◆(園山えり議員) 日本共産党市議団の一人として個人質疑を行います。
 重複する質問が一部ございますが、御了承願います。
 質問の1点目、川内原発の安全性については、県の川内原発の運転期間延長の検証に関する分科会で検証中であるにもかかわらず、20年延長を原子力規制委員会に申請した九電への見解をお示しください。
 質問の2点目、川内原発3号機増設について市長は、「再生可能エネルギーにより必要な電力が確保されるまでの間、できる限りの節電に努め、日常生活や経済・産業活動に深刻な影響が出ない時点で可能な限り原発への依存を抑えていくべきもの」と見解を示しておられますが、国の廃炉が決まった原発の建て替えとして次世代原発の新設を進めるという方針転換に加え、さらなる運転延長を認めるという方針転換を受けても見解は変わらないものかお示しください。
 以上、御答弁願います。
   [市長 下鶴隆央君 登壇]

◎市長(下鶴隆央君) 園山えり議員にお答えいたします。
 川内原発の運転期間延長申請につきましては、九州電力において特別点検の結果を確認するなど準備が整ったことから申請をされたものと考えており、本市としては、今後とも原子力規制委員会での審査及び県原子力専門委員会の分科会における検証等の動向を注視してまいりたいと考えております。
 3号機増設に関する私の考えはこれまで申し上げてきたとおりでございますが、お触れの次世代原発の新設等については、現在、国において検討が進められているところであり、今後ともその動向を注視してまいりたいと考えております。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 九電の20年延長申請については、分科会の委員からも分科会で議論している段階で九電は信頼を損なうという批判が相次ぎました。あまりに拙速な申請だったのではないでしょうか。また九電は、特別点検において安全だと一方的に言っているだけであって、県の分科会がまさにその検証を行っているさなか、九電はそれを無視し、住民に説明もなく20年延長を突然申請したことについては、このような九電の前のめりな姿勢自体問題であるという立場に立っていただくよう要請いたします。
 今後、国の方針転換どおりにいけば、市長のおっしゃる原発への依存を抑えていくことは不可能ですし、川内原発の20年延長どころか、それ以上の延長になりかねません。国の方針転換にはきっぱり反対の立場を取っていただくことを要請いたしまして、この質問を終わります。
 次に、生理の貧困の解消について伺います。
 本年第3回定例会におきまして、学校へ生理用品の配布が開始されたこと、その際、児童生徒が安心して受け取ることができる方法として女子トイレに設置し自由に受け取ることができる方法などを教育委員会として学校に周知されたことを確認いたしました。その後、各学校では、具体的にどのような取組が図られているものか伺います。
 質問の1点目、学校での取組状況をお示しください。
 以上、御答弁願います。

◎教育長(原之園哲哉君) お答えいたします。
 学校では、県の「生理の貧困」支援促進事業について養護教諭等が児童生徒に説明を行い、県が作成したポスターやリーフレットを掲示するとともに学校だよりや保健だより等で生理用品を受け取ることのできる場所や方法を児童生徒や保護者に周知するなど、学校の実情に応じた取組を行っているところでございます。また、「生理用品がなく困っている人は使ってください」などのメッセージを添えて生理用品や引換えカードをトイレに設置している学校もありました。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 先日、私ども市議団で給食の調理業務の視察で市内の中学校に伺った際に私は女子トイレを利用させていただいたのですが、その学校にはトイレの手洗い場に蓋つきのクリアケースが置かれており、このようなメッセージが書かれていました。「ここには生理用品が入っています。持って来れなかった人のための生理用品です。忘れてしまった人は保健室でもらってください。生理のことやほかに困っていることがあれば先生や保健室に相談に来てくださいね」と書いてありました。学校のトイレでこのような取組がスタートしていることに大変うれしく感じました。学校でこのような取組が広がれば児童生徒も安心できるのではないかと思います。
 そこで、質問の2点目、この取組をどのように評価され、課題をどのように認識されているものかお示しください。
 以上、御答弁願います。

◎教育長(原之園哲哉君) 今回の県の事業を展開する中で児童生徒や保護者に相談窓口を紹介するなど、困難を抱えている女性の支援について理解が深まったと考えています。一方で、必要な児童生徒が安心して受け取ることのできる生理用品の配布方法や設置場所などをさらに工夫するとともに本取組の理解促進に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 私どもの下にも保護者の方から「学校のトイレにはまだ配置されていない」という声が寄せられました。生理の貧困解消の趣旨が児童生徒や保護者の皆さんにも十分に伝わるように教育委員会とされては実態をよく把握され徹底していただきますよう要望いたします。
 次に、この事業については困難を抱えている女性の支援について理解が深まったと評価されているようですが、改めて独自の事業として取り組んでいただきたいと考えるものです。
 そこで、質問の3点目に、来年度の取組に対する見解をお示しください。
 以上、御答弁願います。

◎教育長(原之園哲哉君) 教育委員会といたしましては、5年度におきましても国や県の動向を注視し、関係部局等と連携を図りながら生理用品の配布や事業の周知に協力するとともに、事業の趣旨が生かされた取組が充実するよう指導してまいります。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 学校での生理用品の配布はスタートしたばかりとはいえ、本当に困っている子供たちが手に取ることができるよう、そしてその趣旨がしっかり届くよう学校側に指導していただくよう要請いたします。
 この取組においては、県が調査も行っているようですので、私もその結果を注視しながら独自の取組をぜひ検討していただくよう要請いたしまして、この質問を終わります。
 次に、公共交通を守る取組について伺います。
 唐湊地域では、鹿児島交通から来年3月で路線バスの一部を廃止する旨の説明を受け、住民に不安が広がる中、当局に対し対策を求めてまいりました。来年3月まで残すところ3か月に迫っており、改めて路線維持を求める立場から、以下伺います。
 11月22日に行った唐湊の地域住民からバス路線の維持を求める申入れについて伺います。
 質問の1点目、要望内容と住民の皆さんからどのような意見が出たものかお示しください。
 以上、御答弁願います。

◎企画財政局長(橋口訓彦君) お答えいたします。
 要望書の提出があった唐湊のバスを考える会の方々からは、「坂道で高齢者はバス停まで行くのも大変である」、「タクシーは費用がかかる」などの御意見や「現地調査を行い、高齢者や通勤にバスを利用している人はどのように移動すればよいのかビジョンを示してほしい」などの御要望がございました。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 唐湊のバスを考える会の皆さんからは、市に対して路線への補助をはじめ、市長に対して懇談を求める要望もございました。当局との懇談では、「私にとってはバスは最後の交通手段、バスが廃止になったら生活を切り捨てられる、何とか知恵を出してほしい」などの要望も出されていました。高齢化も進み、お独り暮らしの方、免許返納をした方々の切実な声をぜひ受け止めていただきたいと思います。
 次に、質問の2点目、要望に対する今後のスケジュールと対応をお示しください。
 以上、御答弁願います。

◎企画財政局長(橋口訓彦君) 御要望につきましては、今後できるだけ早期にその対応等をお示しできるよう調査等を行っているところでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 調査などもしておられるということを確認いたします。要望に関しては、住民の皆さんに丁寧に速やかに回答していただくよう要望いたします。
 質問の3点目、住民の切実な声に対する市長の受け止めと住民との懇談について改めて行う考えはないものか伺います。
 以上、御答弁願います。
   [市長 下鶴隆央君 登壇]

◎市長(下鶴隆央君) 唐湊地域におけるバス路線の廃止に関しては、これまでも所管課である交通政策課を窓口として地域の実情等を把握してきており、今回の要望につきましても住民の皆様の声も含めその内容等をお聞きしております。地域の移動手段の確保を図ることは重要な課題であり、これまでの廃止路線バス対策を踏まえて対応を検討するよう指示しているところです。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 住民との懇談については第3回定例会同様に応じていただけませんでした。大変残念な思いです。
 今回、当局と住民の懇談で明らかになったようにこれまで同様、バス路線の維持が最大の要求ですので、市長は要望を受け止めていただき新年度に向けて対策をしていただくよう強く要望いたします。
 次に、路線バス廃止地域支援事業について伺います。
 質問の1点目、どのような場合に同事業の対象になるものか、当局の見解をお示しください。
 以上、御答弁願います。

◎企画財政局長(橋口訓彦君) お触れの事業は、路線バスが廃止された地域において最寄りのバス停からの距離のほか、運行事業者との協議など諸条件が整った場合に乗合タクシーを運行するものでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 路線バスが廃止された地域であっても一定の条件があることを確認いたします。
 そこで、質問の2点目、唐湊線が一部廃止となった場合、同事業の対象となるのか当局の見解をお示しください。
 質問の3点目、同事業の対象となった場合の乗合タクシーの利用方法をお示しください。
 以上、御答弁願います。

◎企画財政局長(橋口訓彦君) 当該事業の実施につきましては、地域の現状等を踏まえながら現在検討を行っているところでございます。
 乗合タクシーは時刻表の中から利用したい便をタクシー会社に電話で予約し、廃止されるバス停を含む複数の乗降場所から最寄りの交通結節点などを乗車区間として御利用いただくことになります。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 現在、地域の現状等を踏まえながら検討を行っているということを確認いたします。
 次に、質問の4点目、利便性に対する当局の考え方をお示しください。
 以上、御答弁願います。

◎企画財政局長(橋口訓彦君) 乗合タクシーは事前の予約は必要ですが、これまでのバス停に加え複数の乗降場所を設定することで自宅からの距離が近くなる方も増えることから、利便性向上につながる面がございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 自宅からの距離が近くなる方が増え利便性向上につながる面もあるとのことでしたが、乗合タクシーは事前の予約をしなければならないことや交通結節点から乗換えが必要となることから、利便性の低下や路線バスと比較して費用面で負担が重くなることなど、やはり住民サービスの低下を懸念するものです。当局とされましては、まずはバス路線を維持するために最大限の努力をしていただくよう重ねて要請し、この質問を終わります。
 次に、自衛隊へ個人情報を提供するという本市の方針転換について伺います。
 10月28日付の地元紙に本市が自衛隊募集のために若者の名簿提供を紙媒体で行うことを個人情報保護審議会に報告したことが報道されました。9月の第3回定例会では検討状況は明らかにされておらず、突然の決定に私も大変驚きました。
 そこで、まず、市長に伺います。
 市長は名簿提供についてどのように検討され決定に至ったものかお示しください。また、変更内容と対象者及び根拠。そして、個人情報を提供するという大きな方針転換について市民の理解をどのように得ていくのかお示しください。
 以上、御答弁願います。
   [市長 下鶴隆央君 登壇]

◎市長(下鶴隆央君) 自衛官の募集事務に当たりましては、本市では自衛隊法や同法施行令、国の通知などを踏まえ、令和5年度から同年度に18歳及び22歳になる方の名簿を提供することとしたところであり、市民の方々への丁寧な周知・広報に努めてまいりたいと考えております。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 市長に初めて今回の名簿提供についてお述べいただきました。これまでの方針の大転換です。今回のやり方はあまりに拙速だということは指摘したいと思います。市長自らが、まず市民に丁寧に説明するべきだったと思います。福岡市の高島市長も事前に記者発表しています。名簿提供については18歳と22歳の当事者だけでなく、保護者や市民にとって極めて重大な問題にもかかわらず、決定に至る過程が市民に明かされておらず、議論も尽くされていないと考えることから、以下伺ってまいります。
 まず、自衛隊、防衛省に本人の同意なく渡される個人情報について伺います。
 1点目、個人情報はどのように活用されるのかお示しください。
 以上、御答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) お答えいたします。
 自衛隊に提供した名簿は採用説明会の開催案内に使用するとのことでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 これまで自衛隊は住民基本台帳を閲覧し、自衛官募集のために18歳や22歳の対象者の名簿を書き写しダイレクトメールを送っていましたが、その目的以外にも利用されないものか市民は大変心配しています。
 そこで、2点目、目的外には使われないものかお示しください。
 次に、3点目、情報漏えいの懸念について当局の見解をお示しください。
 以上、御答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) 名簿の適正な管理、目的外使用の禁止、業務完了後の名簿の返却などを内容とした覚書を自衛隊と締結することとしております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 私が第3回定例会で確認したところ、今年度の対象者は18歳で、およそ6千人のうち半数に当たる3千人分の情報が自衛隊に書き写されたということを確認いたしました。紙での名簿提供になれば18歳と22歳合わせて約1万2千人分もの膨大な個人情報が毎年自衛隊に渡され、その情報が蓄積することになります。
 質問の4点目に、今後、本市はどのような対策を取られるのかお示しください。
 以上、御答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) 自衛隊との覚書の締結などにより個人情報の適切な保護を図ってまいります。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 覚書の内容は当然のことでありますが、覚書を交わした程度で目的外使用や情報漏えいの懸念は払拭されないということは指摘をいたします。
 次に、個人情報保護条例との整合性について伺います。
 個人情報保護条例では、本市の同意なく第三者への個人情報の提供はできないことになっています。1つの例として、避難行動要支援者名簿は災害時の避難がスムーズにいくように民生委員さんなどの第三者に渡されるものですが、本人の同意を取ることになっており、厳格に扱われています。なぜ今回、本人の同意なく第三者に名簿が提供されるのか理解に苦しみます。
 そこで、1点目、条例に照らし個人情報を提供することは可能なのかお示しください。
 2点目に、来年度に同条例が廃止されようとしていますけれども、個人情報保護法は名簿提供を想定しているのか見解をお示しください。
 以上、御答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) 個人情報保護条例及び個人情報保護法において法令に基づく場合は提供できると定められており、自衛隊法施行令に基づき名簿提供できるものでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 名簿の提供は憲法第13条で保障されたプライバシー権を制限、制約することになります。しかし、その人権を制限するにはその根拠を法律に明確に読み取れる規定が必要だという最高裁の判例もあります。当局が根拠として述べておられる法令とは、自衛隊法第97条同施行令第120条のことだと思いますが、そこにはプライバシー権を制限する趣旨が明確に読み取れる規定がないと多くの専門家が指摘していますし、2019年には中谷、石破両元防衛大臣らも自治体の名簿提供の根拠が法律ではっきりしていない、きちんと法律を改正しなければならないと話しています。
 そこで、質問の3点目に、個人情報保護委員会の見解について伺います。
 まず、本市は同委員会にどのような照会をかけたのかお示しください。
 次に、名簿提供についての見解をお示しください。
 以上、御答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) 個人情報保護委員会に対し法の解釈について照会を行い、自衛隊法施行令に基づく名簿提供は法令に基づく場合に該当すると回答がございました。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 法令に基づく場合は名簿は提供できるということでした。
 それでは、その法令の自衛隊法施行令の中には名簿提供ができると明確に書いてあるのでしょうか。
 再質問いたします。この法令には明文化されていないと私は認識しておりますが、見解をお示しください。
 以上、再答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) お触れの明文化はございませんが、防衛省及び総務省の連盟の通知では、名簿提供は住民基本台帳法上、特段の問題を生ずるものではないとされているところでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 局長は明文化はございませんというふうにお認めになりましたが、個人情報保護条例や法に照らして明文化されていない法令に従うのか当局の判断が厳しく問われていることは指摘をしておきます。
 次に、令和4年6月22日に出されました兵庫県弁護士会の「自衛隊への個人情報提供に関する意見書」について伺います。
 1点目、意見書の内容をお示しください。
 以上、御答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) お触れの意見書では情報提供について十分検討することを求め、希望しない市民は提供から除外する制度を設けることを求めるとされております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 この意見書の趣旨には、憲法第13条及び住民基本台帳法など、個人情報保護法制との整合性について再度十分に検討することを求めています。このような専門家からの指摘は極めて重要であり、改めて十分な検討を求めるものです。
 次に、質問の2点目、意見書では「憲法第13条によって保障された個人情報保護の観点から疑義があると考えられる」と指摘されていますが、本市の見解についてお示しください。
 以上、御答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) 本市としては法令等に基づきお触れの個人情報の保護にも配慮しながら適切に対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 個人情報の保護にも配慮しながら適切に対応するとのことでしたが、名簿提供そのものが憲法第13条で保障されたプライバシー権を侵害するおそれがあるということをぜひ受け止めるべきです。
 次に、地方分権改革に関する提案募集について伺います。
 この制度は、自治体が支障事例を挙げ、国に対して要望、提案できるという制度ですが、令和2年度には本市は名簿提供について要望を上げていたことが私どもの調査でも分かりましたので、以下伺います。
 質問の1点目、本市が要望した内容と理由。本市の支障事例は何かお示しください。
 質問の2点目、国の回答とそれに対する見解をお示しください。
 以上、御答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) 名簿提供について、国に対し適正に個人情報を取り扱う必要があるとの観点から、住民基本台帳法上の解釈を明確化するように要望いたしました。
 その後、国から、同法上、特段の問題を生ずるものではない旨の通知があり、解釈が明らかになったものでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 今回の要望の趣旨は、名簿提供は対外的に説明できないから明文化や法制化を求めたものですが、提案団体の長崎県大村市は、国が通知を出すと回答したことに対し、通知をいただいても現状と変わりがありませんので住民基本台帳法または自衛隊法に明確に規定するよう改めて要望しています。鹿児島市は今お示しいただきましたが、この通知で明確化したと評価し、名簿提供に踏み切ったということです。令和2年度のこの本市を含む自治体からの要望がきっかけとなり、名簿提供は現行法でも可能と解釈する通知が出たということを私は今回初めて知りました。本市は重大なきっかけをつくったと理解します。
 そこで、質問の3点目、個人情報を守るべき自治体が住民基本台帳法上の解釈が必ずしも明文化されていないとして、国に明文化や法制化を求めること自体が問題ではないでしょうか。当局の見解をお示しください。
 以上、御答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) 先ほどのいきさつを申し上げましたとおり、国に照会し、国の通知を受け、本市としては法令等に基づき適切に対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 名簿提供に対して国からのお墨つきをもらうような要望を出すこと自体、住民に寄り添った対応とは言えないと私は思います。現行法への明文化や法制化がされていない下で名簿提供の圧力を強める自衛隊や防衛省に対してむしろ抗議するべきだったのではないでしょうか。
 次に、質問の4点目、具体的な法的根拠がないとの認識でこれまでも閲覧の対応をしてきたと思われますが、要望当時と法的には状況は変わっていません。それでも名簿提供をされるのでしょうか。見解をお示しください。
 以上、御答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) 先ほど申し上げましたとおり、法令及び国の通知に基づき令和5年度から名簿を提供することとしたところでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 名簿提供はされるということです。神奈川県の葉山町では町長が法令解釈に不明瞭な点があるとの認識を新たにしたとして、名簿を提出しないことが現行法令の解釈の明確な範疇と考えていると見解を示し、閲覧対応に戻しています。
 次に、10月27日に行われました本市の個人情報保護審議会について伺います。
 質問の1点目、審議会の役割をお示しください。
 2点目に、名簿提供問題については諮問せずに報告とした理由をお示しください。
 以上、御答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) 個人情報保護審議会は、諮問に応じ利用目的以外での保有個人情報の利用及び提供に関すること、個人情報保護に関する施策、その他重要事項等について調査審議を行うこととされております。
 名簿提供は諮問事項には該当しないところですが、個人情報の取扱いに関わる事案であることから報告を行ったものでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 今回の個人情報の取扱いの大きな方針転換が重要な施策に当てはまらないとは到底理解できません。他都市では審議会に諮問し、日程も事前に公表し、市民が傍聴できるようにしているところもあります。本市の審議会はマスコミに事前に周知するだけであり、これでは市民がどのような案件が諮問や報告がなされているのか分からず、また傍聴する機会も奪われてはいないでしょうか。
 質問の3点目に、審議会で出された意見について伺います。
 まず、名簿の取扱いについて。
 次に、除外申請のやり方について。
 そして、除外申請をした人の情報が残ることの懸念など出された意見をお示しください。
 以上、御答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) 同審議会では提供した名簿の取扱いも定めるべき、除外申請の仕組みを整えること、除外申請を行った方の情報の取扱いに注意が必要といった意見が出ております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 私も議事録を拝見いたしましたが、審議会の会長からは、今回出された意見を踏まえて今後検討を進めていただきたいと結ばれています。決定事項の報告であっても審議会で了承されたと判断するのは拙速ではないでしょうか。
 そこで、出された意見について、当局の受け止めと今後の対応をお示しください。
 以上、御答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) 本市としては審議会での意見を真摯に受け止め、提供した名簿の取扱い、除外申請の仕組みなど適切に対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 本来ならば諮問するべきと考えますが、報告という位置づけであったとしても出された要望にしっかり応えるべきです。そして、市民が傍聴できるように事前に周知する必要があるのではないでしょうか。
 次に、他都市の個人情報保護審議会について伺います。
 1点目に、名簿提供の4情報のうち生年月日、性別は排除するよう委員会に諮問し、答申された自治体の事例。
 2点目に、審議会から自衛隊法施行令第120条の「資料の提出を求めることができる」のこの「資料」に個人情報は該当しないとの答申を受け、名簿提供から「閲覧」に戻した自治体の事例をお示しください。
 以上、御答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) 福岡市の審議会において提供する情報は氏名、住所に限ることとの答申が、また、福岡県小郡市ではお触れの事例があるようでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 私は、名簿提供そのものが問題であるという前提に立った上で申し上げますが、性別の提供は明かしたくない当事者にとっての人権問題であり、やめるべきと考えます。本市は安心して暮らしていただけるよう全ての方々の人権に配慮したいとして、職員採用をはじめ、様々な公文書から性別欄を削除し、当事者のプライバシー権を守る取組を行っています。性別を含む名簿提供は重大な人権侵害ではないでしょうか。
 また、本市も繰り返し自衛隊法施行令第120条を根拠に上げておられますが、福岡県平和委員会代表理事の井下 顕弁護士によりますと、この資料の提供というのは防衛法という立法者意思を示した逐条解説において自衛隊募集のスムーズな事務が行われるよう自治体に統計等の資料の提出を求めることができることであって、名簿を提出してよいなどとは言っていないと指摘をしています。福岡県の小郡市の審議会でも同様の議論であり、本市でも様々な観点からの議論が尽くされるべきです。
 そこで、質問の3点目、本市でも審議会に諮問するべきではなかったでしょうか。今からでも諮問するべきと考えますが、当局の見解をお示しください。
 以上、御答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) 諮問事項には該当しませんが、審議会での意見を踏まえ、個人情報の保護に十分配慮し適切に対応してまいります。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 個人情報の取扱いは今の時代、より厳しく、市民の意識もより高まっており、時代に逆行するような重大な案件をなぜ諮問しないのか、恣意的なやり方だと言わざるを得ません。
 次に、除外申請について伺います。
 第3回定例会では、私は本市の閲覧対応の下で除外申請を導入するよう求め、当局は検討すると答弁をされましたが、名簿提供が前提の導入表明だったと言わざるを得ません。
 そこで、質問の1点目、本来ならば同意した市民のみ情報提供するべきと考えるものですが、当局の見解をお示しください。
 以上、御答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) 法令に基づく名簿提供であり、事前の同意は必要ないものと考えております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 法令に基づく名簿提供と繰り返されておりますが、住民に寄り添っていません。本市の姿勢は改めるべきです。
 次に、質問の2点目、除外申請の内容と周知方法をお示しください。
 以上、御答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) 除外申請は自衛隊への情報提供を希望しない方を提供から除外するもので、市民のひろば、市ホームページ等で周知に努めてまいります。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 周知方法は市民のひろばやホームページに掲載しただけでは不十分だと考えます。
 そこで3点目に、対象者となる全ての市民に個人情報を自衛隊に提供されるという極めて重大な方針転換を書面で案内するべきです。当局の見解をお示しください。
 以上、御答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) 法令に基づく提供であり、対象者への書面での案内は考えていないところでございます。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 考えておられないということでしたが、本市のやり方では対象者全員に制度を周知することは極めて困難です。審議会では高校に出向き除外申請を広報するよう求める意見もありました。
 そこで、質問の4点目、審議会での指摘も踏まえ学校に出向いて周知するべきと考えますが、当局の見解をお示しください。
 質問の5点目に、多くの若者がスマートフォンを利用していることから、申請の簡素化を図るためにインターネットからも申請できるようにするべきではないでしょうか。
 以上、御答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) ただいまの御指摘、また審議会での御意見も踏まえ、高校、大学への掲示により周知に努めるとともに電子申請などの方法も積極的に検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 学校での除外申請を掲示するとのことでしたが、学校に出向いて制度の説明やチラシ配布など徹底した周知に努めるよう強く要請いたします。
 また、電子申請を検討するということでしたので、希望する市民がいつでも申請できるよう一刻も早い導入を要請いたします。
 次に、方針撤回を求める市民の声について伺います。
 私どもは市民団体の皆さんとともに名簿提供の撤回を求める署名に取り組みました。12月5日にはこの署名と要望書を市長宛てに届けましたので、以下伺います。
 質問の1点目、申入れの内容。
 2点目、自筆の署名数と署名サイトからの賛同数をお示しください。
 以上、御答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) 先日、市民団体から名簿提供の方針について撤回を求める申入れがあり、署名1,468人、賛同2万688人の提出がございました。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 2週間という極めて短期間だったにもかかわらず、これだけ不安の声や撤回を求める声があることをぜひ重く受け止めていただきたいと思います。鹿児島大学前や天文館などで私どもはシール投票で124人の方と対話し、85%の方が反対と表明されています。市民に直接諮ることを求めるものです。
 そこで、質問の3点目に、パブリックコメントを行い市民の声を聞くべきではないかと考えますが、見解をお示しください。
 以上、御答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) 名簿提供は法令に基づく提供に当たることから、パブリックコメントは実施しておりません。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 先ほど局長もおっしゃられておりましたが、明文化されていない法的根拠がないものを実行していくわけですから、法的根拠がないからこそパブリックコメントを実施するべきではないでしょうか。重ねて要望いたしておきます。
 対象となる高校生や大学生の声を幾つか私のほうで紹介したいと思います。今年、ダイレクトメールが送られてきた高校3年生、「学校の先輩が顔写真つきで載っていたので驚いた。自分の情報が知らないうちにこうして使われていることが怖い」、来年対象となる高校2年生、「本当の目的をちゃんと隠さず聞きたい」、同じく対象になる大学3年生、「自分が徴兵されるのかと不安になった。怒りを通り越して悲しい。市は市民の声を聞くべきだ」、高校1年生、「やっぱり怖いと思う。市が名簿を渡して資料とか送られてきたら嫌だ」、保護者の皆さんからは、「第三者の諮問委員会の議論を踏まえていないのに公平な判断とは言えないのではないか。強引なやり方だ」という声。「地方自治とは何か、下鶴市長には市民のプライバシー権を守ったんだという御決断をしていただきたいです」などの声が寄せられています。
 そこで、最後に市長に伺います。
 市が名簿提供することを周知していない中、それでも方針撤回を求める市民に対しての市長の受け止めと今後どのように応えていくものか。法的義務がない下で、今回の名簿提供はあまりにも拙速と考えますが、市民の個人情報を守るとりでである市長は来年度からの名簿提供は撤回するべきではないでしょうか。市長の見解をお示しください。
 以上、御答弁願います。
   [市長 下鶴隆央君 登壇]

◎市長(下鶴隆央君) 先日、市民団体から自衛隊への名簿提供の方針に対し撤回を求める要請があったことは承知しております。私としましては、市民の個人情報を適切に保護していくことは非常に重要であると考えておりますことから、今後におきましては自衛隊との覚書に基づき個人の意思に十分配慮する観点から名簿提供を希望しない方を除外するほか、丁寧な周知・広報に努めるなど法令等に基づき適切に対応してまいりたいと考えております。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
 市長は個人情報を適切に保護していくことは非常に重要とお述べになりましたが、1万2千人もの若者の名簿を本人の同意なく第三者へ渡すことと矛盾していないでしょうか。市民の不安の声に対する御認識は極めて低いと感じます。
 そこで、改めて市長に伺います。
 名簿提供の撤回はしないという姿勢ですが、少なくとも審議会に諮問するべきではないでしょうか。市長の見解をお示しください。
 以上、再答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) 私のほうでお答えいたします。
 先ほど申し上げましたとおり、個人情報保護審議会の諮問事項には該当しませんが、審議会での意見を踏まえ、個人情報の保護には十分配慮し、提供した名簿の取扱い、除外申請の仕組みなど適切に対応してまいります。
 以上でございます。
   [園山えり議員 登壇]

◆(園山えり議員) 市長は答弁をされませんでした。大変残念です。議論が尽くされたとは到底言えない状況で名簿提供ありきの対応と言わざるを得ません。
 私ども日本共産党は国会でも地方自治や人権よりも防衛大臣の要請が上だという国の姿勢を厳しく批判し、自治体への強要をやめるよう強く求めてまいりました。自治体は国からの圧力に屈せず、市民を守る立場になって、そのとりでとなるべきです。県内ではそのほとんどの自治体が名簿提供に踏み出す中、鹿児島市はその最後のとりでとして志布志市と最後まで閲覧にとどめてきたではありませんか。今回の方針転換はあまりに拙速だということを重ねて申し上げ、方針撤回まで私も皆さんと取り上げていく決意を申し上げ、個人質疑の全てを終わります。