◆(園山えり議員) 日本共産党市議団の一人として個人質疑を行います。
 初めに、7月豪雨や相次ぐ台風で亡くなられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、コロナ禍の中で懸命に復旧に取り組んでおられる被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げ、一刻も早い復旧をお祈りいたします。
 なお、質問が一部重複することを御了承ください。
 まず、市長の政治姿勢について伺います。
 7月の県知事選挙で誕生した塩田新知事は、川内原発についての公約で、県の原子力専門委員会に原子力政策に批判的な学識経験者も入っていただくよう見直すことや、また川内原発1、2号機の20年延長については必要に応じて県民投票の手段を取ること、3号機の増設は凍結することを掲げておられます。森市長は、これまで可能な限り原発への依存を抑えていくべきと表明されてきました。塩田新知事の公約についてどのような評価をお持ちか見解をお示しください。
 以上、答弁願います。
   [市長 森 博幸君 登壇]

◎市長(森博幸君) 園山えり議員にお答えをいたします。
 塩田知事の公約は、原発については安全を第一に県民の声に耳を傾けるとともに、県民の理解を得られるよう努めていくという思いを掲げられたものであると考えております。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 4年前に前知事が県の原子力専門委員会を新設した際に脱原発を訴える方もメンバーに入れるという約束をほごにしたことから、私どもは、市民の皆さんとともにこの4年間繰り返し知事に求めてまいりましたが、今回、塩田新知事は、専門委員会で原子力政策に批判的である方からも意見を聞くという姿勢を示されておられることから、県民世論に応えるものと一定の評価をし、その実現を注視してまいります。
 川内原発の20年延長問題についても知事の判断に県民の意思を反映させるため、県民投票の実施も考えておられます。県知事が県民投票で県民の意見に耳を傾けようとしているわけですから、市長からも市民の意見を反映できる絶好のチャンスと捉え、県民投票の実施を強く後押しするよう要請するものです。私どもはこれまでも市長に脱原発を求めてまいりましたが、引き続き新しい市長にも同様に求める決意であることを申し上げ、この質問を終わります。
 次に、防災について伺います。
 まず、台風10号接近時の避難について伺います。
 9月6日の夜から7日未明に最接近した台風10号については、猛烈な台風に発達すると見込まれ、沖縄県以外でこれだけの大きな台風が来ることはなかったとして気象庁から特別警報の可能性が示されるなど、多くの市民がこれまでにない危機感で事前の備えに取り組まれました。私も台風の2日前に大型スーパーに様子を見に行きましたが、水や牛乳、パンやインスタント食品は軒並み売り切れていました。暴風に備えた養生テープや停電に備えた卓上カセットコンロやガスボンベなども手に入らない状況で、日頃からの備えがいかに大事かを改めて実感させられました。今年も全国各地で豪雨災害や台風、記録的短時間大雨などが相次いでいます。引き続き警戒しなければならないと指摘されている中で、今回の避難行動や災害の備えについて、以下伺ってまいります。
 質問の1点目、避難情報について、今回最初に出されました警戒レベル3、避難準備・高齢者等避難開始の発令はどのようなタイミングで出されたものか、また避難所開設の考え方をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎危機管理局長(尾ノ上優二君) お答えいたします。
 台風接近時における避難準備・高齢者等避難開始の発令につきましては、気象台から入手する情報等を踏まえ、暴風域に入ることが予想されるとき、または周囲の状況から判断し危険が予想されるときに高齢者等の避難が安全に行えるよう可能な限り日中のうちに発令し、避難所についてはその発令に合わせて開設することといたしております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 避難情報を発令し、その発令に合わせて避難所が開設されるということを確認いたしました。
 次に、質問の2点目、今回、避難所の開設前に避難を希望する市民への対応はどうだったものかお示しください。
 質問の3点目、気象庁が早めの対策、早めの避難をと呼びかけている中で市民が避難したくても避難できない状況に対して、気象庁と自治体の対応の整合性は図られたと考えるか。今後十分な検証を求めるものですが、当局の考えをお示しください。
 以上、答弁願います。

◎危機管理局長(尾ノ上優二君) 気象台から逐次台風情報を収集する中で、9月6日朝までに台風対策や避難行動を完了したほうがよいとの助言をいただいたことから、本市では5日午後4時に市内全域に避難準備・高齢者等避難開始を発令するとともに避難所を開設したところであり、適切に対応したものと考えております。
 以上でございます。

◎健康福祉局長(椎木明彦君) お答えいたします。
 避難所の開設につきましては、避難情報の発令に合わせて行うこととしておりますが、それ以前に自主避難の要望があった際は個別に状況を検討し開設することもございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 自主避難の要望があった場合に個別に状況を検討して開設することもあるとのことですが、今回の対応はどうだったのか伺っています。私どもの下にも避難が遅れてしまうのではないかという不安から早く避難できないかと心配された高齢の方が避難所の開設について市に問い合わせたところ、6日の朝に開設すると言われたという実態が寄せられました。このことからも自主避難は受け入れていなかったものと理解いたします。気象庁からはかなり早い段階でこれまで経験したことのない台風などと繰り返し警戒が呼びかけられたにもかかわらず、住民は避難したくても避難所が開いていない状況があったことをぜひ認識し、検証を求めるものです。また、今後、住民から事前避難の相談があった場合には、住民が十分に納得できるような説明とその不安に応えるよう事前の開設を求めるものです。
 また、本市では、9月5日の午後4時頃、最初の避難情報レベル3、避難準備・高齢者等避難開始が出されるまで市民に向けての情報がほとんど出されず、見通しが示されませんでした。当局には気象庁から6日の朝までに台風対策や避難行動を完了したほうがよいとの助言があったとのことですが、市民にも必要な情報は出していくべきではないでしょうか。
 そこで、質問の4点目、市民に対しても本市からメッセージを出すなどして見通しを発信してはどうかと考えますが、当局の御見解をお示しください。
 答弁願います。

◎危機管理局長(尾ノ上優二君) 台風情報につきましては、その進路をはじめ、最接近や暴風域に入る時間帯などが刻々と変化することから、台風が接近する前の早い段階で避難情報や避難所の開設などについて将来の見通しを示すことは困難であると考えておりますが、今回は特別警報級の勢力に発達する見込みとの発表もあったことから、台風が最接近した6日の前日から避難情報を発令したところでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 住民が今何をすればいいのか、どのようなタイミングで避難すれば安心なのか、避難所はどこかなどについても本市から事前のメッセージを出していただければ市民も冷静に行動ができ、混乱も防げるのではないでしょうか。今後の災害のためにも要望するものです。
 次に、質問の5点目、避難所を閉鎖する基準と対応はどうだったのか。また市民への広報はどうだったのか。
 質問の6点目、避難所の閉鎖後、市民が避難する必要に迫られたときの対応をお示しください。
 以上、御答弁願います。

◎健康福祉局長(椎木明彦君) 避難所の閉鎖につきましては、避難情報の解除に合わせて順次行っております。閉鎖情報につきましては、避難所で直接お知らせしたほか、市防災情報LINE、安心ネットワーク119などで周知を図ったところでございます。
 避難所閉鎖後、自宅の被災などにより改めて避難が必要となった場合には再度開設することとしております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 避難情報が解除された段階で避難所は閉鎖されるということですが、避難所が閉鎖されても、もし自宅が被災していた場合などは避難所を改めて利用できることも日頃から周知していただきたいと要請いたします。
 次に、台風10号での避難の課題について伺います。
 質問の1点目、収容可能人数を超えた避難所数と本市の対応はどうだったのか。
 質問の2点目、コロナ禍の下での対策と本市の受入れの考え方をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎健康福祉局長(椎木明彦君) 収容可能人数を超えた避難所は13か所ございましたが、避難者を全て受け入れたところでございます。
 本市では基本的な感染症対策を行うとともに、緊急避難の場合は収容可能人数を超えても災害から命を守ることを優先し、避難者を全て受け入れることとしております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 13か所で収容可能人数を超えたとのことですが、ほかの避難所に案内することはせず受け入れたということは、コロナ禍の下で問題はなかったのでしょうか。もちろん住民の安全確保が最優先であり、避難所間を移動することは気象状況によって判断しなければならないと思いますが、報道では、薩摩川内市や日置市では避難所が定員を超えた際に安全確保の上で別の避難所に案内したという事例があったようです。当局は収容可能人数を超えても受け入れるというお考えですが、住民から見れば、新型コロナの感染拡大の不安と避難所を運営する職員にも負担が大きくなり、きめ細かな対応ができるものか大変疑問です。今回の避難では、持病のある方が新型コロナウイルスの感染防止の観点と避難所でほかの人に迷惑をかけたくないからといって2日分の飲料水と食料を袋いっぱいに持ちタクシーでホテルに避難されたり、避難所のトイレが和式と聞いており、高齢で足が悪いのでホテルに避難したかったがどこも満室で避難するのを諦めたという方もおられました。
 そこで、今後、避難するときにホテルなどの宿泊施設に協力を求めることはできないか伺います。
 質問の3点目、ホテルなどへ避難するメリット・デメリットをお示しください。
 以上、答弁願います。

◎危機管理局長(尾ノ上優二君) ホテル等へ避難するメリットとしては、利用者ごとに独立した部屋を使用することで新型コロナウイルス感染症への対策を取りやすいことや建物の安全性が高いこと、またデメリットとしましては宿泊費用が生じることなどでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 コロナ禍の下で対策を取りやすいことや安全性も高いとの効果をお示しいただきました。
 次に、質問の4点目、台風10号接近時にホテルなどへ避難した方の把握状況をお示しください。
 質問の5点目、ホテルなどを避難先の1つとして考える方が多かったのではないかと考えますが、当局の分析をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎危機管理局長(尾ノ上優二君) 今回の台風第10号の接近でホテル等へ避難した方の状況については把握をしていないところでございます。
 台風第10号が特別警報級の勢力に発達すると見込まれたことや新型コロナウイルス感染症対策などの観点から、ホテル等を避難先の1つとして考えた市民もおられたのではないかと考えております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) ホテルへ避難した方については把握しておられないということでしたが、報道では新型コロナウイルスへの警戒から避難所を避けてホテルに身を寄せる人が殺到したことやトイレや移動に難儀する高齢者らが多く、ホテルが災害弱者の受皿になったと分析されています。相次ぐ災害に様々な事情で避難所に行くことが困難な方に対応するためにも、今後、ホテルの活用も支援策の1つとなるのではないでしょうか。
 そこで、質問の6点目、ホテル等への避難について、京都市の取組と当局の評価、導入についての見解をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎危機管理局長(尾ノ上優二君) 京都市の取組につきましては、避難所における新型コロナウイルス感染症対策の1つとして避難所がいわゆる3密の状態になりそうなときにホテルを追加の避難所として活用するものでございます。今回の台風第10号における本市の避難者数は最大時約4,800人で、全体の収容可能人数に余裕があることや避難所ごとの避難者数の状況を市ホームページで市民に情報提供し混雑回避に努めていることなどからホテルの活用は考えていないところでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 京都市では避難所の3密対策にホテルを追加の避難所として活用するという取組が導入され、妊婦や高齢者などの要配慮者などを優先にホテルを避難所にするようです。当局は避難者数の状況をホームページで提供したとのことですが、それだけでは周知が不十分だったために13の避難所では収容可能人数を超えたと認識されるべきではないでしょうか。本市でも収容可能人数を超える避難所が出たこと、またホテルなどの宿泊施設に避難された方も相次いだことから、ぜひ本市でも京都での取組を参考に検討していただくよう要請いたします。
 次に、想定最大規模、おおむね千年超に1回の降雨を想定した洪水ハザードマップが今年6月に完成されたことから、以下伺います。
 質問の1点目、本市が作成した経緯と意義、河川名をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎危機管理局長(尾ノ上優二君) お触れのハザードマップは、県が稲荷川、甲突川、新川、永田川について想定最大規模の洪水浸水想定区域を指定したことを受け作成したものでございます。これにより想定区域内の住民等は浸水被害の危険性を事前に把握でき、災害への備えや緊急時の速やかな避難に役立つものと考えております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 市内では稲荷川、甲突川、新川、永田川の4つの河川が作成されたことを確認いたします。
 質問の2点目、本市で作成されていない主な河川について、その理由と課題をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎危機管理局長(尾ノ上優二君) 本市では、洪水実績のある思川、脇田川、木之下川、和田川、愛宕川、貝底川の県が管理する6つの河川について洪水浸水想定区域を指定するよう令和元年8月に要望したところでございます。県では、県内の河川の重要度等を総合的に判断したいとのことから新たな指定については検討中とのことであり、これらの河川については水害リスクが明確にならないことが課題であると考えております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 6つの県河川でまだ作成されていないことが分かりました。お示しいただきました和田川は昨年6月末の豪雨により越水し、指定避難所の和田小が浸水の危険にさらされました。このような危険があったにもかかわらず洪水浸水想定区域を指定していないということは大問題ではないでしょうか。引き続き、県に対して一刻も早くこれらの河川を新しく指定するよう求めていただきますよう要請いたします。
 次に、質問の3点目、ハザードマップを作成した河川について、雨量の想定はどのようなものかお示しください。
 質問の4点目、これまでの計画規模の洪水ハザードマップと比較しどのような影響があるものか。また、河川ごとに影響する世帯数と人数をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎危機管理局長(尾ノ上優二君) 県に確認したところ、各河川の想定雨量は12時間の総雨量として、稲荷川910ミリ、甲突川822ミリ、新川922ミリ、永田川900ミリとのことでございます。
 想定最大規模では計画規模と比較して洪水浸水想定区域がより広範囲で、最大浸水深もより深くなります。また影響のある河川ごとの世帯数と人数は、県によりますと、稲荷川、5,497世帯、9,894人、甲突川、5万6,548世帯、10万1,284人、新川、4万2,688世帯、7万3,768人、永田川、1万4,141世帯、2万6,511人でございます。なお、計画規模での影響につきましては不明とのことでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 例えば新川では、これまで計画規模では百年に一度の降雨で1時間当たり90ミリの雨が降る想定でしたが、今回のハザードマップでは、これまでの想定雨量に匹敵する猛烈な雨が長時間にわたって降り続くという想定になっており、具体的には12時間に922ミリを想定し作成されたとのことです。新川流域では新しいハザードマップにおいて7万3千人を超える住民に影響があることが分かりました。4河川でおよそ11万9千世帯、21万1千人に影響が出るということですので、今後住民に対してどのような状況のときに、どのような被害が起きるのか、どのように避難するべきかを早急に明らかにしなければならないと考えます。
 そこで、質問の5点目、市民への周知について伺います。
 まず、地区別防災研修会など市民への周知状況と当局の課題認識をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎危機管理局長(尾ノ上優二君) 市民への周知につきましては、河川ごとのハザードマップを市ホームページに掲載するとともに、避難所周辺のハザードマップを全ての避難所に掲出しております。また、令和2年度は新型コロナウイルス感染症対策により地区別防災研修会が書面開催となったため、住所等からハザードマップを検索できるかごしまiマップの周知チラシを6月上旬に全ての町内会に配布しております。今後とも市政出前トーク等あらゆる機会を捉え、より一層の周知を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 コロナ禍の中で地区別防災研修会ができなかったことなどからも住民が情報を知る機会に影響が出ており、市民に十分な周知徹底を図る必要があるのではないでしょうか。
 そこで、最新の洪水ハザードマップを安心安全ガイドブックに掲載し、来年度には全戸配布するべきと考えますが、当局の見解をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎危機管理局長(尾ノ上優二君) 安心安全ガイドブックの改訂につきましては、現在、県が土砂災害特別警戒区域等の指定に向けた説明会を地域ごとに進めることとしていることなどから、その状況も見ながら検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 今回、大きな改訂となることや新型コロナウイルスの感染拡大を防止することが求められ避難所の指定状況も変わっていることからも、現在市民に配布されている2018年版のガイドブックとは知らせるべき情報が大きく変わっています。新年度の梅雨までに配布が完了するよう強く要請いたします。
 次に、指定避難所の拡充について伺います。
 今回、13か所の避難所で収容可能人数を超えた住民が避難されたということやホテルへの避難を考える住民も見られたことからも避難所の総数を拡充するよう求める立場から、以下伺ってまいります。
 質問の1点目、平成28年第3回定例会におきまして私どもの会派が指定避難所を増やすことについて見解を伺ったところ、当時の市民局長は、指定避難所を増やすことについては、対応できる職員数に限りがあることなどから現在のところ考えておりませんと答弁されました。現在の方針との違いはあるのかお示しください。
 質問の2点目、指定避難所数の過去5年間の推移をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎危機管理局長(尾ノ上優二君) 指定緊急避難場所を兼ねた指定避難所につきましては、現在の収容可能人数が7万4千人程度であることやこれまでの避難状況等を踏まえ、現時点ではさらなる指定については考えておりませんが、町内会からの要望があった場合などは要望内容を精査する中で避難所の見直しや新たな指定の必要性について検討してまいります。
 次に避難所数は、平成28年度から31年度までは各年度4月1日時点で240か所、令和2年度は8月末時点で230か所となっております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 町内会などから相談があった場合には避難所の見直しや新たな指定を検討しているとのことですが、過去5年間の避難所数が増えていないことからも明らかなように指定避難所の総数を増やすことについては考えておられないということを改めて確認いたします。避難所の拡充については、当時の答弁で熊本地震では指定避難所が被害を受けたことからも当局とされても検討すべき課題と認識されています。その後毎年のように豪雨災害が起きている状況で避難所の総数を増やしていくことを検討するべきではないでしょうか。
 質問の3点目、避難所拡充について、住民からの相談件数と拡充した指定避難所の数を平成31年4月1日以降でお示しください。
 質問の4点目、拡充できなかった主な理由と課題をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎危機管理局長(尾ノ上優二君) 平成31年4月1日以降の相談件数は13件あり、調査等の結果、5か所の避難所を新たに指定しております。
 避難所に指定できなかった主な理由は、相談を受けた施設が洪水浸水想定区域内や土砂災害警戒区域内にあり、安全性等の一定の基準を満たさなかったことなどによるものでございます。課題としましては、一部の地域においては近隣に適した避難所を確保できないケースがあるところでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 住民からの要望を受けて5か所の避難所を新たに指定されたことが分かりましたが、課題もあるようです。代表質疑でも明らかになったように新たに指定しても指定を取り消した避難所もあり、この5年間でも避難所数は減っています。
 そこで、質問の5点目、指定避難所の拡充に向けて市民へ協力を求めながら拡充していくべきと考えますが、当局の見解をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎危機管理局長(尾ノ上優二君) 避難所の指定につきましては、地域から要望等があった場合は町内会等と連携を図りながら、公共、民間の施設を問わず適切に対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 コロナ禍の下で分散避難が広く呼びかけられていること、高齢などで避難所に行くこと自体が困難な方々がたくさんおられることからも、このような実情を市民に訴え、地域で避難所にふさわしい場所はないのか積極的に指定避難所の確保に向けて取り組んでいただきますよう要請いたします。
 次に、LGBT(性的少数者)の方々への支援について伺います。
 指宿市は9月1日、指宿市パートナーシップ制度を来年の4月から始めると発表いたしました。マスコミでも大きく取り上げられ、県内で初めてとなる制度導入に当事者の皆さんや支援者の皆さんから喜びの声が上がっています。また、鹿児島県は県立高校の入学願書から性別欄を削除することを決定し、性的少数者の皆さんに配慮していこう、当事者の痛みに寄り添おうと自治体の取組が始まっています。
 まず、県内では初となる指宿市のパートナーシップ制度の導入について伺います。
 質問の1点目、導入の目的と経緯、今後のスケジュール。
 2点目、制度の概要と同性カップル以外にも適用されるものかお示しください。
 3点目、市民の歓迎の声や反応はどうだったのかお示しください。
 以上、答弁願います。

◎市民局長(上四元剛君) お答えいたします。
 指宿市のパートナーシップ制度の目的は、同市のホームページによりますと、性的少数者が住みやすい地域づくりの一助となると同時に、同市人権教育・啓発基本計画等の基本的考えでもある、いのちと人権を尊重するまち指宿市の実現にも寄与することとされております。また、導入の経緯につきましては、当事者団体から制度導入を求める要望書が同市に提出されたことを踏まえたものとお聞きしております。スケジュールについては、10月7日までパブリックコメントを実施し、令和3年4月に施行予定とのことでございます。
 制度の概要といたしましては、同性同士のカップルに加え、様々な事情により婚姻を結ばない同性以外のカップルがお互いを人生のパートナーとする宣誓書を市に提出し、宣誓要件を満たした場合、市は婚姻関係と同等の条件を満たしていることを証する受領証を発行するものでございます。
 指宿市の同制度導入に関して直接御意見はいただいておりませんが、新聞報道によると、本市でも安心して生きられる社会の在り方を考えるきっかけになると、制度導入を望む声などがあるようでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 導入の経緯については、当事者の方々から制度導入を求める要望書が提出されたことをお示しいただきました。また、同性カップルだけに限定せず事実婚や夫婦別姓を選択する夫婦などにも幅広く適用されることは評価できることではないでしょうか。現在、パブリックコメントが実施されているということですので、指宿市の取組からも大いに学んでいただくことを要望し、本市でも導入を求める立場で市長に伺います。
 指宿市の取組についての評価とパートナーシップ制度の導入について一定の方向性を整理したいと表明されました市長におかれましては、引き続きこの考え方は継承されるものか見解をお示しください。
 以上、答弁願います。
   [市長 森 博幸君 登壇]

◎市長(森博幸君) 指宿市の取組につきましては、人権尊重の観点から多様なパートナーの在り方を認め、支援するものと受け止めております。私はこれまでも申し上げてきたとおり、性的少数者の方々が日常生活の様々な場面においても安心して暮らせるよう、理解促進や相談、支援等の取組を推進し、全ての人の人権が尊重される社会の実現に努めてまいりたいと考えており、新市長に対しましてもこの思いは継承していただきたいと考えております。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 市長より新市長に対してもこの思いは継承していただきたいという御答弁をいただきました。当時者の皆さんにとっても展望が持てる答弁と受け止めたいと思います。次の新市長にもぜひ継承していただくよう強く要望し、この質問を終わります。
 次に、交通局の新型コロナウイルス対策について伺います。
 交通局では新型コロナウイルスの影響による大幅な利用客の減少で大きな影響を受けていることが代表質疑でも明らかになりました。そのような中でも朝夕のラッシュ時には混雑する実態があり、バスや市電を利用している方からは、「朝のラッシュ時はとても混んでいて不安になる」との声が寄せられています。また、市バス路線の民間移譲前は鹿児島交通と市バスが両方走っていた3番線などでは鹿児島交通が路線を廃止したため大変混雑しているという声も伺っています。
 そこで、混雑解消のための工夫や利用客への情報提供を求める立場から、以下伺います。
 まず、バスや電車というのは3密、いわゆる密集・密接・密閉を避けることは可能と考えておられるものか、交通局の課題認識をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎交通局長(白石貴雄君) お答えいたします。
 市電・市バスにおきましては、密集・密接の回避のため運行ダイヤを維持してきておりますが、特に朝のラッシュ時は回避は難しいと考えており、今後はこれまでの感染防止対策を引き続き徹底するとともに新しい生活様式の下での時差出勤等による利用の分散を図ることも必要であると考えております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 特に朝のラッシュ時においては回避は難しいと考えておられること、時差出勤等の利用の分散を図ることが必要という課題認識をお示しいただきました。3密の回避が困難な乗り物だからこそ混雑を少しでも解消するためにできる限りの取組をするべきと考えます。
 そこで、市バス・市電の混雑について伺います。
 質問の1点目、混雑の把握状況と市民の声をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎交通局長(白石貴雄君) 混雑の状況につきましては、ただいまお答えしたとおり、特に朝のラッシュ時は密集等の回避は難しいと考えております。利用者からは感染への不安や混雑時にマスク着用の案内を求める声などが寄せられているところでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 利用者からは感染への不安があることや混雑時のマスクの着用の案内を求める声があるとのことです。
 次に、質問の2点目、混雑状況の提供や混雑を避ける他都市での取組をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎交通局長(白石貴雄君) 他の事業者の取組としては、朝のラッシュ時に臨時便の運行や乗車率が特に高い便を増車して運行する事例、また前月の時間帯別の混雑状況をホームページで情報提供する事例などがあるようでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 他都市では臨時便や乗客が分かれて乗車できる取組などをお示しいただきました。混雑状況をホームページで情報提供する取組もあるとのことです。本市でも市民に混雑時の情報提供があれば市民サービスの向上になるのではないでしょうか。
 そこで、質問の3点目、市民が混雑時を避けて乗車できるよう交通局が取り組んでおられるツイッターやフェイスブックなどのSNS、またホームページ等で混雑状況の提供を求めるものですが、見解をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎交通局長(白石貴雄君) 混雑状況の情報提供につきましては、他の事業者の取組や効果等も参考にしながら研究してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 研究していきたいとのことでした。交通局が混雑の時間を情報提供し、乗客や市民と協力しながら混雑を少しでも解消できるよう、ぜひ検討していただくよう要請いたします。
 次に、熊本市交通局では車内の混雑緩和のため、テレワークや時差出勤に御協力をお願いしますと呼びかけておられます。現在、本市でも新型コロナウイルス感染拡大防止のために分散出勤に取り組まれていることから、公共交通における分散出勤の効果について伺います。
 1点目、本市の分散出勤の目的と取組状況。
 2点目、職員は分散出勤で混雑を避けられると実感できているものか。職員の声や検証状況をお示しください。
 3点目、今後、本市での検証も踏まえて連携しながら混雑を避けるための取組を求めるものですが、見解をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎総務局長(松枝岩根君) お答えいたします。
 本市職員の時差出勤につきましては、公共交通機関の混雑する時間帯の出勤や職場内での密を避けるなど、感染拡大防止を図るもので、市長事務部局等の7割を超える職場で取り組んでいるところでございます。
 また、詳細な検証等は行っておりませんが、職員からは、「車内がいつもよりすいていて安心できた」などの声があり、混雑緩和に一定の効果があるものと考えております。
 今後、時差出勤に関する職員へのアンケート調査等を実施した際には、感染拡大防止の取組の参考となるよう関係部局と情報共有を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 混雑する時間帯の出勤を避けるために7割を超える市の職場で時差出勤に取り組まれ、混雑緩和に一定の効果があるという見解もお示しいただきました。今後、アンケート調査などにも取り組まれるということですので、効果や課題なども含めて関係部局と情報共有を図っていただき、公共交通の混雑回避のために連携していただくよう要請いたします。
 以上で、私の個人質疑の全てを終わります。