR検査センター」の設置を検討し
具体化して頂きたいこと。
2,現在、厳しい人員体制の下でも、「帰国者・接触者外来」に協力している本市の医療機関は
「帰国者・接触者相談センター(保健所)」からの紹介患者の診察とPCR検査用の検体採取に取組んでいます。
しかし、その診療報酬では、診療材料や人件費の費用をカバーできず、診察すればするほど赤字が増えます。
「帰国者・接触者外来」に協力する医療機関に対する財政的な支援策を検討し具体化して頂きたいこと。
3,新型コロナウイルスに罹患した患者に接する医療従事者へ、同居世帯感染のリスクを避けるための宿泊施設を提供すること。
4,感染拡大の長期化に備えて、医療機関、介護事業所・施設、障害者施設(在宅障がい者も含めて)へ、
マスク、防護服、消毒液などを持続的に供給できる体制を確立すること。
5,感染者の今後の増加に備えて、「重症や中等症患者の治療に専念できる」病床の確保と
「軽症・無症状者を健康管理できる」施設(ホテル等)の確保を急ぐこと。
6,新型コロナウイルスについての誤った知識や不確かな情報によって、感染者とその関係者、感染者の治療に
従事している医療関係者等が、不当な差別や偏見、いじめ等人権侵害にあたる言動が一部に見られます。
差別や人権侵害を受けた関係者に対し、市として心理的サポートに取り組んでいただくこと。
また県外からの転入して来る方々に対しても、人権が侵害される言動が起きる懸念があることから、
転入手続きの際、転入者の健康状態の把握や、市としてのコロナ感染予防についての留意点の周知・勧告に
取り組んで頂きたいこと。
市民生活の支援のために(8項目)
1,特別定額給付金は、全ての市民に、速やかに、もれなく5月中に支給されるようにすること。なお支給に際して、
特にDV被害者、離婚調停中の世帯、介護施設に住所を有する要介護高齢者に適切に支給されるようにすること。
またホームレスなど住民登録や銀行口座のない人にも、福祉窓口を通じて支給できるようにすること。尚、
「子育て世帯への臨時特別給付金」もふくめて、「差押え禁止」の法的措置が講じられましたので、関係機関へ
の周知を図って頂きたいこと。
2,本市の「子どもの生活に関するアンケート調査報告(平成29年12月)」では、「ひとり親家庭」の貧困世帯の
割合が高いことが明らかにされています。国の特別定額給付金では、「児童手当を受給する世帯」に1人あたり
1万円の加算支給が行なわれますが、「ひとり親家庭」等への加算支給はありません。兵庫県明石市では、
「児童扶養手当受給者に対する緊急支援給付金事業」として、1世帯あたり5万円が支給されます。本市でも、
「子ども食堂」の停止、「学校の臨時休業に伴う弁当持参」など新たな保護者負担が増えていることから、
「ひとり親家庭」等に対する市独自の経済的な支援を検討して頂きたいこと。
3,コロナの影響を受けて、仕事と収入を奪われた市民が、社会福祉協議会の生活福祉資金、
「緊急小口資金」の申請窓口に殺到しています。現在、申請受付が「予約制」となっていま
すが、相当期間、待たされています。生活困難に直面している市民は、一刻を争うことから、
受付や審査の体制を抜本的に強化し、貸付の決定と送金が迅速に処理されるように、本市から、
社会福祉協議会に要請していただきたいこと。
4,4月7日付けで、厚労省より「新型コロナウイルス感染防止等のための生活保護業務等にお
ける対応について」という文書が発出されています。「保護の申請権が侵害されていると疑
われるような面接時の対応を厳に慎むこと」、「緊急事態措置の状況の中で、稼働能力の可
否については判断を留保すること」「緊急事態措置期間経過後に、収入が増加すると考えら
れる場合は、通勤用自動車の保有を認める」「緊急事態措置期間経過後に、収入が増加する
と考えられる場合は、増収にむけた転職指導等は行わなくて差し支えない」等という事務連
絡が示されていることから、本市においても、緊急事態宣言の下での適切な生活保護業務に
取り組んで頂きたいこと。尚、全ての人に支給される特別定額給付金等は、生活保護者にも支給されますが、「収入認定しない」との通知が発出されていますので、適正に処理されることを要請すると共に、大型連休中の生活保護についての相談にも対応して頂きたいこと。
5,市営住宅の入居者が、コロナの影響で収入等が減少し、家賃が払えない事態に直面したこ
とにより、家賃減免を申請したところ、現行の家賃を50%減額することができる事案であっ
たにもかかわらず、「1か月分の家賃滞納がある」ことを理由に減免申請ができなかった事
例があります。このような従前通りの対応では、市民生活は益々逼迫するばかりです。一括
返済が困難な場合は、分割返納を確認した上で、家賃減免の申請を受理するなどの緊急措置
を講じて頂きたいこと。
6,国民健康保険被保険者、後期高齢者被保険者に対して、国が財源を負担することを前提に
「傷病手当金」が支給される専決処分が既に執行されていますが、「新型コロナウイルス感染
症に感染した被用者、また発熱等の症状があり感染が疑われる者」の対象に限定されていま
す。しかし、自治体の裁量で、対象を自営業者やフリーランスに広げることも可能である旨
を政府が答弁(3月26日・参議院厚生労働委員会)しています。従って、本市においても、
「傷病手当金」の支給対象の拡充について検討して頂きたいこと。尚、コロナ禍で健康不安
を感じる市民が増えていることから、国民健康保険の資格証明書の発行世帯については、個
別に周知しないという現行の方針を改め、「保険証と同等の扱い」をする通知を個別に周知
して頂きたいこと。
7,緊急事態宣言の延長にともなう、学校の臨時休業の延長によって、児童の学習権の保障、
児童クラブ等の負担増への対応の課題と同時に、「学校給食の中止」が今後も継続される点について、他自治体では、給食用の食材を使って持ち帰れる弁当を用意したり、食費を援助するための給付金を保護者に支給する自治体も見られます。本市は、約4人に1人が就学援助を受けている低所得世帯の多い自治体であることから、市及び教育委員会が「学校給食を保障する」立場から、現行の取り組みを見直して頂きたいこと。
8,3月18日付けの「申し入れ」で、市民の不安に応えるための「ワンストップ」の相談窓口
を早急に設置するように要請しましたが、庁内で「たらい回し」にされている実態が散見さ
れます。市民の相談内容に応じて、支援内容や問合せ先が、ひとめで分かるような案内や迅速
な対応ができるように、相談体制の確立、本市のホームページや「市民のひろば」での広報を
具体化して頂きたいこと。(参考:日本共産党鹿児島市議団作成「新型コロナウイルスウイル
ス感染症対策 支援制度一覧表(国・県・市の制度案内)」)
事業の継続、雇用の維持等のために(3項目)
1,コロナの影響による売上げの大幅な減少や休業要請に対する国の持続化給付金、県の休業協力金、
本市の事業継続支援金の支給については、要件を満たす全ての対象者に給付されるように、制度の周知と
申請のサポートを強化していただきたいこと。尚、緊急事態宣言が延長され、感染の拡大により、
市民生活が一層困難になることが予想されることから、本市の事業継続支援金の給付を1回だけで
終了しないように、再給付を検討すること。
2,緊急事態宣言の延長により休業要請が更に延長されれば、個人事業主や中小業者の固定費
(事務所家賃、固定資産税等)の支出は増え続け、国の持続化給付金、県の協力金、本市の事業継続支援金では、
固定費の増加をカバーできない事態が広がります。九州の他自治体では、休業要請に協力する事業者に対し、
福岡市では家賃の8割(上限50万円)、北九州市では家賃の8割(上限40万円)を補助する支援制度を導入しています。
本市でも、家賃補助について具体化して頂きたいこと。
3,コロナの影響で失業等をした市民の受け皿として、本市が、約100人規模で、会計年度任用職員を5月1日から
募集する取組みは、市民の「雇用を守る」上で評価できる取組みです。
しかしながら、概ね「3か月の任用期間」とされていることから、今後の感染動向や域内の経済動向をふまえて、
任用期間の延長を検討して頂きたいこと。
各種支払いの猶予、減免等のために(3項目)
1,5月から6月にかけて、各種税の納付時期を迎えます。前年所得と比較して、本年に入り、
給与収入や営業収入が減少している場合、従前の基準を緩和して、広く減免や猶予の措置を
講じて頂きたいこと。(住民税、固定資産税、社会保険料等)
2,融資手続きを行う際に、障害となるのは「税の滞納」です。滞納があるため、各種の融資手
続きができないという事態が起きています。事業の継続や雇用の維持を図るため、滞納して
いる税等の分割納入など、融資手続きの緩和を講じて頂きたいこと。
3,通常、国保税、住民税、固定資産税などの滞納者に対して、「差押え」による債権回収が行
われていますが、緊急事態宣言の措置期間中は、市民と業者の「暮らしを守る」ことを最優
先にして、全ての「差押え」行為を停止して頂きたいこと。
以 上