◆(大園たつや議員) 日本共産党市議団の一人として個人質疑を行います。
割愛する項目があることと、重複しますが、質疑の関係上割愛できなかった項目があることをあらかじめ申し上げておきます。
最初の質問は、国政上の喫緊の課題への市長の政治姿勢について伺ってまいります。
去る六月十五日朝、参議院でテロ等組織犯罪準備罪いわゆる共謀罪新設の組織犯罪処罰法改正案が自民党、公明党、維新の会の賛成多数で可決されました。参議院法務委員会では、同法案について一方的に審議を打ち切り、委員会での採択を省略して、本会議で中間報告を行い採決するという禁じ手を使っての強行採決でした。これは国会法に基づく委員会主義や特に必要と認められる場合などに限る例外規定である中間報告を良識の府とも言われる参議院において使用したことなど、与党の委員長自身が原則的な国会運営をないがしろにし、国民の不安の声を代弁する野党の審査権、採決権を奪う行為であり、都合の悪いものにはふたをする数のおごりもここに極まったと言わざるを得ません。
このような経緯のもと成立したいわゆる共謀罪について、その内容と市長の政治姿勢を明らかにする立場から、以下伺ってまいります。
質問の一点目、テロ等組織犯罪準備罪とこれまでの共謀罪を比較して、目的や主な対象犯罪の種類とその数など違いをお示しください。
質問の二点目、国会審議の中でも一般人が処罰・捜査の対象になるのではないかと懸念されていますが、国会において審議されていた処罰・捜査の対象をお示しください。
以上、答弁願います。
◎市民局長(星野泰啓君) お答えいたします。
今回成立した改正組織犯罪処罰法のテロ等組織犯罪準備罪とかつて政府が提出した共謀罪との違いにつきましては、国によりますと、犯罪の主体を組織的犯罪集団に限定すること、対象犯罪を限定的に列挙して範囲を明確にすること、計画行為に加えて準備行為が行われたときに初めて処罰されることが主な相違点であるとされております。また、対象犯罪は共謀罪では六百を超えていたのに対し、今回はテロの実行に関するものや覚醒剤などの薬物に関する犯罪など二百七十七が対象とされております。
国によりますと、処罰・捜査の対象となる組織的犯罪集団は、テロリズム集団や暴力団、薬物密売組織、振り込め詐欺集団などの違法行為を目的としている団体に限られているとのことでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
共謀罪の最大の問題点は、何を考え、何を合意したかが処罰の対象となる点です。国会答弁では、環境や人権の保護団体を隠れみのとした場合は処罰されることがあり得る。さらに構成員でない周辺者が処罰されることがあり得ると答弁しました。
では、隠れみのになったことがいつわかるのか。それは権力による市民の日常的な監視と恣意的な捜査につながっていくことを否定できません。これは戦前、日本やナチスが人々の自由を侵害し恐怖に陥れた反省からつくられた具体的な行為があって初めて処罰するという刑法の大原則を覆すものであり、共謀罪は内心を処罰するもの、平成の治安維持法などと国民の不安や批判が高まるのも当然のことです。
質問の三点目、過去三度、共謀罪が廃案となった経緯についてお示しください。
質問の四点目、国連特別報告者、ジョセフ・ケナタッチ氏の書簡の内容をお示しください。
質問の五点目、治安維持法についての本市の認識をお示しください。
以上、答弁願います。
◎市民局長(星野泰啓君) いわゆる共謀罪法案につきましては、平成十五年から十七年にかけて三回国会に提出されておりますが、正当な活動を行う団体も対象となるのでないか、内心が処罰されることになるのではないかといった不安や懸念が示されたことなどにより、いずれも廃案になったものでございます。
国連特別報告者の書簡では、プライバシー権や表現の自由への過度の制限につながることや、計画、準備行為の定義が曖昧でテロや組織犯罪とは無関係な広範な犯罪を含んでいることなどへの懸念が示されております。
治安維持法は、国家体制の変革と私有財産制度の否認を目的とする結社や運動を処罰するため大正十四年に制定され、戦後廃止されたもので、思想、表現の自由の抑圧など社会にさまざまな影響を与えたものであると考えております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
三度廃案となった経緯のある共謀罪は、名前を変えても国内だけでなく国外からも強い懸念の声が寄せられています。日本政府は、国連人権理事会の理事国に立候補した際、特別報告者との建設的な対話を公約したにもかかわらず、国連特別報告者の書簡を問答無用で否定しました。治安維持法についても、市当局の認識とは違い、金田法務大臣は、「適法に制定され適法に執行された」と言い放ちました。誠実で真摯なのかもしれませんが、この間の答弁は二転三転、正確さも歴史に学ぶ姿勢も欠けており、直近の安倍内閣の支持率が急落しました。各社の世論調査では支持率は全て下がる中、一〇ポイント以上下落した調査もあり、テロ等準備罪の採決の手法が妥当だと思わないが六割以上に上っています。このような安倍政権、法務大臣のもとで共謀罪を執行させてはなりません。
質問の六点目、これまでの質疑を踏まえて、市民の内心を罰し、監視社会をつくるテロ等組織犯罪準備罪、いわゆる共謀罪の廃止を国に求めるべきと考えますが、市長の見解をお示しください。
以上、答弁願います。
[市長 森 博幸君 登壇]
◎市長(森博幸君) 大園たつや議員にお答えをいたします。
今回成立した改正組織犯罪処罰法は、テロを含む国際的な組織犯罪を未然に防止し、国民の生命・安全を守るものでございますが、その審議過程においてさまざまな議論や意見があったことから、今後、国において国民の不安や懸念が払拭されるよう丁寧に対応していただき、適正な運用が図られることが必要であると考えております。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
今後、政府に物申す人物は監視や処罰の対象になるかもしれませんから賢明な判断です。 二十年前にフランスでベストセラーとなった短編寓話「茶色の朝」が最近注目を集めています。茶色以外のペットは処分するようにという法律を皮切りに、主人公の身の回りで次々に茶色以外の存在が認められなくなっていく物語ですが、哲学者である高橋哲哉、東京大大学院教授は、ごく普通の国家が日々の生活に知らぬ間に忍び込み、人々の行動や考え方をだんだんと支配するという内容について、「私たちも無縁ではありません。茶色の朝を迎えたくなければ思考停止をやめることです」と警鐘を鳴らしています。 私ども日本共産党市議団は、茶色の朝が来る前に、憲法を生かした新しい政治をつくる共謀を市民の皆さんと大いに繰り広げていく決意を申し上げます。
次に、本年三月二十七日から三十一日にニューヨークの国連本部で戦後の歴史で初めて核兵器禁止条約締結に向けた多国間の国際交渉が開始され、その実現について世界的に機運が高まっていることから、以下伺ってまいります。
質問の一点目、核兵器全面廃絶につながる核兵器を禁止する法的拘束力のある協定について交渉する国連会議の目的と日本政府の態度をお示しください。
以上、答弁願います。
◎総務局長(内山薫君) お答えいたします。
お触れになった核兵器禁止条約に関する交渉会議は、報道によりますと、核兵器を法的に禁止する条約の制定に向けたものであり、我が国としては、核兵器国の理解や関与が得られないことが明らかであり、核兵器の廃絶に結びつく措置を追求するという交渉のあり方が担保されていない現状では、建設的かつ誠実に参加することは困難と言わざるを得ないと表明し、参加を見送ったところでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
生物兵器、化学兵器、地雷、クラスター爆弾、これら非人道兵器は、国際的に使用を禁止する条約が存在します。しかし、広島、長崎に原子爆弾が投下され、多くの方が犠牲になってから七十年以上経過しているにもかかわらず、核兵器を禁止する条約はいまだに存在しません。
二〇一〇年のNPT(核兵器不拡散条約)再検討会議では、核兵器のない世界を達成し、維持するために必要な枠組みを確立するための特別な取り組みを行うことを核保有大国を含めた全会一致で合意しましたが、その後、核保有大国は核兵器廃絶を永久に先送りし、自国の核軍備を近代化、強化する態度をとっています。
このような情勢のもと、国連と市民社会が核兵器廃絶に向けて画期的な一歩を踏み出そうとしている中での日本政府の不参加は、被爆者の皆さんを初め核兵器廃絶を願う国際社会を落胆させました。
質問の二点目、現在始まっている六月十五日から七月七日まで行われる国連会議の第二会期で条約を実現しようと、五月二十二日、エレン・ホワイト議長が核兵器禁止条約の草案を発表しました。その内容をお示しください。
質問の三点目、世界百六十二カ国七千三百五十五都市が参加し、国内でも森市長を初め、一千六百七十一都市が参加しておられる平和首長会議は、同会議の趣旨に対してどのような姿勢かお示しください。
以上、答弁願います。
◎総務局長(内山薫君) 核兵器禁止条約の草案では、締結国は、核兵器の開発、製造、使用などを行わないことや自国の核兵器を廃棄した国のための措置などが定められております。
平和首長会議は、本年三月十四日付の公開書簡により、交渉会議への支持を表明するとともに、交渉に参加の意向を示していない核保有国及びその核の傘の下にある国々に対し、交渉への積極的な参加を要請しております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
草案は、第一条で開発や生産、核爆発実験などを禁止し、核兵器を違法化しているほか、第四条では、核保有国の参加の道を示し、第六条では、核兵器や核実験の被害者への支援を義務づけるなど被爆者の訴えや運動の願いを正面から受けとめたものになっており、平和首長会議も支持するだけでなく各国に参加を呼びかけています。
日本共産党は、第一期の国連会議に代表団を派遣しました。そのときの報告の中で、国連会議で不在だった日本政府席に行くと、折り鶴が置かれており、そこには、「あなたがここにいてくれたなら」と書かれていたそうです。私はこのエピソードに大変胸が痛みましたが、世界唯一の被爆国として、日本政府にこの会議の参加者がいかに期待と注目をしているかのあらわれではないでしょうか。
この質問の最後に、国にこの六月から開催されている国連本部での会議に参加し、核兵器禁止条約の実現に努めるよう強く求めるべきと考えますが、市長の見解をお示しください。
答弁願います。
[市長 森 博幸君 登壇]
◎市長(森博幸君) 我が国は、唯一の被爆国として多くのとうとい生命を一瞬にして失う悲惨な体験をし、また、その後遺症により不安な生活を強いられている方々が現在もおられることに思いをいたすとき、平和都市を宣言している本市の市長として、私は一日も早くあらゆる国の核兵器の全面廃絶と世界の恒久平和の達成を心から願っているところでございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
ことしも原子爆弾が投下された八月六日、九日がやってきます。六月下旬には市内で国民平和大行進が始まります。先ほど市長から核兵器廃絶への大変思いの詰まった見解をお示しいただきましたが、願っているだけでは平和は来ないとの言葉もありますので、ぜひ行動でも示そうではありませんか。私も、現在開催されている国連会議での条約の採択の行方と日本政府の態度を見守るとともに、核兵器のない世界を目指す人々と手をつないで行動していく決意を申し上げ、この質問を終わります。
新しい質問に入ります。
本市の保育行政における待機児童の解消に向けた対策と保育の質の確保を求める立場から、以下伺ってまいります。
初めに、利用待機児童の解消についての質問です。
質問の一点目、平成二十九年度と平成二十八年度の比較と現状分析について、まず、利用待機児童数及び利用保留児童数の合計、地域別、年齢別での比較をそれぞれお示しください。
また、利用待機児童数と利用保留児童数の増加の要因。
隠れ待機児童とも言われる待機児童と定義されない利用保留児童数についても合計、地域別、年齢別での比較をあわせてお示しください。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) お答えいたします。
本市の利用待機児童数につきまして平成二十八年及び二十九年の四月一日現在で順に申し上げますと、百五十一、二百五十二人となっており、地域別では、中央、六、ゼロ、武・田上、ゼロ、二、松元、九、ゼロ、鴨池、三十八、二十四、谷山北部、六十六、百九、谷山、二十五、百十一、広域入所、七、六人でございます。また、年齢別にゼロ歳から五歳児まで順に申し上げますと、二十八年度が三十五、六十二、二十二、十五、九、八人、二十九年度が五十七、九十七、五十七、二十七、九、五人でございます。
次に、利用保留児童数につきまして先ほどと同様に申し上げますと、三百八十一、四百二十人となっており、地域別では、吉田、二、ゼロ、吉野、三十三、二十四、上町、三、二、中央、二十、二、城西、十一、十七、伊敷、四、ゼロ、武・田上、五、三十九、松元、十八、五、郡山、ゼロ、二、鴨池、九十五、六十八、谷山北部、百二十三、百二十九、谷山、六十、百二十六、広域入所、七、六人となっております。また、ゼロ歳から五歳児までの年齢別では、二十八年度が六十三、百三十五、五十六、六十三、四十二、二十二人、二十九年度が九十一、百六十四、八十二、五十五、十九、九人となっております。
利用待機児童数の主な増加の要因といたしましては、女性の社会進出などに伴う保育需要の高まりのほか、保育士不足により利用定員を超えた受け入れが困難になっていることなどが考えられるところでございます。
利用保留児童のうち待機児童と定義されない児童数を二十八年及び二十九年四月一日現在で順に申し上げますと、二百三十、百六十八人となっており、地域別では、吉田、二、ゼロ、吉野、三十三、二十四、上町、三、二、中央、十四、二、城西、十一、十七、伊敷、四、ゼロ、武・田上、五、三十七、松元、九、五、郡山、ゼロ、二、鴨池、五十七、四十四、谷山北部、五十七、二十、谷山、三十五、十五人となっております。また、ゼロ歳から五歳児までの年齢別では、二十八年度が二十八、七十三、三十四、四十八、三十三、十四人、二十九年度が三十四、六十七、二十五、二十八、十、四人となっております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
待機児童、利用保留児童、隠れ待機児童は、特に地域的には谷山、谷山北で増加となり、年齢別では二歳児以下が特に増加していることをお示しいただきました。
次に、第一七号議案 平成二十九年度鹿児島市一般会計補正予算(第一号)中、款民生費、項児童福祉費、児童福祉施設整備費において、新たに設置される保育施設数と定員数、利用待機児童解消の効果についてお示しください。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 今回の補正予算に計上しております保育所等の施設整備につきましては、二十九年四月に利用待機児童の多い地域で七施設、三百五十人の定員増を図ることから解消に一定の効果があるものと考えております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
今回の補正予算における保育施設等の新設で一定の待機児童の解消が図られることを理解いたします。
昨年末、総務省行政評価局が調査した六十六市町村の七割を超える自治体で整備目標を達成しても待機児童の削減に至っていない実態から、より正確な需要把握に基づく計画の策定を勧告しました。
そこで、質問の二点目、総務省「子育て支援に関する行政評価・監視─子どもの預かり施設を中心として─結果に基づく勧告」について、以下伺ってまいります。
まず、同勧告の概要についてお示しください。
また、国の子育て安心プランの内容と同勧告がどのように反映されているのかお示しください。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 総務省の勧告は、子ども・子育て支援に関する計画の作成状況や施設の整備等を調査し、待機児童解消の効果的な整備を図るために実施されたもので、内閣府に対しては、潜在的需要の把握に努めた上で量の見込みを算出し、確保方策を設定することを市町村に要請することなどが、また、厚生労働省に対しては、待機児童数の範囲の明確化や入所保留児童数の公表を行うことなどが示されております。
勧告の範囲については明確にされておりませんが、国の子育て安心プランは、待機児童解消に必要な受け皿を平成三十年度から三十一年度末までの二年間で約二十二万人分確保し、待機児童を解消することを目標に掲げ、遅くとも三年間で待機児童を確実に解消し、その後も待機児童ゼロを維持するため、整備を進めることとされております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
国の子育て安心プランへの勧告の範囲については、実態把握の裏づけとなる待機児童の定義見直しも間に合っていないことからも、実効性が不明確ですが、本市としては勧告に基づいてより正確な需要把握に努め、市民の保育ニーズに応える計画を策定することが求められます。
次に、同勧告について、本市としてはどのように受けとめられたものか、それを踏まえて今後の待機児童解消における基本的な考え方をお示しください。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 子ども・子育て支援事業計画についての国の中間年における見直しの考えを踏まえ、待機児童や入所申し込み状況等を分析し、保育所等の整備量などの見直しの検討を行い、待機児童の早期解消に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
保育施設整備に係るそれぞれの見直しが行われるようですが、待機児童の一刻も早い解消に向けて正確な実態の把握に努めていただきますよう要請いたします。
次に、昨年から認可保育施設におけるパワハラ問題、社会福祉法人における不適切な運営のもとでの認可化、認可外保育施設における乳幼児の死亡事例と、保育施設をめぐる問題が立て続けに起こっていることを踏まえ、保育所等施設の現状を伺います。
質問の一点目、種類別の保育所等施設数と入所率。
質問の二点目、保育士・保育所支援センターの取り組みと保育士不足に対する本市の認識。
質問の三点目、設置主体別の保育所等施設数について最も多く設置している数を含めてお示しください。
以上、それぞれ答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 二十九年四月一日現在における保育所等施設の種類別の施設数と入所率は、保育所、百十五カ所、一〇〇・八%、幼保連携型認定こども園、三十一カ所、一〇〇・一%、幼稚園型認定こども園、十四カ所、六四・一%となっております。
二十八年度の保育士・保育所支援センターの累計登録件数は、求人が三百六十九件、求職が二百四十九件、また、マッチング数は八十件、採用件数は七十四件となっております。
保育士不足につきましては、入所児童の年齢ごとの配置基準等により一部の施設においては保育士が不足している状況があると認識いたしております。
保育所等の設置主体別の施設数及び一法人による最も多い設置数を二十九年四月一日現在で順に申し上げますと、社会福祉法人、百一、十四、学校法人、四十四、八、宗教法人、二、二、株式会社、二、一施設となっております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
私どもも株式会社等に過度に依存せず、認可保育施設の新設、認可外保育施設の認可化を求めてまいりましたので、本市の待機児童対策は一定評価するものですが、待機児童解消を急ピッチで進めていくもとで、もともと認可保育施設等を運営していた社会福祉法人にも多くの施設を担っていただいているのが現状です。さらに認可保育施設をふやさなければならない中で、もともと介護施設等を運営していた社会福祉法人などが保育分野の新たな担い手へとなってきています。
質問の四点目、このような中、本市の社会福祉法人が特養施設と認可保育施設の両事業に応募する際、実際に開いていない理事会で承認を得たと議事録を偽造していた問題などが報道されました。市長の四月の定例記者会見でも改善が不十分として調査を継続するとされていますが、この不適正な運営がなされていた社会福祉法人が運営する保育園の認可の経過と今後の対応をお示しください。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) お触れになられた保育所につきましては、本年三月三十一日に設置認可を行い、開園後には保育所の現地での確認や関係職員の聴取を行うなど、その運営状況を注視しているところであり、今後も適切に対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
今後は運営状況を注視していくとのことですが、そこに通う児童や保護者に不安を与えないよう特段の配慮を要請しておきます。
質問の五点目、これまでの質疑を踏まえて、多くの施設を一手に引き受ける社会福祉法人が設置している各施設に目配りが行き届くのか、介護施設等の他分野から新しく保育施設などを設置するノウハウの蓄積が浅い社会福祉法人の運営の把握が保育の質に直結する課題と言えますが、当局としてはどのような課題認識をお持ちか。また、今後の指導監査のあり方をお示しください。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 社会福祉法人においては、多くの施設を持つ場合は、意思決定に一定の時間を要する場合があることなどが、また、他分野からの参入の場合は、新規分野の内容にふなれなことなどがあるのではないかと考えられます。今度の指導監査につきましては、今般の社会福祉法人制度改革を踏まえて、国の指導監査実施要綱及び指導監査ガイドラインが制定されましたことから、これらにのっとって適切に実施するなど、一層の充実強化に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
今後も進められる待機児童解消策では、保育士の育成や処遇改善だけでなく認可保育所等を設置する社会福祉法人が適正に運営するための指導と育成による保育の質の確保が大変重要な課題であるということを指摘させていただきます。
次は、待機児童対策の一方で、厳しい運営を強いられている認可外保育施設の現状についての質問です。
質問の一点目、認可外保育施設における利用児の死亡事例の経過と今後の対応をお示しください。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 認可外保育施設における死亡事案は、四月二十五日に園長一名で夜間保育をしている際に、睡眠中の乳児が死亡したものであり、今後の対応につきましては、事業者からの再聴取など情報収集を行い、再発防止に向けた検証を行うこととしております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
当局は現在、事業者から聴取を行うなど再発防止に向けた取り組みの途上でありますので、今後を注視していきますが、私はこのような事例の背景に認可外保育施設の運営の厳しさがあるのではないかと考えています。
そのことから、質問の二点目、認可外保育施設の厳しい運営状況について以下伺います。
まず、平成二十六年度から直近までの認可外保育施設の施設数と入所児童数の推移について、届け出のあった認可外保育施設数と入所児童数、そのうち事業所内保育施設を除く施設数と入所児童数、認可化された園、廃止された園の数についてお示しください。
以上、まとめて答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 本市に届け出がある認可外保育施設の数及び入所児童数につきまして、平成二十六年度から二十八年度までを三月三十一日現在で順に申し上げますと、施設数、九十六、九十四、九十四施設、入所児童数、一千六百七十二、一千六百九十、一千六百七十七人で、二十九年度四月一日現在は、八十三施設、一千二百三十一人となっております。
事業所内保育施設を除く施設数及び入所児童数を先ほどと同様に申し上げますと、施設数、六十、六十、五十四施設、入所児童数、一千九十八、一千二百四十九、一千八十一人で、二十九年四月一日現在は四十三施設、七百七人となっております。
認可外保育施設から認可保育所へ移行した施設数につきまして、二十六年度から二十九年度の直近までを順に申し上げますと、三、ゼロ、ゼロ、四施設となっております。また、廃園した施設数を二十六年度から二十八年度まで順に申し上げますと、十三、十一、十四施設となっております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
平成二十八年度末はお聞きした中で事業所内保育施設以外の施設数が最も少なくなっているようです。私は、平成二十一年第一回定例会においても、認可外保育施設の数と入所児童数をお聞きしていますが、十年前の平成十八年度末の事業所内保育所以外の届け出は七十七施設、入所児童数は一千七百八十六人と答弁されていることから、平成二十八年度と比較すると二十三の施設と七百五人の入所児童が減少していることになります。また、廃園された施設が毎年度十件を超えている実態も見過ごせません。
この実態を踏まえ、当局は認可外保育施設の減少について原因をどのように分析されているのか。
また、本市保育行政の補完的な役割を果たしている認可外保育施設の減少による影響をお示しください。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 認可外保育施設が減少した要因につきましては、これまで待機児童解消を図るため、保育所等を計画的に整備してきたことや認可外保育施設から認可保育所への移行によるものと考えております。
ただいま申し上げました要因などにより認可外保育施設は減少しておりますが、夜間保育や小規模保育の特徴を生かした保育サービスの提供など、市民のニーズに即した役割があるものと考えております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
認可外保育施設は、夜間保育や緊急の一時預かりへの柔軟な対応、小規模保育を生かした療育やアレルギー食などの対応といった認可保育施設では対応できない役割を果たしてきました。利用児が死亡した事例の園も二十四時間保育を行っており、今後の廃園によって利用児童の保育の確保が大変心配されます。
私も認可外保育施設に実態を伺ってまいりました。開所から六年が経過したこの園では、開所当時、一日約三十人の児童が利用していましたが、現在はその半分の利用となっています。市の補助制度の対象とならない一時預かりなどが多く、運営が厳しくなっています。保育士を目指す人を三人雇いましたが、免許を取得すると認可園に就職してしまいました。その後、保育士を求人しても反応はない状態です。さきの死亡事例のような職員配置に穴をあけることは絶対にしませんが、そのかわりに資格を持つ園長は休みなく働いています。園長は余りの運営の厳しさに同窓会で同級生に保育園をやめたいが子供好きな自分ではできそうにないので背中を押してほしいとお願いまでしたそうです。
このような実態を踏まえ、認可外保育施設における保育士不足について、認可保育施設に保育士が移動している実態についての認識をお示しください。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 認可外保育施設から認可保育所に転職する方がおられるとの話につきましては、私どもも伺っているところでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
昨年、第四回定例会でも認識を伺いましたが、先ほど紹介した認可外保育施設では、ハローワークに求人を出しても何カ月と音沙汰がなく、一層深刻な状況であるということは申し上げておきたいと思います。
認識を踏まえて、本市の保育士・保育所支援センターで認可外保育施設への紹介も検討すべきと考えますが、当局の見解をお示しください。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 保育士・保育所支援センターにおける保育士の紹介でございますが、国が示した要綱によりますと、原則、認可保育所等に限定されておりますが、二十九年度からは保育所や認定こども園等へ移行する認可外保育施設に限り対応が可能となったところでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
認可外保育施設への保育士の紹介は国の実施要綱上、支援センターでは難しいとのことですが、平成二十九年度からは一部認可外が対応されるようです。現在、支援センターに保育士の求職が集中している側面もあると考えますので、マッチングできなかった方へ認可外保育施設の案内をするなど、少しでも対応できるよう検討を要請いたします。
この質問の最後に、認可・認可外保育施設を本市保育行政の車の両輪として保育の質をさらに向上させ、市民の保育ニーズに応えるべきと考えますが、本市の基本姿勢をお示しください。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 安心して子育てができる環境を充実させるため、待機児童の解消に向け保育所等の整備による利用定員の拡大のほか、保育士・保育所支援センターによる潜在保育士の確保など、ハード・ソフト両面から積極的に取り組みを進めているところでございます。認可外保育施設においては、待機児童の受け皿として認可保育所の補完的役割を果たしており、本市といたしましては、これまで運営費や管理に対する補助など支援に努めてきたところでございますので、今後におきましても必要な対応をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
必要な対応をしていくとの答弁でしたので、私ども党市議団も子供は社会の子としてひとしく健やかに育てるという観点から待機児童解消策と認可外保育施設が共存し、多様化する保育ニーズに応えることができるよう今後とも提案していくことを申し上げ、この質問を終わります。
新しい質問に入ります。
小規模修繕希望者登録制度について、広く市内業者の受注機会を図る制度への改善を求める立場から、以下伺ってまいります。
質問の一点目、そもそもの制度の目的、対象工事、登録事業者の要件をお示しください。
以上、答弁願います。
◎企画財政局長(鉾之原誠君) お答えいたします。
小規模修繕希望者登録制度は、市内の小規模事業者の受注機会の拡大を図ることを目的としており、内容が軽易でかつ履行が容易であると認められるもので、一件の金額が五十万円以下の修繕を対象としております。登録者の要件は、希望する業種の履行実績があり、市内に本店を有する法人、または住所を有する個人といたしております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
この制度については、本市の民主商工会からこれまでの建設工事等の登録制度の対象ではなかった小規模修繕を行う市内業者への受注機会の拡大と地域経済の活性化を図る制度の創設を求める要望が寄せられ、私ども党市議団も実現のためにかかわり、平成二十二年十一月から実施されました。
質問の二点目、これまで過去五年間の実績と効果、登録事業者数について、まず、発注した工事数と発注した金額の年度ごとの合計と各局別の上位三つをお示しください。
また、登録事業者数の推移もあわせてお示しください。
以上、答弁願います。
◎企画財政局長(鉾之原誠君) 発注した工事数につきまして年度ごとの合計及び件数の多い上位三局を順に申し上げますと、平成二十三年度二百二十五、教育委員会八十六、建設局五十四、環境局十六件、二十四年度二百四十、教育委員会百五十九、環境局及び市立病院、各十八件、二十五年度二百六十八、教育委員会百五十二、建設局二十三、市立病院十七件、二十六年度二百八十、教育委員会二百九、健康福祉局十六、市民局、環境局及び水道局、各十一件、二十七年度三百十六、教育委員会二百十五、建設局二十八、健康福祉局十八件となっております。
また、発注した金額につきまして万円単位で申し上げますと、二十三年度三千三十三、建設局八百九十二、教育委員会七百八十五、環境局四百九十五万円、二十四年度一千八百十八、教育委員会八百五、水道局二百三十、環境局百七十三万円、二十五年度二千四十二、教育委員会六百四十四、水道局三百十九、建設局二百十二万円、二十六年度二千九百四十七、教育委員会一千六百六十六、水道局三百九十八、健康福祉局二百八十七万円、二十七年度四千二百六十五、教育委員会二千二百五十一、建設局四百五十七、水道局三百六十九万円となっております。
次に、登録者数を二十三年度から順に申し上げますと、八十九、七十六、八十八、九十一、七十三となっております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
平成二十七年度は、発注件数、発注金額ともに制度創設以降最高になっていることが明らかになりましたが、一方で登録事業者の数は過去最低となっています。
質問の三点目、私ども党市議団に同制度に以前登録していた業者の方から、登録してから三年間、何の音沙汰もないのでやめましたとの声が寄せられました。
そこで、実態について以下伺います。
まず、直近の登録更新までの期間である平成二十四年度から二十六年度で一件も受注することができなった登録事業者数と各年度の登録全体に占める割合をお示しください。
また、受注数が多い上位三者と受注数の合計と特徴、各年度の工事発注数に占める割合もあわせてお示しください。
以上、答弁願います。
◎企画財政局長(鉾之原誠君) 受注のなかった登録者数と割合を二十四年度から順に申し上げますと、四十八業者、六三%、六十一業者、六九%、六十二業者、六八%でございます。
また、受注数が多い三者の件数と特徴を上位から順に申し上げますと、建具等に登録のある業者で二百八十一件、合い鍵製作や鍵穴修繕等を受注しております。次に、大工・左官等に登録のある業者で百五件、トイレ、タイルの補修等を受注しております。次に、土木一式・建築等に登録のある業者で七十四件、草刈り、側溝清掃等を受注しております。三者の合計件数が全体に占める割合を二十四年度から順に申し上げますと、四九、五六、六九%でございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
百件を超えて受注している業者がある一方で、三年間一件も受注できなかった業者が六割以上、ときには七割近いという実態が明らかになりました。
次に、このような実態について当局はどのように受けとめられたものか。また、原因についてどのようなことが考えられるものか見解をお示しください。
以上、答弁願います。
◎企画財政局長(鉾之原誠君) 名簿に登載された業者間で受注数に偏りがあることは課題であると受けとめております。また、鍵穴修繕など現場での即時対応が必要なものや複数の業種にまたがる修繕が多いことなどが原因であると考えております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
発注される対象が特殊で登録業者が少ない場合はある程度受注が偏ることは考えられますが、登録業者の半分以上の方が仕事を受けることができていないという実態は、制度の趣旨が十分発揮されていないと言えるのではないでしょうか。
これまでの質疑を踏まえて市内業者の受注機会の拡大を図る趣旨を踏まえた改善を講じるべきと考えますが、当局の見解をお示しください。
以上、答弁願います。
◎企画財政局長(鉾之原誠君) 多くの業者に受注していただけるよう、これまでも庁内各課への周知に努めてまいりましたが、今後、発注の傾向や実態等を調査し、改善策について検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
本制度が地域経済に果たす役割も大きいものと考えます。来年度は、一旦、名簿を更新され三年間の新たな登録期間が始まりますので、当局におかれましては、取り急ぎ実態を調査した上で改善の検討を要請するとともに、私どもも他都市の調査等を行い、今後も取り上げていくことを申し上げ、この質問を終わります。
新しい質問に入ります。
こども医療費助成制度について、去る五月二十九日に現物給付の実施に係る県の乳幼児医療費助成の在り方に係る有識者懇談会が初めて開催されたことから、以下伺ってまいります。
質問の一点目、県の乳幼児医療費助成の在り方に係る有識者懇談会について、まず、有識者懇談会の参加者と森市長の参加の有無をお示しください。
また、協議の内容と今後のスケジュールについても、あわせてお示しください。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 鹿児島県乳幼児医療費助成の在り方に係る有識者懇談会につきましては、市町村や医療及び医療保険者等の関係者が出席し、県市長会からは出水市長が出席されたところでございます。
協議の中では、受診の増加による医療機関への負担や医療費の増加を懸念する意見などが出されたとのことでございます。今後は、幹事会において詳細な課題の協議を行い、七月に第二回の懇談会を開催することとなっております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
懇談会には県市長会として出水市長が参加されたとのことですが、中学校卒業まで所得制限のない窓口無料の制度実施の要望はなされたものか。また、その感触について聞いておられましたらお示しください。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 有識者懇談会におきましては、子育て支援の充実を図るため、現物給付方式の導入の検討が不可避であるとの意見が出されたようでございます。また、幹事会におきましては、本市から所得にかかわらず中学三年生までを対象に窓口負担をなくしていただくよう要望したところでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
要望はなされたとのことでしたが、感触については触れられませんでした。今後の幹事会の中で詳細を具体的に協議していくものと理解します。
質問の二点目、県が示している住民税非課税世帯の未就学児だけを現物給付方式にした場合の本市への影響について以下伺います。
まず、本市制度は県の制度対象者のほか、住民税課税世帯の未就学児は無料、小中学生の住民税非課税世帯は無料、小中学生の課税世帯は自己負担二千円と区分され、一部だけを現物給付にした場合、選別していく事務量が増加するのではないかと考えますが、認識をお示しください。
次に、現在のこども医療費助成制度の決算額と県と市のそれぞれの事業費と割合、県が示している方式を実施した場合の事業費の負担割合についての影響をお示しください。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 対象を現在県が示している住民税非課税世帯の未就学児とした場合、主な課題として、毎年行う対象者の確認や受給者証の配布などの事務量の増が見込まれているところでございます。
本市のこども医療費助成事業の二十七年度決算額は十二億四千四十九万円、うち県補助金は二億四千九百二十七万円で、決算額に対する県の補助金の割合は約二〇%となっております。なお、新たな制度における県の補助率等について現時点では示されておりませんことから、影響は見込めないところでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
私どもが平成二十四年度に政務調査課を通じて現物給付実施によるメリットを中核市に調査したところ、ほとんどの自治体で事務量が軽減されたとの回答を得ました。しかしながら、一部の実施では逆に事務量がふえてしまいます。事業費についても、県事業の上乗せ制度と言いながらも、八割に上る約十億円を市が負担しており、県事業の対象が広がるか新たな財政措置が示されなければ、この負担割合は変わりません。
質問の三点目、先ほどの答弁も踏まえ、県が中学校卒業まで所得制限のない窓口無料の制度を実施することは市民の負担軽減につながるとともに、県下市町村の事務や財政上の負担軽減にもつながることに県の理解を求めるべきと考えますが、見解をお示しください。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) これまでも県に対しましては、県市長会等を通じて市町村への財政措置等を考慮するとともに、所得にかかわらず中学三年生までの医療費の負担軽減を図る方策を検討していただくよう要望してきたところでございまして、今後も引き続き要望してまいりたいと考えております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
懇談会、幹事会は第二回が七月に開催される予定とのことでしたが、平成三十年十月の現物給付実施に向けては時間が残されていないことからも、市長及び当局の皆さんの一層の御努力を要請し、この質問を終わります。
新しい質問に入ります。
吉野地域のまちづくりの課題について、以下伺ってまいります。
まず、工事期間が延長された吉野地区土地区画整理事業についての質問です。
質問の一点目、第六回事業計画変更の内容と変更に至った要因をお示しください。
質問の二点目、変更された資金計画について合計の総額と年度別と財源の見通しをお示しください。
以上、答弁願います。
◎建設局長(水元修一君) お答えいたします。
今回の事業計画変更は、資材費や人件費などの単価構成や擁壁設置のための対策が必要になったことなどにより、事業費の増額と施行期間の延伸を行いました。
次に、変更された資金計画では、総事業費が六百三十九億一千万円となり、事業計画書での今後の計画額は、平成三十年度十三億、三十一年度十二億五千万、三十二年度十億八千万、三十三年度一億三千万、三十四年度一億円となっております。財源については、単独費の占める割合が高いことから、今後、一般財源の確保が課題になってくるものと考えております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
今後の事業計画については、実質、本市の財源で進めていくことが示されました。私どもとしては、一刻も早い工事完成を求めてきましたので、簡単に理解を示すわけにもいきません。そもそもなぜ何度も期間延長が必要なのか、なぜ終わらないのかとの地域住民の皆さんの声ももっともです。
次の質問は割愛いたします。
質問の三点目、冒頭答弁いただきましたが、今後事業費の増額や想定外の対策が起こっても期間内に工事完了する対策はどのように考えておられるのかお示しください。
以上、答弁願います。
◎建設局長(水元修一君) 今後は事業の早期完成に向け財源の確保に努めるなど、鋭意取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
想定外の事態がたびたび起こって期間が延長するということはもう許されないはずです。今後は、実質、市の財源で事業を進めることからも、しっかり財源を確保していただき対応されるよう強く要請いたします。
質問の四点目、工事期間が延期したとはいえ、事業費や工事、移転や仮換地指定などの進捗率は九〇%以上という現状のもとで、いまだに地域住民の皆さんから、「生活設計が立たない」、「自分が生きている間に終わらないのではないか」との声が寄せられている実態を使用収益の開始についての観点から伺います。
まず、使用収益の開始とは何か。
また、使用収益が開始されていない地権者数と全体に占める割合をお示しください。
以上、答弁願います。
◎建設局長(水元修一君) 使用収益の開始とは、指定された仮換地先で建築が可能となるなど、宅地として使用等ができる状態になることでございます。
現在、使用収益が開始されていない地権者数は三百七十九人で、地権者総数に対する割合はおよそ二〇%となります。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
初めてお示しいただきましたが、いまだに家を建てるなどの使用が認められていない地権者が二〇%という現状は決して少ない数字ではありません。
次に、このような実態を踏まえて、工事の終息に向けては、家を建てるなど地域住民の皆さんが今後の見通しを立てることができるよう使用収益の開始を急ぐべきと考えますが、当局の見解をお示しください。
以上、答弁願います。
◎建設局長(水元修一君) 使用収益を開始するには、宅地周辺の道路築造工事がなされていること、ライフラインが整備されていることなどが必要であることから、今後とも計画的な事業推進に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
計画的にとの答弁でしたが、計画が延期、延期で来ているからこそ、こういった指摘をせざるを得ないんです。条件が整い次第、順次使用収益の開始を行って、地域住民の皆さんが一刻も早く生活の見通しを立てることができるよう事業の終息に向けた一層の取り組みを要請いたします。
次は、県養護学校跡地の活用についての質問です。
質問の一点目、当該跡地に係る県と市の協議が始まったとお聞きしましたが、その経過をお示しください。
質問の二点目、政務調査課を通じて求めた資料によれば、本年二月六日と五月三十日の二回、それぞれ一時間半程度協議がなされているようですが、これまでの協議内容と参加者をお示しください。
以上、答弁願います。
◎企画財政局長(鉾之原誠君) 県養護学校跡地につきましては、平成二十八年九月に県から買い受け要望等の照会があったことから、協議を行ってきたところでございます。
これまでの協議内容と参加者につきましては、県の跡地活用方策や地域住民からの要望への対応などについて、県総務部、教育長、警察本部、市建設局、市民局、企画財政局の関係職員が参加し、意見交換を行ったところでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
私どもも当該跡地の活用について、これまで県当局との協議の場を設けるよう求めてきた経過がありますが、県の買い受け要望に対して、本市が買わないと判断していれば、次は民間への売却が検討されていたと考えることから、活用について協議を始められた姿勢を評価いたします。
質問の三点目、県養護学校跡地の現状について、現在の所管とこれまでの経緯及び現時点での活用方針とスケジュールや面積などの具体的な内容をお示しください。
以上、答弁願います。
◎企画財政局長(鉾之原誠君) 同跡地につきましては、これまで県教育庁の所管でございましたが、一部に吉野交番を移転する計画があることから、現在、県警察本部に移管されております。吉野交番につきましては、二十九年度中の整備を予定されておりますが、面積につきましては、現在、基本設計中であり未定とのことでございます。なお、その他の跡地についての活用方針は示されていないところでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
今年度中に吉野交番を土地の一部に移転し建てかえる計画で、そのために跡地全てが教育委員会から県警に所管を移していることが明らかになりました。
質問の四点目、当該跡地については、吉野支所付近のまさに吉野の中心に位置する広大な空き地であることから、私どもも住みよい吉野をつくる会の皆さんと多目的ホールのような文化的、体育的なニーズに応える施設の建設を一千七十六筆の署名とともに本市に要望してきた経過があります。
そこで、これまで地域住民の皆さんからどのような要望が寄せられているか、改めて当局の認識をお示しください。
以上、答弁願います。
◎企画財政局長(鉾之原誠君) 地域住民からは文化施設を含む多目的ホールの建設やウオーキングスペースなどの暫定活用について要望がなされているところでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
当該跡地に吉野の中心にふさわしい施設をという願いは、吉野に住む方々と地元議員の共通の強い要望であることを改めて市長及び関係部局の皆さんには認識していただきますよう強く要請いたします。
質問の五点目、当該跡地は現在、吉野第二地区土地区画整理事業に向けた準備を進めており、そのことが活用方針が決まらない一つの理由ともされてきました。そこで、公共施設を建設すると想定した場合の関係法令等、主には都市計画法、用途地域、減歩を含む土地区画整理法との関係や手続、制限についてお示しください。
また、いずれも現時点で建設できないとする制限ではないと考えますが、当局の認識をお示しください。
以上、答弁願います。
◎建設局長(水元修一君) 当該地は吉野第二地区土地区画整理事業の施行予定区域であることから、建築に当たっては、都市計画法第五十四条に定める構造や階数などの基準に基づき、第五十三条による許可申請が必要となります。
用途地域については、敷地の大部分が第一種低層住居専用地域であることから、建築基準法で建築可能な公共施設は大学や専門学校などを除く学校、図書館などがあります。
また、建築時期が土地区画整理事業の事業計画決定後となる場合は、土地区画整理法第七十六条による許可申請が必要となります。なお、土地の減歩や仮換地については、原則として他の宅地と同じように取り扱うこととしております。
現時点において、さきに述べました関係法令に適合する場合には、建築物の建築が可能となります。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
当該地に係る都市計画関連の法律等では、一定の制限はあるものの届け出を行えば建設できないとの制限はないものと理解します。しかしながら、何らかの活用を計画する場合は、減歩の影響や活用方法に基づく土地の形状、県道や主要道路との関係を考慮するために、吉野第二地区の実質的な設計図である事業計画決定までに一定の整理をすることが望ましいのではないかと考えます。
質問の六点目、県と協議を進めるに当たっての地域住民の要望を踏まえた本市の基本的な考え方をお示しください。
以上、答弁願います。
◎企画財政局長(鉾之原誠君) 同跡地の活用につきましては、一義的には土地所有者である県が検討されるべきものであろうと考えておりますが、本市といたしましては、地域住民からの要望を踏まえ、引き続き県と協議してまいりたいと考えております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
現時点では、土地の所有者である県と本市で活用の方向性、所有のあり方、役割分担、暫定活用の有無などを整理していただきたい。協議に当たっては、地域住民の要望の具体化を正面に据えるという基本姿勢で臨んでいただきますよう強く要請いたします。
次は、昨年、雀ケ宮交差点について、側溝の構造上の問題から水があふれ川のようになることを指摘し、県当局に改善を求めるよう要請いたしましたが、梅雨時期を迎えて機能改善の動きがあるものか、県の動向をお示しください。
以上、答弁願います。
◎建設局長(水元修一君) 県によると、県道鹿児島吉田線の雀ケ宮交差点付近については、本年九月に側溝ます二基及び一部の側溝の改修工事を発注する予定であるとのことでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
今年度、側溝ます等の改善が行われることが明らかになりました。しかしながら、九月実施ということで、今年度の梅雨、台風時期には間に合いません。本市でも昨日は強い雨に見舞われたものの、幸い水はあふれていませんでしたが、大雨時の被害等につながらないよう周辺の安全に特段の配慮を要請いたします。
以上で、私の個人質疑の全てを終了いたします。