◆(園山えり議員) 日本共産党を代表して質疑を行います。
 割愛する項目があることと、質疑の展開上、重複する部分があることをあらかじめ申し上げておきます。
 冒頭、ロシアのウクライナへの軍事侵略に対して、幼い子供たちを含む多くの市民が犠牲になっており、心から哀悼の意を表するとともに、何より平和外交での解決に力を注ぐべきであり、私ども日本共産党もこの侵略と核による威嚇に断固反対するものです。
 岸田政権は、6兆円を超える過去最高の軍事費を国会で可決し、馬毛島への基地建設や、鹿屋への米軍無人機の配備など、軍拡の道に進んでいます。私どもは軍事費優先ではなく、憲法9条を守り、新型コロナウイルス感染症の感染拡大から命と暮らしが最優先にされる政治の転換を求める決意を述べまして、質問に入ります。
 初めに、危機管理行政について伺います。
 県の専門委員会に新設された、川内原発の運転期間延長の検証に関する分科会について伺います。
 1点目、分科会ができた経緯。
 2点目、委員構成についての経緯と今回の対応。
 3点目、特別委員に選ばれた学識経験者の分科会における発言内容。
 4点目、分科会を傍聴している本市は、分科会の内容を市民に情報提供するべきではないかと考えますが、当局の見解をお示しください。
 5点目、川内原発について塩田知事は原子力専門委員会に原発に批判的な学識経験者を複数入れるとしていました。市長は30キロ圏内の首長としても議論の公平性を担保するために、原発に批判的な学識経験者を追加するよう知事に求めるべきではないでしょうか。市長の見解をお示しください。
 次に、昨年2月、新型コロナの感染拡大を理由に延期ではなく中止になったため、2年ぶりの開催となった原子力防災訓練について伺います。
 1点目、訓練の目的と本市での訓練内容。
 2点目、コロナ禍の下で最も重視した点。
 3点目、新型コロナのクラスターの要因となる換気が悪い、人が密に集まって過ごすような空間、不特定多数の人が接触するおそれが高い場所を避けて逃げることは可能か。コロナ禍の下で適切な避難とはどうあるべきか見解をお示しください。
 次に、防災ラジオの普及について伺います。
 1点目、新年度の取組内容。
 2点目、障害のある方など防災ラジオの優先枠を求める要望に対する本市の対応。
 3点目、期待する効果。
 4点目、周知や手続の特徴及び今後のスケジュールをお示しください。
 次に、日米地位協定の下での危機管理の対応について伺います。
 1点目、自らが憲法違反と認めてきたにもかかわらず、敵基地攻撃能力の保有を検討している政府が馬毛島への基地建設や鹿屋航空基地への米軍無人機(MQ9)配備に強引に踏み出しています。このまま米軍基地化すれば、本市にも深刻な影響が出ないかという市民の懸念に対する市長の見解をお示しください。
 次に、県内における米軍機と思われる低空飛行等について、1点目、県内の確認件数と本市上空での確認状況や落下物の報告の有無を平成28年度から5年間でお示しください。
 2点目、米軍機は航空法に基づいた運航となっているのかお示しください。
 3点目、全国知事会や鹿児島県議会の意見書等の内容をお示しください。
 4点目、日米地位協定を抜本的に見直すことについての市長の見解をお示しください。
 次に、本市上空に米軍のアルトラブ(空域の一時的留保)が常設されている可能性について伺います。
 地域住民の方から、「民間機ではない軍用機のような機体が飛んでいる」という声を頻繁に聞くようになりました。私も度々目撃しているのですが、独特の異様な低い不気味な音がすること、民間機と比較して高度がかなり低いこと、航空法で禁止されている2機あるいは3機での編隊飛行をしていることなどの特徴があります。
 このパネルを御覧ください。
 これは、2月24日午後5時15分に唐湊3丁目の上空を飛来する米軍機と思われる機体を撮影したものです。岩国基地周辺で米軍機の低空飛行等の監視活動をしておられる方に確認しますと、この機体はKC130空中給油機と思われ、機体番号から岩国基地所属の機体であることも分かりました。KC130はもともと沖縄の普天間基地の所属で、沖縄の負担軽減という目的で岩国へ移転されており、オスプレイや戦闘機への空中給油が大きな役割となっています。空中給油機からオスプレイが給油を受けようとする際、衝突し、墜落事故も各地で起きていることからも本市の上空にこのような危険な米軍機の飛行を許していいものか、一刻も早く中止するよう求める立場から伺います。
 1点目、米軍のアルトラブとは何かお示しください。
 2点目、飛行追跡サービスフライトレーダー24を見てみると、山口県の岩国基地と沖縄の米軍基地を飛行するルート上に本市があり、本市上空での米軍機の飛来の常態化がうかがえます。当局は把握しておられるのか認識をお示しください。
 3点目、アルトラブが本市上空に設定され、そこを米軍が日常的に飛来しているのではないかと考えることから、国土交通省にただしていただきたいと考えますが、本市の見解をお示しください。
 4点目、米軍機の飛行状況を把握する他都市の取組をお示しください。
 5点目、本市として住民に積極的な情報提供を呼びかけることや飛行ルート、飛行時間等の情報公開を国を通じて米軍に求めるなど、独自に実態把握に努めるべきと考えますが、見解をお示しください。
 6点目、学校や病院があり、ドクターヘリも飛行する60万市民の市街地上空を、最低安全高度の遵守や編隊飛行の禁止などが適用除外された空中給油機等の米軍機が飛来している可能性があることは極めて危険であり、子供たちの頭上でこのような危険がまかり通っていいものでしょうか。課題認識をお示しください。
 最後に、本市の市街地上空を飛ばないことを県や国を通じて米軍に求めるべきと考えますが、市長の見解をお示しください。
 新しい質問に入ります。
 人権課題の取組について伺います。
 1月に開始された本市のパートナーシップ宣誓制度について伺います。
 1月4日の受付初日には2組のカップルが宣誓され、現在9組のカップルが宣誓されており、当事者の方々から待たれていたことを実感しています。
 まず、宣誓がスタートした1月4日の取組内容をお示しください。
 次に、2月1日から始まりました都市間相互利用について、私も指宿市などとも連携していただきたいと求めてきたことから、この取組を評価する立場で伺います。
 1点目、都市間相互利用の内容。
 2点目、さらなる都市間相互利用に対する当局の見解をお示しください。
 3点目、人権など一人一人の個性と能力を発揮できる地域社会づくりの推進を掲げる市長の現在の宣誓状況の受け止めと、さらなる理解促進の取組についての決意をお示しください。
 次に、私も生理の貧困の解消を求めてまいりましたが、新年度の支援事業として女性のつながりサポート事業が提案されていますので、以下伺います。
 1点目の事業内容は、さきの質疑で明らかになりましたので割愛いたします。
 2点目、生理用品の提供についての県の新規事業の内容をお示しください。
 3点目、生理用品の提供について学校との連携はどのようにするものかお示しください。
 4点目、教育委員会の受け止めをお示しください。
 次に、DV被害者の市営住宅への目的外入居の要件緩和について伺います。
 コロナ禍での女性のDV被害は深刻であり、市営住宅に入居できないものか相談した際に、目的外入居の要件に合わず断念するケースもあり、要件緩和を求めてきた立場から伺います。
 まず、令和4年1月25日付で出された入居要件緩和の通知内容と通知が出された経緯をお示しください。
 次に、これまでの本市の取組について伺います。
 1点目、DV被害者が入居できるための要件。
 2点目、過去5年間のDV被害者の入居の実績。
 3点目、今回の要件緩和の効果をお示しください。
 次に、今後どのように取り組まれていくものかお示しください。
 新しい質問に入ります。
 国保行政について伺います。
 まず、コロナ禍の下での国保行政について、1点目、直近の国保税減免及び傷病手当金の実績と周知の取組内容。
 2点目、令和4年度に向けた国の方針と本市の対応をお示しください。
 次に、本市の4年度の国保税率について伺います。
 1点目、県が示した本算定の本市の標準保険料率と現行税率との比較を給与所得200万円、夫婦、43歳、40歳、子2人の4人世帯のモデルケースでお示しください。
 次に、本市の国保事業費納付金について伺います。
 1点目、県の本算定に基づく4年度の納付金額と前年度との増減及びその要因。
 2点目、同納付金の財源内訳。
 3点目、納付金引下げのための基金活用に対する県の対応と本市の見解をお示しください。
 次に、税率を改定せず据え置いた理由と市民要望の受け止めをお示しください。
 次に、第113号議案 鹿児島市国民健康保険税条例一部改正の件について伺います。
 まず、条例改正の内容と目的及び期待される効果についてお示しください。
 次は、均等割額の減額の対象と影響について伺います。
 1点目、対象となる被保険者数と割合。
 2点目、対象者に係る均等割額の総額及び改正後の総額。
 3点目、被保険者1人当たりの負担軽減額をお示しください。
 次に、さらなる均等割の減額の拡充について伺います。
 1点目、自治体独自の拡充に対する国の考え。
 2点目、減額基準及び年齢要件の拡充の検討を求めるものですが、見解をお示しください。
 以上、1回目の質問といたします。
   [市長 下鶴隆央君 登壇]

◎市長(下鶴隆央君) 園山えり議員にお答えいたします。
 分科会の委員については、知事が委員追加の申入れ等があったことを踏まえ、検証に必要な専門分野における近年の研究活動等の状況や関係学会、国及び他県の原子力関係委員会における発言内容等も含めて改めて検討したが、新たに追加すべき方はおられなかったと表明されており、県としての検討を経て判断されたものと考えております。
 馬毛島への自衛隊施設整備等につきましては、我が国の安全保障に関わる重要な案件であると認識しております。詳細は示されていないことから本市への影響は明らかでないところですが、私といたしましては、引き続き、国の責任において地元自治体及び周辺住民への説明や必要な情報提供を行うなど適切に対応していただきたいと考えております。
 また、米軍機の飛行に係る日米地位協定の見直しや米軍への要請につきましては、これまで全国知事会等において国に対し改善を求める意見書等が提出されておりますことから、国においてこれらを踏まえ適切に対応されるものと考えております。
 パートナーシップ宣誓制度につきましては、1月の開始以降、9組の方が宣誓され、喜びの声をいただいていることなどから、順調にスタートしたものと受け止めております。今後とも性的少数者の人権をはじめ、様々な人権課題について、あらゆる場や機会を通じた教育・啓発を推進し、第六次総合計画に掲げる誰もが個性と能力を発揮できるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。

◎総務局長(枝元昌一郎君) お答えいたします。
 米軍機の低空飛行に関しては、日米地位協定により航空法の適用除外とされております。
 また、お触れの意見書等では、「飛行訓練など基地以外での米軍の演習・訓練を必要最小限とすること、訓練ルートなどを速やかかつ詳細に情報提供し、地域住民の不安を払拭するよう十分な配慮を行うこと」などが記載されております。
 以上でございます。

◎危機管理局長(尾ノ上優二君) お答えいたします。
 分科会設置の経緯につきましては、県によりますと、川内原発の運転期間延長申請は九州電力が特別点検の結果等を踏まえて判断されるものと認識しているが、今後の国への延長申請を見据え、運転延長に関する科学的・技術的な検証を集中的かつ効果的に進めるため分科会を設置したとのことでございます。
 委員の構成については、県によりますと、令和3年12月23日に開催した専門委員会において原子力政策に批判的な方を含めた検証に必要な専門分野の学識経験者4名を同委員会の特別委員として新たに委嘱するとともに、同委員会の委員及び特別委員の計6名で構成する分科会を設けたところである。また、分科会委員については、委員追加の申入れ等があったことを踏まえ改めて検討したが、新たに追加すべき方はいなかったところである。一方、令和4年1月20日の第1回分科会において、専門委員会の中から専門性にとらわれることなく委員を追加することについて提案があったことを踏まえ、幅広い観点から積極的に意見を述べておられる佐藤 暁委員に2月18日に分科会委員をお願いしたところであるとのことでございます。
 県においては現時点で分科会での発言内容は公表しておりませんが、報道によりますと、「原発は個々で劣化状況が違う、こういう点検でもって一様な検査でよいのかという不安がある」という意見や「古くなったプラントを見るわけだから新設とは違う、どこかが劣化している可能性を持っているのが前提」などの意見が出されたようでございます。
 分科会の内容につきましては、設置をされた県において情報提供されるものと考えております。
 次に、原子力防災訓練につきましては、本市地域防災計画に基づき、関係機関との連携強化や地域住民の防災意識の向上を図ることを目的として実施するものでございます。今年度の訓練につきましては、県より新型コロナウイルスの感染再拡大の現状を踏まえ、住民及び県外機関の参加はなしとの方針が示されたため、本市におきましても市職員及び関係機関による現地災害対策本部訓練や避難用バスによる避難手順の確認、避難待機時検査場所での行動確認などを実施したところでございます。
 今回の訓練では内閣府作成の新型コロナウイルス感染拡大を踏まえた感染症の流行下での原子力災害時における防護措置の実施ガイドラインの内容を踏まえ、防災業務関係者の感染症対策としてマスク着用を徹底し、消毒液を配置したほか、避難用バスは2席1人の想定で運行するなど、実態に即した住民避難の手順等を確認したところでございます。
 コロナ禍における避難につきましては、避難過程での感染拡大を防ぐことが肝要であり、避難の前に検温等の健康確認を実施することやマスクの着用、手指消毒、一定の距離を保つことなど基本的な感染対策を徹底することが大切であると考えております。
 次に、防災ラジオにつきましては、令和4年度は、市民190台、事業所等10台の合計200台を有償提供することとしております。
 応募者数が提供台数を超え抽選となった場合は、災害時に避難の手助けが必要な要介護者や重度の障害者など、避難行動要支援者に対し優先提供を行う予定としております。
 次に、その効果としましては、防災ラジオにより防災行政無線等の情報伝達手段が補完され、避難情報等が迅速かつ確実に伝達されることから、避難行動の促進に寄与するものと考えております。
 周知につきましては、市民のひろばや市ホームページへの掲載、本庁、支所等におけるポスターの掲示並びにチラシの配布などを行い、優先提供を希望される方は、申込みの際、身体障害者手帳等の写しを提出していただくこととしております。また、今後のスケジュールにつきましては、5月から受付を開始し、8月に有償提供する予定としております。
 次に、県によりますと、米軍機の可能性がある低空飛行の件数は、平成28年度から令和2年度まで順に申し上げますと、56、69、75、82、128件、そのうち本市上空に係る分は11、6、3、10、16件で、落下物についての報告はないとのことでございます。
 県によりますと、アルトラブとは、一定の航空機の使用のために一時的に設定した一定の空域に一定時間、他の航空機が飛行しないようにする管制業務上の措置で、継続的なものではなく、時間の経過により終了するものとするとされているとのことでございます。
 次に、フライトレーダー24による米軍機の飛来状況については、把握をしていないところでございます。
 本市上空におけるアルトラブの設定につきましては、県によりますと、本県上空における米軍のアルトラブの有無について国土交通省に確認したところ、米軍の運用に関することであり、お答えできないとのことであったとのことでございます。
 他都市の取組としましては、島根県の浜田市、益田市など5つの市町が住民からの苦情や目撃情報を取りまとめ県へ報告しているほか、騒音測定器によるデータ収集等を行っているとのことでございます。
 低空飛行等に関する情報につきましては、県民の安心安全の確保を図る観点から県が関係機関に飛行の有無等を確認することとされており、本市に情報が寄せられた場合には、その都度、県に連絡をしているところでございます。
 今後もこれらの対応を行うとともに、市民に対し情報提供の呼びかけに努めてまいりたいと考えております。
 米軍機の低空飛行に関しましては、航空法の適用除外とされておりますが、鹿児島県議会の意見書等にありますとおり、訓練に当たり地域住民の不安を払拭するよう十分な配慮を行うことなどは必要であると考えております。
 以上でございます。

◎市民局長(上四元剛君) お答えいたします。
 パートナーシップ宣誓制度についてでございますが、本制度のスタートに合わせた取組としましては、民間事業者と連携して商業施設をライトアップしたほか、書店にLGBT関連書籍の特設コーナーを設置したところでございます。
 都市間相互利用につきましては、宣誓者が協定を締結している自治体間で移動する場合、所定の手続を行うことで転出先でもパートナーシップ宣誓書受領証の継続使用や行政サービスの利用等が可能となるもので、本市は2月1日に福岡、北九州、熊本、指宿の4市と協定を締結しております。
 その他の自治体との協定については、制度利用者の移動時の負担軽減の観点から今後も検討してまいりたいと考えております。
 次に、女性のつながりサポート事業についてお答えします。
 県の事業は、県の相談機関等において経済的な理由などにより生理用品の購入が困難な女性に生理用品を提供するほか、同様の取組を実施していない市町村に対し支援を行うようでございます。
 本事業の実施におきましては、生理用品の入手が困難な児童生徒への支援につながるよう生理用品の提供窓口などの周知について教育委員会等と連携してまいりたいと考えております。
 次に、国保行政についてお答えします。
 令和4年1月末現在における新型コロナウイルス感染症の影響による国保税の減免実績は、207世帯、3,692万400円で、傷病手当金は、23件、67万4,886円となっております。制度の周知については、市ホームページ、広報紙等への掲載のほか、関係部局と連携し、チラシの配置やポスターの掲示等を行っているところでございます。
 令和4年度における傷病手当金については、国から対象期間を延長する旨の通知があったことから、3年度と同様に対応してまいりますが、国保税の減免については現時点で国からの通知がないことから、国の動向を注視しながら適切に対応してまいりたいと考えております。
 国保税額について、給与所得200万円で40歳代夫婦子2人の4人世帯の場合で試算いたしますと、本算定による標準保険料率では39万1千円、現行税率では33万2,300円でございます。
 4年度の本算定による国保事業費納付金は約160億1千万円で、前年度と比べ約1億1千万円の増となったところであり、その要因といたしましては、1人当たり医療費の増加や激変緩和措置が変更されたことなどによるものでございます。
 国保事業費納付金の財源につきましては、国保税約89億5千万円、国・県支出金約9億4千万円、繰入金約60億5千万円などでございます。
 県の国保財政安定化基金につきましては、4年度における県全体の国保事業費納付金が前年度より約2億2千万円減少したことから活用していないとのことでございます。本市におきましては、4年度の納付金額が3年度より増加したことから、県国保運営連携会議において基金活用による引下げを県に求めたところでございます。
 4年度の国保税率については、本市国保の厳しい財政状況の中で県から示される標準保険料率等を参考に各面から検討してまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている社会情勢等を考慮し、据え置くこととしたところでございます。なお、お触れの市民要望については被保険者の方々の率直なお気持ちとして受け止めたところでございます。
 今回の条例改正は国保税の未就学児に係る均等割額の5割を減額するもので、子育て世帯の負担軽減が図られるものと考えております。
 減額対象となる被保険者数は、3年12月末時点で2,957人、被保険者総数に占める割合は2.5%でございます。
 減額対象となる均等割総額は3年12月末時点で約5,472万円、改正後の均等割総額は試算しますと約2,736万円となり、1人当たりの負担軽減額は9,251円となるようでございます。
 減額対象を自治体独自に拡充することについて国から特段の考えは示されておりませんが、国及び都道府県の公費負担の対象とはされていないところでございます。
 本市独自で制度を拡充することにつきましては本市国保の厳しい財政状況などから考えておりませんが、子育て世帯の負担をさらに軽減するために対象年齢の拡大等について全国市長会を通じて国に要望しているところでございます。
 以上でございます。

◎建設局長(福留章二君) お答えいたします。
 DV被害者の公営住宅への目的外入居に係る国の通知の内容は、市町村の配偶者暴力相談支援担当部署や行政機関等と連携している民間支援団体において配偶者暴力被害の申出が確認されている方を入居を認めるDV被害者として対象に加えるもので、コロナウイルス感染症に伴う生活不安の増加等によりDV相談件数が増加しており、配偶者からの暴力の増加や深刻化が懸念されていることから発出されたものでございます。
 これまでの市営住宅への目的外使用による入居については、関係法令や国の通知に基づき県女性相談センター等により保護された方や配偶者暴力防止法に基づく保護命令の申立てが認められた方を対象としており、平成28年度以降のDV被害者に対する目的外使用許可の件数は令和元年度の1件でございます。
 今回の国の通知を受け、本市の配偶者暴力相談支援センター等による配偶者暴力被害の申出の確認のみでDV被害者として対応することが可能となったため、従来よりも速やかに入居ができるようになるものと考えております。
 今後とも関係部局等と連携してDV被害者の居住の安定に取り組んでまいります。
 以上でございます。

◎教育長(杉元羊一君) お答えいたします。
 女性のつながりサポート事業に関連し、関係部局から依頼があった際は生理用品の提供窓口の周知を行うなど、連携を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) それぞれ御答弁いただきました。
 原発については、ロシア軍がウクライナのチェルノブイリ原発を占拠したという報道を聞き、原発が戦争やテロなどの標的になり、その危険性を改めて認識いたしました。分科会の委員については、事業者に対してもどのような立場で物を言うのかが大事だと考えますので、議論の公平性が担保できるよう、県に対して批判的な学識経験者を入れるよう引き続き検討することを求めることを要請いたします。
 避難訓練については、避難用バスには2席に1人の想定で運行するとのことでした。発熱など感染症が疑われる場合、具体的な対策はどうするのか関係部局としっかり連携を取り合い、徹底されるよう要請いたしますが、感染症の流行の下で今年は住民不参加での避難訓練であり、住民参加の避難訓練は3年間行われないことになります。感染症流行の下では避難訓練すらできない原発は一刻も早くやめて廃炉にするしかないということは申し上げます。
 防災ラジオについては、障害のある方など災害時に本当に必要な方が利用できるよう障害者団体など広く周知を図るよう要請いたします。
 米軍機の飛行については、航空法から適用除外されているため、航空法で禁止されている低空飛行や編隊飛行が目撃されるなど危険な飛行を続けています。馬毛島が米軍基地化されれば、本市上空がさらなる訓練の場となることや、騒音の被害などの影響が出るのではないでしょうか。九州弁護士会連合会は、2017年に沖縄で起きた米軍ヘリの窓枠が小学校の校庭に落下した事故など、九州、沖縄で事故が相次いでいることに抗議し、日米地位協定の見直しや航空法の適用を求める決議を上げています。昨日の県議会でも塩田知事が航空法を米軍にも適用させるべきという考えを示しています。市長にも60万人が生活するこの上空を米軍機が飛行していることの危機感を持っていただくことを強く求めるものです。
 他都市の取組でお示しいただきました浜田市では情報収集員という仕組みをつくって飛行の実態把握に努めているようです。本市としても危機意識を持っていただき、情報を収集すること、また米軍に対して市街地上空を飛ばないよう毅然とした対応をしていただきますよう強く要請いたします。この問題は引き続き取り組んでまいります。
 パートナーシップ宣誓制度については、市長から順調にスタートしたという受け止めと決意をお示しいただきました。私も1月4日に当事者や支援者の皆さん、同僚議員と共に30人が集まり、東口広場でライトアップを見ながら制度のスタートを祝いました。宣誓された方が記者会見で、「異性としか結婚できないと苦しんでいる方に好きな人と一緒に過ごしていけるんだということを私たちを通じて知ってほしい」というお二人の言葉に勇気をもらった方もおられたのではないでしょうか。また、昨日の県議会では、本市などのパートナーシップ宣誓制度を導入している自治体の県営住宅では、パートナーシップ宣誓をした方を対象に入居を認めるという考え方も示され、県内の自治体の取組が県を動かしていることを実感したところです。
 女性のつながりサポート事業については、生理用品は自己責任ではなく、社会の責任で提供していく必要性が広がり、実現したものと認識しています。トイレットペーパーのように必要なものとして、学校のトイレでの生理用品の提供を改めて要請するものです。
 DV被害者の市営住宅の目的外入居については、28年以降、実績は僅か1件です。保護命令の申立てなどの要件が当事者にとって大変大きな負担になっているとこれまでも指摘しましたが、ようやく国の要件緩和が実現しましたので、DV被害者が速やかに入居できるよう関係部局との連携と周知徹底を図っていただくよう要請いたします。
 国保行政については、当局が国保税の引下げを求める市民要望を受け止め、4年度も国保税率を据え置いたことは評価いたしますが、県が基金をため込んでいるにもかかわらず、納付金を引き下げるために活用しなかったことは問題です。引き続き、県に対し基金の活用を強く要請していただくよう求めるものです。
 新しい質問に入ります。
 教育行政について、4月から提案されています学校事務補助員の会計年度任用職員への変更について伺います。
 まず、変更に至った経緯と学校や事務補助員の方への説明会などの経過をお示しください。
 次に、変更の内容について伺います。
 1点目、雇用の形態をお示しください。
 2点目、業務内容と課題になっていた業務をお示しください。
 次に、給与及び報酬について伺います。
 1点目、学校事務補助運営交付金が創設された経緯と総額の推移、1人当たりの金額の根拠。
 2点目、会計年度任用職員としての1人当たりの報酬と総額、類似の職種をお示しください。
 3点目、変更による課題は何かお示しください。
 次に、説明会等で事務補助員の方々から出された意見や要望、提出された署名の内容と数をお示しください。
 そして、これまで公金を取り扱い、本市の交付金から給与を支出されていた学校事務補助員が会計年度任用職員になるに当たって、給与の減額をはじめ、処遇が継続されないことは不利益変更ではないかと考えますが、見解をお示しください。
 次に、会計年度任用職員の不利益変更に係る考え方について伺います。
 1点目、国会での不利益変更をしないよう求める附帯決議と市議会での要望事項の内容及び今回のような変更についての総務省の見解をお示しください。
 2点目、過去の学校図書館司書が嘱託職員に変更された際の経過と変更内容。
 3点目、以上のことについての教育委員会の認識と見解をお示しください。
 最後に、事務補助員の方々の声を踏まえ不利益変更を是正し、理解と雇用の継続を得られるよう対応するべきと考えますが、見解をお示しください。
 次に、新年度予算では学校給食調理の業務委託を新たに2校増やすことが提案されましたが、私どもは直営での運営の継続を求める立場から、以下伺います。
 1点目、現在、業務委託をしている学校をお示しください。
 2点目、業務委託を現在の3校に加え2校増やす理由。
 3点目、業務委託のスケジュールをお示しください。
 次に、自校方式校の現状について、過去5年間の推移について伺います。
 1点目、学校数と全体に占めるその割合、児童生徒の食数。
 2点目、学校給食調理員の正規職員、会計年度任用職員、委託先の調理員のそれぞれの数をお示しください。
 3点目、57ある施設の1施設当たりの学校給食調理員の数をお示しください。
 次に、退職者が出ても補充は今後も行わず委託に置き換えていく方針なのかお示しください。
 また、これまで正規職員の学校給食調理員が果たしてきた役割と委託による課題の認識をお示しください。
 次に、これまで私どもは業務委託した場合、栄養教諭が委託業者の代表に対してのみ指示ができるが、ほかの調理員に対しては直接指示などができないこととなり、調理員に指示したとなれば偽装請負になるという問題点を指摘してまいりましたが、改めて偽装請負等の懸念について伺います。
 1点目、他都市で労働局の是正指導が入った事例に対する認識。
 2点目、業務委託前に労働局から偽装請負の懸念を指摘され委託をやめた事例に対する認識。
 3点目、災害時に果たす役割に対する認識をお示しください。
 最後に、学校給食法では、学校給食の充実、食育の推進を掲げている中でこれ以上の業務委託の拡大はやめるべきではないかと考えますが、委託に対する今後の考え方をお示しください。
 次に、コロナ禍の下、危機的状況となっている市民の交通権を守る取組について伺います。
 まず、市営バスの運行について伺います。
 1点目、鹿児島市交通事業経営計画の中でバス事業における令和3年度見直しの内容とパブリックコメントの主な内容と受け止めをお示しください。
 2点目、コロナ禍での減便は乗客が集中することにつながり、感染対策と相入れないのではないかと考えますが見解をお示しください。
 次に、市営バスから民間移譲したバス路線についてですが、市営バスの減便と併せて大幅な減便が発表されました。沿線住民の方々から、「こんなにも減便されるとは思わなかった」、「路線の廃止につながるのではないか」という不安の声が高まっています。路線バスの存続を求める立場で伺います。
 1点目、4月1日からの減便の内容と減便に至った経緯。
 2点目、3年間維持するとした基本協定において減便を認めることに至った根拠は何かお示しください。
 3点目、公共交通を守りたいと市民や町内会などの皆さんが努力しているにもかかわらず、減便や最終便の繰上げはさらなる利便性を失うことになり利用客の減少を招くのではないでしょうか、見解をお示しください。
 次に、本市の公共交通を守る対策について、1点目、今回の減便が市民に与える影響の認識。
 2点目、減便の対応を受けて本市はどのような対策を考えているものか。
 3点目、このまま事業者の自助努力だけで本市独自の対策を打たなければ多くの場所が公共交通不便地になっていくことを懸念しますが、当局の認識をお示しください。
 最後に、第六次総合計画において市民活動を支える交通環境の充実を掲げる市長として、市民の移動する権利を保障するために交通事業者の不採算路線への直接支援しかないのではないでしょうか。市長の見解をお示しください。
 以上、2回目の質問といたします。
   [市長 下鶴隆央君 登壇]

◎市長(下鶴隆央君) 私は、市民の移動手段の確保を図ることは重要な課題であり、厳しい状況下にある路線バス事業を維持するためには国や自治体が連携して支援していくことが肝要であると認識しております。本市といたしましては、今後も引き続き、国、県等と協調してバス運行に対する各種助成を行うとともに中核市市長会等を通じて国へ支援措置の充実について要望するなど取り組んでまいりたいと考えております。

◎企画財政局長(池田哲也君) お答えいたします。
 今回の路線バスのダイヤ改正は利用状況に即したものであり、利用者への影響が可能な限り小さくなるよう配慮されたものと伺っており、そのように認識しております。
 本市におきましては、新型コロナの影響により減少した公共交通の利用回復を図るため、令和4年度に交通事業者が行う利用喚起のための取組に対し支援するほか、関係団体等とも連携して広報ポスターによる啓発活動を行うこととしております。
 公共交通の維持については、現在策定中の第二次公共交通ビジョンにおいて、市民、交通事業者、行政等が一体となった公共交通の維持・活性化やMaaSをはじめとするICTを活用した利用しやすい公共交通の推進などを重点戦略に掲げており、今後、重要な課題として取り組んでいく必要があると考えております。
 以上でございます。

◎教育長(杉元羊一君) 任意団体の雇用である学校事務補助員につきましては、個人情報や公金を扱う事務等を行っていることや事故が発生した場合の責任の所在が明らかでないことなどの問題点がこれまでも指摘されておりました。また、市PTA連合会からも市による一括任用を以前から要請されていましたことから、対応について協議を重ね、会計年度任用職員として新たな職を設定することにいたしました。これを受けて令和3年10月に教育委員会と市PTA連合会が合同で校長と雇用主であるPTA会長を対象とした説明会を行い、11月に学校事務補助員の方々に説明していただくよう依頼し、その後、同補助員の方々から教育委員会の要望を受けて本年2月に説明する機会を設けたところでございます。
 学校校務支援員は市が任用する会計年度任用職員で、主たる業務内容は学校徴収金等に関する業務でございます。これまで任意団体の雇用である学校事務補助員が個人情報を扱う会計などの業務を行っていることは適切ではございませんでした。
 また、学校事務補助員は、戦後、主にPTA等の事務を行うため各学校のPTAが雇用しておりましたが、人件費を負担することが困難になったこととPTAの事務以外の学校の業務等も行っていたこともあり昭和39年度から交付金を交付しており、現在に至っております。51年度の交付金額は1人当たり年額90万円であり、56年度に交付要綱が改正され年額約120万円となり、現在では年額約210万円が交付されております。
 学校校務支援員の給与は、本市事務補助員と同等の月額12万7,200円となります。任用2年目以降の諸手当を含めた支給見込みの総額は年額約175万円となり、市はこれに加えて1人当たり約30万円の社会保険料等を負担することになります。
 市の交付額に加え、これまでPTAから上乗せがあった学校事務補助員の方が学校校務支援員に任用されますと給与が下がることになります。
 学校事務補助員のへの説明会においては現在の広範囲にわたる業務内容について理解を求める意見や旅費の支給等についての要望などが出されました。また、給与面での処遇に関する約8千筆の署名が市内外から集まったことを承知しております。
 このたびの見直しはPTA会長が雇用主であった学校事務補助運営事業を廃止し、会計年度任用職員として新たな職を設置するものでありますことから、いわゆる不利益変更に当たるものとは考えておりません。
 いわゆる不利益変更につきましては、国会の附帯決議では臨時的任用職員及び非常勤職員から会計年度任用職員への移行に当たっては、不利益が生じることなく適正な勤務条件の確保が行われるよう努めることとされており、市議会総務消防委員会での要望事項においては、会計年度任用職員等への移行に当たっては、不利益が生じることなく適正な勤務条件の確保が行われるよう十分配慮されたいとされております。また、総務省の通知では、臨時非常勤職員について制度の趣旨、勤務の内容に応じた任用、勤務条件を確保することとされております。
 次に、学校図書館司書が嘱託職員に変更されたことにつきましては、国が策定しました図書館図書整備計画において司書の配置が示されたことを受けて、平成23年4月から市の非常勤嘱託職員として学校図書館司書を任用しております。その際、PTAからの上乗せがあった方については給与が下がったケースもございます。
 繰り返しになりますが、教育委員会としましては、このたびの見直しはいわゆる不利益変更には当たらないものと考えております。
 一方、給与面につきましては、これまで上乗せをしていたPTAに対しまして市PTA連合会を通して経過措置を設定するなどの配慮をお願いしております。また、教育委員会としましても勤務条件等について関係部局と調整を進めているところでございます。
 次に、現在、給食業務を委託しております学校は、西伊敷小学校、桜島中学校、桜丘中学校の3校でございます。
 業務委託を2校増やすことにつきましては、これまでの委託校の実績や成果を踏まえ、民間業者のノウハウ等を活用し、安心安全な学校給食を提供しようとするものでございます。
 業務委託のスケジュールにつきましては、本年6月の業者募集告示、10月の企画提案説明会を経て委託業者を選定し、5年4月1日から委託を開始する予定でございます。
 自校方式校の学校数と全体に占めるその割合、児童生徒の食数を平成28年度から令和2年度まで順に申し上げますと、61、52.6、2万8,668、61、52.6、2万8,748、61、52.6、2万8,871、61、52.6、2万8,866、60校、52.2%、2万8,791食でございます。
 学校給食調理員につきましては、配置基準に基づく正規職員、会計年度任用職員、委託先の調理員の人数を平成28年度から令和2年度まで順に申し上げますと、152、40、3、148、44、3、143、49、3、140、50、5、138、53、5人でございます。
 自校方式1施設当たりの学校給食調理員の人数につきましては、過去5年間いずれも3.4人となっております。
 正規職員の退職に伴う給食調理業務につきましては、引き続き、会計年度任用職員の採用や業務委託など民間活力の活用により対応していくこととしております。
 学校給食調理員は、給食調理の担い手として安心安全な給食の提供などを行っており、委託校におきましては栄養教諭と業務責任者との連絡調整など、これまでと同様に安心安全な給食の提供に向けた連携が重要であると考えております。
 平成21年に他都市において機器の貸借についての双務契約がないことや業務委託の仕様書に作業手順が記載されていることなどから、労働局の是正指導が行われた事例があることは承知しております。
 業務委託前に労働局から偽装請負の懸念を指摘され委託をやめた事例につきましては把握していないところでございます。
 災害時におきましては、委託校の給食室を活用し、調理が可能な範囲において実施することができるものと考えております。
 委託校においては栄養教諭による児童生徒への食に関する指導等の充実が図られております。今後ともこれまでの成果や課題を踏まえ、学校給食の充実に努めてまいります。
 以上でございます。

◎交通局長(白石貴雄君) お答えいたします。
 交通事業経営計画の見直しにおきましては、コロナ禍終息後の新たな社会に即した規模及び内容となるよう乗降データ等に基づき需要に即した路線ダイヤの見直し等を進めることとしたほか、軌道事業と併せた収支均衡を図るため、バスの運賃見直し等を検討することも盛り込んだところでございます。パブリックコメントにおきましては、ダイヤ等の見直しにおいて路線の特殊事情を考慮するべきとの意見を計画案に盛り込むとともにキャッシュレス運賃決済への対応に係る意見などを今後の参考とすることといたしました。なお、税金による赤字補填を求める意見や事業縮小に反対する意見もあり、独立採算制の原則や厳しい経営状況などについて分かりやすく周知・広報することの重要性を改めて認識したところでございます。
 市営バスのダイヤ改正に当たりましては、各路線において乗降データや定点調査等により利用実態を把握・分析し、利用が少ない主に昼間帯の運行間隔を広げることにより減便が生じた一方、利用者の多い時間帯は増便するなど需要に見合った便数としたところでございます。また、路線バスは外気導入のための窓の開放及び換気扇の使用により約3分間で車内の空気が入れ替わるとされておりますことから、市営バスにおきましても同様の対応により車内換気を徹底するなど感染防止対策に努めているところでございます。
 次に、移譲したバス路線のダイヤ改正の内容でございますが、鹿児島交通は平日で350本から262本へ88本の減、南国交通は移譲した際の自主的な増便も含めますと同じく362本から325本へ37本の減となっており、利用状況に応じて運行間隔を広げるほか、特に利用が少ない時間帯で減便が生じる一方、一部路線では利用が多い時間帯での増便等もなされると伺っております。コロナ禍による大幅な利用者の減少と厳しい経営状況を踏まえ、民間事業者から令和3年6月に相談があり、4年1月にその具体案が示されたところでございます。
 局といたしましては、コロナ禍は基本協定に定める特別な事情に該当すると考えられ、減便予定の時間帯について局による現地調査等の結果、輸送力としては問題がなく、利用状況に即した見直しであると認められること、また、路線廃止はなく、必要に応じた増便、ダイヤのパターン化、代替路線の考慮など、利用者への影響が可能な限り小さくなるよう配慮されていることなどから今回のダイヤ改正はやむを得ないものと判断したところでございます。
 この改正によりお触れのとおり利便性の低下は避けられず、さらなる利用者離れも懸念はされるものの、減便や最終便の繰上げがなされるダイヤの利用者は極めて少ない状況にあることを局といたしましても現地調査等で確認しており、民間各社がバス事業そのものの存続に向けた経営判断をされたものと受け止めております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 会計年度任用職員への変更について、私どもはこの会計年度任用職員という制度が導入される際に年間200万円以下の官製ワーキングプアを生み出すものであると問題点を指摘し、市議会においても不利益変更をしないよう求める要望事項を上げて賛成したという経緯があります。今回の変更は不利益変更ではないという見解ですが、給与の面で月額4万円、年間50万円下がる方、また、無期雇用だった方もいらっしゃいます。給料が減って生活ができなくなる、安定した仕事でなくなるという事務補助員の方々の声を受け止めていただきたいと思いますし、8千人分の署名の重みをぜひ受け止めていただきたいと思います。私どもは教育委員会の雇用として責任の所在を明らかにするということについては一定の理解はできますが、このまま不利益が生じたまま拙速に変更することは問題であり、是正を強く要請いたします。
 給食の業務委託について、栄養士が委託先の労働者を指揮命令すれば偽装請負となり、全国でも労働局から指摘されている事例が発生しています。また、正規職員の調理員はこの5年間で14人減っています。退職者補充は行わず会計年度任用職員と業務委託の方向で進んでいるようですが、会計年度任用職員をはじめ、業務委託については官製ワーキングプアの問題も指摘されています。退職者の補充を行い、直営を守ってこそ偽装請負の解消ができ、働く方々の安定した雇用につながると考えます。栄養教諭と調理員がしっかり連携を取り、安心安全な給食の提供と食育の推進に当たることができるよう、民間委託のこれ以上の拡大はやめるよう要請いたします。
 市民の交通権を守る取組については、鹿児島市交通事業経営計画における3年度見直しのパブリックコメントを私も拝見いたしましたが、「減便しないでほしい」という切実な声がたくさん寄せられていました。今回の減便という対応はそのような市民の声に逆行しているものであり、影響は小さくなるよう配慮されているとの見解でしたが、到底納得いくものではありません。地元紙にも先日、「車を運転できない高齢者や子供たちのことを考えているのでしょうか」という市民の声が投稿されていましたが、交通局長も利便性の低下は避けられないとお認めになりました。また、減便によって乗客の密状態は避けられないと思います。3分間で空気が入れ替わるとのことでしたが、第6波は感染力の強いオミクロン株が猛威を振るい、新しい変異株も出ており、これまで以上に感染対策の徹底が求められるはずです。バス運転手のコロナ感染が原因でダイヤが維持できなくなったという事例も発生しています。コロナ感染から運転手の命を守るためにも減便は問題ではないでしょうか。
 私の住む唐湊では、「乗って残そう路線バス」という町内会ののぼり旗が沿線上に掲げられ、コロナ禍の下で呼びかけ合って努力しています。3年間は路線を維持するとした協定についても、交通局が今回のように特別な事情と認めれば、唐湊線などは交通誘導員を配置し維持費が大変かかっているということからもこのまま廃止の対象となってしまうのではないかと地域住民の方々は大変心配しています。公共交通の維持のためにICTを活用すればこのコロナ禍で乗客は増えるのでしょうか。高齢者は取り残されないでしょうか。市長は市民に対して御自身と周りの大切な方々の命を守る行動をと行動変容の協力を呼びかけられておられます。多くの市民が外出自粛し、協力しているからこそバスの利用者が減っているわけです。市長は事業者が路線を維持できず、大幅減額になっても事業者に対する直接支援は考えておられないという、これまでと同じ姿勢でしたが、このまま市民サービスが削られ、危機的な状況をそのまま見放すのでしょうか。市民の移動の権利を守るために市長の事業者への思い切った直接支援を改めて強く要請いたします。
 以上をもちまして、代表質疑の全てを終わります。