◆(大園たつや議員) 日本共産党市議団を代表して、ただいま上程されました13件の議案のうち、第44号議案 鹿児島市個人情報保護条例及び鹿児島市個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例一部改正の件について反対する立場から討論を行います。
 同条例改正は、本年5月19日に公布されたいわゆるデジタル改革関連法の1つであるデジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律等の施行に伴い、本市の関係条例の整備を行うものですが、次のような理由から反対します。
 第1の理由は、来年4月に予定されているデジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律等の施行に備え、本市の個人情報保護条例第2条及び第4条において、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律と独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律の廃止に伴い、両法律の引用条項を廃止し、代わりに国の個人情報の保護に関する法律の引用条項に一元化する内容を今議会で改正しようとするものですが、これまでの民間事業者、国の行政機関及び独立行政法人等に係るそれぞれの個人情報保護法制を国の個人情報保護法制に一元化することにより地方自治体の個人情報保護条例に今後縛りがかけられ、独自性を発揮することが困難となり、個人情報保護の充実を求める住民のための自治体独自の条例内容の後退につながることが懸念されるため反対です。
 第2の理由は、本市の個人情報保護条例中、保有個人情報の提供先への通知が規定されている第34条において、9月1日施行の行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部改正に伴い、従前の総務大臣から内閣総理大臣への文言整理が行われています。これは、情報提供ネットワークシステム等の所管が総務省から内閣府が所管するデジタル庁に変更されることに伴う文言整理ですが、これまで個人情報保護を分散管理していたものが強力な権限を持つデジタル庁に一元管理されることにより、自治体の条例づくりへの関与や自治体クラウドのカスタマイズ、仕様変更を認めず、国主導のシステムへの集約や共同化を図る目的であることから、地方自治が侵害される懸念があるため反対です。
 したがって、今回の条例改正は、デジタル改革関連法の成立に伴い、地方自治体が持つ膨大な個人情報が企業等の利活用のために開放されることになり、個人情報保護よりも利便性が最優先され、民間の営利目的に利用されることにつながりかねない、その一歩となる条例改正であることを改めて申し上げ、日本共産党市議団を代表しての反対討論を終わります。(拍手)