◆(たてやま清隆議員) 日本共産党市議団の一人として個人質疑を行います。
ただいま提案されました第二号議案 専決処分の承認を求める件(鹿児島市国民健康保険税条例の一部を改正する条例)については、国保税の課税限度額等を改定するものであり、市民生活に直結する条例改正ですが、既に市長の専決処分によって執行されている議案でもあります。
そもそも専決処分は無制限に行うべきではなく、幾つかの条件に該当する場合に限るとされています。したがって、専決処分の妥当性を確認するとともに、今回の条例改正が今後の市民生活に対して、とりわけ国保加入者にどのような影響を与えるのか、その内容と問題点を明らかにする立場から、以下質問してまいります。
初めに、一点目、条例改正の内容と背景。
二点目、地方税法施行令の一部改正に至る国会審議の経過と専決処分に至った理由。
三点目、他の中核市における専決処分の実施状況。
四点目、平成三十一年度課税限度額(案)については、既に市国保運営協議会の答申を一月二十九日に得ておりますが、当初予算への反映の有無と見解について。
以上、それぞれお示しください。
答弁願います。
◎市民局長(古江朋子君) お答えいたします。
今回の条例改正は、基礎課税額の課税限度額を三万円引き上げるとともに、五割軽減及び二割軽減の対象となる世帯に係る軽減判定所得の基準を引き上げるものでございます。これは平成二十五年十二月に成立したいわゆる社会保障制度改革プログラム法において、国民健康保険の保険料負担に係る公平性の確保を図るため、低所得者の負担の軽減及び賦課限度額の引き上げが規定されたことを受けて、本年三月二十九日に地方税法施行令の一部改正がなされたことから、条例を改正したものでございます。
次に、国会審議の経過でございますが、本年二月八日に地方税法等の一部を改正する法律案が衆議院で受理され、三月二十七日の参議院可決後、三月二十九日に改正地方税法施行令が公布されております。また、国保税につきましては、基礎課税額の課税限度額の引き上げは遡及適用することが不利益となること、軽減判定所得の基準の引き上げは法に定められた軽減措置であること、さらに、六月中旬の当初納税通知書の発送に向け、五月には本賦課処理を行う必要があったことなどから、総合的に判断して専決処分したものでございます。
税方式を採用している中核市二十五市のうち、専決処分は本市を含めて十五市、議決予定としている市は六市、改正する予定のない市は四市でございます。
次に、平成三十一年度課税限度額(案)につきましては、本年一月の本市国保運営協議会に、国において、年度末に地方税法等の一部改正が公布される見込みであることから、本市においても同様に改正することを想定してお諮りし、答申をいただいたもので、本市の当初予算案の提案時点においては、改正地方税法施行令が公布されていなかったことから、歳入予算として計上していないところでございます。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
地方税法施行令改正の公布が定例議会の閉会後の三月二十九日であったことから、本市としては、六月中旬の当初納税通知書の発送に間に合わせるため専決処分を行ったとの理由が示されました。しかし、国保税の課税限度額を引き上げることについては、答申が出されていたことから、新年度方針としては既に決めていたことになります。また、本市と同じ税方式の二十五の中核市の中で、議会議決により改正予定の中核市が六市、そして、四市が課税限度額を現行のまま据え置き、改正する予定がないとのことであり、本市の対応と異なっています。なぜ対応が異なるのか。
そこで質問いたします。
五点目、地方税法施行令が改正されても改正予定のない中核市が四市あるように、国が地方税法を改正しても地方自治体の裁量で課税限度額は設定できると考えますが、その点についての当局の認識と本市の対応について。
六点目、地方自治体の裁量で国保税の軽減判定所得の基準のみを選択し改正することは可能なのか、本市の認識と対応について。
七点目、今回の条例改正は、一定の所得段階の市民にとっては負担増につながることから、このような市民生活に直結する条例改正を専決処分することについての見解をお示しください。
以上、答弁願います。
◎市民局長(古江朋子君) 国保税の課税限度額は、地方税法施行令に定める額を超えることができないこととなっております。本市では、平成九年度までは施行令に定める額を下回る設定をしておりましたが、十年度以降は国保財政が厳しい状況にあること等を踏まえ、施行令に定める額としているところでございます。
また、軽減判定所得の基準のみを専決処分している都市はあるようでございます。
専決処分は、議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるときなどに行うものであり、市民に直接影響を及ぼす案件につきましては慎重な対応が必要であろうと考えております。今回は、改正地方税法施行令の公布が年度末となったこと及びさきに申しましたとおり、本市では五月には本賦課処理を行う必要があったことなどから、課税限度額もあわせて専決処分をしたものでございます。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
国が地方税法を改正し、課税限度額を引き上げても国の基準を下回ることは地方自治体の裁量により可能であるとの認識を示されました。本市は、国の法改正に従い、課税限度額を引き上げるための専決処分を実施したことになります。一方、低所得の国保加入者の負担軽減につながる法定軽減の基準改正のみを選択して条例改正することは、実際に実施している自治体があることが示されましたので、制度上は可能であったことが明らかにされました。
当局からも市民生活に直接影響を及ぼす案件については慎重な対応が必要であるとの認識が示されているように、議会議決により改正を行う中核市が六市あることからも、本市においても国保財政が厳しいからという理由や課税限度額の引き上げや法定軽減の拡充についてどう対応すべきか議論を交わし、その上で条例改正の可否を問うべきではなかったのかという問題を指摘しておきたいと思います。
次に、条例改正に伴う市民生活への影響について質問します。
初めに、今回の条例改正の一つである課税限度額引き上げの影響について質問します。
一点目、課税限度額の引き上げの内容と目的及び本市の低中間所得層の国保世帯に与える効果。
二点目、現行の基礎課税額の課税限度額の対象世帯数と割合及び改正前と改正後の基礎課税額の課税限度額に達する一人世帯の所得。
三点目、今回、課税限度額を引き上げることに伴い、負担増となる実世帯数とその割合、影響総額、一世帯当たり負担増額及び国保特会歳入への影響。
以上、答弁願います。
◎市民局長(古江朋子君) 課税限度額の改正につきましては、基礎課税額を五十八万円から六十一万円に改めるもので、本市の国保特会は、平成十七年度以降、毎年度繰上充用を行っており、厳しい財政状況にあることから、国が示した課税限度額に改正することにより歳入の確保を図ることとしたところでございます。また、効果としましては、一定の負担能力を有する所得層の方々に応分の負担を求めることにより、公平性の確保が図られるものと考えております。
次に、改正前の課税限度額の対象世帯数と割合は、本年四月末で約一千世帯、一・三%でございます。また、課税限度額に達する一人世帯の所得額は、改正前が七百二万七千円、改正後が七百四十万二千円でございます。
このたびの改正による影響については、全体の一・二%に当たる約九百八十世帯が対象となり、その影響額は約二千八百万円、一世帯当たりでは約二万九千円と見込んでおります。また、国保特会への影響については、この約二千八百万円が歳入増になるものと見込んでおります。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
基礎課税限度額を五十八万円から六十一万円に引き上げることによって、今回は改定のない支援金等や介護分を合わせると課税限度額の合計は九十三万円から九十六万円となります。そして、基礎分の課税限度額に到達する一人世帯の所得は、改正前より三十七万五千円上昇し、改正後は七百四十万二千円となることから、低中間所得層の国保世帯との負担の公平性を確保する効果を求めていることが明らかになりました。また、今回の課税限度額の引き上げの影響を受ける世帯は九百八十世帯であり、一世帯当たり二万九千円の負担増となることから今後の影響が懸念されます。
そこで質問いたします。
一点目、基礎課税額の課税限度額の対象世帯が含まれる所得階層の滞納世帯数とその割合及び滞納総額をお示しください。
二点目、基礎課税額の課税限度額の対象世帯の所得水準と国保税の負担割合を夫婦、子供の四人、五人、六人世帯の場合をそれぞれお示しください。
三点目、今回の条例改正による課税限度額の引き上げにより、対象世帯の負担感は重くなり、滞納の増加につながるのではないか、見解をお示しください。
以上、答弁願います。
◎市民局長(古江朋子君) 基礎課税額の課税限度額の対象世帯が含まれる所得階層の滞納世帯数とその割合及び滞納総額について、本年四月末で順に申し上げますと、六百万円を超え七百万円以下が四十四世帯、〇・三二%、約一千五百六十万円、七百万円を超え八百万円以下が二十二世帯、〇・一六%、約八百五十万円、八百万円超が五十三世帯、〇・三九%、約一千六百十万円でございます。
次に、基礎課税額の課税限度額に達する世帯の所得額とそれに対する国保税の負担割合につきまして、夫婦、子供の四人世帯、五人世帯、六人世帯を順に申し上げますと、六百六十一万四千円、九・二%、六百三十五万二千円、九・六%、六百八万九千円、一〇・〇%でございます。
基礎課税額の課税限度額の改正につきましては、一定の負担能力を有する所得層の方々に応分の負担を求めることで公平性の確保を図るものであり、制度の趣旨を御理解いただけるよう努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
課税限度額の対象世帯が含まれる所得六百万円超の所得階層の中で百十九世帯が滞納世帯であり、一世帯平均で計算しますと、約三十四万円の滞納額となります。私が政務調査課を通じて行った調査では、二十九年度実績の所得六百万円未満の所得階層の滞納世帯の一世帯平均が約八万二千円ですので、四倍以上の滞納額となるわけです。確かに課税限度額の引き上げにより低中間所得層との負担割合はより公平化されますが、所得に対する国保税の負担割合が重くなることが滞納の要因となっているのではないでしょうか。
先ほど、課税限度額に到達する一人世帯の場合の所得水準は七百四十万二千円と示されました。しかし、六人世帯では六百八万九千円であり、国保税の負担割合は基礎課税額のみでは一〇・〇%です。これに支援金等や介護納付金の負担を加えると一五%台になるわけであります。なぜ負担割合が重くなるのか、それは所得に関係なく、家族や世帯に賦課する均等割、平等割という応益負担に基づく賦課制度が国保には存在するからであります。このような制度を抜本的に見直すことなく、課税限度額を引き上げる対応を行うだけでは国保税の滞納を防止することは困難であるということを指摘しておきたいと思います。
次に、条例改正のもう一つの内容である国保税の法定軽減の軽減判定所得基準の改正の影響について質問します。
一点目、今回の軽減判定所得基準見直しの内容と目的及び本市での効果。
二点目、基準額改正前の七割、五割、二割軽減の法定軽減の対象世帯数と割合。
三点目、基準額改正に伴う五割軽減、二割軽減のそれぞれの対象世帯数と負担軽減総額、一世帯当たりの負担軽減額。
四点目、基準額改正に伴う国保特会歳入への影響及び法定軽減の対象世帯の負担軽減総額と財政措置。
以上、答弁願います。
◎市民局長(古江朋子君) 軽減判定所得基準の改正は、五割軽減につきましては、これまで被保険者一人つき二十七万五千円を加算していたものを二十八万円に、二割軽減につきましては、同じく五十万円を五十一万円にそれぞれ改めたものでございます。これは低所得者に対する負担軽減措置を拡充するために行うもので、負担能力に応じた公平性の確保が図られるものと考えております。
改正前の法定軽減の世帯数と全世帯数に対する割合は、三十年十二月時点で七割軽減が約二万六千四百世帯、三二・四%、五割軽減が約一万世帯、一二・三%、二割軽減が約七千百世帯、八・七%でございます。
次に、改正により新たに五割軽減の対象となる世帯数、負担軽減総額及び一世帯当たり負担軽減額を順に申し上げますと、約百五十世帯、約五百八十万円、約三万九千円、また、二割軽減につきましては同様に、約三百四十世帯、約五百二十万円、約一万六千円と見込んでおります。
これらの改正による影響額は、二割軽減から五割軽減へ移行した分を考慮しますと、約八百七十万円となり国保税が減となりますが、国の保険基盤安定制度に基づき一般会計からの繰入金で補填されることとなっております。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
特に国保税減免のための申請の必要がなく、前年の一定の所得水準の世帯を対象に、均等割、平等割を自動的に減免する制度が法定軽減制度でありますが、軽減判定する際の所得基準が上昇すれば上昇するほど自動的に国保税が減免される世帯がふえることになります。この法定軽減制度は、私が先ほど指摘した国保税の応益負担の弊害を是正するための措置であり、さらに拡充すべき制度であります。
今回の改正により、五割軽減で百五十世帯、二割軽減で三百四十世帯が負担軽減となり、改正に伴う国保税の歳入減は、国の保険基盤安定制度に基づき一般会計からの繰入金で補填されることも示されました。私は、法定軽減制度の対象はさらに拡大すべきと考えますが、先ほどの答弁では、改正前の法定軽減の対象は合計で四万三千五百世帯、五三・四%を占めることが示されました。
それでは、法定軽減の対象とならない国保世帯について質問します。
一点目、基準額改正後の法定軽減の対象とならない世帯数と割合をお示しください。
二点目、法定軽減の対象とならない一人、二人、三人、四人、五人、六人の世帯ごとの所得水準をお示しください。
以上、答弁願います。
◎市民局長(古江朋子君) 改正後における法定軽減の対象とならない世帯数とその割合は約三万七千六百世帯、四六・二%と見込んでおります。
また、これらの世帯の人員ごとの所得額は、一人世帯では八十四万円を超える場合、同じく二人世帯で百三十五万円、三人世帯で百八十六万円、四人世帯で二百三十七万円、五人世帯で二百八十八万円、六人世帯では三百三十九万円でございます。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
今回の条例改正が行われても法定軽減の対象とならない世帯は約三万七千六百世帯ですが、割合としては、昨年よりも若干減少しているようです。これは法定軽減の対象が拡大されることによる効果があらわれていると思います。また、法定軽減の対象とならない世帯人員数ごとの所得水準を示していただきましたが、これらの水準を一円でも超えてしまうと法定軽減の対象にはなりません。
そこで質問しますが、法定軽減の対象をさらに拡充していくことについての国の方針と財政措置についてお示しください。また、先ほど今回の課税限度額の引き上げにより約二千八百万円の歳入増が見込まれることが示されましたが、この歳入増を活用して、本市独自に軽減判定所得基準を引き上げるなど、本市独自の減免制度の拡充を検討することについて見解をお示しください。
以上、答弁願います。
◎市民局長(古江朋子君) 法定軽減の対象につきましては、社会保障制度改革プログラム法に基づき、平成二十六年度から拡充されているところであり、さらなる拡充につきましては、現時点においては示されておりません。なお、本市においては国保財政が非常に厳しい状況にあること等を踏まえ、本市独自の減免制度の拡充につきましては、現段階では考えていないところでございます。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
法定軽減の対象拡大の方針については国から現時点では示されていないとのことですが、軽減判定の基準額の改正は、社会保障制度改革プログラム法の規定に基づいて、平成二十六年度から毎年度実施されているわけであります。今回の基準額改正により、六人世帯では三百三十九万円以下の所得水準までを低所得世帯とみなして法定軽減の対象となります。私が政務調査課を通じて行った調査では、二十九年度の実績で所得四百万円以下の所得階層の滞納世帯は全体の一四・五%を占め、法定軽減の対象とならない世帯の滞納も含めて、その滞納総額は約八億八千万円であります。当局は課税限度額の引き上げによる歳入確保を最優先する立場ですが、その歳入増の一部を政策的に活用し、他都市で見られる多子世帯の均等割の一部免除や軽減判定所得を市独自に引き上げるなどの減免制度を講じることによって滞納の増加を抑制し、収納率向上にどうつながるのか検討すべきではないでしょうか。減免制度を考えていないというだけでは問題は解決しないということは指摘しておきます。
次に、本市では、歳入確保を最優先する立場から、地方税法施行令改正に従い、課税限度額の引き上げを続けているわけですが、私はそのような対応が既に限界に来ていると考えることから、課税限度額の引き上げの問題点と課題を明らかにする立場から質問してまいります。
国保では、基礎分、支援金等分、介護分にそれぞれ課税限度額が設定されており、その限度額を超える分が課税されない世帯を超過世帯としております。
一点目、基礎分の課税限度額の超過世帯数と割合の二十一年度と三十年度の推移をお示しいただき、その超過世帯数の割合について、被用者保険との関係と国の方針、全国水準及び本市の現状評価についてお示しください。
二点目、国保の課税限度額の超過世帯と被用者保険の所得に対する負担割合を比較するために、所得六百万円、七百万円、八百万円の被用者保険の介護を除く健康保険料と負担割合を市町村職員共済組合、協会けんぽのモデル試算でお示しください。さらに、国保は、課税限度額の超過世帯が到達する所得六百万円以上の百万円区分ごとの直近の国保世帯数と割合及び課税限度額のそれぞれの負担割合をお示しください。
以上、答弁願います。
◎市民局長(古江朋子君) 課税限度額の超過世帯数と割合は、平成二十一年度が一千八百五十一世帯、二・一〇%、三十年度が九百六十七世帯、一・一九%でございます。この超過世帯の割合については、国においては、医療保険料に関する国民の公平性を確保する観点から、一・五%に近づけるよう平成二十七年度以降、課税限度額を段階的に引き上げる運用上のルールを設けており、全国水準における限度額超過世帯は、三十年度の二・一五%から今回の改正により一・九九%に低下すると見込まれております。本市では、三十年度の割合は一・一九%であり、今回の改正で一定の負担能力を有する所得層の方々に応分の負担を求めることにより公平性の確保が図られることになるものと考えております。
次に、被用者保険の介護を除く健康保険料の年間本人負担額及び所得に対する負担率を順に試算いたしますと、所得六百万円では、共済組合が三十九万七千三十二円、六・六%、協会けんぽが四十一万一千五百八十二円、六・九%、同じく七百万円では、四十四万二千七百九十九円、六・三%、四十五万九千二十九円、六・六%、同じく八百万円では四十九万三千八十七円、六・二%、五十一万一千百五十円、六・四%となるようでございます。
次に、国保の平成三十年度の所得が六百万円以上の世帯数とその割合及び課税限度額の負担割合につきまして百万円ごとに順に申し上げますと、六百万円台が二百九十三世帯、〇・四%、八・一%、七百万円台が百八十世帯、〇・二%、七・五%、八百万円から九百万円台が二百五十六世帯、〇・三%、六・三%、そして、一千万円以上が四百八十四世帯、〇・六%、二・九%でございます。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
本市の課税限度額の超過世帯数の占める割合は、この十年間で二・一%から一・一九%へと半減しております。国が目標に掲げる超過世帯数の割合は、被用者保険のルールとのバランスを考慮して一・五%と設定されています。今回の条例改正により超過世帯数の割合がさらに低下することが見込まれていることから、本市では既に目標はクリアされていると認識すべきであります。当局からは公平性の確保が図られているとの見解が示されましたが、それは低中間所得層との関係において負担の公平性が確保されているという意味であって、他の医療保険と比較した場合、公平性が確保されているとは言えません。協会けんぽ、市町村職員共済組合のモデル試算と国保税の負担割合を示していただきましたが、国保税は基礎分のみで支援金等が含まれていないことを踏まえると、いずれの所得水準でも被用者保険より国保税の負担割合が重く、所得一千万円台で被用者保険の負担割合を下回ることが示されました。真に負担の公平性を確保するためには応能負担の原則に基づいて、所得段階に応じた負担を求めていくなど、現行の制度を抜本的に見直すときに来ているのではないでしょうか。
そこで、この質問の終わりに、市長に質問いたします。
私は、今回の課税限度額の引き上げの是非を審議した昨年の厚生労働省の第百十五回社会保障審議会医療保険部会での市長会代表の発言に大変共感をいたしました。同部会で市長会代表は、「子育て世帯になれば世帯人員数がふえるほど限度額に到達する所得が下がっていくという状況がございますので、相当重い負担になっている現状がありますから、現行の制度のままで賦課限度額を上げていくことについてはもう一定の限界に来ているのではないか。市長会としては一旦、平成三十一年度の引き上げについては立ちどまっていただいて、現状をしっかり分析した上で抜本的な制度見直しを検討していただきたい」と発言しています。この発言について、森市長はどのような見解をお持ちでしょうか。
答弁願います。
[市長 森 博幸君 登壇]
◎市長(森博幸君) たてやま清隆議員にお答えをいたします。
このたびの厚生労働省医療保険部会における市長会代表の発言は、国民健康保険における現状の一律的な賦課限度額の設定は、制度的にも見直しが必要であるとの考えを述べられたものであります。
本市におきましても、これまでも国保事業の財政の安定化を図る観点から、全国市長会を通じ国に対して機会あるごとにさまざまな要望をしてきているところでありますが、今後も引き続き、国の責任と負担において実効ある措置を講じるよう要望してまいりたいと考えております。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
同部会での発言は個人的な発言ではなくて、全国市長会の総意に基づく発言であると私は思います。課税限度額の超過世帯が国の平均は一・九九%と示されていますので、国は一・五%に近づけるために課税限度額を引き上げる措置を今後も講じてくることが十分考えられます。だからこそ、市長会代表の方は、課税限度額を一律に引き上げていくことは限界に来ているとし、ここで立ちどまって抜本的な制度見直しを検討するときだと提案されたのではないでしょうか。課税限度額を機械的に引き上げても、他の医療保険との負担の公平性が図られるわけではありません。被用者保険にはない国保の均等割、平等割の廃止を含む抜本的な制度見直しを本市として国に求めていくときではないでしょうか。
そこで、これまでの質疑を踏まえて、課税限度額を引き上げる条例改正が専決処分で行われたことについて、以下の問題点を指摘します。
第一に、今回の条例改正により、法定軽減の軽減判定所得基準の改正により四百九十世帯、八百七十万円の負担軽減となる反面、課税限度額の引き上げにより九百八十世帯、二千八百万円の負担増となり、差し引き一千九百三十万円の負担増となる条例改正であること。
第二に、本市の課税限度額の超過世帯の割合は一・一九%であり、国の目標である一・五%を既に大きく下回っていることから、課税限度額を引き上げる根拠がないこと。
第三に、被用者保険との負担の公平化を図るためには、応能負担の原則に立ち、所得段階に応じた課税方式に改めるなど抜本的な見直しが必要であり、現行の課税限度額を引き上げる制度ではその矛盾は解決できず、限界に来ていること。
第四に、多子世帯ほどより低い所得水準で課税限度額を負担しなければならない課題があることから、市長会も子供の均等割を免除する支援制度の創設を要望しているように、本市としてもさらなる国庫負担の増額を国に求めるとともに、厳しい財政状況のもとでも課税限度額の引き上げによる歳入増の一部を減免制度の拡充のために活用する対応が必要であること。
以上の問題点が含まれる内容を専決処分としたことは問題であったと申し上げ、この質問を終わります。
新しい質問に入ります。
本臨時議会に議案として提出されている鹿児島市介護保険条例一部改正の件について質問します。
一点目、議案提案に至る経緯と理由。
二点目、本市が専決処分としなかった理由と他都市の状況について。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(中野和久君) お答えいたします。
鹿児島市介護保険条例につきましては、介護保険法施行令及び介護保険の国庫負担金の算定等に関する政令の一部を改正する政令が平成三十一年三月二十九日に公布され、低所得者の保険料軽減に係る減額幅の基準が改正されたことに伴い、所得段階が第一段階から第三段階までの介護保険料について軽減を行うため改正することとなったところでございます。
今回の改正は、介護保険料の軽減に関する内容であり、遡及適用しても不利益とならないことから、五月の臨時議会へ提案することとなったところでございます。
なお、中核市の改正予定状況につきましては、二月の時点で照会を行い、回答があった四十五市のうち、専決処分が二十二、臨時会が五、六月定例会が十四、その他が四市となっております。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
経緯の中では述べられませんでしたが、今回の条例改正は、消費税増税を財源にして低所得者の介護保険料の軽減を図るものであり、安倍政権が消費税増税と連動する社会保障政策の充実策として打ち出しているものであります。また、条例改正に当たり、二十二の中核市では専決処分が行われているようですが、本市を含む五市は臨時議会での議決を経て執行するとの判断が示されているようであります。
次に、条例改正の内容について質問します。
一点目、所得段階ごとの改正前後の介護保険料と基準額に対する割合。
二点目、改正後の所得段階ごとの被保険者数とその割合、一人当たり負担軽減額及び負担軽減総額。
三点目、国の財政措置及び国、県、市の負担割合、令和元年度介護特別会計への予算措置。
以上の点について、それぞれお示しください。
答弁願います。
◎健康福祉局長(中野和久君) 介護保険料の年額と基準額に対する割合につきましては、第一段階、三万三千八百円、〇・四五を二万八千二百円、〇・三七六に、第二段階、五万六千二百円、〇・七五を四万六千九百円、〇・六二五に、第三段階、五万六千二百円、〇・七五を五万四千四百円、〇・七二五に改正するものでございます。
改正後の所得段階ごとの被保険者数と第一号被保険者総数に対する割合、一人当たりの負担軽減額を第一段階から第三段階まで順に申し上げますと、三万七千三百八十七人、二三・二一%、五千六百円、一万六千六百十三人、一〇・三一%、九千三百円、一万四千八百六十一人、九・二三%、一千八百円で、負担軽減の総額は第一段階の改正前の軽減額を含め五億二千八百九十五万円でございます。
今年度の国の予算において介護保険料の低所得者軽減強化分として、国、地方を合わせて九百億円が措置されており、保険料の軽減に関する負担割合は国が二分の一、県が四分の一、市が四分の一で、本市といたしましては、今年度の当初予算において、一般会計繰入金に見込み額を計上しているところでございます。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
本市では、最も所得の低い第一段階から最も高い第十二段階までの所得段階ごとに介護保険料が設定されております。第一の所得段階の被保険者の中には生活保護受給者も含まれていますが、第三の所得段階まで共通する点は、世帯全員が住民税非課税であるという点であります。今回の改正により合計六万八千八百六十一人、全体の四二・七五%を占める低所得の被保険者の介護保険料が年額で計算しますと、一人平均約七千七百円負担が軽減されることになります。負担軽減総額は五億二千八百九十五万円であり歳入減となりますが、既に新年度の介護特別会計の予算に一般会計からの繰入金として見込み額が計上されていることが示されました。
しかし、今回の条例改正を執行するための財源として、国は本年十月から実施を予定している消費税一〇%への増税分を財源にしようとしていることから、今回の条例改正に与える消費税増税の影響について質問します。
一点目、条例改正の対象となる生活保護受給者及び年金受給者の消費税増税の影響についての課題認識をお示しください。
二点目、もし本年十月の消費税増税が中止された場合、条例改正の執行に必要な国、県の財政負担の保障はどのように示されているのか、その法的根拠とあわせてお示しください。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(中野和久君) 消費税増税の影響につきましては、私のほうで一括してお答えいたします。
条例改正の対象となる生活保護受給者等に対しましては、国において消費税率の引き上げによる影響も含め、国民の消費動向等を総合的に勘案し対応することとされているところでございます。
次に、国、県の財政負担につきましては、介護保険法第百二十四条の二の規定により、国は一般会計繰入金の二分の一に相当する額を、県は四分の一に相当する額をそれぞれ負担することとされており、これに基づき対応されるものと考えております。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
今回の条例改正により、所得第一段階から第三段階に当たる約六万九千人の皆さんは、一人平均約七千七百円の負担が軽減される反面、消費税増税による生活費の支出増、特に生活保護受給者は、昨年十月に続き生活保護費削減の影響も受けることになります。また、年金受給者としては、年金のマクロ経済スライドの発動によって物価上昇に見合わない年金となっており、これらの負の側面も踏まえるならば国の対応は十分とは言えません。
五月十三日、内閣府は、三月の景気動向指数を発表し、六年ぶりに景気指数が悪化していることを発表しました。もはや消費税増税を実施できるような経済情勢ではないと考えますが、もし消費税増税が中止された場合でも、法と条例改正に基づき、介護保険料の軽減措置が実施されることを確認することができました。
次に、今回の条例改正により、所得第一段階から第三段階までの基準額に対する介護保険料の負担割合が決定されるわけですが、今後の介護保険料の増加と滞納問題について質問します。
一点目、本市の第一期から第七期までの介護保険料の基準額の推移と全国平均との比較をそれぞれお示しください。
二点目、団塊の世代が後期高齢者となる二〇二五年は、国は介護保険料の基準額の全国平均の推計をどう示しているのか。そして、その伸び率をもとに試算した場合の本市の介護保険料の基準額の推計をお示しください。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(中野和久君) 介護保険料の基準月額について、本市、全国平均、全国平均との比較を第一期から第七期まで順に申し上げますと、三千二百五十円、二千九百十一円、プラス三百三十九円、三千七百七十六円、三千二百九十三円、プラス四百八十三円、四千六十三円、四千九十円、マイナス二十七円、四千六十三円、四千百六十円、マイナス九十七円、四千八百六十三円、四千九百七十二円、マイナス百九円、五千七百六十六円、五千五百十四円、プラス二百五十二円、六千二百四十一円、五千八百六十九円、プラス三百七十二円でございます。
国が三十年五月に示した二〇二五年の医療・介護の一人当たりの保険料、保険料率の見通しでは、基準月額について約七千二百円と示されており、国の伸び率を本市の第七期の基準月額に単純に乗じて試算いたしますと、約七千七百円となるところでございます。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
本市の基準額が全国平均を下回ったときもあったようですが、現在は本市の介護保険料の基準額は全国平均を上回る水準であります。二〇二五年の推計を示していただきましたが、本市の基準額の推計七千七百円で試算すると、所得第一段階は二万七千七百二十円で何とか現行の水準を維持できるわけですが、第五段階の基準額以上では、いずれも介護保険料は大幅に増加し、最も高い所得第十二段階では二三%増の二十万三千二百八十円となります。
そこで質問いたします。
質問の三点目、介護保険料の増加に伴う滞納の増加が懸念されますので、質問します。
介護保険料の現年度普通徴収の収納率と滞納者数の過去三年間の推移をお示しください。
そして、直近の所得段階ごとの介護保険料の現年度普通徴収の滞納者数とその割合をお示しください。
答弁願います。
◎健康福祉局長(中野和久君) 二十七年度から二十九年度までの収納率と滞納者数についてそれぞれ順に申し上げますと、八二・四二、八三・四三、八四・三三%、四千六百六十五、四千四百四十六、四千二百五十六人でございます。
次に、二十九年度の所得段階ごとの介護保険料の滞納者数と割合について順に申し上げますと、第一段階は一千四百五十五人、五・七六%、第二段階、二百三十七人、〇・九四%、第三段階、二百五十三人、一%、第四段階、六百六十七人、二・六四%、第五段階、百六十六人、〇・六五%、第六段階、八百二人、三・一七%、第七段階、三百九十九人、一・五八%、第八段階、二百十一人、〇・八三%、第九段階、三十人、〇・一二%、第十段階、十四人、〇・〇六%、第十一段階、八人、〇・〇三%、第十二段階、十四人、〇・〇六%でございます。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
年金から介護保険料を強制的に天引きする特別徴収は一〇〇%の収納率です。一方、直接、介護保険料を納める普通徴収の収納率はただいまの答弁で若干向上していることが示されましたが、毎年度四千人以上の被保険者が滞納している実態が示されました。所得段階ごとの滞納者の割合では、やはり低所得の所得段階の滞納者が相対的に多いようですが、所得段階の高い水準でも滞納が発生しているようです。
この質問の終わりに、今回の条例改正により低所得者の介護保険料の軽減措置が行われるわけですが、介護給付費の増加に伴い介護保険料は増加します。既に被保険者の負担は限界に来ていると思います。介護保険への国庫負担割合の大幅な引き上げを国に求め、また、市独自の介護保険料や利用料の減免制度の拡充を図るべきと考えますが、答弁願います。
◎健康福祉局長(中野和久君) 介護保険財政に関しましては、国庫負担割合を引き上げることを全国市長会等を通じて国に要望しているところでございます。なお、本市独自の介護保険料や利用料の減免の拡充につきましては現時点では考えておりませんが、引き続き国の動向を見守るとともに、他都市の制度について研究してまいりたいと考えております。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
介護給付費の二三%を六十五歳以上の一号被保険者の保険料で賄うことになっております。今回の条例改正の対象となった第一段階から第三段階までの被保険者数を国は三割と見込んでいるわけですが、本市では四割以上であり、低所得者の占める割合が大きいわけであります。今後も介護保険給付の増加に従って介護保険料に転嫁していくならば、先ほど二〇二五年の推計値が示されたように大幅な増加となります。国に対し、介護保険への現行の二五%の国庫負担割合の大幅な引き上げを求め、これを早急に実現しない限り、介護保険制度はこのままでは破綻しかねないということを申し上げ、私の個人質疑の全てを終わります。