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たてやま清隆・個人質疑 令和6年第2回定例会(6月) 06月18日-03号

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P.112 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 日本共産党市議団の一人として個人質疑を行います。
 初めに、市長の政治姿勢について質問します。
 本市の令和4年人口動態調査では離婚件数が936組と報告されていますが、1947年の民法改正以降、離婚後は単独という親権の在り方が77年ぶりに見直され、離婚する父母が合意していなくても裁判所が離婚後の共同親権を定めることができるという改正民法が去る5月17日、国会で成立しました。
 そこで、市長に質問します。
 離婚後の共同親権の導入を決定した改正民法は、子の利益にかなう改正とお考えか、市長の評価と今後の市政運営上の課題について見解をお示しください。
 答弁願います。
   [市長 下鶴隆央君 登壇]

P.113 ◎答弁 市長(下鶴隆央君)

◎市長(下鶴隆央君) たてやま清隆議員にお答えいたします。
 今回の共同親権の導入に当たり、国は、父母が離婚後も子の養育に適切に関わり、責任を果たすことが子の利益の観点から重要だとの理念に基づくものとしており、現在、様々な事情により離婚後に親子の交流ができていない方にとっては、共同親権が子供との関わりを持つ機会となる面もあり、家族関係が多様化する中において一定の意義があると考えております。
 一方、国会審議の過程においては、DVや児童虐待のケースに対する安全確保への不安や単独で親権を行使できる日常の行為、急迫の事情の定義の明確化などの懸念がなされるなど、今後、国においてさらなる整理がなされるものと承知していることから、その動向を注視してまいりたいと考えております。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.113 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 ただいま市長から面会交流権の御発言がありましたが、面会交流権の問題といわゆる共同親権の問題は私は別問題だということは指摘をしておきたいと思います。
 市長から今後の市政運営に影響を与える課題認識が示されましたが、ある元児童相談所長は、「改正法の施行後は混乱が予想される。離婚後も父母双方が親権を持てば、多くの場合、子供の進路や居所の選択、医療受診といった場面で合意形成に時間がかかる。国会審議の結果、父母の真意を確認するように修正されたが、子供の真意こそ確認してほしい。子供にとって非常に大きな影響のある改正なのに子供の意見表明権は保障されなかった」と述べています。
 父母間の真摯な合意がない場合、親権の共同行為が強いられることになり、別居している親による干渉、支配が復活、継続する手段となり、結果として、子の権利や福祉が損なわれる危険が懸念されます。法施行まで2年間ありますが、今後、改正民法が市政運営に与える具体的な課題を明らかにし、子の利益にかなう最善の施策を検討していただくよう要請して、この質問を終わります。
 新しい質問に入ります。
 6月から始まった定額減税と調整給付金について、以下質問します。
 初めに、給与所得者に係る定額減税について、質問の1点目、5月に発送された本市の税額決定通知書の件数をお示しください。
 質問の2点目、企業から定額減税に関する本市への問合せ状況をお示しください。
 質問の3点目、今回の定額減税は企業としては課税資料にない扶養親族を確認する必要がありますが、その確認方法をお示しください。また、国は給与明細への減税額の明記を義務づけるとしていますが、その明記方法をお示しください。
 質問の4点目、従業員の定額減税を年末調整で一括処理することへの見解をお示しください。
 以上、それぞれ答弁願います。

P.113 ◎答弁 総務局長(遠藤章君)

◎総務局長(遠藤章君) お答えいたします。
 お尋ねの税額決定通知書については、約2万1千事業所に対し約20万7千人分を発送しました。
 事業所からは、「個人住民税に関し減税額を事業所が計算する必要があるのか」、「6月分の税額がゼロなのはなぜか」、「減税し切れない場合はどうなるのか」などの問合せが寄せられております。
 所得税の定額減税の実施に当たり、扶養控除等申告書に記載のない扶養親族等については、最初の減税までに源泉徴収に係る定額減税のための申告書を提出することで減税額の計算に含めることができるとされております。また、減税額については、給与支払い明細書の適宜の箇所に記載する、それが難しい場合には別紙に記載しても差し支えないとされております。
 給与所得者に係る所得税の定額減税は、勤務先において、令和6年6月1日以後、最初に支払われる給与等に対する源泉徴収税額から順次控除することとされております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.114 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 本市では、現在2万1千件の企業で20万7千人の従業員の給与から扶養家族分も含めて1人4万円の定額減税の事務処理が行われており、問合せも来ているようです。帝国データバンクの緊急アンケート調査では約7割の企業が定額減税の事務処理に「負担感がある」と回答しています。企業としては、扶養親族の所得の把握は手間のかかる作業であり、経理担当職員の負担も増えています。同アンケートでは、定額減税ではなく年末調整での一括対応や4万円の定額給付など別の方法はなかったのか、また、定額減税による事業への効果、影響が期待できない一方で、対応のための経費が増加したという批判の意見が企業から出されており、岸田内閣の思惑どおりには進んでいないようです。
 次に、定額減税の対象外となる白色、青色申告者の事業専従者について3点質問します。
 質問の1点目、同申告者の本市の事業専従者数の推計とその把握についてお示しください。
 質問の2点目、令和6年5月28日、参議院財政金融委員会で我が党の小池 晃参議院議員の質問に対して答弁された国の今後の対応方針をお示しください。
 質問の3点目、国の今後の対応について、早急に対象者への周知徹底を図るべきと考えますが、見解をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.114 ◎答弁 総務局長(遠藤章君)

◎総務局長(遠藤章君) 事業専従者数は近年3,500人前後で推移しております。なお、令和6年度当初課税における数は、8月上旬に確定する見込みでございます。
 以上でございます。

P.114 ◎答弁 健康福祉局長(福島宏子君)

◎健康福祉局長(福島宏子君) お答えいたします。
 お触れの事業専従者の取扱いについては、令和6年5月の参議院財政金融委員会において、内閣官房事業企画室次長が、「給付金で対応することができるよう来年に向けて準備を進めてまいりたい」と答弁されておりますので、その動向を注視してまいりたいと考えております。
 対象者への周知については、国からの正式な通知が届き次第、速やかに対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.114 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 本市では約3,500人の市民の方々が定額減税の対象外となっていることをこれから知ることになります。来年に向けて具体的な給付方法は現段階では決まっていませんが、国は1人当たり4万円と明確に答弁していますので、このような国の動向を定額減税の対象外となる方々に早めに周知することを要請します。
 次に、定額減税し切れない市民について3点質問します。
 質問の1点目、普通徴収と公的年金特別徴収に係る税額決定通知書の発送件数をお示しください。
 質問の2点目、調整給付金の対象となる市民の数をお示しください。
 質問の3点目、対象者への周知と遺漏なき対応を図るべきと考えますが、見解をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.114 ◎答弁 総務局長(遠藤章君)

◎総務局長(遠藤章君) お尋ねの発送件数は約9万8千件でございます。
 以上でございます。

P.114 ◎答弁 健康福祉局長(福島宏子君)

◎健康福祉局長(福島宏子君) お触れの給付については、対象者数を納税義務者と被扶養者を合わせて約19万人と見込んでおります。
 周知については、調整給付の対象となる納税義務者に対し確認書を送付するとともに、市民のひろばや市ホームページ、SNS等、各面から周知・広報を行ってまいります。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.115 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 事業所得者等の普通徴収と公的年金特別徴収に係る税額決定通知書は6月10日に発送され、その件数は約9万8千件だと示されました。この中には、減税額より納税額が少ないためその差額分を調整給付金として納付する市民が含まれていますが、その対象となる市民は約19万人であると5月の臨時会での答弁と変わらぬ数字です。しかし、政務調査課を通じた調査では、個人市民税の減税に係る調整給付金の被扶養者を含む対象者は約3万900人です。したがって、残りの約15万9,100人が所得税分のみの調整給付金の対象となります。これから問合せが増えると思いますので、適切かつ丁寧な対応を要請します。
 さて、定額減税がスタートしましたが、止まらない円安のため物価高騰の圧力は収まっていません。本市の消費者物価指数も上昇しており、さらに、電気、ガス料金の補助やガソリン支援が終了し、物価に反映されれば定額減税分の効果はなくなることになります。やはり、消費税減税の速やかな実施が必要だということを申し上げ、この質問を終わります。
 新しい質問に入ります。
 昭和4年(1929年)に建立されている宗教法人照国神社の大鳥居について質問します。
 初めに、同神社の大鳥居に関しては住民監査請求が行われていますので、3点質問します。
 質問の1点目、請求の時期と請求内容をお示しください。
 質問の2点目、市長からの弁明の内容をお示しください。
 質問の3点目、監査の経緯と監査委員の判断内容をお示しください。
 以上、それぞれ答弁願います。

P.115 ◎答弁 代表監査委員(宮之原賢君)

◎代表監査委員(宮之原賢君) お答えいたします。
 お触れの住民監査請求は、令和4年7月11日に受理いたしました。請求内容は、市道上に建つ大鳥居について、市が適切な財産管理を怠り、また違法な財産管理を行っているとして、早急に適切な状況に改善することを求めたもので、具体的には、大鳥居の存する土地の売却や不法行為に基づく損害賠償請求権の行使などの措置を求めたものでございます。
 市長からは、神社が積極的かつ作為的に市有地の占有を始めたのではなく、戦前及び戦後復興事業などの歴史的経緯により市道に鳥居が建つに至っていること、また、法的裏づけのないままの占有を容認しているわけでなく、協議により是正を図ろうとしていることなどから、財産管理を怠る行為に当たらないとの弁明があったものでございます。
 監査委員としては、当該請求について、関係人から陳述の聴取、関係書類及び現地の調査などを行い、違法もしくは不当に財産の管理を怠る事実には該当しないと判断の上、本件請求には理由がなく棄却すると令和4年9月に決定し、市は鳥居の所有者と協議を継続し、現状の問題解決に努めるよう意見を付しております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.115 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 本市が適切な財産管理を怠っている事実はないとして監査委員からは請求を棄却する判断が示されましたが、同時に鳥居の所有者である照国神社と協議を継続し、現状の問題解決に努められたいとの意見が付されています。
 そこで、本市と宗教法人照国神社との協議について3点質問します。
 質問の1点目、平成の時期からの協議の経緯をお示しください。
 質問の2点目、監査結果後の協議の経緯と同神社側の主張をお示しください。
 質問の3点目、本市が同神社に対して不当利得返還請求をしている道路占用料相当額と令和6年度の占用料をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.115 ◎答弁 建設局長(日高謙次郎君)

◎建設局長(日高謙次郎君) お答えいたします。
 お尋ねの経緯については、平成3年から4年にかけて道路占用許可申請の協議を行った結果、4年11月に申請書が提出され、9年度末までの期間、占用許可を行った状況がうかがえます。10年度の許可の更新において、市有地との境界問題を理由に申請が出されなかったことから、以降、申請書の提出をお願いしているところでございます。
 令和4年9月以降、4年度に1回、5年度に3回、6年度に1回、神社への訪問や電話により道路占用許可申請の提出と直近10年分の道路占用料相当額の支払いについて協議を行っております。相手方は、鳥居にまつわる歴史的経緯や道路占用料に関する他の神社の事例などを主張されております。
 平成26年度から令和5年度までの10年間の道路占用料相当額は57万8,400円、6年度の道路占用料を算出すると、年間4万5,600円でございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.116 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 平成4年から9年にかけて神社から道路占用許可申請が出された記録がありますが、平成10年からは道路占用とは全く別の問題を理由にして申請が行われなくなり、その結果、平成26年から令和5年まで10年間の道路占用料相当額を神社側に請求していることが示されました。神社側は、他の自治体においても道路占用許可が申請されていないことを主張しているようです。
 そこで、市有地上に宗教法人が所有する物の設置の有無に関する中核市調査について質問します。
 宗教法人が所有する物が「ある」と回答した市の数、そして、その中で道路占用許可や貸付け契約等の措置を講じている市の数をお示しください。
 答弁願います。

P.116 ◎答弁 企画財政局長(古河春美君)

◎企画財政局長(古河春美君) お答えいたします。
 本市を除く中核市のうち、市有地上に宗教法人が所有する物の設置がある市は31市で、そのうち道路占用許可や貸付け契約などを行っている市は21市でございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.116 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 31市の中で21市は所有者側と協議し問題解決が図られているようですが、残りの10市では本市と同様に問題解決が図られていないようです。他の自治体でもそれぞれ歴史的な経緯があるようですが、問題解決の必要性は認識されているようであります。
 そこで、砂川政教分離訴訟と本市の対応について2点質問します。
 質問の1点目、同訴訟で違憲とみなされた最高裁判決の内容と市政運営上の課題認識をお示しください。
 質問の2点目、同神社に道路占用許可申請を求める、無償貸付けしない理由とその法的根拠をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.116 ◎答弁 建設局長(日高謙次郎君)

◎建設局長(日高謙次郎君) 平成22年1月の最高裁判所大法廷判決では、北海道砂川市が連合町内会に対し、市有地を無償で神社施設の敷地としての利用に供している行為が公の財産を宗教上の組織等へ利用提供することを禁止する憲法第89条及び宗教団体に対する特権の付与を禁止する第20条第1項後段に違反するとされております。本件は、本市の経緯や利害関係などと事情が異なりますが、この判例は地方自治体の財産の管理に影響を与えるものと認識しております。
 道路占用許可申請については、道路法第32条に、道路を占用する者は許可を受けなければならず、その場合は申請書を提出しなければならないと規定されております。道路占用料については、同法第39条に、占用料を徴収することができ、その占用料の額等は地方公共団体の条例で定めると規定されております。本市は、鳥居の状況を踏まえ、同神社に対して申請書の提出を求めており、許可の際は鹿児島市道路占用料条例に基づき徴収するものと考えております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.116 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 平成22年の砂川政教分離訴訟の最高裁判決を踏まえるならば、歴史的な経緯があったとしても道路法に基づいて市有地上にある宗教施設等の適切な財産管理が求められています。住民監査請求を行った請求人は、この最高裁の判例と本市の事案は非常に類似しており、強い違憲状態にあると陳述しています。また、監査委員の判断でも外形的な状況のみを捉えると、市道上に無償で神社の鳥居が建っている状況は憲法違反と見られるおそれもあると述べられています。
 そこで、この質問の項の最後に、市長に質問します。
 違憲状態を回避するためにも、市長がイニシアチブを発揮して問題解決に当たるべきと考えますが、答弁願います。
   [市長 下鶴隆央君 登壇]

P.117 ◎答弁 市長(下鶴隆央君)

◎市長(下鶴隆央君) 市道上にある照国神社の鳥居につきましては、歴史的経緯等を踏まえながら、適正な占用手続に向け協議を重ねるよう担当部局に指示しております。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.117 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 10年以上神社側から本市に道路占用許可申請が行われていない事実があり、また、監査委員から意見が示され、1年10か月が経過し5回の協議が行われていますが、問題解決の進展が全く見られません。市長御自身が動くお考えがないのであれば、どのように問題解決を図るのか具体的な指示を出してください。今後の当局の動向を注視することを申し上げ、この質問を終わります。
 新しい質問に入ります。
 地域住民にとって身近な生活道路整備事業について質問します。
 質問の1点目、同事業の要件と令和2年から6年の路線箇所数をお示しください。
 質問の2点目、同事業の令和2年から6年の事業総額の推移と事業を進める上での課題認識をお示しください。
 質問の3点目、用地取得のための宅地、田、畑の買収単価とその根拠及び実施年をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.117 ◎答弁 建設局長(日高謙次郎君)

◎建設局長(日高謙次郎君) 生活道路整備事業は、幹線市道以外の市道、いわゆる地域内の足元的な市道について地元の要望を受け、生活基盤の強化及び生活環境の向上を図るため、幅員が狭い、あるいは線形が悪い区間等の拡幅改良を行うものでございます。整備等を行う路線数の推移は、令和2年度から6年度までを順に申し上げますと、7、1、6、5、5路線でございます。
 当初予算の推移は、2年度から6年度まで順に申し上げますと、およそ7,090万、3,500万、6,900万、4千万、7,560万円でございます。課題としては、限られた予算の中で事業を行っていることから、要望に対して十分な事業量を確保できないことなどでございます。
 用地の買収単価は、現在1平方メートル当たり宅地が1,500円、田畑が1,300円、山林、原野等が1千円であり、昭和56年に定めた事業別用地取得基準を適用しております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.117 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 同事業は地元の要望を受けてから着手される事業であり、要望に応えるための予算確保が課題のようです。しかし、同事業に必要な用地確保のための買収単価は昭和56年に定めており、今日まで43年間改定されていないことが明らかになりました。ほかの自治体ではどうでしょうか。
 質問の4点目、同事業の用地取得方法による中核市調査について、買収によるそれぞれの内訳をお示しください。そして、寄附と買収もしくは併用、全て寄附、該当事業なしの内訳をそれぞれお示しください。
 答弁願います。

P.117 ◎答弁 建設局長(日高謙次郎君)

◎建設局長(日高謙次郎君) 令和3年12月の調査で回答のあった58市の状況は、買収が30であり、このうち不動産鑑定が14、職員による評価比準が1、定額が3、独自基準が10、その他が2市でございます。寄附と買収の併用が8、全て寄附が16、該当事業なしが4市でございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.118 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 本市も含めて買収による中核市が30市ある一方、全て寄附の中核市が16市あることが示されました。各自治体でまちまちな対応であることは分かりましたが、法に基づいて適切な対応と言えるのか疑問です。
 そこで、質問の5点目、地価公示法と本市の対応について、1点目、同法第9条の内容と生活道路整備事業への適用と違法性の有無及びその理由をお示しください。
 2点目、同事業以外のその他の道路整備事業への適用の有無とその理由をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.118 ◎答弁 建設局長(日高謙次郎君)

◎建設局長(日高謙次郎君) 生活道路整備事業における用地の取得については任意取得としていることから、土地収用を定めている同法第9条は適用されないため違法性はございません。
 その他の道路事業につきましては、任意取得を基本としていることから同様に適用されないものと考えております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.118 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 土地収用法との関係においては違法性はないという解釈だと思いますが、14の中核市が不動産鑑定、つまり地価公示法を踏まえて対応しているわけです。
 このパネルを御覧ください。
 この場所はある市街化調整区域の生活道路整備事業が行われた箇所ですが、この赤線の部分が地権者の合意が得られず整備できなかった箇所であります。その原因は、固定資産税路線価との隔たりが大きいからであります。生活道路整備事業の対象となった市道の路線価は1平米当たり4,900円であり、この道路に直結する幹線の市道の路線価は6,100円であります。
 そこで、質問の6点目、本市の昭和56年度と令和5年度の土地の固定資産税評価額の宅地、田、畑の平均価格の比較をお示しください。
 質問の7点目、6年度の同事業の整備箇所数と各路線箇所の固定資産税路線価をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.118 ◎答弁 建設局長(日高謙次郎君)

◎建設局長(日高謙次郎君) お尋ねの価格を昭和56年度、令和5年度の順に申し上げますと、宅地は、9,349、4万1,255、田は、一般農地が69、100、市街化区域農地等が2,947、1万9,662、畑は、一般農地が25、39、市街化区域農地等が2,382、1万7,564円でございます。
 整備箇所数は5路線であり、固定資産税路線価は3,600円から1万1,900円となっております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.118 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 昭和56年当時と比較すると、路線価に基づいて算出される固定資産税評価額は、この43年間で宅地では4.4倍、市街化区域の田では6.6倍、畑で7.3倍に増えているわけです。また、6年度の5か所の整備箇所数の路線価は、本市の買収単価1,500円をいずれも上回っています。
 そこで、質問の8点目、同事業における用地取得のための買収単価を土地の公示価格や実勢価格を踏まえて抜本的に見直す時期ではないかと考えますが、見解をお示しください。
 答弁願います。

P.118 ◎答弁 建設局長(日高謙次郎君)

◎建設局長(日高謙次郎君) 同事業は、地元の要望に基づき整備を行うものであり、用地の取得単価を見直した場合、限られた予算の中では事業量の減少等の影響が懸念されることから慎重な検討が必要と考えております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.118 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 今後、慎重な検討が必要とのことですが、生活道路整備事業を推進する上で予算確保も課題ではありますが、地権者を含む地元住民の協力を得られやすくすることも課題であります。今後、検討に向けた当局の動向を注視することを申し上げ、この質問を終わります。
 新しい質問に入ります。
 生活保護行政について質問します。
 初めに、本市が生活保護の障害者加算について遡及認定を求められた審査請求について3点質問します。
 1点目、請求に至る経緯と事案の概要をお示しください。
 2点目、本市の弁明内容をお示しください。
 3点目、裁決の結果と本市の今後の課題認識をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.119 ◎答弁 健康福祉局長(福島宏子君)

◎健康福祉局長(福島宏子君) 今回の審査請求に至る経緯ですが、本市福祉事務所は、本市の被保護者である請求人が令和4年2月に精神障害者保健福祉手帳2級を提示し、同年4月に障害者加算について相談した際、障害基礎年金の受給権の有無を年金事務所で確認するよう説明いたしました。その後、5年5月に請求人から同所への再度の相談があった際、同年金の受給権がないことを確認し、障害者加算を同月以降分から認定しました。同年8月の審査請求は、当処分に不服があるとして、手帳を提示した翌月に遡及して障害者加算を支給することを求められたものです。
 本市福祉事務所の弁明内容は、精神障害者保健福祉手帳所持者の場合、障害基礎年金の受給権の有無によって障害者加算認定の手続が異なることから、請求人に対し年金事務所で受給権の確認をするよう説明したもので、請求人は収入申告等を適切に行えていたことから、その確認についても請求人が自ら対応できると考えていたというものです。
 裁決の結果は、本市福祉事務所が1年以上もの間、請求人に対し報告を求めることなく何も対応していなかったことには不当性があると認められ、4年3月から5年4月分について障害者加算を認定しなかった処分は取り消すというものです。今後は、今回の裁決を踏まえ、関係機関とも十分に連携を図りながら、被保護者の状況に応じてより適切に対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.119 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 生活保護の障害者加算は申請の翌月から適用されるのが原則であります。この事案は、申請してから1年以上にわたり当局から被保護者に連絡がなかったため、市民団体である生活と健康を守る会に相談したことにより問題が明らかになりました。しかし、当局は申請を受けた当初の年月に遡及して障害者加算を認定しなかったため、県への審査請求を行った結果、本市の処分は不当性があると裁決が示されました。私は、このようなケースがほかの被保護者にも見られないか大変危惧しております。
 そこで、生活保護法による障害者加算について、質問の1点目、障害者加算の認定を受けている被保護者について、令和6年5月末現在の障害者手帳ごとの被保護者数と申請から加算に至る過程と期間をお示しください。
 答弁願います。

P.119 ◎答弁 健康福祉局長(福島宏子君)

◎健康福祉局長(福島宏子君) 障害者加算の認定を受けている被保護者数を手帳の種類ごとに申し上げますと、6年5月末現在で、身体障害者手帳1,347人、精神障害者保健福祉手帳1,476人、療育手帳285人です。
 障害者加算の認定に該当する障害等級の方は手帳を提示し申請されるとその翌月から加算認定されますが、それ以外の方については障害年金の受給権を確認する必要があることから数か月かかるケースもあります。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.119 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 現在3,108人の被保護者が障害加算を受けています。年金の受給権の確認に数か月を要するとのことですが、その間、仮加算の措置が行われることが必要であります。
 次に、質問の2点目、障害者手帳を持っていて加算の認定を受けていない被保護者について、障害者手帳ごとの被保護者数と申請から最大と最小の期間と加算を受けていない主な要因をお示しください。
 答弁願います。

P.119 ◎答弁 健康福祉局長(福島宏子君)

◎健康福祉局長(福島宏子君) 障害者手帳所持者のうち、加算の認定を受けていない被保護者数を手帳の種類ごとに申し上げますと、6年5月末現在で、身体障害者手帳647人、精神障害者保健福祉手帳840人、療育手帳188人です。
 6年5月末現在で加算認定の申請中である方の経過期間は、最長で8か月、最短で3日となっております。また、障害者手帳を持っていて加算の認定を受けていない主な要因は、その多くが障害等級が対象外というものですが、そのほか、障害年金の受給権を確認中というものなどがあります。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.120 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 加算の認定を受けていない合計1,675人の被保護者の中には、障害の等級によって対象外となる1,321人が含まれていることが政務調査課を通じた調査で分かっていますので、残りの354人が加算を受けていないことになります。障害年金の受給権の確認に時間を要するとしても、申請後最大8か月も経過している被保護者がいまだ加算されていないことは問題であります。
 したがって、障害者加算を受けていない被保護者のさらなる実態の精査と被保護者に寄り添った対応を行うべきと考えますが、答弁願います。

P.120 ◎答弁 健康福祉局長(福島宏子君)

◎健康福祉局長(福島宏子君) 障害者加算を受けていない被保護者については、状況を精査した上でケースワーカーが必要な調査や支援を行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.120 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 審査請求では、障害年金に係る受給権の調査を被保護者に全てを一任してはいけないと指摘しております。被保護者に寄り添った今後の実態の精査を要請して、この質問を終わります。
 新しい質問に入ります。
 難聴の高齢者に対する補聴器購入費用助成事業について、以下質問します。
 初めに、他都市における実施状況について、質問の1点目、一般社団法人日本補聴器販売店協会の発表内容をお示しください。
 答弁願います。

P.120 ◎答弁 健康福祉局長(福島宏子君)

◎健康福祉局長(福島宏子君) お触れの資料によると、補聴器購入費助成制度を実施しており、助成対象を65歳以上、70歳以上、75歳以上としている市区町村数は順に、155、8、4となっております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.120 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 同協会の発表では、高齢者を対象に実施している自治体が合計167自治体、これは全国市区町村の9.5%を占め、18歳以上では237自治体であり13.5%です。全国的に増加をしているわけです。
 次に、質問の2点目、中核市における補聴器の購入に係る助成の実施状況について、65歳以上を対象に予定を含む実施をしている市の数と6年度から実施する市の数と対象要件及び助成額の特徴をお示しください。
 そして、質問の3点目、本県で最初に実施している曽於市の事業内容と実績をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.120 ◎答弁 健康福祉局長(福島宏子君)

◎健康福祉局長(福島宏子君) 65歳以上の市民を対象とした補聴器の購入に係る助成事業を実施中または実施予定の中核市は、令和6年6月10日現在15市で、そのうち6年度から実施する市は7市です。
 対象者の要件は、聴覚障害による身体障害者手帳の交付を受けていない65歳以上の市民や医師により補聴器の必要性が認められた方などとする市が多く、助成額は2万円から5万円が上限となっております。
 曽於市では、4年度から聴力機能の低下により日常生活に支障がある65歳以上の市民を対象に補聴器の購入費用の2分の1以内で2万円を限度に助成しており、4年度及び5年度の助成件数は順に、33、37件とのことです。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.120 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 中核市では令和6年度から実施する自治体が急増しているようであります。曽於市では実績が徐々に増加しています。
 そこで質問しますが、このように実施する自治体が増加している要因と本市での課題認識をお示しください。
 答弁願います。

P.121 ◎答弁 健康福祉局長(福島宏子君)

◎健康福祉局長(福島宏子君) 増加している要因は、補聴器購入費用助成を外出促進及び地域交流による介護予防などの取組の1つとして捉え実施する自治体が増えてきていることによるものと考えております。本市としては、全国市長会を通じて、高齢者の補聴器購入に対する補助制度の創設などについて国へ要望するとともに、現在、国立長寿医療研究センターにおいて、難聴と認知症の因果関係に関する調査研究が実施されていることから、その結果を注視してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.121 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 本市の課題認識はこれまでと同様の見解が示されましたが、他都市では介護予防の一環として実施する自治体が増えています。
 そこで、介護予防の一環として実施している神奈川県相模原市の導入事例について3点質問します。
 1点目、同市の事業内容及び対象要件。
 2点目、同市の助成費用とその財源。
 3点目、同市の同事業の予算及び実績と効果。
 それぞれお示しください。
 答弁願います。

P.121 ◎答弁 健康福祉局長(福島宏子君)

◎健康福祉局長(福島宏子君) 相模原市の介護予防促進事業に係る高齢者補聴器購入費助成は、令和4年度から補聴器の利用による日常生活でのよりよいコミュニケーションを確保し、高齢者の介護予防及び認知症予防を図り、高齢者の福祉の増進に資することを目的として実施されております。対象要件は、市民税非課税の65歳以上の市民で、市または地域包括支援センターから案内される介護予防事業等に参加できる方、さらに、医師により補聴器の必要性が認められた方などとなっております。
 同市は、医療機器認定を取得した補聴器本体の購入に要する費用について2万円を限度に助成し、その財源は全額保険者機能強化推進交付金を活用しているとのことです。
 同事業における4年度及び5年度の補助件数と補助金額を順に申し上げますと、58件、116万円、90件、180万円で、6年度は200件を見込み、予算額は400万円とのことです。事業の効果については、同市が実施したアンケートによると、「外出が促されている」、「家族との会話が増え、家族関係がポジティブになった」などの声が寄せられているとのことです。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.121 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 同市では、国の保険者機能強化推進交付金を財源にして、認知症予防のための介護予防事業の一環として導入されており、事業の効果が着実に現れているようです。
 そこで、本市では同交付金がどのように活用されているか質問します。
 本市の保険者機能強化推進交付金と認知症対策について、1点目、同交付金の目的と5年度実績と6年度予算の活用内容をお示しください。
 2点目、本市の認知症予防関連事業に対する同交付金の活用の有無とその理由をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.121 ◎答弁 健康福祉局長(福島宏子君)

◎健康福祉局長(福島宏子君) 保険者機能強化推進交付金は、自治体が行う高齢者の自立支援・重度化防止等に関する取組を推進する目的で交付されるもので、本市は、地域支援事業費の通所型サービス事業費に充当しており、5年度交付額は5,792万2千円、6年度予算額は3,636万2千円です。
 同交付金については、地域支援事業費に係る第1号被保険者の保険料相当分に充てることとしており、それを見込んで第9期介護保険事業計画における介護保険料を決定していることから、別事業への活用は考えておりません。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.122 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 本市では、同交付金を地域支援事業に充当しているため、認知症予防対策等の別事業への活用は考えていないという見解が示されました。
 そこで、2点質問します。
 1点目、本市の認知症高齢者は令和4年度末で2万1,882人です。この方々の認定調査の際に聴力が測定されていますが、認知症との関係性の調査研究の必要性について見解をお示しください。
 2点目、認知症の危険因子である難聴に対する本市の発症予防の取組内容をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.122 ◎答弁 健康福祉局長(福島宏子君)

◎健康福祉局長(福島宏子君) 本市の介護認定時の聴力調査において、認知症高齢者の中に日常生活における会話に支障がある方が一定数いることは把握しておりますが、認知症との因果関係については、先ほど申し上げた国立長寿医療研究センターにおける調査研究の結果を注視してまいりたいと考えております。
 高齢者の聞こえに関する取組としては、お達者クラブ等の通いの場で言語聴覚士による補聴対策をテーマとした健康講話を行っているほか、長寿あんしん相談センターで聞こえの相談について対応しているところです。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.122 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 本市の難聴と認知症の関係性の調査研究については、あくまでも国立長寿医療研究センターの研究結果を待つという答弁が繰り返されています。しかし、認定調査のデータを活用して本市の現状を把握することは可能ではないでしょうか。また、本市では難聴に特化した発症予防の取組はないことも分かりました。
 そこで、介護予防事業の一環として補聴器購入費用助成についての見解をお示しください。
 答弁願います。

P.122 ◎答弁 健康福祉局長(福島宏子君)

◎健康福祉局長(福島宏子君) 補聴器購入費用助成については、介護予防としての目的やその効果について他都市の状況を調査してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.122 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 世界をリードする認知症専門家で構成されているランセット国際委員会が2020年、予防可能な40%の12の要因の中で、難聴は認知症の最も大きな危険因子であると発表し、難聴の方々に補聴器の使用を奨励しています。本市においても補聴器購入費助成制度の検討を進めることを要請して、この質問を終わります。
 新しい質問に入ります。
 悪質な経営者によって多くの退職者が発生し、職員不足による介護サービスの低下が生じたため、本市が昨年6月、行政指導を行った株式会社心の家、有料老人ホーム問題について、以下質問します。
 初めに、未済となっていた過誤調整総額4,424万2,922円についてですが、心の家代表取締役は本年2月、別法人による経営移譲を行っており、その後の本市の対応について、過誤調整の対象となる事業所と同法人の事業の現況と過誤調整の未済総額をお示しください。
 答弁願います。

P.122 ◎答弁 健康福祉局長(福島宏子君)

◎健康福祉局長(福島宏子君) 過誤調整の指導を行った事業所は、居宅介護支援事業所及び小規模多機能型居宅介護事業所です。同法人の本店は本市内にあり、本市の指定を受けている介護サービス事業は居宅介護支援事業所のみで、現在休止中となっております。過誤調整の未済総額は4,403万977円です。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.122 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 既に心の家は事業を中止し、回収できた過誤調整額は僅かであり、現在も4,403万977円の過誤調整総額が残されていることが明らかになりました。
 そこで、2点質問します。
 1点目、過誤調整の未済総額を滞納債権として同法人に返還請求することは可能か、その法的根拠と介護保険法第22条第3項との関係性及び時効の消滅期間をお示しください。
 2点目、返還請求に対する同法人の代表取締役の対応をお示しください。
 答弁願います。

P.123 ◎答弁 健康福祉局長(福島宏子君)

◎健康福祉局長(福島宏子君) 過誤調整の未済額は、民法の不当利得に該当し、返還請求が可能で消滅時効は5年です。また、介護保険法第22条第3項は、事業所が介護報酬の支払いを受けるに当たり、偽りその他不正行為をした場合における民法の不当利得返還義務についての特則を定めており、支払われない場合は滞納処分が可能で消滅時効は2年です。
 同法人に対しては一括での返還請求や督促を行っておりますが、現時点では納入されておらず、代表取締役に再三、面会の要請を行っておりますが、応答がない状況です。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.123 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 介護保険法第22条第3項に基づく返還請求は、相手が支払わない場合、滞納処分による強制執行が可能であります。しかし、過誤調整の場合、相手に返還請求しても自力執行権はありません。心の家代表取締役から応答がないということは返還する意思がないということであります。
 そこで質問しますが、このような莫大な過誤調整額が未済となっている最大の要因をお示しください。
 答弁願います。

P.123 ◎答弁 健康福祉局長(福島宏子君)

◎健康福祉局長(福島宏子君) 過誤調整額が未済となっているのは、法人が事業を縮小したことにより計画どおりの調整ができなくなったことが最大の要因と考えております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.123 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 心の家が事業を縮小したため計画どおりの過誤調整が進まなかったことが要因ということですが、これを本市が未然に防止することができなかったことが最大の要因であります。私は、これまで、心の家問題の再発を防止するために本市の有料老人ホーム設置運営指導指針の見直しを求めてきました。このたび国の指導指針の見直しが行われましたので、3点質問します。
 1点目、同指針の改正内容の特徴。
 2点目、設置者に関する改正の有無。
 3点目、心の家問題の再発防止につながる改正内容の有無。
 以上、それぞれお示しください。
 答弁願います。

P.123 ◎答弁 健康福祉局長(福島宏子君)

◎健康福祉局長(福島宏子君) お触れの国の標準指導指針の主な改正内容としては、令和6年度介護報酬改定を踏まえ、協力医療機関との連携体制の構築や感染症対応力の向上を新たに求めることなどがあります。
 設置者に関する改正はないところです。
 今回の事例の再発防止につながる改正についてもないところです。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.123 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 国が行った指導指針の改正には、心の家問題の再発防止につながる内容はないということですが、国は同時に地域の実情に応じた指導指針の策定を求めています。
 そこで、地域の実情に応じた指導指針の見直しについて2点質問します。
 1点目、心の家問題の再発防止のための当局の課題認識をお示しください。
 2点目、心の家問題の再発を防止するために、設置者の法令違反防止、経営体変更への規制、グループ経営における財務状況の透明性の確保、介護サービスに対する第三者の評価等を本市の指導指針に反映させる必要性について見解をお示しください。
 答弁願います。

P.123 ◎答弁 健康福祉局長(福島宏子君)

◎健康福祉局長(福島宏子君) 今回の事例は、経営状況の変化や職員の離職により利用者へのサービスの質の低下につながったものと考えており、役員等の変更時にもサービス提供の運営体制や経営状況を把握できるような実効性のある仕組みをつくることが課題であると考えております。
 本市の指針の見直しについては、国の通知や他都市の指針、関係団体の御意見などを参考にお触れの内容も含め検討を進めたいと考えております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.124 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 ただいま示された課題認識を本市の指導指針に反映できるように検討を進めてください。
 この質問の項の最後に、市長に質問します。
 心の家代表取締役は、元職員の賃金不払いの責任を負うこともなく、また、約4,400万円の過誤調整の返還の義務を果たすこともなく、施設経営から撤退し、本市への連絡もありません。現状を打開しなければなりません。
 同法人から過誤調整総額を全額回収する決意と実効性のある本市独自の指導指針を策定することへの市長の見解をお示しください。
 答弁願います。
   [市長 下鶴隆央君 登壇]

P.124 ◎答弁 市長(下鶴隆央君)

◎市長(下鶴隆央君) 同法人から過誤調整未済額がいまだ納入されないことは到底容認できないものであり、回収については、引き続き、関係部局連携の下、適切に対応してまいります。
 指導指針については、現在、実効性を高めるための見直しの検討を行っているところであり、今後とも入居者の福祉を重視するとともに、安定的な事業運営が確保されるよう、継続的に適切な指導を行ってまいりたいと考えております。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.124 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 過誤調整総額を全額回収するためには、速やかに法的措置を講じることが不可欠であります。そして、実効性のある本市独自の指導指針を策定することが心の家問題の再発防止につながるということを申し上げ、この質問を終わります。
 新しい質問に入ります。
 安心安全のまちづくりについて質問します。
 初めに、国道226号喜入瀬々串地区の南側の歩道整備について2点質問します。
 1点目、国道226号喜入防災(国直轄事業)の令和6年度予算の内容と今後のスケジュールをお示しください。
 2点目、南側の歩道整備の着手時期の見通しをお示しください。
 以上、答弁願います。

P.124 ◎答弁 建設局長(日高謙次郎君)

◎建設局長(日高謙次郎君) お触れの事業については、国によると、「令和6年度予算は8千万円で調査設計を行う。今後は6月末に地元説明会を開催し、用地調査、測量などを行っていく予定である。また、当該区間については、喜入防災事業で計画されている道路に歩道が整備される。着手時期については現段階では未定である」とのことでございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.124 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 南側は歩道がない危険な国道であります。一刻も早い歩道整備への着手を地元住民の方々は切望しております。今後の動向を注視してまいります。
 次に、皇徳寺北口の交差点について質問します。
 初めに、山田インターチェンジのフルインター化の影響と課題について2点質問します。
 1点目、団地内の混雑緩和や大型車の通行の現況への県の評価。
 2点目、団地内の大型車の通行規制や山田インターチェンジの利用促進を図るための通行料金の無料の社会実験等の要望に対する県の見解。
 以上、それぞれお示しください。
 答弁願います。

P.124 ◎答弁 建設局長(日高謙次郎君)

◎建設局長(日高謙次郎君) 県によると、「フルインター化に伴う周辺地域の交通状況については、供用前の4年3月と供用後の昨年10月に交通量調査を行ったところ、指宿有料道路本線の交通量がおよそ5%増加し、皇徳寺北口交差点でおよそ3%減少するなど、皇徳寺団地を通過する交通量の減少が確認された。また、フルインター化以降、山田第2料金所における大型車の利用についても増加傾向が見られるところであり、中山インターを利用していた車両が山田インターに転換し、周辺地域の混雑緩和に一定の効果があったものと考えている。同インターの利用促進については、ドライバーや道路利用者団体等への情報発信など県道路公社と連携しながら取り組むこととしており、現時点では無料の社会実験の実施は考えていない」とのことでございます。大型車の通行規制については、県警察本部によると、「交通事故や交通渋滞の発生状況、住民からの要望により交通規制の実施を検討する場合は、交通実態の調査等を行い、効果的かつ必要最小限の規制となるよう検討を加え、関係機関との調整を経て実施している」とのことでございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.125 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 このパネルを御覧ください。
 これは、子供たちが通学する時間帯ですが、松元方面から山田インターチェンジに大型車は向かわないで皇徳寺北口の交差点から団地内に進入していくわけです。1時間で約30台も通過します。県は交通量は減少し一定の効果があったと評価していますが、私も独自に交通量を調査しましたが、大型車は減少しておりません。通学時間帯の安全対策が必要であります。
 皇徳寺北口の交差点の安全対策について見解をお示しください。
 答弁願います。

P.125 ◎答弁 建設局長(日高謙次郎君)

◎建設局長(日高謙次郎君) お触れの箇所については、県道から市道へ進入する車両が歩行者に接触するおそれがあることから、安全確保のため車両用防護柵の設置を予定しております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.125 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 速やかに北口の安全対策を講じてください。また、北口からの通行規制が最小限の範囲で検討が可能であるのであれば、せめて通学時間帯だけでも規制ができないか本市から県に要請してください。
 次に、市道本城大久保線について、地元町内会からの要望内容とこれまでの対応について答弁願います。

P.125 ◎答弁 建設局長(日高謙次郎君)

◎建設局長(日高謙次郎君) お触れの路線については、一部区間で見通しが悪いことから、地元町内会より道路の拡幅などの安全対策について要望書が提出されております。これまでに路面標示による注意喚起を行っており、現在、道路改良について関係部署と協議を進めているところでございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.125 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 このパネルを御覧ください。
 左側のこのカーブの場所が地元町内会が要望している箇所であります。一方、この右側の箇所も私は危険箇所だと考えております。私が子供たちの通学の状態を調査いたしましたが、そのとき、小さい小学生がこのカーブを通行しているわけです。車はそれをよけるようにして通過しているわけです。大久保から1.2キロの道のりを歩いて、このように西谷山小学校や谷山中学校に通学する児童生徒がいるわけです。
 新たな危険箇所も含めた同市道の整備の必要性と児童生徒の通学路の安全対策について、建設局長、そして教育長の見解をお示しください。
 以上、答弁願います。

P.125 ◎答弁 建設局長(日高謙次郎君)

◎建設局長(日高謙次郎君) 建設局としては、要望があった道路改良の協議を進めるとともに、薄くなった車道外側線の引き直しや道路伐開、道路照明灯周りの樹木の伐採を行うことにより安全確保を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。

P.125 ◎答弁 教育長(原之園哲哉君)

◎教育長(原之園哲哉君) お答えいたします。
 市道本城大久保線に係る通学路につきましては、当該の小中学校において、これまで行ってきた交通安全教室などの安全教育に加え、今後、校区内の危険箇所などを表記した安全マップに追加し、児童生徒や保護者等に対し一層の注意喚起を行ってまいります。また、教育委員会におきましても、引き続き、スクールガードリーダー及び学校安全ボランティアによる見守り活動や関係部局及び警察と連携した通学路の合同点検等を通して、通学路における児童生徒の安全確保に努めてまいります。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

P.126 ◆質問 (たてやま清隆議員)

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 先ほどの小学生が通学するこの場所、カーブは、西谷山小学校校区の安全マップの中に記されていなかったんですね。それをぜひ追加していただいて通学の安全を守っていただきたいと思います。
 そして、地元町内会がもう昨年から要望している箇所も含めて建設局と教育委員会が互いに連携して、子供たちの安全を確保していただきたいということを要望して、私の個人質疑を終わります。

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