◆(園山えり議員) 日本共産党市議団の一人として個人質疑を行います。
質問に入る前に、この連休に鹿児島県を含む九州を直撃しました大型台風14号は今もなお猛威を振るい、被害が拡大しています。お亡くなりになった方々の御冥福をお祈りいたしますとともに被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。一日も早い復旧をお祈りいたします。
初めに、生理の貧困の解消について伺います。
私は、本年第2回定例会で県が取り組む生理用品の配布事業について質疑を交わし、県から配布された生理用品を学校のトイレで提供していただくよう要望いたしましたので、その後の取組を以下伺ってまいります。
質問の1点目、本市が県に申請した数と実際に届いた生理用品の数をお示しください。
質問の2点目、配布予定の施設数と施設ごとの内訳、配布方法と工夫点をお示しください。
以上、御答弁願います。
◎市民局長(牧野謙二君) お答えいたします。
県の生理用品の配布事業について、本市の申請は9,849パックで、実際に届いたのは20個入りの4千パックでございます。
本市の配布施設数は218か所で、主な施設と配布数は、小・中・高等学校2,407パック、子ども食堂945パック、地域公民館425パックでございます。配布方法はトイレへの配置や引換えカードを窓口に提示しての受け取りなど施設に応じて実施し、相談窓口一覧を掲示するなど必要な支援につながるよう工夫することとされております。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
県に対し本市が申請したおよそ1万パックに対して実際に届いたのはその4割の4千パックだったことが明らかになりました。全県から申請が多かったことから要望どおりの数が確保できなかったようです。それだけ自治体の生理の貧困の取組が広がり、ニーズがあったことが分かります。配布方法についても生理用品を必要とする女性が安心して手に取れるようトイレに配布することや相談につながるよう工夫されていることも分かりました。本市が取り組む女性のつながりサポート事業と併せてさらなる支援につながることを期待するものです。
さて、昨年、県が行った「生理の貧困」に関するWEBアンケートによると、生理用品を買うのに困ったときどうしましたかという質問に対して、交換する回数を減らしたり、トイレットペーパーなどを代わりに使うなどして、その結果、心や体に不調を感じているという深刻な実態や学校のトイレで配布することを望む女性が6割に上っていることも明らかになりました。
今回、本市教育委員会にも2,407パックの生理用品が届いたようですので、学校での生理用品の配布について伺います。
質問の1点目、市教育委員会が今回配布する学校数と配布数を小中高それぞれお示しください。
質問の2点目、県から示された配布の考え方をお示しください。
以上、御答弁願います。
◎教育長(原之園哲哉君) お答えいたします。
県の「生理の貧困」支援促進事業において市立学校に提供された生理用品は、小学校78校に1,401パック、中学校39校に897パック、高校2校に109パックを配布しております。
県によりますと、生理用品の提供は、生理の貧困問題など困難を抱えている女性の支援につなげることを目的とし、単に生理用品を無料配布するのみではなく、相談窓口を紹介するなどの支援につなげるための工夫が必要であるとされています。なお、併せて従来の学校の保健室で生理用品を配布する取組や防災備蓄には活用できないことが示されております。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
小中高それぞれに配布されるとのこと。また、配布の考えについては県から従来の学校の保健室で生理用品を配布する取組や防災備蓄には活用できないと示されていることを確認いたします。生理用品を保健室以外で配布するということについては学校も初めての取組であり、支援につながる配布について模索が始まっていることと思います。県からはトイレに貼り出せるポスターなども参考として配布されたようです。私も見せていただきましたが、このポスターは厚紙でできており、生理用品が置けるよう切り込みを入れてボックス型に組み立てられるもので大変工夫されたものでした。これならトイレの壁に貼ることができ、生理用品を個室に置くことも可能です。
教育長におかれましては、第2回定例会におきまして生理用品のトイレでの提供について、児童生徒が安心して生理用品を受け取ることができると見解をお示しいただきました。
そこで、質問の3点目、教育委員会として児童生徒が安心して生理用品を受け取ることができる配布についての提案例を示されたものかお示しください。
以上、御答弁願います。
◎教育長(原之園哲哉君) 児童生徒が安心して受け取ることができる方法として、女子トイレに設置し自由に受け取ることができる方法や女子トイレに引換えカードを設置し保健室等で生理用品と引き換える方法などを学校に周知したところでございます。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
女子トイレに設置し自由に受け取ることができる方法との提案については評価するものです。困っている児童生徒が自由に受け取れる環境ができることは生理の貧困の解消に向け重要な一歩になると思いますが、今回の県の配布事業においては求めていた数の4割程度しか確保できなかったことから十分な数とは言えませんし、継続的な支援ではないことから不十分であると考えます。
そこで、質問の4点目に、不足する懸念はないものか、見解をお示しください。
以上、御答弁願います。
◎教育長(原之園哲哉君) 県から送られてきた生理用品は今月12日から学校に配布しており、不足については現時点では把握できないところでございます。今後は県が調査を実施するとのことから、その経緯を見守ってまいります。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
今後、県では学校での取組状況を調査する意向があるようですので、本市も連携し実態把握に努めていただくよう要請いたします。
質問の5点目、今回のような一時的な支援から継続的な配布が必要ではないかと考えますが、見解をお示しください。
以上、御答弁願います。
◎教育長(原之園哲哉君) 教育委員会といたしましては、支援を必要とする児童生徒にとっては、経済的、心理的な負担軽減につながるものであることから、県において事業が継続的に実施される場合は関係部局等と連携を図りながら生理用品の配布に協力をしてまいります。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
経済的、心理的な負担軽減につながるものと評価はしておられるものの、継続的な配布については県の事業の協力にとどまるという見解であり、大変残念であります。学校ではいよいよ生理用品の配布が始まりますので、必要な児童生徒に届いているものか、児童生徒がどのように受け止めているのかなど実態把握にも積極的に努めていただき継続的な独自の支援策を検討するよう要請し、この質問を終わります。
次に、自衛官募集を目的とする名簿閲覧について伺います。
各自治体は自衛隊からの要請に基づき個人情報の提供を様々な形で行っているようですが、本市では住民基本台帳から抽出した個人情報を提供し、自衛隊がその情報を閲覧、書き写すという対応をしています。今年度、自衛官募集の対象となりダイレクトメールが送られてきた対象者の保護者から個人情報の提供をやめてほしいという相談が寄せられたことから、以下伺います。
本市の対応について、質問の1点目、名簿を閲覧する目的、対象と対象者数、書き写しの実績数をお示しください。
質問の2点目、自衛隊に提供している情報の内容をお示しください。
以上、御答弁願います。
◎総務局長(枝元昌一郎君) お答えいたします。
名簿閲覧は自衛官の募集案内に必要な情報収集とされ、本年度は18歳になる市民5,889人のうち3,090人の氏名、生年月日、性別、住所について自衛隊職員が書き写しております。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
対象者については今年度は18歳になる市民とのことですが、18歳に加え22歳を含む年もあるようです。また、今年度は18歳になる約6千人の市民のうち半数の約3千人の個人情報を自衛隊が書き写したことが明らかになりました。この情報を基に自衛官の募集が行われるようです。
そこで、質問の3点目、自衛隊が対象者に送るダイレクトメールはどのようなものか内容をお示しください。
質問の4点目、保護者から情報提供に対する抗議の声はなかったものかお示しください。
以上、御答弁願います。
◎総務局長(枝元昌一郎君) お触れの送付文は採用説明会の開催案内とのことでございます。
また、情報提供については、本年度は2件、市民から文書送付を希望しない旨の声がございました。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
私も保護者の方から御提供いただき送付されたダイレクトメールを見ましたけれども、採用説明会の案内以外にも地元出身の32人の自衛官の皆さんが出身学校名と顔写真つきで紹介されていました。また、自衛官になるとリストラや失業の可能性が低いことや福利厚生については東京ディズニーランドやUSJなどが安価に利用できるなど、案内にはメリットしか書かれていませんでした。
現在、自衛隊をめぐってはいじめやハラスメントが問題になっており、相談件数も2016年からの5年間で9倍に急増しており、元自衛官だった22歳の女性は複数の隊員からの性被害を告発しました。防衛大臣は全ての自衛隊を対象にハラスメントなどを調査する特別防衛監察を実施するとし、今回の告発に対して「基本的人権の侵害であり、決してあってはならないことだ」と述べました。災害救助などで頑張っている自衛隊員の皆さんに憧れて入隊する方もいらっしゃると思いますが、このような深刻なニュースに触れれば自衛隊に個人情報が提供され募集の対象になっていることを不安に思う保護者がいるのは当然です。当局としても情報提供しないよう求める声が寄せられていることを重く受け止めていただきたいと思います。
次に、名簿閲覧の今後の考え方について伺います。
質問の1点目、自衛隊へ名簿を閲覧させる根拠と閲覧の対応を取ってきた本市の考え方をお示しください。
質問の2点目、閲覧の対応を取っている県内自治体や中核市の状況をお示しください。
以上、御答弁願います。
◎総務局長(枝元昌一郎君) 閲覧は、他都市の動向も踏まえ住民基本台帳法に基づき対応しております。
また、閲覧による対応は本年7月時点で本市を含め県内は2市、中核市は28市でございます。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
中核市では半数以上が閲覧の対応を取っており、県内では本市を含め2市のみ閲覧の対応ということが分かりました。2019年の衆議院本会議で当時の安倍首相は、自衛官募集のための名簿提供をめぐり、全国の6割の自治体が非協力、だから憲法に自衛隊を明記しないといけないなどと述べた上に、閲覧対応をしている自治体に対して非協力的と断定し、その後、自治体へ協力を求めるよう圧力が強まっています。
そこで、質問の3点目、令和3年2月5日の防衛省と総務省連名による通知内容をお示しください。
質問の4点目、令和4年1月21日の防衛大臣からの通知内容をお示しください。
以上、御答弁願います。
◎総務局長(枝元昌一郎君) お触れの通知内容は、令和3年は、自衛官等の募集に関し必要な情報の提出を求めることは住民基本台帳法上、特段の問題が生ずるものではないこと。
令和4年は、募集対象の情報は紙または電子媒体での提供を求めることなどでございます。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
防衛省と総務省が連名で名簿を紙媒体などで提供することについて特段の問題はないなどとわざわざ見解を示すことは極めて異例であり、このような通知を出すこと自体が大変問題であると指摘するものです。この通知には、我が国を取り巻く安全保障環境がこれまで以上に急速に厳しさを増していることから、防衛力の強化に取り組んでいくと示されるとともに自衛官の募集環境が厳しいと示されています。2015年に安保法制が強行されて以降、集団的自衛権を根拠に米軍の引き起こす戦争に自衛隊が駆り出されることが可能となり、日米の軍事一体化が急速に進んでいます。鹿児島県でも馬毛島への米軍基地建設をはじめ、自衛隊鹿屋基地への米軍無人偵察機MQ9の配備など軍拡路線に突き進んでいます。このような動きと連動して国の自治体に対する圧力強化は若い人たちが米軍と共に戦争に参加する道へとつながりかねない危険な道ではないでしょうか。
そこで、質問の5点目、名簿提供をする場合、法的根拠はあるものか当局の見解をお示しください。
以上、御答弁願います。
◎総務局長(枝元昌一郎君) 国によると自衛隊法及び同法施行令に基づき市が資料を提出することは可能とされております。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
可能とされているという見解でしたが、自衛隊法施行令第120条では、防衛大臣は、市町村長に対し、必要な報告又は資料の提出を求めることができるとしているだけで、自治体が名簿提出の要請に応じる義務はありません。また、住民基本台帳法では名簿提供は想定しておらず、これまでも本市は紙媒体などでの名簿提供の対応はしていないと伺っています。自衛隊だけ特別な対応をしていいという法的根拠は見当たりません。
そこで、質問の6点目、今後も名簿提供はやめるべきと考えますが、本市の見解をお示しください。
以上、御答弁願います。
◎総務局長(枝元昌一郎君) 今後も他都市を参考にしながら、法令等に基づき適切に対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
本市でもし名簿提供が行われたならば、対象者の半数を書き写している今の状況から、対象者全員分の個人情報が自衛隊に提供されることに加え、本人の同意なく提供してよいのかという点でも問題であるということは厳しく指摘をいたします。当局におかれましては、これまでと同様の対応を強く要請いたします。
今回、私の下に相談があった保護者の方は、「市が個人情報を自衛隊に提供していることは知らなかった。提供された情報の削除はできないのか」などと大変心配しておられました。
そこで、除外申請について伺います。
質問の1点目、内容と本市の評価をお示しください。
質問の2点目、中核市での実施状況をお示しください。
以上、御答弁願います。
◎総務局長(枝元昌一郎君) 除外申請は自衛隊への情報提供を希望しない意思表示の方を提供除外するもので、個人の意思に配慮するものと考えております。
また、中核市において除外申請は現在6市で実施されております。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
除外申請は、今回、保護者の方から要望があったように自衛隊に情報提供を望まない方が事前に拒否できるものですが、中核市でも6市で取り組まれていることが分かりました。
そこで、質問の3点目、若い方々の個人情報を守るために本市でも除外申請を検討するべきと考えますが、見解をお示しください。
以上、御答弁願います。
◎総務局長(枝元昌一郎君) 除外申請は今後導入に向け検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
導入に向けて検討していただけるようですので評価するものですが、この取組については申請が必要ですので周知徹底されないと意味がありません。多くの対象者や保護者は本市が自衛官募集のために情報提供を行っていることすら知らないと思います。
そこで、質問の4点目、除外申請の取組が若い方々に伝わるように市民のひろばやSNSだけでなく学校などでも広く周知徹底し、また、インターネットでの申請もできるよう検討を求めるものですが、見解をお示しください。
以上、御答弁願います。
◎総務局長(枝元昌一郎君) 周知は今後適切な方法等を検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
毎年行われる名簿の閲覧が行われる前に情報提供の取組と併せて除外申請ができることを学校などとも連携し丁寧に知らせていただくとともに、スマホが普及している世代ですのでインターネットからも除外申請ができるよう要請いたします。福岡市では2020年に除外申請と併せて名簿提供が開始されたようですが、対象者のうち250人近い市民が除外申請をしたと伺いました。ただ、これは対象となる3万人余りの1%弱とごく僅かですので、この制度があるからといって情報提供を望まない全ての市民の個人情報が守られるとは言えません。当局におかれましては、若い方々の情報を守るとりでとなるよう今後もこれまでと同様の対応をしていただくよう強く要望して、この質問を終わります。
次に、民間移譲された路線バスについてです。
交通局から民間移譲した路線バスは今年度末で可能な限り3年は維持するとした協定の3年を迎えることから、路線バスを維持するよう求める立場から、以下伺います。
質問の1点目、地域公共交通総合研究所が行った調査において、「公的補助・支援がないと2年以内に経営の限界が来る」と回答した公共交通事業者の割合と見解をお示しください。
以上、御答弁願います。
◎企画財政局長(橋口訓彦君) お答えいたします。
お触れの調査で2年以内に経営の維持ができなくなると回答した公共交通事業者の割合は約8割でございます。人口減少や新型コロナウイルス感染症の影響などにより利用者数が大きく減少しており、そのことに伴う収益性の低下など公共交通を取り巻く環境は厳しい状況にあると考えております。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
8割に上る事業者が公的な補助がないと経営の限界が来ると回答していることが分かりました。私は、政務調査課を通じて他都市を調査し、不採算路線に対して支援制度を行っている自治体を示し、本市でも同様の取組を行うべきではないかと繰り返し求めてきた経緯から、事業者も補助がなければ経営がもたないと答えていることは極めて深刻な結果だと思います。当局とされましても事業者が今後存続できるかどうか瀬戸際に立たされていると受け止めていると理解をいたします。
バス事業者の経営はますます厳しくなる中で、ついに廃止が示された唐湊のバス路線について伺います。
鹿児島交通は先月8月末、唐湊の地域住民や町内会に唐湊線の廃止を検討していることを明らかにされ、住民の中に大きな衝撃が走っています。今日は唐湊線を守ってほしいと願う住民の皆さんが傍聴に駆けつけてくださいました。皆さんの思いを代弁し、質問いたします。
まず、質問の1点目、民間移譲した路線バスのうち可能な限り3年間は維持するとした交通局との協定の期限を迎える来年4月からの検討状況とその主な理由をお示しください。
以上、御答弁願います。
◎副市長(松枝岩根君) お答えいたします。
唐湊線につきましては、来年4月以降、唐湊住宅等の2つの停留所及び経路約300メートルを廃止し、唐湊住宅発着便として運行している便の多くを唐湊福祉館前発着便に振り替えることについて、現在、事業者である鹿児島交通において検討を進めており、その主な理由は、利用客数が少ないこと、また、通常経費に加え誘導員の経費も必要なことなどから運行の効率化等を図るためであると伺っております。なお、他の移譲路線については現時点で具体的にはお聞きしていないところでございます。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
唐湊線には2つの発着便がありますが、唐湊住宅と唐湊公民館前の停留所が廃止され、唐湊福祉館前の発着便が残ることを確認いたします。民間移譲した路線で廃止が検討されているのは唐湊線だけとのことでしたが、その主な理由として交通誘導員の経費が要因に挙げられているようです。
質問の2点目に、廃止の検討に対する交通局の見解をお示しください。
以上、御答弁願います。
◎副市長(松枝岩根君) 唐湊線における一部系統の廃止も含めた見直しの検討につきましては、利用状況等を踏まえながら地域の意向と利用者への影響にも配慮し、唐湊線そのものの運行継続に向けた事業者の総合的な経営判断であると受け止めております。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
唐湊線そのものの運行継続のためにはメインの唐湊住宅発着便が廃止されても仕方がなかったのでしょうか。唐湊住宅の発着便として運行している便を唐湊福祉館前発着便に振り替える点についても事業者は努力すると説明しておられるようですが、どれだけ振替ができるのか現時点では分からず、減便も免れません。何より始発の唐湊住宅を利用している方々が300メートル離れた停留所で乗り降りすることになり利便性は極めて悪くなることは明らかです。それでも全てが廃止にならなくてまだよかったということでしょうか。
次に、質問の3点目、交通局が運行していた唐湊路線における交通誘導員の配置の経過と経費をお示しください。
以上、御答弁願います。
◎副市長(松枝岩根君) 唐湊線の交通誘導員については、道路が狭隘であり、起終点における進行方向の転換が運転手のみでは困難であったことから安全対策のため配置していたものでございます。移譲前の令和元年度まで本路線を含む複数路線に係るバス誘導について一括して委託しており、元年度の委託金額を配置人数、従事時間などで案分して試算いたしますと、本路線分は年間約640万円でございます。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
唐湊は道が狭隘なため安全に運行するためにはどうしても誘導員が必要です。交通局が運行していた当時でも年間およそ640万円の経費がかかっていたということをお示しいただきました。
質問の4点目に、廃止の検討を受けて本市は速やかに対応を考えるべきと考えますが、当局の見解と事業者の負担となっている交通誘導員の支援はできないものか見解をお示しください。
以上、御答弁願います。
◎企画財政局長(橋口訓彦君) 唐湊線への今後の対応につきましては、廃止される地域の状況把握に努め、これまでの廃止路線バス対策も踏まえて対応してまいりたいと考えております。なお、交通誘導員の支援につきましては現時点で考えていないところでございます。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
事業者への支援は考えていないという答弁でした。先ほどお示しいただきましたが、唐湊線には移譲前から交通誘導員が置かれており、安全運行のためには欠かすことができません。交通局は誘導員の確保や市民サービスを維持できるという判断で民間移譲したはずです。誘導員の負担が要因で廃止を検討しているというならば、本市が独自に支援するという判断を今するべきではないでしょうか。強く要望いたします。
次に、交通局が行った公営企業のうち公営バスにおける一般会計からの繰入金の調査について伺います。
質問の1点目、公営バスを運行する18自治体のうち収支不足などへの支援制度の主な内容と特徴をお示しください。
以上、御答弁願います。
◎副市長(松枝岩根君) 他の公営バス事業者における収支不足への一般会計からの補助等については、バス路線維持負担金や行政路線補助金などの項目があり、設置者である自治体の実情や各事業者の実態に即した補助等が行われているものと考えております。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
各自治体とも路線の収支不足相当分を全額あるいは8割補助するなどの直接支援を行い、路線を維持しようと取り組まれていることが分かります。交通局の調査のうち本市以外で4市の中核市が含まれておりますが、私が行った中核市調査と照らし合わせますと、青森市、八戸市、松江市では、公営バスにも、民間事業者にも収支不足に対する直接支援を行っていることが分かりました。
そこで、質問の2点目、交通局が行った調査についての本市の評価をお示しください。
以上、御答弁願います。
◎企画財政局長(橋口訓彦君) 調査によると、法令に基づく繰り出し基準や各市の実情に応じた財政支援が行われているものと考えております。
以上でございます。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
実情に応じた財政支援が行われているという評価でした。本市としても唐湊線のように地域の実情に応じた支援ができるはずではないでしょうか。
こちらのパネルを御覧ください。
これは唐湊の町内会が路線バスを守ろうとつくられたのぼりです。「乗って残そう路線バス」と書いてあります。バス停や道路沿いに20本もののぼりが立っています。住民の皆さんが唐湊線の存続のために取り組んでおられることを受け、私ども市議団もこの8月、路線バスを守るためにアンケート調査に取り組んでまいりました。その内容は、バスの利用頻度や民間移譲後、サービスに影響はないか、今年4月1日からの減便で影響はないか、路線バスの維持のため市の補助は必要かなどを伺うものです。唐湊では地域住民の協力の下、200人を超す方に協力していただき、声を寄せていただきました。バスを存続したいという思いでこの調査を始めたものの、鹿児島交通が路線の廃止を検討していることをお伝えすることとなりました。8月末のことでしたが、大変衝撃的でありました。アンケートには、バスの利用者だけではなく、車があるから今は困っていないが高齢になったときにバスが必要だという方、唐湊線に乗って唐湊墓地にお墓参りに行かれる方など様々な立場の方から寄せられました。唐湊線は今年度10便の減便が行われましたが、減便についてどう思うかという質問に対し、「仕方がない」という方が41%、「減便はやめてほしい」という方が49%、通勤でバスを利用している40代の方からは、「減便になり、とても困っています。朝の通勤の時間もバスに合わせて無理しています。できれば朝夕の便を増便してほしいです」という御意見や免許を返納した70代の方からは、「市電の電停までは遠く、買物にバスは必要です」という御意見が寄せられています。交通局に対してこれ以上の民間移譲はせずに路線バスを守るべきという方は77%に上りました。また、路線バスを守るために市は事業者に対して補助することに対してどう考えるかという質問に対しては、88%、およそ9割に上る方が「補助するべき」と回答しています。70代の方からは、「交通事業者への補助を市として真剣に取り組んでいただきたい。市民の足が遠のいたら市やまちは疲弊する」という御意見も寄せられました。
そこで、最後に市長に伺います。
民間移譲された路線の廃止に対する市長の受け止めと住民に広がる不安に応えるために今こそ住民の声を聞く機会をつくるべきと考えますが、見解をお示しください。また、事業者への直接支援をする必要があるのではないかと考えますが、市長の見解をお示しください。
以上、御答弁願います。
[市長 下鶴隆央君 登壇]
◎市長(下鶴隆央君) 園山えり議員にお答えいたします。
今回の路線の一部見直しにつきましては、運行事業者において地域住民の意向や利用状況などを踏まえ、当該路線を維持できるよう総合的な経営判断の下、検討されているものと受け止めております。私は、地域の移動手段の確保を図ることは重要な課題であり、厳しい状況下にある路線バス事業を維持するためには国や自治体が連携して支援していくことが肝要であると認識しております。今後も引き続き地域の状況等の把握に努めつつ、国、県等と協調してバス運行に対する各種助成を行うとともに、中核市市長会等を通じて国へ支援措置の充実について要望するなど取り組んでまいりたいと考えております。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 御答弁いただきました。
私はこれまでこの問題について本会議で取り上げ、事業者への不採算路線への補助事業を繰り返し求めてまいりましたが、当局は調査もしないという大変冷たい姿勢でありました。いよいよ廃止の検討が示されても市長は交通局と同じ受け止めであり、大変残念です。他都市のような直接支援をしていれば廃止にはならなかったかもしれないと考えますが、事業者を支え地域住民の交通権を守るという観点はお持ちではないのでしょうか。さらに住民の声を直接聞く機会もつくっていただけないとのこと。下鶴市長におかれましては、県議時代から各地で県政報告会を開催され、住民の声に耳を傾けてこられたものと理解しております。現在も市長と語る会に取り組まれています。路線バスが廃止されれば住民がどう困るのか、なぜ路線バスを維持してほしいと考えているのか、唐湊の住民の生の声を直接聞いていただきたいのです。
市長に再度質問いたします。
住民の声を聞く機会をつくるべきと考えますが、見解をお示しください。
以上、御答弁願います。
[市長 下鶴隆央君 登壇]
◎市長(下鶴隆央君) 路線の一部見直しについては、まずは運行事業者において丁寧に説明いただきたいと考えており、先ほど申し上げましたように今後も住民の声も含め地域の状況等の把握に努めてまいりたいと考えております。
[園山えり議員 登壇]
◆(園山えり議員) 御答弁いただきましたが、この答弁で地域住民が納得すると思われたことに大変残念な思いです。事業者任せで当事者意識が全くないということは指摘せざるを得ません。住民から寄せられたアンケートには、「社会福祉政策として予算化するべきだ」という声が寄せられるほど不採算路線を事業者の責任だけで走らせることは、もはや不可能という意識を持っていただきたいと思います。200人の唐湊住民の声を受け止めていただけなかったということは市長の姿勢には返す返すも残念ですが、私は引き続き唐湊線の存続に向けて地域住民の皆さんとともに頑張る決意を申し上げ、私の個人質疑の全てを終わります。