去る2021年12月21日に下鶴市長に対し予算編成にむけた要望書を提出しました。
以下、その全文です。
(PDF版はこちらをクリックしてください)
鹿児島市長 下鶴隆央 殿
2021年12月21日
市民の市政をつくる会
代表委員 祝迫光治
代表委員 松下賢治
日本共産党鹿児島市議団
団長 たてやま清隆
副団長 大園たつや
幹事長 園山えり
(公印省略)
2022年度鹿児島市予算編成にむけた要望書
貴職に於かれましては、市長就任1周年を迎え、市民福祉の向上のために、益々ご精励のことと存じます。
2021年は、新型コロナウイルス感染症の感染が全国に広がり、「感染爆発・医療崩壊」の事態に直面した結果、入院できずに自宅療養中に死亡する事例が相次ぐなど痛ましい出来事が続きました。これらの要因には、歴代の自民党政権の新自由主義政策の下で、病床削減や保健所等の統廃合が推進されてきた影響と同時に、
パンデミックの下で東京五輪・パラリンピックの開催が強行されたことにより、人流を抑制することができなかったことが影響していることは明らかです。
現在、感染者ゼロの状況が続いていますが、感染力の強いオミクロン株という新たな変異株が国内でも発生しており、第6波の感染拡大を起こさないための更なる感染対策の強化が求められています。
このような中、先の第4回定例市議会で、今後10年間の鹿児島市のまちづくりの指針となる「第六次鹿児島市総合計画」が決定されました。また一方、岸田内閣の下で、約31兆円にも及ぶ補正予算が成立し、その中には、地方創生臨時交付金として、使途に制限がなく自由度の高い地方単独事業分、1兆2千億円も含まれていることから、今後本市においても対応が求められているところです。
つきましては、2022年度の本市の予算編成にむけ、第六次総合計画の6つの基本目標に基づいて、その問題点や課題をふまえるとともに、国の新型コロナ対策の補正予算の成立をうけて、新型コロナから市民の命と暮らしを守るために、下記の通り116項目の要望を要請します。今後の新年度予算編成等に反映させて下さいますよう御願い申し上げます。尚、後日、文書での回答をお願い申し上げます。
記
第六次総合計画の「第1の基本目標」では、「共助」による市民との「協働」や
マイナンバーカードの利用拡大を含む「行政のデジタル化」の推進、そして市営住宅の廃止や学校の統廃合を前提にした「公共施設等総合管理計画」の推進、行政のアウトソーシングを推進する「行政改革」等の基本方向が示されていますが、私たちは「信頼とやさしさのある 共創のまちづくり」のために、憲法の視点にもとづいて、以下の点を要請する。
【地域社会を支える協働・連携の推進】
①町内会や地域コミュニティ協議会に「共助」を押付けるのではなく、自主的・
自発的な活動に対する「公助」を強化すること。
②NPO法人等の市民活動団体の社会的役割を評価すると共に、内閣府の調査(2
018年3月)において、行政への要望として明らかにされている「公共施設等
活動場所の低廉・無償提供」や「市民・企業等がNPO法人の活動情報を得られ
る仕組みなどの環境整備」等について検討を行なうこと。
【自主的・自立的な行財政運営の推進】
③マイナンバーカードの普及と利用拡大は、更なる個人情報の集積をもたらし、
個人情報漏えいの危険性を一層高めることにつながることから、マイナンバーカ
ード取得の促進を図る誘導施策を中止すると共に、住民票等のコンビニ交付サー
ビス等、マイナンバーカードの有無によって行政サービスに格差(デジタルデバ
イト)が生じないようにすること。
④「デジタル関連法」の成立に伴い、地方自治体の個人情報保護条例も、国の個人
情報保護法に一元化されることになり、2022年度、本市の個人情報保護条例
も改正が予定されているが、国の狙いは、地方自治体がもつ様々な個人情報を、
本人の同意もなく利活用することであり、憲法第13条にもとづき、どのような
個人情報が集められているかを知り、本人の同意もなく、不当に使われないよう
に関与する権利(自己情報コントロール権)が保障されるようにすること。
⑤将来の人口減や施設の老朽化等を理由に、市営住宅や学校等の公共施設の統廃合
をすすめる「公共施設等総合管理計画」が、国が示した数値目標にもとづいて、
現在、進捗中であるが、それぞれの公共施設は、住民が生活し、地域社会が存続
していくうえで重要な役割を果たしているとともに、地方再生の重要な社会的基
盤であることから、はじめから「廃止・縮小」ありきの計画ではなく、住民参加
による施設の維持・更新の計画への転換を図ること。
⑥県施行事業負担金は、県が繰越明許を設定した場合、本市は現年度で支払うこと
となっているが、県は事業の実績や余った事業費を何に有効活用しているのか開
示せず、不透明な支出となっていることから他都市で事例があるように、県が繰
越をしたら、本市も繰越し、実績に応じて支払うようにすること。
⑦職の見直しにより会計年度任用職員から正規職員の配置を行うと共に、フルタイ
ム型の会計年度任用職員の拡充を図り、更新を希望する職員については、「選考」
方式ではなく「面接」等の簡易な方式によって雇用の継続を図ること。また
「昇給」制度を導入し抜本的な処遇改善を図ること。
⑧支所で申請できない市民サービス(6課15事務)については、各支所に専門職を
配置して対応できるように、市民の利便性を向上させるための改善を図ること。
⑨2022年1月4日から始まる「死亡後の申請手続きのワンストップ化」による
「お悔みコーナー」は、利用者に対してアンケート調査を実施して、評価や今後
の課題を明らかにしていくと共に、支所においても、同コーナーが設置できるよ
うに検討を進めていくこと。
【多角的な連携・交流の推進】
⑩本市に隣接する市においては、本市の児童も「病児・病後児保育」の対象にして
いるにもかかわらず、本市は対象としていない。連携中枢都市圏における連携事
業の中に、「病児・病後児保育」事業も加えること。
【シティプロモーションの推進】
⑪引き続き、県外からの移住支援の拡充を図ると共に、若い世代の転出が増加傾向
にあることから、とりわけ担い手不足に直面する農漁業、介護、福祉等の事業に
従事する若い世代の定着を図る方策を講じること。
【誰もが個性と能力を発揮できる地域社会の形成】
⑫2022年1月4日から、パートナーシップ宣誓制度が始まりますが、市民への
周知広報に努めると共に、市民サービスの不利益を解消するよう市営住宅の入居
や、市職員が宣誓した場合、他都市でも事例が見られる結婚祝金や休暇制度など
市職員の福利厚生等の取組みの促進を図ること。
⑬ジェンダー平等の推進を図るために、本市の行政機関、管理職、審議会等へ男女
の平等な参加を推進し、女性の管理職比率30%をめざすこと。
⑭国連は「性別賃金格差を縮小するための取組みの強化」を求めている。本市にお
いても、職員の性別賃金格差の実態を明らかにすると共に、平均給与が全産業平
均よりも低く、女性が多く働く介護・福祉・保育などのケア労働の賃金を引上げ
る方策を講じること。
⑮コロナ禍の下で「生理の貧困」が浮き彫りにされており、特に学校トイレへの生
理用品の配置を行ない、また科学と人権に根差した包括的性教育に取組むこと。
⑯セクハラ、マタハラ、パワハラ等、あらゆるハラスメントをうまない職場と地域
社会をつくるために相談・支援体制の強化を図ること。
⑰DVを許さず、被害者救済とシェルター設置による一時保護、自立支援などDV防
止策の充実を図ること。
⑱平和都市宣言の都市として、国連で発効された「核兵器禁止条約」の意義を広く
市民に周知を図ると共に、日本政府に対して、同条約の批准やオブザーバー参加
等を要請すること。
⑲憲法9条改憲の動きが強まる中で、憲法9条の「平和主義」を、次世代に伝える
ための取組みを具体化し、市民の平和意識の醸成を図ること。
国連IPCCは、2030年までに大気中への温室効果ガス(その大半はCO2)を、2010年比で45%削減し、2050年までに実質ゼロを達成できないと、世界の平均気温の上昇を産業革命前に比して、1.5度までに抑え込むことができないことを明らかにした。2030年までのCO2削減に人類の未来がかかっていると言っても過言ではありません。
第六次総合計画の「第2基本目標」では、気候危機を打開するための「CO2排出実質ゼロ」をめざす基本方向や環境保全の課題と目標が示されているが、これらの取組みが実効性のあるものにしていくために、下記の点を要請する。
【ゼロカーボンシティかごしまの推進】
①政府が本年4月に発表したCO2削減目標は、「2013年度比で46%削減」で
すが、これは2010年比にすると42%削減であり、国連が示した「2030
年までに2010年比45%削減」の目標を下回ることから、本市のCO2削減
目標は、国連が示す削減目標と一致させること。
②国連が2030年までの石炭火力の段階的な廃止を要請しているにもかかわらず、
政府は、石炭火力からの撤退を表明しない上に、今後、国内で9か所の火力発電
所の建設を進めようとしていることから、国に対し石炭火力発電所の建設の中止
を求めること。
③政府は、「脱炭素」を口実に、2030年度に原発で発電量の20%~22%を
まかなおうとしており、最悪の環境破壊と将来性のない原発に依存するエネルギ
ー政策に固執していることから、市長として、川内原発20年運転延長に反対す
ると共に、UPZ30キロ圏内の市長として、川内原発の廃炉を知事に要請する
こと。
④日本の発電量における再生可能エネルギーの比率は22%(2020年)であり、
2030年にむけた目標でも36%~38%であり、諸外国と比較しても大きく
立ち遅れていることから、自然を壊さずに、太陽光・風力・小水力等の再生可能
エネルギーの開発・普及のための支援と促進を図ること。
⑤森林整備等によるCO2吸収源対策を推進するために、森林環境を保全するため
の林道や作業道の整備・補修等に取組むこと。
⑥市民への電気自動車等の普及促進を図る上で、「充電スタンドが少ない」「充電
時間が長い」「連続走行距離が短い」「車両価格が高い」等の課題を解決してい
くための対策を講じること。
【循環型社会の構築】
⑦家庭ごみの分別収集を徹底することによって、ゴミの減量を推進すると共に、
家庭ごみ袋の有料化計画は中止すること。
⑧家庭ごみの「まごころ収集(高齢者等戸別収集サービス)」は、市民ニーズが
高まっていることから、要件を緩和し対象者の拡充を図ること。
⑨ワンウエイプラスチック製品の使用削減のために、本市事業の発注・受注の際
ワンウエイプラスチック製品の不使用を要件とする等の取組みを推進すること。
⑩バイオガス施設の新南部清掃工場の運転が開始されるが、DBO方式(公設民営)
による運営であるためコスト削減等の事業効果が検証できないことから、この方
式を改めること。
【人と自然が共生する都市環境の構築】
⑪民有地等の借上げなどによる公園の整備にあたっては、公園予定地の地域住民の
合意と承認を得た上で、公園設計等に着手すること。
⑫公園内の遊具等の故障、テニスコートやグラウンドの整地不良について、市民の
安全確保を最優先にして、迅速な整備・補修に取組むこと。
⑬他都市の公園では、公園の一部に「公共のドッグラン施設」を設置し、人と動物
との共生を願う多様な市民ニーズに応えている都市がある。本市においても同様
のニーズがあることから動物愛護を所管する部局とも協議し検討を行なうこと。
【生活環境の向上】
⑭「人と動物の共生社会」実現のために、動物愛護団体への支援の強化、犬猫殺処
分ゼロを達成すること。
⑮中核市では27市に、九州県都市では5市に設置され、本市では10年以上に亘り、
市民から要望が出されている「公共のドッグラン施設」は、「犬の適正飼養に
役立つ」施設として評価されていることから、設置にむけて検討をすすめること。
⑯低周波音等に関する問合せや健康被害の市民からの相談については、環境省の
「低周波音問題対応の手引書」等を参考にして対応すると共に、低周波音を特定
するために測定等の支援を行なうこと。
⑰建物解体時の「レベル3」を含むアスベストの届け出や飛散防止の作業基準の順
守を徹底させるとともに、違反業者に対する罰則や指導の強化に取り組むこと。
⑱不快害虫であるヤンバルトサカヤスデの発生は、79小学校区中、47校区に広
がっており、生活環境を脅かす存在として害虫の駆除を求める住民の声が高まっ
ているが、環境局の薬剤による駆除活動だけでは限界があることから、ヤスデ
が生息しにくい環境にするために、各局が所管する公共施設周辺及び道路沿いの
草木の伐開や側溝や法面の苔落としなどの作業を局間の連携で取組むこと。
第六次総合計画の「第3の基本目標」では、新型コロナ収束後の産業・交流政策が強調されているが、今なお世界的なパンデミックが続く中では、従来のインバウンド頼みの戦略は抜本的に見直す時期に来ているので、以下の点を要請する。
【地域特性を生かした観光・交流の推進】
①新型コロナウイルス感染症の収束の目途も立たない中で、インバウンド市場一辺
倒の観光戦略を抜本的に見直し、観光立国基本法の理念である「住んでよし、訪
れてよし」の安全安心の地域住民目線での観光政策への転換を図ること。
②世界的なパンデミックが続いている中で、マリンポート人工島における観光クル
ーズ船の誘致や受け入れについて、インバウンド効果を期待することはできず、また水際での感染対策も不十分な中では感染拡大の要因にもつながることから、同事業の中止を求めること。
【スポーツ交流・振興の推進】
③サッカー等スタジアムの整備内容については、広く市民参加による議論を重視し
した取組みをすすめること。
④「だれもが気軽に使えるスポーツ施設」をめざし、利用料金の適正化、指導員や
スタッフ等の充実を図るための支援策を講じること。
⑤地域のスポーツ活動の拠点である学校開放施設を増やし、用器具の充実、シャワ
ーや夜間照明の整備、スポーツ指導員の配置など、その充実を図るための対策を
講じること。
⑥障がい者の利用できる多機能型スポーツ施設の増設とバリアフリー化、障がい者に配慮した設備や指導者・ガイド・介添え者の配置について支援策を講じること。
【地域産業の活性化】
⑦年間課税売上げ1000万円以下の中小零細の小規模事業者は、消費税納税が免
除されていましたが、2023年10月から本格実施されるインボイス制度(適
格請求書等保存方式)の導入によって、課税事業者に登録してインボイスを発行
できないと取引きに参加できなく事態が発生することから、日本商工会議所等も
実施の凍結を求めており、本市においても、国に中止を求めること。
⑧シルバー人材センターで働く会員は、センターから業務を委託されている個人事
業主であり免税事業者であるが、インボイス制度の導入によって、課税事業者と
して登録することになれば、わずかな報酬の中から消費税分を納入することにな
り「弱い者いじめ」に他なりません。市として、シルバー会員の報酬が減少しな
いように、「センター」への支援策を講じること。
⑨政府がインボイス制度を導入した口実は「仕入れの税率が複数になったので、正
確な控除額の計算のためにインボイスが必要」という理由からです。従って、複
数税率を解消すれば、インボイス制度を導入する根拠は無くなり、またコロナ禍
の下での消費不況の打開にもつながることから、市として、国に対し消費税率を
5%に戻すように求めること。
⑩自治体が発注する公共事業等に従事する労働者に公正な賃金、労働条件を保障す
るために「公契約条例」を制定すること。
⑪経済波及効果が高く、本市の緊急経済対策にもつながる「住宅リフォーム事業」
を拡充し実施すること。
⑫新型コロナの収束が見通せない中で、国の補正予算を活用して、国や県の支援制
度ではカバーできない部分に対して、中小企業や個人事業主等の事業継続を支援
するため、本市独自の「持続化給付金」「雇用維持支援金」「事業継続支援金」
「家賃支援金」を給付すること。尚、コロナ関連の給付金等は、非課税の措置を
講じること。
⑬新型コロナ対応の緊急借り入れで積みあがった中小企業等の債務を解決するため
に、コロナ対応借入分を軽減・免除する仕組みをつくること。
⑭中小企業経営の発展にとって採用と人材育成は重要な課題であることから、中小
企業が合同で行なう求人活動や社員教育活動への支援を強め、中小企業に就職し
た若者の奨学金返済を助けている中小企業への補助を行なうこと。
【中心市街地の活性化】
⑮商店街・小売店を「地域の共有財産」として位置づけ、「空き店舗の借上げ」、
改装費などへの補助及び商店リフォーム助成を行ない、商店街・小売店の振興に
取組むこと。
【農林水産業の振興】
⑯宅地並み課税の負担軽減と都市型農業を守り充実を図るために、生産緑地制度を
導入し、農業後継者育成のための支援策を強化すること。
⑰農漁業者の大半は免税事業者であることから、農林水産業を守る立場からも、国
に対してインボイス制度の中止を求めること。
第六次総合計画の「第4の基本目標」では、高齢者福祉の充実等が謳われているが、「2025年問題」が迫っているにもかかわらず、国は消費税増税を強行する一方、医療・介護の負担増と給付削減をすすめているので、高齢者や障がい者と、
国保世帯や生活保護世帯等の命と暮らしを守る立場から、以下の点を要請する。
【高齢化対策の推進】
①敬老パスを無料に戻し、公共交通の利用促進を図ること。
②基金を活用して、介護保険料の引下げと減免制度の拡充を図ること。
③特養ホームの待機者解消を図るための増設を推進すると共に、低所得者の介護施
設入所を支援すること。
④入浴料を有料化してから利用者が大幅に減少している高齢者福祉センターの入浴
料を無料に戻して利用者を増やすこと。また無料で浴室を利用できる対象者の
要件を拡充すること。
⑤認知症予防にもつながる加齢性難聴者への補聴器購入助成制度を創設すること。
⑥対象者全員に障害者控除対象者認定書を交付し、税と介護保険料の負担軽減を図
ること。
⑦2022年10月に予定されている後期高齢者の医療負担を現行の1割から2割
に倍加する方針を中止するよう国に求めること。
⑧介護保険の補足給付制度の改悪によって、施設利用者やショートスティ利用者の
食費負担が、本年8月から大幅に増え、低所得者に深刻な影響を受けていること
から、国に対して改悪の中止を求めること。
【地域共生社会の実現】
⑨民生委員の役割は益々重要になっていることから、民生委員の過重負担の解消や
守秘義務等に関する研修などを強化すること。
⑩障害者手帳をもつ全ての方が「移動支援」を利用できるようにすること。
⑪視覚障がい者の方の災害時のラジオの重要性を鑑みて、日用生活支援用具給付事
業での対応や鹿児島市防災ラジオの抽選に視覚障がい者の方の優先枠をつくるこ
と。
⑫県は国保の「財政運営の責任主体」として、貯め込んでいる基金を、市町村が県
に納める「国保事業納付金」を引下げるために活用するように県に要請すること。
⑬国保税の引下げと減免制度の拡充、手遅れで死亡する市民を無くすためにも、
資格証明書の発行を廃止し、無保険の市民を無くすこと。
⑭2022年度から国が実施する国保加入世帯の子どもの均等割の免除は、未就学
児に限定していることから、本市独自に18歳未満の児童への拡充を図ること。
⑮コロナ禍の下での国保税減免や傷病手当金の周知を徹底して利用促進を図るとと
もに、国の補正予算等を活用して減免制度や傷病手当金の対象外となる被保険者
を救済する措置を講じること。
⑯国連も日本政府に勧告している「最低保障年金制度」の創設について、本市も同
制度の創設を国に求めること。また物価が上がっても、年金の実質価値(消費購
買力)を減らし続ける仕組みである「マクロ経済スライド」の廃止を国に求める
こと。
⑰猛暑時の生活困窮者に対する電気代補助制度の新設と共に、市独自の法外扶助で
あった夏季見舞金を復活させ、「貧困ゼロ」の施策の促進を図ること。
⑱生活保護業務を担当する本市のケースワーカーは、社会福祉法第16条で定めた
1人あたり80世帯という標準数を超えていることから増員を行なうと共に、社
会福祉主事、社会福祉士、精神保健福祉士の資格を要する職員を更に増やすこと。
⑲灯油価格高騰の影響から生活保護世帯の命と暮らしを守るために、厚労省通知で
は、地方公共団体が実施する灯油購入費助成の生活保護法上の取扱いは、「収入
認定しない」ことから、市独自の補助制度を緊急に実施すること。
⑳通院移送費は、週単位による早い支給を求めると共に、県外の親族の葬儀に参列
する場合などの移送費は、出発前に概算支給し、帰鹿してから清算するなどの、
負担軽減の措置を講じること。
【健康・医療の充実】
㉑新たな変異株であるオミクロン株が県外から持ち込まれないように空港、港湾、
駅頭でのPCR等検査体制の強化を図ると共に、PCR検査の際、オミクロン株を確
認するためのゲノム解析の全数検査を実施すること。
㉒国の補正予算で、「検査促進枠」として3200億円が創設されたことから、県
と連携して「健康上の理由等によりワクチン接種を受けられない者が、経済社会
活動を行なう際の検査を予約不要、無料で受けられるための支援」と「ワクチン
接種者を含め感染の不安がある無症状者に対し、検査を無料で行なう支援」を
早急に具体化し、感染拡大の有無にかかわらず実施に踏み出すこと。
㉓市立病院では、感染症対策病床を増床すると共に、医師・看護師の増員による体
制強化を図ること。
㉔新型コロナワクチンの安全性と副反応に関する市民への情報提供を強化すると共
に、ワクチン接種を希望する人が、3回目の接種を受けられるように、安定的な
供給を確保すること。
【生活の安全性の向上】
㉕「地方消費者行政推進交付金」や「地方消費者行政強化交付金」等を活用して、
専門性を高めるための消費生活相談員の体制強化と処遇の改善、消費者行政の拡
充を図ること。
㉖国道226号喜入瀬々串線の沿道の南側部分は、歩道がなく児童や高齢者が危険
な状態で通行している、過去5年間で19件の交通事故が発生している。北側の
歩道整備は2021年度で完了したが、南側の歩道整備事業も継続されるように、
市として国に働きかけること。
㉗生活空間内での交通量と速度を抑制し、歩行空間を確保するために、相互補完す
る関係にある「ゾーン30」と「生活道路対策エリア」が一致していない場所が
ないかを点検すると共に、学童の通学路や園児等の移動経路を経年的に調査して、
安全対策を講じること。
【命を守る危機管理・防災力の向上】
㉘職員を増員して指定避難所を増やし、コロナ禍の下で安心して避難できる体制をつく
ること。
㉙ハザードマップの整備と活用、避難ビルの拡大、液状化対策を推進すること。
㉚本市を川内原発事故の際のUPZ圏内に入れるように知事に要請し、市内全域を対象
にした実効性のある避難計画を策定し、避難訓練を実施すること。
㉛希望者全員への安定ヨウ素剤の事前配布を行うこと。
㉜静岡県熱海市の土石流災害の教訓を踏まえて「鹿児島市開発行為、建築等における
災害の防止に関する条例」を許可制にすると共に、監視体制及び罰則の強化を図るこ
と。
㉝流域治水協議会には、地域住民の代表も参加できるようにするとともに、県の河
川計画の現状をふまえて変更するよう要請すること。
第六次総合計画の「第5の基本目標」では、少子化対策・子育て支援等に関する諸施策が謳われているが、少子化に歯止めがかかっているとは言えない状況が続いているので、以下の点を要請する。
【少子化対策・子育て支援の推進】
①子育て世帯への特別臨時給付事業の対象外となる児童についても、国の補正予算
等も活用して救済措置を講じること。
②保育所等の「待機児童ゼロ」を達成すること。
③賃金の上昇が11年で頭打ちとなる国の基準を見直し、経験年数に応じて賃金が
上昇するように保育士の抜本的な処遇改善を図ること。
④現在の幼児教育・保育の無償化は、対象が3歳~5歳、住民税非課税世帯の0歳
~2歳に限られていることから、給食費が実費徴収になり、保育施設の事務負担
が増し、新たな負担増となった保護者もいます。国に対して、保育の無償化の対
象拡大を求めると共に、保護者の負担増とならないように、市独自に給食費も含
む無償化に取組むこと。
⑤児童クラブの「待機児童ゼロ」を達成すること。
⑥コロナ禍のもと時差登校などの緊急の事態に備えられるよう、また保育の質の向
上のためにも運用形態を見直し、正規職員の配置や支援員の事務作業の時間補償
等を改善し、雇用の安定を図り、支援員不足を解消すること。
⑦保育施設や児童クラブの新型コロナ感染対策やPCR等検査の費用は国や自治体の
責任で負担すること。なお保育施設では、休園の場合も国からの運営費は減額さ
れていないことから、休園を理由に、保育士の賃金削減が行なわれないように指
導・監督を行なうこと。
⑧子育て支援センターの存続と充実を図ること。
【子どもの健やかな成長への支援】
⑨「ひとり親家庭医療費」「重度心身障害者等医療費」の対象者全ての窓口負担の
無料化を県に求めると同時に、市独自に「現物給付」を実施すること。
⑩こども医療費の窓口負担など3つの立て替え払い(子ども医療費、認可外保育施
設の保育料、就学援助の給食費)を解消すること。尚、こども医療費助成の対象
については、「高校卒業」まで拡充し、窓口無料化を実施すること。
⑪本市でも児童虐待の相談や対応事例が増えている中で、家庭で訪問をして弁当を
配布し、子育ての負担軽減を図ると共に、児童を見守る鹿児島市子ども宅食見守
り事業の継続を国に要望すると共に、事業主体の対象拡大や配布する家庭をもっ
と増やすこと。
【学校教育の充実】
⑫少人数学級の推進と過大規模校の解消を図ること。
⑬学校の統廃合計画の推進は中止し、小規模校の充実を図るとともに、児童減少地
域の児童数を増やす対策を講じること。
⑭教職員を増やし、長時間労働の教職員の勤務条件の改善を図ること。
⑮特別支援学級の教室・教員不足の解消を図ること。
⑯1校に1人のICT支援員を配置し、教員の負担軽減を図ること。
⑰学校教育の一環である自校方式の学校給食に民間委託の導入を中止すること。
⑱市独自の給付型奨学金制度を創設すること。
⑲卒業後の市内就職者への奨学金返還支援制度を創設すること。
【生涯学習の充実】
⑳公共施設のバリアフリー化と、磁気ループやWi-Fi設備の整備を行なうこと。
第六次総合計画の「第6の基本目標」では、今後の少子化・人口減少等を理由に
市営住宅や市営バスなどの公共サービスを削減する方針が打ち出されているが、これらの方針は、地域のコミュニティ形成に大きな影響を与えることから、以下の
点を要請する。
【機能性の高い都市空間の形成】
①吉野第二地区土地区画整理事業では、吉野地区土地区画事業では設定されなかっ
た「保留地」が設定されている。同地域では、市民の地域住民の負担に差がある
ことは不公平感につながるため、「保留地」を無くすこと。また保留地で補おう
としている財源については、県の県道整備補助金を元の10%に戻して確保する
よう県と協議すること。
【暮らしやすい生活基盤の構築】
②住民の利便性向上につながる生活道路整備事業は、地域住民や地権者の協力が
不可欠であるが、市道拡幅のために土地を提供する際の1㎡あたりの価格が長年
に亘り改定されておらず、地価公示法にもとづいて適正な価格とは言えないこと
から、抜本的な見直しを行い、住民の協力が得られるようにすること。
③「住宅は福祉」の理念に基づき1215戸の市営住宅の廃止計画を中止すると
ともに、市営住宅の居住環境の改善や生活向上を図ること。
【市民活動を支える交通環境の充実】
④公共交通不便地域の基準や対象の拡充を図り、交通弱者の交通権を守ること。
⑤交通局の市営バス路線のこれ以上の民間移譲はしないこと。また2022年4月か
らの市営バスの減便や2023年度に予定している運賃引上げはしないこと。
⑥官民一体となって、路線バスを守り充実を図るための対策を講じること。
⑦公共交通を守るために、住民の共助による地域主体の運営に対する支援ではなく
民間に移譲された路線を利用する市民の交通権を保障するために、民間バスの不
採算路線への支援を行なうこと。
⑧桜島地域の人口減少をくい止めるために、住民から要望が出されている桜島地域
住民に対する桜島フェリー自動車航送運賃の負担軽減を図ること。
⑨明和・永吉団地の民間小型バスの撤退に対して、本市は乗合タクシーによる代替
策を講じて頂きましたが、同地域は長年、小型バスに慣れ親しんできており、
その用途は高齢者の買物や通院だけでなく通勤や通学など幅広いことから小型バ
スによる代替策に変更すること。
以 上