◆(大園たつや議員) 日本共産党市議団の一人として個人質疑を行います。
 なお、さきの個人質疑等で明らかになった項目については割愛をいたしますとともに、また重ねて質疑をするところもありますので御了承願います。
 最初の質問は、新型コロナウイルス感染症対策についてです。
 本年5月28日、菅政権は、9都道府県に出していた緊急事態宣言を6月20日まで再延長することを決定しました。4月25日に始まった3度目の宣言が2か月近くに及ぶことになります。鹿児島県においても感染拡大警報の下で、5月10日から始まった飲食店等への時短営業要請が5月20日には6月6日までの再延長、6月4日には6月20日までの再々延長が決定され、時短営業等は1か月を超えることになります。今年に入ってから民間信用調査会社が昨年の飲食業の倒産や休廃業の状況を報じていますが、全国での倒産件数は780件と過去最多となり、本県で休廃業、倒産した企業は前年比27%増の456件で過去2番目に多く、そのうち37.5%の171件が飲食業や宿泊業を含むサービス業となり、民間信用調査会社は、赤字補填を中心とした資金繰り支援は中長期的な事業改善には直結せず、先行きを見通せず事業を畳む諦め型休廃業を回避できていないと分析しています。コロナ禍による打撃を受けている中小企業、個人事業主、労働者への十分な補償と生活支援は急を要するとともに、一刻も早くコロナ禍を終息させなければ昨年よりも深刻な状況となりかねないということをまず申し上げ、質問に入ります。
 初めに、第31号議案 専決処分の承認を求める件(令和3年度鹿児島市一般会計補正予算(第2号))について、その内容と課題を明らかにする観点から、以下伺ってまいります。
 まず、専決処分に至った理由につきましては、さきの個人質疑において時短要請協力金の負担について県との協議が行われたこと、申請開始日に間に合わせるために議会に提案する時間的な余裕がなかったことなど明らかになっていますので割愛をしますが、昨日からの各面からの指摘を含め、新型コロナウイルス対策で急を要する場合でも大きく財源負担や事業スキームが変更されている場合は、議会の客観的な審査を経て議決することが行政にとっても市民にとっても責任ある対応と言えるのではないでしょうか。あわせて、県は、感染拡大警報延長の発表から約1週間後に専決処分ないし議案提案を行っているようですが、発表と同時に財源への対応を明らかにすることは県へ要請していただきたい。私どもとしては、かねてから申し上げておりますが、軽々に専決処分をしてはならないということを改めて指摘いたします。
 次に、専決処分された一般会計補正予算(第2号)の内容について伺ってまいります。
 新型コロナウイルス感染症対策時短要請協力金事業について、質問の1点目、事業内容について、目的、対象となる施設及び期間、申請受付の日程、直近の申請者数をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.86 ◎答弁 産業局長(有村浩明君)

◎産業局長(有村浩明君) お答えいたします。
 時短要請協力金事業につきましては、県による営業時間短縮の要請に応じた飲食店を営業する事業者に対して県と連携し協力金を給付するものでございます。要請期間は5月24日から6月6日まで、申請の受付期間は6月7日から7月30日まででございます。県によりますと、6月8日現在、本市分の申請者は149事業者、184店舗とのことでございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.86 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 5月10日から23日までの協力金については既に県が支出しており、内容も同様と確認します。対象期間が5月24日から6月6日までの再延長分がなぜ今回は本市でも提案されているかは先日の質疑の中で明らかになりましたが、後ほど伺ってまいります。今回の事業については既に100件を超える事業者が申請を行っていることが分かりました。
 質問の2点目、支給金額については店舗の事業規模に応じて決定されるとのことですが、支給金額と計算方法、中小企業と大企業を区別する要件、中小企業が大企業型の計算方法を採用した場合の支給上限をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.86 ◎答弁 産業局長(有村浩明君)

◎産業局長(有村浩明君) 支給金額につきましては、まず、1日当たりの金額を店舗の事業規模に応じて決定することとなっており、中小企業が売上高方式で算定した場合、1日当たりの売上高が8万3,333円までは1日2万5千円、8万3,333円を超え25万円以下の場合は1日の売上高の3割、25万円を超える場合は1日7万5千円を、大企業においては1日当たり売上高減少額の4割、最大20万円とし、それぞれ要請期間である14日分を給付することとなっております。
 中小企業者は、中小企業基本法に規定する業種ごとの区分に応じた資本金の額または出資の総額、常時使用する従業員の数のいずれかを満たす会社及び個人で、当該要件に該当しないものを大企業としているところでございます。
 中小企業が大企業型の計算方法を採用した場合の支給上限額は、大企業と同様、280万円でございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.86 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 中小企業と大企業の区分や中小企業が大企業の計算方法を採用した場合にも上限は280万円から下がらないことが確認できました。これまでの金額一律の給付金とは違うので、事業者の申請に係る支援や迅速な給付を県に求められるよう要請いたします。
 質問の3点目、質疑の冒頭に申し上げましたが、協力金については5月10日から23日までの分は既に同様の事業内容で県が支出しているにもかかわらず、今回から本市の予算にも計上されていることから、事業費について以下伺います。
 まず、事業費と件数等の見込み。
 次に、負担割合と財源。
 あわせて、今回のような事業内容や負担割合となった国が示した根拠とこの間の経緯。
 都道府県のみで負担している事例と考え方をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.87 ◎答弁 産業局長(有村浩明君)

◎産業局長(有村浩明君) 時短要請協力金事業は、市内の飲食店約4,700店舗を対象として見込んでおり、協力金の全体額32億7,538万円のうち本市の負担額3億2,753万8千円を計上しております。
 負担割合につきましては、協力金の8割が国から県に配分される新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の協力要請推進枠で、残り2割が地方公共団体の負担とされております。
 地方公共団体の負担につきましては、5月19日の知事と市長との意見交換会において時短要請期間の延長を知事に要請するとともに、感染防止対策の役割は本市も担っていることから、延長に伴う協力金の地方負担分を県と市で等しくする方向で協議が調ったところでございます。本市負担額の財源につきましては、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用することとしております。
 都道府県のみで負担している事例としては福岡県がございます。また、県と市で等しく分担している事例として、長崎県、熊本県などがあり、各自治体においてそれぞれの状況等を基に総合的に判断されたものと考えております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.87 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 前回と違い、財源について国、県、市で8対1対1の負担割合にしたため、本市も予算措置が必要となり、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を財源に充てたことが分かりました。
 国は協力金について8割は負担することを示したようですが、残り2割をどのように地方自治体が負担するかは示していません。本市も感染拡大の防止について一定の責任はあるものの、感染拡大警報等を発令するのは県の権限であること、前回は県負担だけで実施したこと、福岡県のように市町村に負担を求めない事例があることなどの理由から、県が自治体に負担を求めるのは問題と考えます。
 このようなことから、今後も負担の在り方について県と協議していく必要があると考えますが、見解をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.87 ◎答弁 産業局長(有村浩明君)

◎産業局長(有村浩明君) 時短要請に伴う協力金の負担につきましては、感染状況等を踏まえ、事業者支援と感染拡大防止を図る観点から必要に応じて県と協議していくことになると考えております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.87 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 必要に応じて協議をされるとのことでしたので、後ほど今回の財政負担に与える影響についてただしてまいります。
 次に、令和3年第1回定例会における2月補正予算において提案、実施されたタクシー事業者及び自動車運転代行業者支援金が、専決処分された一般会計補正予算(第2号)に引き続き計上されましたので、内容について以下伺います。
 質問の1点目、対象者の要件と見込み。
 質問の2点目、令和3年第1回定例会提案の事業からの変更点について、1台当たりの支給額と増額の根拠、所属台数による上限の設定と変更の理由をお示しください。あわせて、タクシーと運転代行業の営業に係る車の台数や仕事の違いによる人数の違いを踏まえた差別化は検討されなかったのか見解をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.87 ◎答弁 産業局長(有村浩明君)

◎産業局長(有村浩明君) タクシー事業者及び自動車運転代行業者支援金事業につきましては、市内に九州運輸局、または県公安委員会に登録された営業所を有し事業を営んでいること等を要件としており、対象事業者は、タクシー事業者291者、自動車運転代行業社82者の合計373者を見込んでいるところでございます。
 1台当たりの支援金につきましては、県による飲食店への営業時間短縮要請が出された5月10日から6月6日までの4週間の売上げ減少を補うため、昨年度の事業継続支援金を受給したタクシー事業者、自動車運転代行業者の売上額の実績などから算出した1か月相当の1台当たりの売上げ減少額を参考として6万円としたところでございます。
 前回は車両保有台数に応じた上限額を50台未満20万円、100台未満30万円、100台以上50万円と50台ごとの3区分としておりましたが、きめ細かな対応とする観点から、今回は、6台目以降から1台当たり1万円を積み上げることとし、時短要請協力金と同様に上限額を210万円としたところでございます。
 本支援金は会社及び個人事業者に対し保有台数の事業規模に応じて給付するものであり、タクシーと運転代行業における運行業務に必要となる人数などについては制度設計に当たって検討する要素としなかったところでございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.88 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 前回支給を実施したことで業者の収入減の実態がつかめたことから、1台当たり4万円が6万円に引き上げられ、台数による上限も緩和され、5台以上から1台1万円とすることによって多くの車両を有する業者も前回より手厚い支援を受けられるよう充実されており、当局の取組を評価するものです。
 タクシーと運転代行業の仕事の違いによる差別化については、あくまで収入減を補填することが目的ということで理解しますが、まさか支給金額が引き下げられることがないよう引き続き実態に即した制度となるよう検討を要請いたします。
 質問の3点目、直近の申請者数と給付実績。
 質問の4点目、前回からの変更による効果についての当局の見解をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.88 ◎答弁 産業局長(有村浩明君)

◎産業局長(有村浩明君) 申請状況につきましては、6月11日現在、申請件数135件、給付件数46件、給付金額920万円でございます。
 今回、車両保有台数に応じ、より公平性に配慮した算定方式に改めるとともに上限額も見直したことから、実情に沿った支援につながるものと考えております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.88 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 実情に沿った支援になっているという効果は受け止めておきたいと思います。既に多くの申請や前回の申請を生かした迅速な給付も行われているようですので、余すことなく支給ができるよう広く周知に取り組まれるよう要請いたします。
 次に、感染症予防啓発事業について、以下伺います。
 質問の1点目、事業内容と事業費。
 質問の2点目、ポスターの枚数の根拠。
 質問の3点目、見込まれる効果をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.88 ◎答弁 健康福祉局長(成尾彰君)

◎健康福祉局長(成尾彰君) お答えいたします。
 感染症予防啓発事業は、事業所における感染症対策の取組促進のため啓発用ポスターを作成・配布するもので、事業費は402万円でございます。
 枚数は、飲食店や建設業、観光関連産業などの関係団体の協力を得ながら積算したものでございます。
 職場を中心とした場面ごとの感染対策の徹底を啓発することで感染拡大の防止につながるものと考えております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.88 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 最近の家庭内等での感染が増えてきている状況を踏まえて職場への注意喚起を求める事業ですが、ポスターでの注意喚起の効果がよく見えません。感染拡大警報の期間に間に合わせる意図もあるかもしれませんが、事業費の金額からも専決処分で行う必要があったのか疑問です。
 質問の4点目、これまでの質疑を踏まえて、効果を踏まえて専決処分とした理由を改めてお示しください。
 以上、答弁願います。

P.89 ◎答弁 健康福祉局長(成尾彰君)

◎健康福祉局長(成尾彰君) 専決処分については、5月上旬の新規感染者数の急拡大や変異株による高い病床占有率など厳しい状況となっていたことや職場での感染事例も増えていたことから、各事業所に早急に感染予防を啓発する必要があったため行ったものでございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.89 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきましたが、専決処分を行うという必要性については乏しいのではないかと思われます。これまでも申し上げてきたように専決処分をすれば議会が議決したのと全く同じ法律効果が発生するため、議会としてもその慎重な運用を見守らなければなりません。今後どれだけの事業所に配布し、どれだけがどんな場所に貼り出して、どんな効果があったのか検証できるような取組を当局には強く要請いたします。
 次に、第33号議案 令和3年度鹿児島市一般会計補正予算(第3号)について内容と課題を明らかにする観点から、以下伺ってまいります。
 まず、新型コロナウイルス感染症対策の主な事業と事業費をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.89 ◎答弁 企画財政局長(池田哲也君)

◎企画財政局長(池田哲也君) お答えいたします。
 補正予算に計上した主なものは、子育て世帯生活支援特別給付金支給事業、約5億9千万円、家賃支援金事業、約3億3千万円などで、合計約13億2千万円でございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.89 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 家賃支援金事業等が計上されていることが分かりました。
 そのうちのICT環境整備事業について伺っていきたいと思います。
 質問の1点目、今回の補正予算額と財源。
 質問の2点目、補正予算における整備台数と1人1台端末の整備状況。
 質問の3点目、今後のスケジュールをお示しください。
 以上、答弁願います。

P.89 ◎答弁 教育長(杉元羊一君)

◎教育長(杉元羊一君) お答えいたします。
 今回の補正予算額は3億1,362万9千円で、財源は全額国庫支出金でございます。
 本市では令和2年度に小中学生の90%の整備を終えており、今回、残り10%のタブレット端末4,950台の整備に係る経費を計上し、3年度内の完了を目指したものでございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.89 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 これまで順次整備されてきたタブレット端末が今回の補正予算で全ての児童に整備されます。4,950台の発注については、地元業者に広く受注機会をつくり、地域経済対策の一環としても寄与するよう取組を要請いたします。
 質問の4点目、先日は学校でクラスターが発生したほか、家庭内での濃厚接触などにより休校となる事例も増えてきていますが、現在、整備が進められているタブレット端末等のコロナ禍での活用事例について、以下伺います。
 まず、市立学校における新型コロナウイルス感染症に係る臨時休業の状況。
 あわせて、これまでに実施したオンライン授業の回数、対象学年、参加児童数、実施期間、実施内容をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.89 ◎答弁 教育長(杉元羊一君)

◎教育長(杉元羊一君) 3年度内に新型コロナウイルス感染症発生により市立学校を臨時休業した校数は、5月28日現在で小学校5校、中・高等学校5校の計10校で、いずれも一部休業でございました。
 オンライン授業の事例としましては、自宅待機中の小学1年生12人に対して本年2月に合計5回、授業の様子をライブ配信した例がございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.90 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 これまでの臨時休業等の対応の中で教室の授業の様子を動画で見れるようにしたオンライン授業が取り組まれていることが明らかになりました。
 次に、これまで配置されているICT支援員はこのオンライン授業にどのように関わっているのか。
 また、コロナ禍でのオンライン授業の効果についての当局の見解をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.90 ◎答弁 教育長(杉元羊一君)

◎教育長(杉元羊一君) 臨時休業などの際にはICT支援員が学校と連携を図りながらオンライン配信方法の支援やテレビ会議の設定などを行っております。
 オンライン授業は、臨時休業等で在宅している児童生徒が規則正しい生活を送るとともに、学校とのつながりを持ちながら学習に意欲的に取り組む効果があるものと考えております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.90 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 非常事態の下でも学校とのつながりや学びの場が保障されることは、コロナ禍だけではなく大規模災害時の対応としても効果があると考えます。
 次に、このオンライン授業に切り替える一定の基準があるのか。
 あわせて、今後の活用の考え方もお示しください。
 以上、答弁願います。

P.90 ◎答弁 教育長(杉元羊一君)

◎教育長(杉元羊一君) 国のガイドラインでは、学びの保障や心身への影響の観点から、できるだけ臨時休業を避けるべきとしており、現時点においてオンライン授業に関する基準はございません。
 また、新型コロナウイルス感染症による臨時休業や自宅待機の状況が発生した場合、これまでの家庭学習プリントに加え、ICTを活用した教材配付やオンライン授業をはじめ、様々な手だてを講じながら児童生徒の学びの保障に努めてまいります。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.90 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 今後も新型コロナウイルスの感染は予断を許さない状況が続くものと考えますし、学校ごとの判断に任せるのではなく教育委員会としての一定の基準を持った上で先生と児童がやり取りのできる双方向の授業など実効ある活用が求められていると考えておりますので、一定のガイドラインを早急に検討されるよう要請いたします。
 しかしながら、タブレット端末もメリットばかりではありません。名古屋市が小中学校に配付したタブレット端末を当面使用中止とする通知を出したとの報道があったことから、質問の5点目は、本市で同じような課題があるものか、以下伺います。
 まず、名古屋市が同通知を出した経緯。
 本市のタブレット端末は名古屋市と同様の問題点はないのか、認識をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.90 ◎答弁 教育長(杉元羊一君)

◎教育長(杉元羊一君) 報道によりますと、名古屋市では、児童生徒の操作履歴について目的を児童生徒や保護者に知らせないままセンターサーバーで記録していたことが個人情報保護条例に違反するとの指摘を受け、当面の間、タブレット端末の使用中止を学校に通知したとのことでございます。
 本市におきましては、児童生徒用のタブレット端末の管理に個人のアカウントではなくタブレット端末の固有番号を使用しておりますことから、個人情報保護条例には違反しておりません。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.90 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 名古屋市ではタブレット端末の操作履歴が個人を特定できるようになっていたために個人情報保護の観点から懸念が示され、通知に至ったとのことであり、本市ではそのような問題点は見られないとのことでしたが、今後も活用する上で個人情報やプライバシーの保護に留意すべきではないかと考えます。
 次に、今後の対応をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.91 ◎答弁 教育長(杉元羊一君)

◎教育長(杉元羊一君) 今後の対応としましては、児童生徒が安心してICTを活用した学習に取り組めるよう法令等に照らして適正な管理運用を行うとともに、教職員や保護者に対しても適切な情報提供に努めてまいります。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.91 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 法令等の遵守をし、個人情報や生徒のプライバシーの保護に留意していただくよう要請いたしておきます。
 次に、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金について以下伺います。
 質問の1点目は、昨日の質疑で明らかになりましたので割愛しますが、令和3年度の交付限度額約23億2,800万円に対して今回の補正予算まで36の事業に活用され、残りの活用可能見込額は約2億6,500万円であることが分かりましたが、今回の補正予算のように感染拡大警報による飲食店等への時短営業要請への対応には協力金など約3億5千万円が予算として必要ではないかと考えることから、今後、交付金が不足することが懸念されます。
 質問の2点目、6月4日の感染拡大警報の延長の内容と支援策の検討内容。
 質問の3点目、交付金が不足することが懸念されるが、今後の支援策や財源についての考え方をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.91 ◎答弁 企画財政局長(池田哲也君)

◎企画財政局長(池田哲也君) 感染拡大警報延長の内容につきましては、感染拡大地域との不要不急の往来自粛や本市及び霧島市の飲食店を対象とした営業時間短縮の要請が6月20日まで延長されたことなどでございます。延長に伴う本市事業者への支援策については、昨日提出いたしました追加議案に盛り込んだところでございます。
 新型コロナウイルス感染症により歳入面では税収等への影響が懸念される一方で、歳出面では今後もその対策に係る経費が見込まれるなど厳しい財政状況が続くものと考えております。このようなことから、国に対し地方創生臨時交付金の追加交付や地方の安定的な財政運営に必要な一般財源総額の確保などについて、引き続き全国市長会等を通じて要望を行うとともに、国庫支出金や基金の活用を図るなど、財源確保に努める中で本市の実情に応じた様々な対策を行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.91 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 質問通告後に感染拡大警報による飲食店等への時短営業要請延長への対応が明らかとなり、先日、本市議会に追加議案として送付がなされておりますので、今後の質疑の機会や委員会審査で内容をおただしすることを申し上げ、この質問を終わります。
 新しい質問に入ります。
 第19号議案 鹿児島市手数料条例一部改正の件について、以下伺います。
 質問の1点目、議案の内容。
 質問の2点目、条例一部改正の経緯。
 質問の3点目、過去5年間の手数料徴収枚数や金額などの再交付実績をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.91 ◎答弁 市民局長(上四元剛君)

◎市民局長(上四元剛君) お答えいたします。
 今回の議案は、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律が本年5月19日に一部改正され、個人番号カードの手数料の額は地方公共団体情報システム機構が定めることとなることから、同法の施行日の9月1日に合わせ本市手数料条例における個人番号カードの再交付手数料の規定を廃止するものでございます。
 次に、個人番号カードの再交付実績について、手数料徴収枚数及び金額を平成28年度から令和2年度まで順に申し上げますと、30枚、2万4千円、125枚、10万円、170枚、13万6千円、280枚、22万4千円、572枚、45万7,600円でございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.92 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 再交付の実績が増加し、それに伴う事務も多くなってきているものと考えますが、条例一部改正では再交付手数料を本市の規定から廃止するという内容になっています。
 質問の4点目、本市手数料条例の再交付手数料の規定が不要となる影響について、まず、市民への影響。
 また、手数料の額についての今後の本市の関与はどのようになるのかお示しください。
 以上、答弁願います。

P.92 ◎答弁 市民局長(上四元剛君)

◎市民局長(上四元剛君) 個人番号カードの再交付手数料の徴収事務につきましては、施行後も本市で徴収を行うことにより市民への影響は生じない見込みでございます。
 次に、手数料の額については、改正後は本市の関与はないものでございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.92 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 再交付手数料が本市の規定から廃止されるだけで市民の負担が無料になったわけではなく、市民はこれまでどおり手数料を払うことになるようです。また、今後、手数料の額は機構が決めることになるので金額の増減などが今回のように条例改正として議案で提案されることがなくなると理解します。
 質問の5点目、今後の再交付手数料の徴収事務と会計上の取扱いはどのようになるものかお示しください。
 以上、答弁願います。

P.92 ◎答弁 市民局長(上四元剛君)

◎市民局長(上四元剛君) 再交付手数料の徴収事務の取扱いにつきましては、現在のところ、国等から具体的に示されておりませんが、地方公共団体情報システム機構からの委託を受け徴収を行い、手数料は歳入歳出外現金として保管し、同機構へ納入する見込みでございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.92 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 本市が引き続き徴収事務を機構から委託されて運用するにもかかわらず、今後、手数料の増減は市民生活に影響があるにもかかわらず、議案としては提案されない、徴収した手数料も歳計外で対応するとのことで、議会としてのチェックができなくなる内容だということを厳しく指摘し、この質問を終わります。
 新しい質問に入ります。
 SDGsについては、これまでも本市議会で各面から議論も交わされており、誰一人取り残さない、持続可能な社会の実現に向けた取組が求められていることから、第六次鹿児島市総合計画とSDGsの取組について、以下伺います。
 まず、総合計画へのSDGsの位置づけについて、質問の1点目、SDGsを総合計画に位置づけた理由。
 質問の2点目、目標、ターゲット、指標は総合計画の全てにひもづけられているのか。
 以上、答弁願います。

P.92 ◎答弁 企画財政局長(池田哲也君)

◎企画財政局長(池田哲也君) SDGsの推進につきましては、人々が安心して暮らせる持続可能なまちづくりと地域活性化を目指すもので、自治体にとりましても多様な主体と連携を図りながら取り組むことが重要であり、昨年7月に本市がSDGs未来都市に選定されたことも踏まえ、第六次総合計画にSDGsの視点を取り入れることとしたものでございます。
 また、ゴール、ターゲット、指標については、基本目標別計画の全ての基本施策及び重点プロジェクトにおいて、169のターゲットを踏まえながら17のゴールとの関連づけを行っているところでございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.92 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 SDGsについては、人々が安心して暮らせる持続可能なまちづくりと地域活性化を目指すもので、自治体にとっても多様な主体と連携を図りながら取り組むことが重要との観点から位置づけられていますが、17の目標、169のターゲット、232の指標が全て各施策に完全にひもづけられているのではなく、17の目標を各施策に関連づけているようです。
 質問の3点目、自治体がSDGsの推進に果たす役割をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.93 ◎答弁 企画財政局長(池田哲也君)

◎企画財政局長(池田哲也君) 自治体が果たす役割につきましては、国のSDGs実施指針によりますと、広く日本全国にSDGsを浸透させるため、地方自治体等の積極的な取組により、一層の浸透、主流化を図ることやSDGsを原動力とした地方創生を推進することが期待されているところでございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.93 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 SDGsの理念を広く日本全国に浸透させることや原動力として地方創生に活用する、このようなことが取り組まれているようです。SDGsは、フォローアップやレビュー方法もアジェンダの中に記載されており、基本的には国単位となっていますが、フォローアップの国連の会議に世界の都市からのレビューも報告されており、地域の実態に応じた地域独自のプログラムが盛り込まれていることが少なくないことからも地域から持続可能な社会を目指して目標を掲げることは重要です。
 次に、SDGsにおける日本の現状について伺います。
 質問の1点目、持続可能な開発報告書によるこれまでの日本の順位とスコア及び世界的なコロナ禍における傾向をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.93 ◎答弁 企画財政局長(池田哲也君)

◎企画財政局長(池田哲也君) 持続可能な開発報告書における日本の順位及びスコアを2016年から2020年まで順に申し上げますと、18位、75点、11位、80.2点、15位、78.5点、15位、78.9点、17位、79.1点となっているようでございます。同報告書には、新型コロナウイルス感染症の影響として、世界の貧困の増加や都市封鎖による女性と女児に対する暴力のリスクの増大、景気後退などが示されているところでございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.93 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 日本の順位とスコアについては高い水準にはあるようですが、少しずつ下がってきているようです。また、世界を席巻している新型コロナウイルス感染症により貧困の増加や景気の後退等、目標達成に向けた世界の努力が後退局面にあることが分かりました。
 質問の2点目、2020年報告書における目標別達成度について、まず、取組が順調に進んでいる目標。
 次に、達成度と進捗度が低く、取組の強化が必要な目標。
 次に、達成度は低いが進捗度が順調な目標。
 あわせて、主要な課題が残っている主な指標をそれぞれお示しください。
 以上、答弁願います。

P.93 ◎答弁 企画財政局長(池田哲也君)

◎企画財政局長(池田哲也君) お触れになりました報告書によりますと、日本において取組が順調に進んでいる目標は、ゴール4「質の高い教育をみんなに」、ゴール9「産業と技術革新の基盤をつくろう」など4つ、達成度と進捗度が低く取組の強化が必要な目標は、ゴール5「ジェンダー平等を実現しよう」、ゴール13「気候変動に具体的な対策を」など4つ、達成度は低いものの進捗度が順調な目標は、ゴール2「飢餓をゼロに」、ゴール17「パートナーシップで目標を達成しよう」など4つ、また、主要な課題が残っている主な指標として、相対的貧困や女性国会議員の人数、男女の賃金差などが上げられているようでございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.93 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 私が注目するのは、達成度と進捗度が低く取組の強化が必要な目標である目標5、ジェンダー平等、目標10、不平等をなくす、目標13、気候変動対策、目標14、海の豊かさと、主要な課題が残っている指標である相対的貧困などの貧困と格差です。SDGsは網羅的な目標群となっていますが、このような部分から取り組む必要があるのではないでしょうか。また、目標達成に向けた世界の努力を後退させている新型コロナウイルス感染症についてもSDGsの観点から誰一人取り残さない取組が求められています。
 そこで、質問の3点目、新型コロナウイルス感染症対策に関するSDGs市民社会ネットワーク、いわゆるSDGsジャパンの声明の主な内容をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.94 ◎答弁 企画財政局長(池田哲也君)

◎企画財政局長(池田哲也君) お触れのSDGs市民社会ネットワークの声明には、「未来世代を含めた「誰一人取り残さない」経済的・社会的包摂のための施策の導入」、「隔てられた物理的距離をつなぐ連帯と包摂」、「透明性と公開制を担保し、民主主義と法的手続きを遵守した政策形成と対応」の3つが提言されているようでございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.94 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 この声明では、答弁にあったように3つの提言とこのコロナ禍の中で日本では誰もがお金の心配をすることなく必要な質の高い保健医療サービスを受けられる、いわゆるユニバーサル・ヘルス・カバレッジが事コロナの予防、検査、医療については保障されず、コロナへの医療資源の集中や外出自粛などによってコロナ以外の病気での医療アクセスも抑制される現実を踏まえ、SDGsの理念に基づいた対応を求めています。
 質問の4点目、このような日本の現状を踏まえて国のアクションプラン等はどのような内容となっているのか、取組をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.94 ◎答弁 企画財政局長(池田哲也君)

◎企画財政局長(池田哲也君) 国のSDGsアクションプラン2021では、「感染症対策と次なる危機への備え」、「よりよい復興に向けたビジネスとイノベーションを通じた成長戦略」、「SDGsを原動力とした地方創生、経済と環境の好循環の創出」など4つの柱を掲げ、SDGs実施指針において、「あらゆる人々が活躍する社会・ジェンダー平等の実現」や「健康・長寿の達成」など8つの優先課題に関する主な取組が盛り込まれております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.94 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 政府のSDGsアクションプランには、貧困、格差の解消が位置づけられておらず、経済界が要求するSociety5.0の達成が第1目標に据えられており、バイオ戦略やスマート農林水産業を進めるなど、経済界が望む方向に向かっています。政府のSDGs推進円卓会議の委員も務めるSDGs市民社会ネットワークのメンバーからも批判と疑問の声が上がっています。日本は貧困と格差の広がりが大きく、コロナ禍が社会のゆがみをさらけ出しています。SDGs本来の目標は地球1個分へと資源消費量を減らすとともに、世界、地域、国などあらゆるレベルで貧困と格差を減らすことであり、アクションプランは貧困と格差の是正を中心に据えるべきではないでしょうか。
 次に、これまでの質疑を踏まえて、本市の今後の推進について以下伺います。
 質問の1点目、本市のこれまでの取組をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.94 ◎答弁 企画財政局長(池田哲也君)

◎企画財政局長(池田哲也君) 本市の取組につきましては、未来都市選定後、ホームページでの紹介やかごしま環境未来館での展示に加え、市民のひろばでの特集記事やゴールに関連する取組の紹介など、様々な機会を捉え普及啓発に取り組むとともに、SDGsの推進に積極的に取り組む推進パートナーの募集、登録などを行ってきているところでございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.94 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 本市はSDGs未来都市にも選定され、その計画に基づいて普及啓発等の推進をされていますが、この計画自体が第五次総合計画の施策や目標を反映したものとなっていることから、今後は第六次総合計画との整合性を含め変更の必要性があると考えます。
 そこで、質問の2点目、本市SDGs未来都市計画の変更の観点をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.95 ◎答弁 企画財政局長(池田哲也君)

◎企画財政局長(池田哲也君) SDGs未来都市計画は、第五次総合計画の内容に沿ったものとなっていることから、第六次総合計画に合わせ、2030年のあるべき姿やその実現に向けた優先的なゴール、ターゲットなど整合が図られるよう見直す必要があるものと考えております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.95 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 第六次総合計画の策定後、それに基づいて変更されるものと理解します。
 質問の3点目、これまでの質疑を踏まえて、達成度と進捗度が低く取組の強化が必要な目標については総合計画の中で指標を明確にするなど補強が必要ではないかと考えますが、見解をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.95 ◎答弁 企画財政局長(池田哲也君)

◎企画財政局長(池田哲也君) 第六次総合計画におきましては、基本目標別計画の基本施策と重点プロジェクトについて17のゴールとの関連づけを行っており、お触れになったゴールとの関連も含め本市の状況を踏まえて指標を掲げているところでございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.95 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 SDGsは、持続可能な社会に向けての現代社会の変革を強く促しています。SDGsはあくまでも目標群であり、それぞれの地域の優先課題や優先解決策を特定し推進することが、ひいては日本の持続可能性を高めることにつながります。その責任が地方自治体と議会にも課せられていることを申し上げ、この質問を終わります。
 新しい質問に入ります。
 学校給食費の徴収・管理の在り方について、以下伺ってまいります。
 まず、学校教員の長時間労働が深刻な状況になっている現状から、学校における働き方改革の一環として公立学校における学校給食費の徴収・管理に係る教員の業務負担を軽減するために公会計化のガイドラインが示され、本市でも具体化に向けて検討されていますが、学校給食費等の徴収に関する公会計化の今年度の取組と今後の見通しをお示しください。
 以上、答弁願います。

P.95 ◎答弁 教育長(杉元羊一君)

◎教育長(杉元羊一君) 令和3年度は教育委員会内に学校給食費等の徴収に関して検討委員会を立ち上げ、制度導入に向け課題や時期などについて検討を進めております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.95 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 今年度は、検討委員会が組織されるとのことですが、具体化についてはまだ緒に就いたばかりであり、見通しが立っていない状況というふうに理解したいと思います。
 このような中、私は、就学援助の給食費が無料にもかかわらず立替払いとなっている実態を示して、立替払いの解消による保護者の利便性の向上と負担軽減、教職員の多忙化の解消を公会計化を待たずして実現すべきとの立場でこれまで質疑を交わしてまいりましたので、次に、就学援助の学校給食費の現物給付について他自治体の状況や本市での課題を伺ってまいります。
 質問の1点目、改めて中核市の現状について、まず、就学援助の学校給食費を原則徴収しない自治体の数をお示しください。
 次に、そのうち公会計化していない自治体について、自治体数、学校給食費の支払い先と理由、概算払いを実施している、または可能な自治体数と根拠、年間の精算回数の特徴をそれぞれお示しください。
 以上、答弁願います。

P.95 ◎答弁 教育長(杉元羊一君)

◎教育長(杉元羊一君) 2年10月の調査で回答のありました中核市のうち就学援助の給食費を徴収していない市は、認定前に一部を徴収する市を含め55市中38市でございます。
 また、公会計化をしていない自治体は38市中20市であり、就学援助の給食費の支払い先は20市中、給食費の徴収等の管理を行っている学校が15市となっております。概算払いが可能な市は3市あり、1市は会計規則に規定しております。また、支払い回数は20市中、年3回が6市、年11回が3市などとなっております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.96 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 就学援助の学校給食費を原則徴収しない自治体が38市あり、そのうち本市と同じく公会計化していない20の自治体でも原則徴収していないことが改めて分かりました。就学援助費は基本的に概算払いできないとの理解でしたが、他都市のように会計規則を改正すれば可能であることも新たな発見です。
 質問の2点目、就学援助の給食費等の現物給付については、さきの第1回定例会において、森前市長に引き続き、下鶴市長も様々な課題もあるが対応を指示しているとの答弁をいただいており、他都市の現状を見ても本市で取り組めない課題ではないと認識しておりますが、本市が検討している手法と現時点での課題をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.96 ◎答弁 教育長(杉元羊一君)

◎教育長(杉元羊一君) 保護者の負担軽減の観点から、認定後に就学援助の給食費を学校へ直接支払う方法を検討しておりますが、教職員等の業務負担や会計規則の改正等が課題であると考えております。
   [大園たつや議員 登壇]

P.96 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 教職員等の業務負担の増加が課題であることが示されました。
 私としては、現在、先ほど答弁いただいた自治体に現物給付化によるメリットやデメリット、教職員の業務負担の解消につながる取組などを調査しておりますので、教育委員会としても課題を乗り越える観点で調査していただくよう要請いたします。
 この質問の最後に、子育て世帯の負担軽減と学校現場の多忙化の解消を両立させる具体化への見解と今後の見込みをお示しください。
 以上、答弁願います。

P.96 ◎答弁 教育長(杉元羊一君)

◎教育長(杉元羊一君) 先ほど申し上げましたとおり、各面から検討しておりますが、諸課題もありますことから、引き続き、保護者の負担軽減や教職員の負担軽減等を含め給食費の公会計化と併せて検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.96 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 前向きな答弁と受け止めますが、私自身も子育て世帯の負担軽減と学校現場の多忙化の解消を両立させる手法について今後も提案し、早急な具体化が図られるよう全力を尽くす決意を申し上げ、この質問を終わります。
 新しい質問に入ります。
 吉野地域のまちづくりについて、以下伺います。
 まず、先日も質疑が交わされておりますが、今年は例年より早い梅雨入りとなり、早速、土砂災害警戒情報がレベル4で発令されるなど、予断を許さない状況です。新しい防災ガイドマップが各家庭に配布完了しているとのことでしたので、それに基づく吉野地域の特徴について伺います。
 質問の1点目、特に警戒すべき災害は何か。
 質問の2点目、地域内を流れる河川の注意喚起をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.96 ◎答弁 危機管理局長(尾ノ上優二君)

◎危機管理局長(尾ノ上優二君) お答えいたします。
 今回、県により土砂災害のおそれがある区域として本市域内に約3,100か所の土砂災害特別警戒区域が新たに指定され、吉野地域においても約200か所が指定されております。また、同地域には稲荷川、磯川など複数の河川もあることから、雨の降り方によっては土砂災害や浸水害について注意する必要があると考えております。
 河川に係る注意喚起につきましては、防災ガイドマップに雨の降り方によっては洪水浸水想定区域等に指定されていない場所においても洪水などの災害が発生する可能性がある旨を市民の目につきやすいよう赤い文字で掲載をしているところでございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.97 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 警戒すべき災害や河川の注意喚起をお示しいただきましたが、吉野地域の河川でも最近の短時間の豪雨や人口の増加が原因で河川や側溝から水があふれる状況が見られ、地域住民から不安の声が上がっています。
 そこで、次に、吉野地域での河川改修及び管理について伺います。
 質問の1点目、地域内を流れる河川について、浸水の懸念や流量の不足など現状をお示しください。
 質問の2点目、令和2年度の県河川を含む改修及び管理の内容をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.97 ◎答弁 建設局長(福留章二君)

◎建設局長(福留章二君) お答えいたします。
 吉野地域においては、2級河川稲荷川では川上小学校付近の一部区間において令和元年7月の越水により道路等が浸水し、また準用河川磯川では吉野東小・中学校付近の一部区間において平成30年5月に護岸の崩壊があったところでございます。
 令和2年度の河川改修等につきましては、県によると稲荷川の五反田橋付近において堆積している土砂の除去等を実施したとのことでございます。また、本市では河川敷の伐開等の維持管理を行うとともに、磯川の早馬団地付近において河川改修を行ったところでございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.97 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 令和2年度、県河川を含め、しゅんせつなど改修や管理に取り組んでおられますが、私も稲荷川の下田橋付近、磯川の吉野東小の南、大石様川の上流、大明丘入り口や滝之神の側溝など、これまでの経験から浸水等を懸念しているところです。
 質問の3点目、先ほど答弁にもありましたが、準用河川磯川の河川改修については、平成30年5月の大雨によって周辺住宅の擁壁が崩壊するほどの状態になりました。その後、流下断面が不足していることが分かり、現在改修が進められていますが、まず、改修の全体計画の内容。次に、令和3年度の取組をお示しください。
 質問の4点目、河川改修及び管理によって見込まれる効果も併せてお示しください。
 以上、答弁願います。

P.97 ◎答弁 建設局長(福留章二君)

◎建設局長(福留章二君) お触れの河川改修については、流下能力の向上を目的に吉野東小・中学校付近の延長240メートルの区間において河道の拡幅工事を計画しており、3年度は延長50メートルの改修を行うこととしております。
 また、効果としましては、河川改修や適切な維持管理により流下能力が確保され、治水安全度の向上が図られると考えております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.97 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 改修が進められていることは評価するところですが、今年度の取組が梅雨明け時期であることや残された工事もあることから、今後の河川の状況も注視してまいりたいと思います。
 次に、大雨に備えた危機管理の取組について伺います。
 質問の1点目、通常、梅雨入り前に行われる安全点検の実施状況と内容。
 質問の2点目、河川の浸水が懸念される地域への避難支援などの安全対策をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.97 ◎答弁 消防局長(中村剛君)

◎消防局長(中村剛君) お答えいたします。
 消防局では梅雨入り前に崖地や浸水が想定される場所の確認のほか、避難行動要支援者の把握などを行っております。
 また、特に警戒を要する地域につきましては個別に計画書を作成し、消防団と情報を共有しているところでございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.97 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 私も地域の消防団で活動していますが、今回、地域の分遣隊と連携する3つの消防団で浸水が懸念される地域の情報を共有化しました。このような取組は万が一の場合の避難支援等に大変役に立つものではないかと考えますので、他地域でも取組を広げていただきますよう要請いたします。
 以上で、私の個人質疑の全てを終了いたします。