◆(たてやま清隆議員) 日本共産党市議団の一人として個人質疑を行います。
ただいま市長から提案説明が行われた第29号議案 令和4年度鹿児島市一般会計補正予算(第5号)中、款商工費、項商工費、目商工業振興費のレシートを活用したプレミアム還元事業、11億9,383万3千円について、以下質問してまいります。
初めに、今回のレシートを活用したプレミアム還元事業を提案される背景について質問しますが、第7波の新型コロナウイルス感染の急拡大と原油価格や物価の高騰による市民生活や地域経済の現状認識についてお示しください。
答弁願います。
◎産業局長(岩切賢司君) お答えいたします。
県内の経済の状況は本年7月に公表された鹿児島県内経済情勢報告によりますと「緩やかに持ち直している」とされておりますが、先行きについては、「原材料価格の上昇や供給面での制約に加え、金融資本市場の変動等による下振れリスクに十分注意する必要がある」とのことでございます。また、本年6月の本市の消費者物価指数は前年同月比で上昇していることもあり、市民生活や地域経済は厳しい状況にあるものと認識しております。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
市民生活と地域経済への支援が求められている現状であるとの認識が示されました。
次に、同事業は、さきの第2回定例県議会で可決・成立した補正予算と関連があることから、その関係性について質問してまいります。
質問の1点目、同事業と関連する県の事業名と内容及び事業の実施主体についてお示しください。
質問の2点目、関連する県の事業の予算の内訳とその積算根拠及び財源をお示しください。
質問の3点目、県の本市への予算配分と県が本市に示したその積算根拠をお示しください。
以上、それぞれ答弁願います。
◎産業局長(岩切賢司君) 県の事業名は、鹿児島県地域消費喚起プレミアム商品券支援事業で、コロナ禍において原油価格や物価の高騰を受けた生活者の支援や地域経済の活性化を図るため、市町村が実施するプレミアム商品券の発行等に係る費用を補助するものでございます。
予算額は23億6,129万3千円で、内訳は、プレミアム経費補助分22億4,885万1千円、事務経費補助分1億1,244万2千円となっており、プレミアム経費については1世帯当たりの商品券購入額1万円に対し、本土は3千円、離島は4千円とし、それぞれ世帯数を乗じて積算されております。また、事務経費については、プレミアム経費に5%を乗じて積算しているとのことであり、財源は新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金でございます。
本市への予算配分額は8億8,741万2千円で、内訳は、プレミアム経費として本年4月1日時点の世帯数28万1,718に3千円を乗じた8億4,515万4千円、事務経費としてプレミアム経費に5%を乗じた4,225万8千円となっております。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
今回の臨時会に提出された本市のレシートを活用したプレミアム還元事業は、事業の実施主体は市町村ではあるけれども、県の補助事業に基づく事業であることが明らかになりました。したがって、県が市町村に示した事業予算の内訳は、1世帯当たり3千円相当のプレミアム分の予算はその市町村の4月1日現在の世帯数に応じた予算であり、事務経費の分についてはその市町村のプレミアム分の一律5%であることが明らかになりました。しかし、県が本市に示した補助金はプレミアム分と事務経費を合わせて8億8,741万2千円です。本市が今回の臨時会に提出した補正予算額は11億9,383万3千円です。3億642万1千円も増額された補正予算が提出されているわけです。なぜこのような補正予算が今回提出されているのでしょうか。
そこで、本市の同事業の補正予算について質問します。
質問の1点目、本市の事業概要と予算内容をお示しください。
質問の2点目、事務経費の内訳と利用に応じて減少する経費及び固定費の割合をお示しください。
以上、答弁願います。
◎産業局長(岩切賢司君) レシートを活用したプレミアム還元事業は、コロナ禍において原油価格や物価の高騰を受けた生活者の支援や地域経済の活性化を図るもので、予算額は11億9,383万3千円で、内訳は、プレミアム経費8億5,200万円、事務経費3億4,183万3千円でございます。財源は、県補助金に加え、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用することとしております。
事務経費の内訳は、コールセンターの運営や申込み内容の審査、商品券の発送等に係る委託料が3億61万7千円、申込み台紙や返信用封筒の郵送料等に係る役務費が4,121万6千円であり、そのうちオンラインによる申込みや電子ポイントによる還元が増加することにより減少が見込まれる商品券の発送などの経費は約3割、コールセンターの運営経費などの固定費は約7割となっております。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
県の事業スキームではプレミアム付商品券をまず住民に販売し、その商品券が域内の店舗で利用されることで地域経済を活性化させ、市町村は店舗で利用された商品券に応じてその相当額を店舗に給付することで事業が完了することになっているようです。しかし、本市の事業スキームは県の事業とは異なり、ある一定の期間中、1世帯当たり1万円以上の買物に対して3千円相当の商品券または電子ポイントで還元する方式を取っています。また、予算総額に対する本市の事務経費の割合は約3割です。固定費用の分が約7割を占めているとのことですが、これを1世帯当たりで見ると3千円相当を還元するために約千円の事務経費をかけていることになります。その要因はそもそも県の補助金が足りないということに起因しているのか疑問です。
そこで、質問の3点目、県の補助金が不足している理由とその根拠をお示しください。
答弁願います。
◎産業局長(岩切賢司君) 県補助金で不足する理由といたしましては、プレミアム経費について、県は4月1日時点の本市の世帯数28万1,718を基準としているのに対し、本市は基準日とする10月1日時点の世帯数を2,282世帯増の28万4千世帯と見込んでいることから不足額が生じたものでございます。また、事務経費について県は類似事業の事務経費が事業費の10%程度であることから、その2分の1である5%をプレミアム経費に乗じて積算しておりますが、本市においては幅広く還元する公平性の確保、混雑回避による感染拡大防止、簡便な手続による市民の負担軽減等を図るために必要な経費を積算したところ、事業費の約3割が事務経費となったものでございます。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
県の補助金が不足している理由とその根拠が示されました。県の補助金では足りないためにその差額である3億642万1千円を本市が国からの交付金として留保している新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を歳入予算として活用して対応しなければならなくなったことになります。そもそも県は市町村の新たな負担が増えることを想定していたのかが問われますが、本市の負担の発生要因に対して県はどのような見解を示しているのか、またその見解に対して本市はどう対応したのか質問します。
質問の1点目、本市は事業を実施する10月1日時点の世帯数を基準にしているのに対して、県は事業が開始されていない4月1日時点の世帯数を基準にしていることから、本市の対象世帯数は増加し、当初よりも予算額が増えることに対して県の見解と本市の対応をお示しください。
質問の2点目、県の事務経費の積算基準はプレミアム経費の5%ですが、この基準では全く足りないことは明らかであり、本市の新たな負担増につながることに対して県の見解と本市の対応をお示しください。
以上、それぞれ答弁願います。
◎産業局長(岩切賢司君) 県によりますと、本年4月1日時点の世帯数を基準としたことについては、4月にさかのぼって補助対象としていること、各市町村における事業の実施時点の統一が難しいことなどによるとのことでございます。
事務経費については先ほど申し上げましたとおり、県は補助率を2分の1とするなど市町村に一定の負担を求めております。そのような中で本市は事業を迅速かつ効果的に実施するため必要な経費を計上したところでありますが、結果として補助額とは乖離が生じているところでございます。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
県の補助事業を全県一斉に実施することが困難であるならば、4月1日時点で世帯数を統一する必要もないわけです。事業を実施する時点の世帯数を基準にすることが合理的な判断ではないでしょうか。県の統計資料によると、昨年の令和3年4月1日から10月1日までの期間、県全体で3,402世帯増加しています。本市も含めて世帯数が増加する自治体は県の補助金では足りず、プレミアム分の市町村の持ち出しが増えることになるわけです。また、事務経費についても県は2分の1を市町村負担にすることを前提にして事業スキームを示してきたことは問題です。これらの基準は県が決めてきたことです。
したがって、質問の3点目、県に補助基準の見直しを求め補助金の増額を求めるべきと考えますが、答弁願います。
◎産業局長(岩切賢司君) 補助金の増額につきましては、県において12月に変更交付申請受付を予定していることから、11月下旬をめどに本市事業の申込み状況や商品券等の還元状況等を踏まえ申請を検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
ただいまの答弁は本市に配分された補助金の枠組みの中での申請変更です。市町村の執行状況を踏まえて県全体の補助金の枠組みの中で補助金の増額を県に求めていくことを要請します。市町村が事業の実施主体であるにもかかわらず、なぜこのような市町村の実情を踏まえない県の補助事業が決められたのかが問題です。
そこで、次に、今回の関連する県の補正予算議案の提出の経緯と本市の対応について質問します。
質問の1点目、議案提出時期の理由と審議・可決の時期をお示しください。
質問の2点目、県から本市に対して議案提出前の事前相談等の状況についてお示しください。
以上、それぞれ答弁願います。
◎産業局長(岩切賢司君) 県によりますと、県の補正予算につきましては、直面する物価高騰による影響を緩和するための対応を緊急かつ機動的に実施するとともにコロナ禍からの経済社会活動の回復を確かなものとするため、本年4月に発表された国の原油価格・物価高騰等総合緊急対策の内容を踏まえ、生活者や事業者の負担軽減等に必要な対策の1つとして6月23日に追加議案として提案し、同日、審議・可決されたとのことでございます。
なお、県の追加議案公表前に県から本市に対し事前の相談や協議等はなかったところでございます。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
県の補正予算は今回の関連事業も含めて総額129億5,700万円と報じられていますが、このような大規模な補正予算が公表されたのは6月21日であり、県議会の最終本会議の6月23日、1日にも満たない委員会での審議を経て可決されたことになります。第2回定例県議会は6月2日に開会されていますので、なぜ提出が遅れたのかただいまの答弁では全く理解できません。また、議案を提出する前に本市には今回の事業に関して事前の相談や問合せ、協議などが全くなかったという点は驚きであり、問題です。今回の補助事業の実施主体は市町村ですから、市町村との協議や調整に時間を要したために提出が遅れたという理由ならば私は理解できますが、県が一方的に補助制度のスキームを決めてそれを市町村に押しつける県の行政運営は県と市町村の対等平等な関係を損なうやり方だと言わざるを得ません。
そこで、質問の3点目、県の議案公表後と補正予算成立直後の本市の対応をお示しください。
質問の4点目、本市の第2回定例会に提案できなかった理由をお示しください。
以上、答弁願います。
◎産業局長(岩切賢司君) 県の追加議案については6月21日に公表され、本市は翌22日に県へ補助対象経費、補助率などについて確認し、さらに翌23日に県から事業概要案、内示見込額の提示があったことから、同日、実施要件、スケジュール等の詳細について確認を行ったところでございます。
したがいまして、本市の第2回定例会最終本会議の6月24日時点では事業手法を含め対応を検討している段階であったことから、追加の補正予算を提案できる状況になかったところでございます。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
本市の最終本会議の6月24日に本事業を提案できなかった理由は理解しましたが、本市に6月21日追加議案で提出された保育所等給食支援事業費補助金は同じく県議会にも提出されています。同補助金に関しては県当局から事前に相談があったので、24日の最終本会議で可決することができたわけです。しかし、今回のプレミアム還元事業については事前の相談等が全くなかったために提出ができなかったということになります。
次に、県の補正予算成立後の本市の今回の補正予算議案の提出に至るまでの県との協議の経緯について質問します。
質問の1点目、県が示した補助金の申請期限と本市の対応をお示しください。
質問の2点目、県が見込む事業スケジュールと本市の対応をお示しください。
以上、それぞれ答弁願います。
◎産業局長(岩切賢司君) 県が示した申請期限は8月5日であり、それまでに臨時会などによる予算の裏づけを求められたことから、本市としては日程的にも対応が難しい旨の意見を申し上げ、7月4日、期限後の申請を受け付ける旨、県から回答を得たところでございます。
県が示したスケジュールによりますと、事業計画書の提出期限を7月15日、交付申請期限を8月5日とし、8月16日頃に交付決定を行う予定とされており、事業完了の実績報告を来年2月末までに提出することを求めております。本市といたしましては、7月15日に事業計画書を提出し、同月29日に県から補助内示通知を受理したところであり、補正予算議決後に速やかに申請することとしております。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
県が見込む事業スケジュールでは、市町村に7月15日までに事業計画書を出させ、8月5日を補助金の申請期限にしたとのことですが、本市も含めて多くの市町村で今回の補助事業について6月議会では決定できておりません。県は市町村に対して7月に臨時会や専決処分で決めるように求めたことになります。しかし、7月は参議院選挙もあり、本市も含めて議会の行政視察を予定している市町村もあることから、実質、県は市町村の首長による専決処分も見込んでいたことになり、自治体だけでなく議会軽視のやり方だと言わざるを得ません。本市は7月15日に事業計画書を県に提出したとのことですが、本市のプレミアム還元事業は県が想定するプレミアム商品券とは異なる内容です。
そこで、質問の3点目、本市独自の事業内容を示した時期と県の対応についてお示しください。
質問の4点目、県の補助内示を受けた日と今回の臨時会への提出に至る理由をお示しください。
以上、答弁願います。
◎産業局長(岩切賢司君) 本市は検討案の1つであったレシートを活用した事業について6月27日に補助対象となるか県へ問合せを行い、7月4日に補助対象とするとの回答を得たところでございます。
先ほど申し上げましたように本市は7月29日に補助内示通知を受理しております。本市といたしましては、県のスケジュールを考慮するとともに事業の趣旨を踏まえ、できるだけ早く市民に申込みいただき還元すること、また、周知期間や申込み期間を十分に確保する必要があることから、今回の提案に至ったところでございます。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
本市は県の補助金の申請期限を延長させ、専決処分ではなくて議会での審議と議決を経て予算執行に当たることにした点は評価しますが、事業計画書を作成する過程において、私が先ほど指摘した第1に、プレミアム分の算定基礎になる世帯数の基準が県と市が異なるということ。第2に、県が負担する事務経費の費用があまりにも少ないという、この2つの問題点について県と協議を続け、今回の議案提出前に解決すべきであったということは指摘したいと思います。
次に、県内の他市町村の今回の補助事業に関する対応状況について質問します。
質問の1点目、県補助金を活用する市町村数と実施方式による内訳をお示しください。
質問の2点目、他市町村の事業実施期間の見込みをお示しください。
以上、答弁願います。
◎産業局長(岩切賢司君) 県によりますと、県内43市町村のうち十島村を除く42市町村が県の補助事業を活用し、そのうち商品券での実施が38市町村、ポイント還元が本市など3市町、デジタル商品券が1町とのことでございます。
実施期間について、大多数を占める商品券で実施する市町村について申し上げますと、10月に商品券の販売を開始し、1月までの利用期間とする市町村が約半数を占めるようでございます。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
既に始まっている自治体もあるようですが、多くの市町村でおおむね10月頃から商品券等の販売が開始されることが分かりました。今回の事業はそれぞれ域内の消費喚起を促進することが狙いですので、本市も含めて一斉に事業が開始されることがより効果的ではないかと考えます。
次に、下鶴市長に質問いたします。
市長が提案説明された本市の今回の事業と県の補助事業との関係性について質疑を交わしてまいりましたが、市町村が実施主体となる事業であるにもかかわらず、事前協議もなく県の補助事業への参加を求め、市町村の財政負担を前提にした事業スキームを県が一方的に決めてくる、このような県の行政運営を県都鹿児島市の市長としてどのように受け止めておられますか。見解をお示しください。また、とりわけ市町村の負担や協力が必要な場合、少なくとも事前に市町村に対して相談や協議があってしかるべきと考えますが、今後の県との定期協議の在り方に対して市長の見解をお示しください。
以上、御答弁願います。
[市長 下鶴隆央君 登壇]
◎市長(下鶴隆央君) たてやま清隆議員にお答えいたします。
私は、県と市は対等な立場で緊密な連携と適切な役割分担の下、行政運営に当たることが肝要であると考えており、知事とは月1回直接お会いするなど、県、市間の課題等について協議を行っているところでございます。今後も市政及び県政のより円滑な推進がなされるよう必要な連携・協力について知事とも率直な意見を交わすとともに各部署においても必要に応じて協議を行うなど、相互の連携向上を図ってまいりたいと考えております。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 御答弁いただきました。
今回のことは県と市の対等な立場を損なう問題だということを市長は重く受け止めていただきたいと思います。今後、「必要な連携・協力について知事と率直な意見を交わす」とのことですが、率直な意見交換と、各部署において必要に応じて協議が行われていないために今回のような問題が起きたわけであります。今後、二度と今回のような問題が起きないように下鶴市長の強いリーダーシップを強く求めたいと思います。下鶴市長、よろしいでしょうか。
次に、本市の事業は他の市町村と異なる方式であることから、今後検討すべき課題について、以下質問してまいります。
質問の1点目、同事業の経済波及効果について、経済波及効果の推計と全世帯が同事業を利用するための条件と課題についてそれぞれお示しください。
以上、答弁願います。
◎産業局長(岩切賢司君) 経済波及効果につきましては、市内28万4千世帯に対し各世帯で1万円以上の消費が行われたことを確認の上、3千円分のプレミアム還元を行うことから、合計36億9,200万円以上の消費額になるものと推計しております。
還元を受けるためには10月1日から12月28日までの間に市内の店舗で1万円以上を消費し、その分のレシートを添付し、郵送またはオンラインにて期限までにお申込みいただく必要があります。課題といたしましては、効果的かつ適切な周知を図ることなどがあると考えております。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
ただいま示された経済波及効果は本市の全世帯28万4千世帯が利用することが大前提であり、それを可能にするためには効果的かつ適切な周知を図ることが課題と述べられましたが、1人では申し込むことができない市民もいますので、具体的なサポート支援が必要であることを要請しておきたいと思います。
次に、質問の2点目、今後の事業実施のスケジュール及び新型コロナウイルス感染への対応についてお示しください。
質問の3点目、今後の事業の周知方法と課題についてお示しください。
以上、それぞれ答弁願います。
◎産業局長(岩切賢司君) スケジュールにつきましては、補正予算の議決後、委託業者を企画提案方式等により決定し、10月末をめどに全世帯へ申込み台紙を含む案内通知書送付、12月下旬まで申込みを受け付け、1月末までに商品券等の還元を完了する予定でございます。なお、事業スキームの検討に当たっては、申込み受付や商品券等の還元などに郵送やオンラインを活用することにより新型コロナウイルス感染症の拡大防止に配慮したところでございます。
周知につきましては、市民のひろば等による広報や案内通知書等の送付のほか、できるだけ多くの世帯にお申込みいただけるよう委託業者による優れた提案内容を採用してまいりたいと考えております。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
具体的なスケジュールを示されましたが、先ほど申し上げた市民が申し込むための具体的なサポート支援も含めて周知に取り組んでいくことも必要だということを重ねて申し上げておきたいと思います。
次に、質問の4点目、同事業の対象を明確にするために1点目、対象となる商品(サービス)と対象とならない商品(サービス)。
2点目、店舗が発行するポイント利用への対応の有無。
3点目、対象となる店舗と対象とならない店舗。
4点目、10月2日以降、本市に転入してきた世帯への対応。
以上、それぞれ答弁願います。
◎産業局長(岩切賢司君) 本事業においては、電気、ガス、水道料金など消費喚起と言えないものや金券など換金性の高いものを除く全ての商品やサービスを対象とすることを考えております。
店舗が発行するポイントを利用した商品やサービスの購入につきましても市域内での消費活動に当たることから還元対象といたします。
対象となる店舗はレシートを発行する市内全ての店舗でございます。
本事業の性質上、対象となる世帯を確定させる必要があることから10月1日を基準日としたところであり、10月2日以降に本市に転入された世帯への対応は考えていないところでございます。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
対象となる商品や店舗、対象とならないケースについても答弁していただきましたが、苦情や混乱が起きないように事前の周知を十分に図ってください。また、10月2日以降、市外から転入する市民を対象にすることは考えていないとのことですが、県の統計資料によると、昨年も10月2日から31日までの期間、本市に転入してきた市民が約千人いるわけです。一方、10月に市外に転出する市民は対象外となるわけです。12月までの期間を踏まえれば、転入届をする窓口で今回の事業案内一式を手渡し、申請することで利用ができるように対象に加えるべきと考えますので再検討を求めます。
次に、質問の5点目、本市は従来のプレミアム付商品券の販売方式を取らずにレシートを活用する方式を取ることについて4点質問します。
1点目、参考にしたモデル都市と本市との比較についてお示しください。
2点目、本市がレシートを活用することにした理由とその期待される効果についてお示しください。
3点目、店舗がレシートを発行できない場合の代替措置、例えば、口座引き落としの場合などのケースについてお示しください。
4点目、市民は買物をした際のレシートを台紙に添付して郵送で申し込むことになりますが、その際の課題及び台紙を紛失した場合の対応についてお示しください。
以上、それぞれ答弁願います。
◎産業局長(岩切賢司君) 今回参考といたしましたのは、横浜市のレシートを活用した市民・事業者支援事業でございます。本市は郵送またはオンラインによる申請とし、1万円分のレシートを確認の上、全世帯に一律3千円分を還元するのに対し、横浜市は主にスマートフォンアプリによる申請とし、市民を対象にレシート金額の20%、一人当たり3万円まで還元するとされております。
本事業は完了報告を来年2月末までに県へ行う必要があり、これまで市が発行した商品券事業では販売所の選定や利用店舗の募集などの準備のほか、商品券の販売、換金等に相当の期間を要するため利用期間が十分に確保できないと判断したところでございます。また、キャッシュレス決済によるプレミアム還元や電子商品券では対象者を市民に限定できないことに加え、高齢者などスマートフォンを利用しない市民は利用できないといった課題があることから、レシートを活用することとしたところでございます。レシート活用の効果としましては、市民へ幅広く還元できるほか、混雑回避による感染拡大防止や簡便な手続による市民の負担軽減、本市の事務作業の効率化が図られるものと考えております。
審査に当たっては対象期間内に合計1万円以上のレシートが市内の店舗で発行されていることなどを確認することとしており、個配等による口座引き落としなど、レシートが発行されない取引についても同様に確認できる書類があれば認める方向で検討したいと考えております。
台紙につきましては、長さの異なるレシートや複数枚を貼付することで市民の皆様においては返信用封筒への封入がしにくくなる、委託業者においては審査がしにくくなるなどの課題が想定されることから、折り込みやすい紙質とすることやレシートの折り方や貼付け位置を明示するなど対応してまいります。紛失された場合の対応につきましては、コールセンター等へのお問合せに対し聞き取りを行い、管理番号や未申請であることを把握した上で適切に対応したいと考えております。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
確かに横浜市はレシート買取アプリで読み取って送るという方法を基本にしていますが、私が把握している情報では、スマホを持たない市民は郵送で申請できるようにするとのことです。また、約500のサポート協力店を募り、スマホの扱いに不慣れな市民にアプリのダウンロード、登録や送信方法などを支援するとのことですので、本市もこのような取組も参考にしていただきたいと思います。
また、本市がプレミアム付商品券ではなく、なぜ今回レシートを活用することにしたのか、その理由について一定理解を深めることができました。さらにレシートが発行されない場合の対応やレシートを台紙に添付する際の課題、紛失した場合の対応についても確認しましたが、ウェブ方式でレシートを送信する方法も準備されているようですので、先行して実施されている横浜市の取組も参考にして、市民へのサポートを検討していただくよう要請します。
次に、質問の6点目ですが、12月で申込みが終了した後、市民に還元される商品券等の利用方法及び利用期間について、答弁願います。
◎産業局長(岩切賢司君) 還元する商品券等につきましては、日常の買物先で利用できるもので、利用期限がないものから複数選定することとしており、市民の皆様にはその中から選択していただくこととしております。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
市民に還元される3千円相当の商品券や電子ポイントができるだけ幅広い店舗で利用できるようにすべきです。また、プレミアム付商品券の場合は商品券が期限までに利用されなければ事業完了となりませんが、本市の今回の事業では商品券等の還元が終了した時点で、実質、県との関係では事業完了となり、本市の商品券は使用期限がないことになります。しかし、先ほどの経済波及効果を踏まえるならば、還元された商品券等が一定の期間までに利用されることが望ましいと考えますので、その点を検討していただきたいと思います。
次に、今後の事業を進める上で幾つか懸念する点について質問します。
質問の7点目、委託する事業者の作業場所と市民の個人情報の監督体制と所管課の役割についてお示しください。
質問の8点目、同居世帯の世帯分離の世帯やDV世帯、ホームレス等への対応及び世帯の確認方法についてお示しください。
質問の9点目、懸念される不正申請の事例とその防止策についてお示しください。
以上、それぞれ答弁願います。
◎産業局長(岩切賢司君) 委託事業者の作業場所につきましては、個人情報を取り扱うため入退室を管理する対策を求めてまいります。また、個人情報の取扱いにつきましては、個人情報の保護に関する法律及び関連する各種の規定の遵守など徹底した情報セキュリティー対策を義務づけ、必要に応じ立入調査や情報セキュリティー対策チェックシートによる確認、是正措置を行うこととしております。
本事業におきましては住民基本台帳に基づき全ての世帯を対象とするため、世帯分離の世帯にはそれぞれ案内通知書等を送付することとしております。また、DV世帯等については、過去の商品券事業等での取扱いを踏まえ関係部局と連携し適切に対応してまいりたいと考えております。
想定される不正申込みといたしましては、拾得したレシートや他人から譲り受けたレシートなどによる申込みがございます。防止策につきましては、詳細は委託業者による提案を基に決定いたしますが、郵送による申込みの場合はレシート原本の貼付を、オンラインによる場合はレシートへの管理番号等の記入を要件とするほか、申込み台紙やホームページにおいて拾得したレシートなどの使用は詐欺罪等に問われる場合があることを明記し、注意喚起を行うことなどを考えております。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
本市でもこれまで市民の個人情報の漏えいが度々発生しています。その教訓を今回の事業に具体的に生かす必要があると思いますので要請します。DV世帯やホームレスの方への対応については関係課との連携を強めていただきたいと思います。
次に、質問の10点目ですが、今回の事業について市民の方々から2つの意見が寄せられています。
1点目、各世帯に3千円を還元するために約千円の経費を使うのは非効率ではないか。
2点目、各世帯への現金給付や現物給付による支援も検討すべきではないか。極めて率直な御意見だと思いますが、見解をお示しください。
答弁願います。
◎産業局長(岩切賢司君) 事務経費につきましては、先ほど申し上げましたとおり、幅広く還元する公平性の確保、混雑回避による感染拡大防止、簡便な手続による市民の負担軽減等を図るため必要な経費であると考えております。
今回の事業は生活者の支援に加え地域経済の活性化を目的としており、貯蓄されることなく個人消費の喚起を促す必要があるため商品券等による還元がより効果的であると考えたところでございます。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
県が求めてきた補助事業に対応するために本市が今回の事業を提案してきたことは理解します。しかし、個人消費を喚起するために必要な事務経費とのことですが、約3億円の予算があれば、貯金する余裕もない市民にとっては直接的な現金給付や現物給付を求めたいというこの率直な意見は受け止めていただきたいと思います。
最後に市長に質問します。
今回の事業は日常の消費活動の延長線上の消費喚起だから、コロナ禍の下でも可能だと答弁を受けましたが、本当にそれでよいのでしょうか。私はコロナ禍の下での同事業の推進ではなく、コロナを収束させるための感染対策を一層強化し、原油価格や物価の高騰の影響を受ける市民と事業者を支援するさらなる追加措置を講じるべきと考えますが、市長の見解をお示しください。
御答弁願います。
[市長 下鶴隆央君 登壇]
◎市長(下鶴隆央君) 新型コロナウイルス感染症については、先日、BA.5対策強化宣言が発令されたところであり、本市におきましても引き続き保健所の体制強化や速やかなワクチン接種など、感染拡大の防止に全力で取り組むとともに、物価高騰等に直面している市民や事業者の負担を軽減するための必要な支援についても時期を逸することなく迅速に行ってまいりたいと考えております。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 御答弁いただきました。
市長から感染対策に全力で取り組む決意と今後、市民、事業者の負担を軽減するための追加的な支援策を講じる方針が示されましたので、今後の動向を注視することを申し上げ、私の個人質疑を終わります。