◆(たてやま清隆議員) 日本共産党市議団の一人として個人質疑を行います。
本市には年金受給権を持つ市民が十五万人以上いますが、参議院選挙を目前にして年金問題が大きな争点となっています。これまで政府は年金百年安心と宣言しておきながら、金融庁金融審議会から、公的年金収入だけでは毎月約五万円不足するという事実が報告書で発表されると、財務大臣は、報告書の内容は誤解を与える、政府の政策スタンスと異なるという理由で受け取りを拒否しました。
森市長は、金融庁金融審議会「市場ワーキング・グループ」が年金の不足額の総額は一千三百万円から二千万円になるとの報告をどう受けとめましたか。また、同報告書を受け取らないとした財務大臣の対応について、市長の所感をお示しください。
答弁願います。
[市長 森 博幸君 登壇]
◎市長(森博幸君) たてやま清隆議員にお答えをいたします。
金融審議会の報告書は、人生百年時代に備え計画的な資産形成を促す趣旨で取りまとめられているようですが、政府としては、高齢期の生活は多様で、およそ二千万円が必要であるという報告書の内容は世間に著しい誤解や不安を与えるとの見解を示し、財務大臣もそのような対応をされたものと考えております。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
共同通信社の電話世論調査では、報告書の受け取り拒否は「問題だ」と回答した人が七一・三%、公的年金制度を「信頼できない」と答えた人が六三・八%です。市長は、財務大臣の主張をなぞるだけの答弁ではなく、年金制度に不信を抱く市民にもっと思いを寄せてください。
政府が報告書の受け取りを拒否しても公的年金では暮らせないという事実が消えるわけではありません。十九日の党首討論の中で安倍首相は、マクロ経済スライドを廃止すると七兆円の財源が必要と発言しました。つまり、このまま年金給付を自動的に削減するマクロ経済スライドが完全実施されると、年金給付は七兆円も削減されることを意味し、国会審議でも、基礎年金の給付水準が現在の六万五千円から四万円台に三割も低下する事実が明らかになりました。今こそ減らない年金への転換が求められています。
年金のマクロ経済スライドをやめさせ、国連機関も勧告している最低保障年金制度の確立を市長は国に求めるべきと考えますが、見解をお示しください。
答弁願います。
[市長 森 博幸君 登壇]
◎市長(森博幸君) 公的年金制度は高齢期の生活の基本的な部分を支える極めて重要で不可欠な制度であると考えており、全国市長会におきましても、持続可能で安心できる年金制度の構築を図るよう提言しているところでございます。
現在、国において、制度の持続可能性を確保するために五年に一度の財政検証を行っているところでありますので、国の責任において、国民が安心し信頼できる制度を確立していただきたいと考えております。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
市長会が提言する持続可能で安心できる年金制度の具体的な内容は不明ですが、我が党が低過ぎる年金を底上げする財源として、高額所得者優遇の保険料を見直し、富裕層や大企業の優遇税制の是正を財源として示したところ、安倍首相は、ばかげた政策だと一蹴しました。このような安倍政権に対し、鹿児島でも市民と野党の共闘の力を結集して、厳しい審判を下すため奮闘する決意を申し上げ、この質問を終わります。
新しい質問に入ります。
子育て世帯の国保税の負担軽減について、以下質問します。
初めに、全国市長会提言の子供に係る均等割国保税を軽減する支援制度の創設について、一点目、同支援制度の創設を提言する背景と目的。
二点目、厚生労働省から示されている四つの論点と現在の検討状況について、それぞれお示しください。
答弁願います。
◎市民局長(古江朋子君) お答えいたします。
国民健康保険税の均等割は加入者一人一人に均等に賦課されるもので、子供に係る均等割保険料(税)を軽減する支援制度の創設は、他の医療保険制度との公平性と子育て世帯の負担軽減を図ることを目的に提言されているものでございます。
また、厚生労働省が子供の均等割に係る軽減措置の導入について提示している四つの論点は、他の被保険者との均衡、財源の確保、具体的な制度設計、他の子育て施策との整合性の四つであり、国において、財政支援の効果や国保財政に与える影響などを考慮しながら、国保制度に関する国と地方の協議の場において引き続き議論していく方針が示されているところでございます。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 所得もない子供の被保険者に対し一律均等割を賦課する国保の制度は他の医療保険にはない制度であり、全国市長会が提言する支援制度が一刻も早く実現することを強く求めるものですが、この支援制度を実現するためには財政支援が必要です。
そこで、国保改革に伴い、国から地方公共団体に対し財政支援が行われていますが、本市の国保については、その財政支援の影響と効果がどのようにあらわれているのか、平成二十九年度決算、三十年度決算見込み、令和元年度予算ベースでお示しください。
また、その中で子供の被保険者数に応じた財政調整機能に基づく本市への財政支援の影響と効果をお示しください。
答弁願います。
◎市民局長(古江朋子君) 国保改革に伴う国の財政支援につきましては、平成二十七年度から低所得者対策の強化のための約一千七百億円に三十年度から保険者努力支援交付金などの約一千七百億円を加え、合計約三千四百億円の公費拡充がなされているところでございます。本市における影響は、二十九年度決算で約七億円、三十年度見込みで約十六億円、令和元年度においても同額程度を見込んでおり、本市国保の税負担増の抑制のほか、財政基盤の強化が図られているものと考えているところでございます。
次に、子供の被保険者数に応じた財政調整機能については、二十歳未満の被保険者数に対し財政支援がなされており、本市への影響額を二十九年度決算、三十年度見込み、令和元年度予算の順に申し上げますと、五千二百三十五万四千円、九千七百九十四万八千円、九千八百八十六万五千円であり、これにより、本市国保の財政負担の軽減が図られているものと考えております。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 国の財政支援による本市への影響額を示していただきました。また、子供の被保険者数に応じた特別調整交付金が示されましたが、この交付金が子供に係る均等割国保税の負担軽減にどうつながっているかが問われることになります。
そこで、国保の子育て世帯の現状と課題について質問します。
一点目、本市の高校生世代以下の子供の被保険者数及び国保世帯数とその割合、子供の人員数別の国保世帯数をそれぞれお示しください。
二点目、本市の子供の被保険者に係る均等割額、基礎課税額分二万一千円と後期高齢者支援金等課税分六千二百円の現年課税分と調定に占める割合をお示しください。
答弁願います。
◎市民局長(古江朋子君) 本年五月末時点における子供の被保険者数は一万一千二百十二人で九・二%、また、世帯数は六千六百十四世帯で八・三%でございます。次に、子供の人員数別の国保世帯数は、子供一人が三千三百七十五世帯、二人が二千百六十九世帯、三人が八百五十四世帯、四人が百六十二世帯、五人が四十二世帯、六人が七世帯、七人が四世帯、八人はゼロ、九人では一世帯となっております。
また、子供の被保険者に係る令和元年度本賦課時における法定軽減を加味した基礎課税額及び後期高齢者支援金等課税額の均等割の試算額は、合計で約二億九百六十万円となり、現年度調定額に占める割合は約二・二%となります。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 本市では所得のない子供の被保険者に対し均等割の国保税が一律賦課され、その負担総額は二億九百六十万円、一人当たり約一万八千七百円の負担を強いられていることが明らかにされました。また、子供の被保険者数に応じた特別調整交付金を大幅に上回る負担であることも明らかになりました。
次に、国保税を滞納しているため、医療機関の窓口で十割自己負担となる資格証明書の発行世帯数と一年ではなく半年の有効期間となる短期保険証の発行世帯数と、その中で高校生世代以下世帯数とその割合についてお示しください。
答弁願います。
◎市民局長(古江朋子君) 本年五月末時点における資格証明書の発行世帯数は一千四百二十一世帯、うち高校生世代以下が含まれる世帯数は百五十八世帯で割合は一一・一%でございます。また、短期保険証の発行世帯数は七千二十六世帯、うち高校生世代以下が含まれる世帯数は一千三百九十五世帯で割合は一九・九%でございます。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 国保税を滞納している資格証明書と短期保険証の発行世帯を合わせると八千四百四十七世帯、その中で高校生世代以下の世帯は一千五百五十三世帯です。これは子供のいる国保世帯六千六百十四世帯の中で二三・五%を占めることが明らかになりました。当局ではこのような子育て世帯の中で滞納世帯が多いという現状を踏まえてどのような課題認識をお持ちですか。
答弁願います。
◎市民局長(古江朋子君) 子育て世帯の負担軽減につきましては課題等がある中、本市といたしましても、全国市長会を通じて、子供に係る均等割保険料(税)を軽減する支援制度の創設について国に要望しているところでございます。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 子育て世帯の負担軽減の必要性については課題認識が一致しますので、次に、国保の子供の均等割軽減の実施と課題について質問します。
一点目、九州県都市、中核市、県内他市における子供の均等割を軽減する制度の実施状況。
二点目、本市では申請に基づく国保税の減免が行われていますが、この減免の種類別実績とその根拠となる法及び条例をお示しください。また、減免に必要な一般会計繰り入れを充当した場合、それは国、県が求める法定外一般会計繰り入れ等の赤字削減計画の対象となるのかお示しください。
三点目、子供の均等割軽減を先行実施する他都市では条例はどのように示されているのか、また、軽減に必要な財源をどう確保しているのか、その調査内容をお示しください。
答弁願います。
◎市民局長(古江朋子君) 本市で把握している子供の均等割を減免する制度などを実施している市の数を九州県都市、中核市、県内他市の順に申し上げますと、ゼロ、二市、一市でございます。
次に、本市の減免は、地方税法第七百十七条及び鹿児島市国民健康保険税条例第二十七条に基づいて実施しており、二十九年度の国保税の減免の種類別実績を種別、件数、金額の順に申し上げますと、所得激減減免が百二十八件、一千百五十七万六千円、生活保護減免が三百四十件、七百二十四万一千四百三十円、その他の減免が六百十四件、一千八百八万一千四百円でございます。なお、本市は地方税法の規定に基づいた条例により保険税の減免を行っていることから、繰入金を充当した場合は、国、県が求める赤字削減計画の対象外となるところでございます。
また、子供の均等割などを実施しているさきの三つの市におきましては、条例等に基づいて実施しており、その財源につきましては基金が活用されているところでございます。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 子供の均等割の軽減が三市で実施されており、財源としては基金が活用されているとのことですが、問題は負担軽減のために一般会計を活用した場合、国や県が求めている赤字削減の対象となるという点であります。本市の申請減免は全体で一千八十二件、約三千六百九十万円の減免を全て税で賄っていますが、地方税法第七百十七条と国保条例に基づく減免に一般会計を充当しても赤字削減の対象にはなりません。地方税法第七百十七条では、貧困により生活のため公私の扶助を受ける者その他特別の事情がある者は減免できると定めており、子供の均等割国保税の負担に苦しむ子育て世帯の減免規定を本市の国保条例に位置づけることも検討すべきであります。
この質問の最後に、市長に伺います。
全国市長会は、国の新たな財政支援に基づく子供に係る均等割国保税を軽減する支援制度の創設を要望していますが、市長は、同制度が創設され、本市にも導入される意義についてどのようにお考えですか。
答弁願います。
[市長 森 博幸君 登壇]
◎市長(森博幸君) 子供に係る国保税の均等割を軽減する制度の導入については、他の医療保険制度との公平性や子育て世帯の負担軽減を図るため国の制度として創設をする必要があると考えており、本市におきましては、これまでも全国市長会を通じ国に対して要望してきたところでございます。
このことにつきましては、財源確保や他の子育て施策との整合性など国が示した四つの論点を国と地方の協議の場で引き続き議論することが示されたところであり、今後におきましても、国保の安定的かつ持続的運営を図る観点からも、国の責任と負担において実効ある措置を講じるよう求めてまいりたいと考えております。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
市長も同支援制度の創設を望んでいることはわかりました。本市では約二億円の財政支援が得られれば、子供に係る均等割国保税を全額免除できることもわかりましたので、国への要望活動を強めてください。また、国の財政支援がなくても国保の子育て世帯の負担軽減に取り組む自治体もあることから、本市においても検討されることを要請して、この質問を終わります。
新しい質問に入ります。
強度行動障害の青年と暮らす保護者の方から相談が寄せられました。私自身、相談をお受けするまではこの障害について認識が極めて不十分でした。その保護者の方の願いは、行き場を失っているこのような特性を持つ方やその家族の支援の受け皿をつくってほしいというものでした。
そこで、本市の障害福祉行政において、このような独自の課題を当局に認識していただくために、以下質問してまいります。
初めに、強度行動障害について、一点目、その定義と内容。
二点目、判定基準。
三点目、対象者の推計と本県及び本市での状況についてお示しください。
答弁願います。
◎健康福祉局長(中野和久君) お答えいたします。
国によりますと、強度行動障害とは、自分の体をたたくなどの本人の健康を著しく損ねる行動と物を壊すなどの周囲の暮らしに著しい影響を及ぼす行動の二つの行動が高い頻度で継続的に発生するため、特別に配慮された支援が必要な状態のことを言うとされております。
判定基準につきましては、障害福祉サービスにおいては、行動関連項目の合計点数が二十四点中十点以上、障害児通所支援においては、行動障害の内容の合計点数が五十五点中二十点以上の場合にそれぞれ強度行動障害ありと判定されております。
強度行動障害者数につきましては、国が全国で約八千人と推計しておりますが、県及び本市については把握していないところでございます。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 強度行動障害という用語が初めて登場したのは一九八九年、国の研究会の場と言われています。この用語は、行動面の状態像につけられた呼称であり、その原因には知的障害と自閉症があり、その中で特別に配慮された支援が必要な対象として位置づけられています。県及び本市の対象者の推計については把握していないとのことでしたが、障害者総合支援法の中でこのような方を対象とした福祉サービスが提供されています。
そこで、支援の現状について質問します。
一点目、在宅サービスについて、行動援護の内容と利用実績、そして、短期入所・共同生活援助の内容と利用実績、うち重度障害者支援加算対象の実績。
二点目、施設入所支援の内容と利用実績、うち重度障害者支援加算対象の実績。
三点目、本県でも強度行動障害支援者養成研修が行われていますが、その実施状況と課題認識について。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(中野和久君) 行動援護は、知的障害または精神障害により行動上著しい困難があり、常に援助が必要な方に外出時における移動中の介護などを行うもので、本市における利用者数は、本年二月末現在で四十七人でございます。短期入所は、介護者の疾病等の理由により、障害者支援施設等への短期間の入所を必要とする障害者に当該施設等において食事や入浴の介護等を行うもので、共同生活援助は、障害者に共同生活を営む住居において食事や入浴の介護等を行うものでございます。本年二月末現在での本市における利用者数と重度障害者支援加算の対象者数を順に申し上げますと、短期入所が三百十人、十六人、共同生活援助が六百八人、七人でございます。
施設入所支援は、障害者支援施設に入所する障害者に、主として夜間において食事や入浴の介護等を行うもので、本年二月末現在での本市における利用者数は七百七十一人、そのうち重度障害者支援加算を受けている方は二百六十六人でございます。
強度行動障害支援者養成研修は県が毎年度実施しており、適切な支援を行う支援者を養成する基礎研修と適切な支援計画等が作成できる支援者を養成する実践研修の二つがあり、三十年度の市内関係事業所からの参加者は、それぞれ二百十七名、百七十八名でございます。今後もこれらの研修に多くの事業者が参加することにより、強度行動障害のある方へのよりよい支援につながっていくものと考えております。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 強度行動障害の方の実数が不明ですが、現在、行動援護等の在宅サービスや施設入所支援等を受けている人が合計で三百三十六人であることが示されました。支援者養成研修の実績が示されましたが、この障害の特性を正しく理解することは虐待や不適切な支援を防止することにつながることから、今後の取り組みの一層の強化を要請します。
私が懸念する点は、このような障害の特性を持つ方の中で、障害福祉サービスを受けていない人はどのような状況に置かれているのかという点です。
私が相談をお受けした方は、養護学校卒業後、幾つかの施設を利用しました。しかし、施設で対応できない行動が起こり、施設入所を断られ、現在は自宅と精神科病院を往復されています。そのため、保護者の方は懸命に受け入れ先を探されました。それが佐賀県の国立病院機構肥前精神医療センターと熊本県の国立病院機構菊池病院です。この両病院の入院要件と待機者の現状をお示しください。
答弁願います。
◎健康福祉局長(中野和久君) 肥前精神医療センター及び菊池病院の強度行動障害のある方の入院につきましては、いずれも障害福祉サービスの療養介護の支給決定を受けた場合のみ受け入れており、現在の待機者は、肥前精神医療センターは三十人程度、菊池病院は二十人程度とのことでございます。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 両病院とも強度行動障害の人を受け入れる著名な医療機関のようですが、いずれの病院も二十人から三十人の待機者がいて直ちに入院できる状況にはありません。
では、両病院の入院要件である療養介護の内容と支給要件、強度行動障害への対応についてお示しください。
答弁願います。
◎健康福祉局長(中野和久君) 療養介護につきましては、病院において、医学的管理のもと介護や日常生活上の世話などを行うもので、支給要件といたしましては、重症心身障害者で障害支援区分が五以上の方などとなっており、強度行動障害のある方についても要件を満たす場合は対象となるものでございます。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 両病院に入院するためには療養介護の支給決定が不可欠です。しかし、知的障害だけでは療養介護の支給決定はできないと本市から判断を示されました。保護者の方は、他県では認められているのになぜ鹿児島市はできないのかと大変落胆しておられました。しかし、両病院には既に同じ障害を持つ人が多数入院していることからも、他自治体では強度行動障害を重症心身障害者で障害支援区分が五以上であるとみなして療養介護の支給決定を下しています。本市においても同様の対応を要請します。
なお、今回、私がお受けした相談事例は、本市の障害者基幹相談支援センターから、障害の特異性から見て受け入れてもらえる施設は県内にはないと言われた事例であります。
そこで、本市及び県内の強度行動障害者を受け入れる施設の現状とその課題認識について答弁願います。
◎健康福祉局長(中野和久君) 強度行動障害のある方につきましては、施設に入所し支援を受けている方もいらっしゃいますが、行動障害の程度によっては施設の受け入れが困難なケースもあるようでございます。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 今回の質疑で行動障害の程度によっては施設の受け入れが困難なケースもあるという課題があることを認識していただいたことはよかったと思いますが、では、施設の受け入れが困難な場合どうすればよいのか。また、ほかにも同様のケースはないのか今後の課題であります。
そこで、本市としても、今回のケースを契機にして、本市の強度行動障害者の実態把握と相談支援体制の強化、課題の抽出及び他都市における強度行動障害者の入所施設や相談支援体制の現状について調査に着手すべきと考えますが、答弁願います。
◎健康福祉局長(中野和久君) 強度行動障害のある方への支援等につきましては、今後、国等の動向を注視するとともに、情報収集等に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) まずは情報収集に努めるとのことですが、先ほど、強度行動障害を持つ三百三十六人の方が障害福祉サービスを受けている現状が示されました。その中でサービスの中止や中断の事例はないのか実態把握が必要です。また、他都市では、この障害の対象に特化した相談支援体制を持つ自治体もあると仄聞しておりますので、その情報収集に取り組んでください。私もこのような特性のある方の支援について、今後、調査研究を進め、引き続き問題提起をしていくことを申し上げ、この質問を終わります。
新しい質問に入ります。
放課後児童クラブの五月一日現在の待機児童数が前年を百十三人下回る六十八人であると既に発表されていますが、今回、利用対象について考えさせられる相談事例がありましたので、以下質問します。
初めに、放課後児童クラブの利用状況について、一点目、利用申請者数と利用登録者数、校区別の待機児童数とクラブ数。
二点目、定数未満の校区とクラブ数及びその利用可能数。
三点目、利用申請が受理されなかった事例とその理由。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(中野和久君) 本年五月一日現在の市設置児童クラブの申請者数は六千七百五十八人、登録者数は六千六百九十人でございます。また、校区別の待機児童数とクラブ数について申し上げますと、大明丘、二十二人、二クラブ、清水、十八人、一クラブ、和田、十五人、一クラブ、田上、五人、二クラブ、広木、五人、一クラブ、八幡、三人、一クラブでございます。
次に、利用児童数が定員に達していないのは五十六校区、百三十五クラブで、定員から利用児童数を差し引いた人数の合計は一千五百五十八人でございます。
利用の申請をお断りした主な事例でございますが、保護者の勤務時間が午前中や深夜のみであったケースや育児休業中のケースがあり、放課後の時間帯に保護者が日常の家事以外の労働をしているという要件に該当しなかったことが理由でございます。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) これまでの児童クラブ増設の効果が着実にあらわれていると思います。しかし、一方、定数を満たさないクラブがあるため、その利用可能数が合計一千五百五十八人であることから、利用申請が受理されなかった事例の中から、利用対象の基準について見直しが求められるケースもあるのではないでしょうか。
そこで、保護者が交代制勤務者や深夜勤務者である場合の対応について質問します。
一点目、本市の利用要件と現状について。
二点目、私がお受けした相談は、父親が深夜勤務のため、小学校一年生では利用できたが、小学二年では利用できなくなった事例ですが、この経緯についてお示しください。
答弁願います。
◎健康福祉局長(中野和久君) 児童クラブを利用することができる児童は、本市の実施要綱において、保護者が昼間、居宅外において労働することを常態としている者等としておりますので、保護者が交代制勤務や深夜勤務等の場合であっても、就労証明書により放課後の時間帯の労働が確認できる場合は利用を可能としているところでございます。
お触れになった事例の経緯でございますが、当該児童につきましては、本来は保護者の勤務時間が深夜のみのため利用要件に該当しないケースでございますが、昨年度は新一年生であったことや家庭の状況などを総合的に勘案し、児童クラブの利用が必要であると判断したものでございます。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 本市では、保護者が深夜勤務者で昼間に家庭にいる場合は原則対象外とされています。私の相談事例は、小学校一年生で認められたものの小学二年生では利用基準を理由に認められなかったケースです。しかし、そのクラブは定数を満たしていないクラブであり利用可能な定員枠があります。定員を超える待機児童がいる場合とは異なり、定員を満たさない場合、児童福祉法の目的に照らし、保護者の多様な働き方に応じてより柔軟な対応が求められるのではないでしょうか。
厚生労働省は、児童クラブへの多様なニーズの高まりを受けて、平成二十八年九月二十日付で「放課後児童健全育成事業の事務手続に関する留意事項について」を発出しています。この中で示されている優先利用の基本的考えとこれを踏まえた本市の現在の対応についてお示しください。
答弁願います。
◎健康福祉局長(中野和久君) 国の通知では、待機児童の発生状況に加え、個別事案ごとへの対応の必要性等の観点から、優先利用の対象として、ひとり親家庭や低学年の児童などの受け入れが示されております。本市では、利用を希望する児童数が定員を上回っている場合等においては、利用者選考順位基準に基づき、低学年、ひとり親世帯、保護者の帰宅時間が遅いなどの順で選考を行っているところでございます。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 本市は国の例示を踏まえて、定数を上回る場合は優先順位の基準を設けて対応しているとのことですが、本市の放課後児童健全育成事業実施要綱の中では、明らかに児童を養育することができないと認められる状況にある場合も対象児童とすることが明記されています。私の相談事例は、父親が深夜勤務を終え、子供が放課後に帰宅する時間帯は、深夜勤務に備えて仮眠をとっている時間帯でした。確かに父親が昼間に家庭にいるとしても児童を養育できる状況ではないと思います。
そこで質問しますが、保護者が交代制勤務者や深夜勤務者である場合、昼間に家庭にいる場合も睡眠時間を考慮して判断している自治体の有無と本市としての課題認識を答弁願います。
◎健康福祉局長(中野和久君) 他都市においては、放課後の時間帯に労働をしていない場合でも、勤務終了後の睡眠時間等を考慮して利用可能としている事例もあることから、本市としても、深夜勤務者等の利用については、児童の健全育成の観点から課題であると考えているところでございます。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 他都市でも事例があるとのことであり、深夜勤務者の利用については、児童の健全育成の観点から課題であるとの認識が示されました。
したがって、他都市における交代制勤務者や深夜勤務者の放課後児童クラブの利用状況を調査し、利用対象を拡充する方向での検討をすべきと考えますが、答弁願います。
◎健康福祉局長(中野和久君) 深夜勤務者等の利用につきましては、ただいま申し上げましたように課題であると認識しておりますことから、今後、中核市など他都市の事例を調査してまいりたいと考えております。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 課題を認識された上で、今後、調査に取り組まれるとのことですので、前向きな答弁として受けとめさせていただきます。
実施要綱第八条第二項では、市長は、児童の健全育成上、支援の必要があると認める場合は、前項に規定する児童以外の児童に事業を利用させることができるとあり、利用対象の拡充はこの規定とも矛盾しないと思います。今後、深夜勤務者を利用対象に位置づける検討が行われるよう要請し、この質問を終わります。
新しい質問に入ります。
保育行政に関する三つのテーマについてそれぞれ質問します。
初めに、待機児童の要因と課題についてです。
本年四月一日現在の待機児童数が前年を五十一人上回る二百九人であると既に発表されています。本市はこれまで大幅な定員増を図ってきていますが、その効果と課題を明らかにする立場から質問します。
一点目、利用申し込み数の増を上回る定員増を図っているが、なぜさらに待機児童が増加しているのか。
二点目、待機児童の九一%を占める谷山北部、谷山の保育需要の増加をどのように分析しているのか。
三点目、定員超過及び定員割れの施設数とそれぞれの要因、保育士の充足状況と影響。
四点目、認可保育所、幼保連携型認定こども園、幼稚園型認定こども園の定員充足の状況とその要因。
以上、それぞれ見解をお示しください。
答弁願います。
◎健康福祉局長(中野和久君) 待機児童がふえた要因につきましては、子供を預けて就労したいと希望する保護者の保育需要は引き続き高い状況にありますが、保育士不足等により利用定員までの受け入れが困難になっていることなどが考えられるところでございます。
谷山北部及び谷山地区における保育需要の増加要因といたしましては、他の地域に比べ子育て世帯が多いことなどによるものと考えております。
定員超過の施設は九十三、定員割れの施設は八十でございます。保育士数や保育室の面積に余裕がある場合には定員を超過した受け入れが可能となりますが、必要な保育士が確保できない場合などに定員までの受け入れができない状況があるようでございます。
認可保育所、幼保連携型認定こども園につきましては、保育士不足により三歳未満の受け入れが困難であることから待機が生じ、また、幼稚園型認定こども園につきましては、三歳以上の保育機能の利用申し込みが少ないことから定員割れが生じていると考えております。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
利用申し込み数は前年比四百十九人ふえていますが、定員はそれを上回る五百三十人分ふやしているため、本来なら待機児童は解消できると思いますが、逆に待機児童数が前年よりふえる結果となりました。その背景には、当初の計画を上回る、とりわけ谷山地域での保育需要の高まりと保育士不足のために利用定員までの受け入れができない実態が示されました。待機児童の解消には保育需要のより正確な把握と保育士の確保が課題であることが明らかになりました。
そこで、令和元年度の二百三十人分の定数増の地域別の根拠を示していただくとともに、地域別の保育需要の再検討を行うべきと考えますが、答弁願います。
◎健康福祉局長(中野和久君) 令和元年度の定員増につきましては、平成二十九年度の子ども・子育て支援事業計画の見直しにより、過去の実績をもとに地域ごとの推計児童数や保育所等の利用率の見込みを算出し、不足が見込まれる地域に整備を図ることとしたところでございます。今後につきましては、本年度策定する第二期計画において保育需要等について検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
今年度、既に着手されている二百三十人分の定員増の根拠は当初計画に基づくとのことですが、現在、待機児童数は、谷山北部が百十九人、谷山が八十一人であるのに対し、二百三十人分の定員増のうち、谷山は百人分で、谷山北部はゼロであります。待機児童が最も集中する谷山地域の待機児童が果たして解消できるのか疑問であります。次期計画策定に向けて保育需要等について検討していくとのことですので、地域別の保育需要をより正確に把握されるよう要請しておきます。
次に、待機児童解消のために不可欠の課題である保育士の処遇改善について質問します。
一点目、これまでの保育士の処遇改善の経過と到達点、今年度の取り組み内容。
二点目、社会福祉施設等に勤務していない保育士の推計と潜在保育士の職場復帰等の対策。
三点目、全産業平均との賃金格差をなくすために五万円の賃上げを行う効果への認識。
以上、それぞれ答弁願います。
◎健康福祉局長(中野和久君) 保育士の処遇改善につきましては、二十五年度から処遇改善等加算を、二十六年度から人事院勧告に準拠した改善を実施しております。また、二十九年度からは、保育所等に勤務する全ての職員を対象に月額六千円程度の改善がなされ、三十年度の取り組みに加え、これまで月額三万八千円程度の処遇改善が図られたところでございます。さらに、各施設における職員の経験年数、技能、給与実態等を踏まえ、二十九年度から月額五千円から四万円の賃金改善を行っており、今年度はさらに月額三千円程度の改善を図ることとしております。
お述べになられた保育士の推計について県に確認したところ把握していないとのことでございますが、今後、保育士人材バンクに取り組み、把握に努めたいとのことでございます。潜在保育士の職場復帰等の対策といたしましては、保育士・保育所支援センターによる掘り起こしのほか、潜在保育士を対象とした復職支援研修会を開催し、確保に向けた取り組みを進めてまいります。
お述べになられた保育士への五万円の賃上げを行った場合は、全産業平均との賃金の格差は縮小するものと考えております。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
保育士不足のため有効求人倍率は高くなってきていますが、潜在保育士の中から求職者をふやすためには大幅な賃上げが必要です。しかし、厚労省の賃金構造基本統計調査では、平成二十九年、全産業平均との賃金格差は月額十万四千円であります。これまでの処遇改善が全て保育士の給与に反映されたと仮定した場合、月五万円の賃上げによって全産業平均との賃金格差をなくすことができますので、本市としても国への要望活動を強めていただきたいと思います。
次に、本定例会に提出されている第六号議案 家庭的保育事業等の設備及び運営の基準に関する条例一部改正の件について質問します。
初めに、一点目、今回の条例改正に至る経緯と改正内容。
二点目、家庭的保育事業等の利用対象と事業類型及び保育士、補助者の配置基準。
三点目、全国及び県内での事業の実施状況とこれまでの本市の家庭的保育事業等の方針について。
以上、それぞれ答弁願います。
◎健康福祉局長(中野和久君) 昨年十二月二十五日に閣議決定された平成三十年の地方からの提案等に関する対応方針を踏まえ、関係省令が本年四月一日付で施行されたことに伴い本条例を改正するものであり、居宅訪問型保育事業を除く家庭的保育事業等における連携施設の要件緩和等を行うものでございます。
家庭的保育事業等は原則として三歳未満の乳幼児を対象とするもので、家庭的保育事業、小規模保育事業、居宅訪問型保育事業及び事業所内保育事業の四つの類型がございます。保育士等の配置基準につきましては類型ごとに異なっておりますが、職員数はおおむね認可保育所の配置基準に準ずるものとし、職員資格としては、保育士のほか所定の研修を修了した家庭的保育者等が定められております。
三十年四月一日現在の事業の実施状況を全国、県内の順に申し上げますと、家庭的保育事業、九百五十、三、小規模保育事業、四千二百七十六、二十八、居宅訪問型保育事業、三十五、ゼロ、事業所内保育事業、五百三十九、八カ所となっております。なお、本市では現行の子ども・子育て支援事業計画において保育所及び認定こども園により保育を確保することとしていることから、家庭的保育事業等は実施していないところでございます。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
家庭的保育事業等は三歳未満の乳幼児が対象であり、県内では三十九施設ありますが、保育士資格のない補助者の配置を認めている点が問題であります。本市が保育の質を確保するために実施していない対応を行っている点は評価できますが、今回の条例改正は、家庭的保育事業等における連携施設の要件緩和です。
連携施設の要件と要件を満たしている事業所数とその割合。
また、連携施設の見直しの内容とその理由をお示しください。
答弁願います。
◎健康福祉局長(中野和久君) 家庭的保育事業者等は、保育内容の支援、代替保育の提供及び卒園後の受け皿の設定の三つの要件について連携・協力を行う施設として、保育所、幼稚園または認定こども園のいずれかを確保する必要があるとされております。三十年四月一日時点における国の調査によりますと、要件を全て満たしている事業所数は二千六百七十三カ所で全体の四六%となっております。
連携施設の見直しでございますが、卒園後の受け皿について、定員二十人以上の企業主導型保育施設などを確保できるときは保育所等の連携施設の確保を求めないとするものでございます。理由といたしましては、連携施設として全ての要件を満たす事業所が約半数程度にとどまっている状況を踏まえたものでございます。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
家庭的保育事業等の連携施設として、認可保育所や認定こども園との間に三つの要件を全て満たす施設が四六%にとどまっているにもかかわらず、連携施設に企業主導型保育施設を新たに加えるという要件緩和が提起されています。
そこで、本市の企業主導型保育施設について質問します。
一点目、同施設の所管と保育士の配置基準及び施設数と定員及び利用児童数。
二点目、同施設の監査体制と直近の監査結果及びその対応。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(中野和久君) 企業主導型保育施設の所管は現在のところ公益財団法人児童育成協会となっております。保育従事者につきましては、ゼロ歳児は三人につき一人以上、一、二歳児は六人につき一人以上、三歳児は二十人につき一人以上、四、五歳児は三十人につき一人以上のそれぞれの区分に応じた数の合計に一人を加えた数以上を配置することが基準となっており、そのうち半数以上が保育士資格を有している必要がございます。本年四月一日時点の本市への届出数は三十七施設で定員の合計は七百十三人、利用児童数の合計は四百七十一人となっております。
同施設に対する監査につきましては、児童育成協会が企業主導型保育事業指導・監査実施要領に基づき、年一回の立入調査を計画的に実施することとされております。二十九年度は八百カ所を対象に実施し、協会のホームページに掲載されている監査結果によりますと、主な指摘として、面積などの基準に関することや保育計画の整備に関することが挙げられております。本市の対応といたしましては、同施設は認可外保育施設として届け出をすることとなっておりますので、児童福祉法に基づく年一回の立入調査を実施いたしているところでございます。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
同施設の所管は東京に本部がある児童育成協会であり、監査も外部に委託して行われています。平成二十九年五月から九月、既に開園している全国四百三十二施設のうち三百三の施設、七〇%が指導監査基準を満たしていない実態が公表されています。鹿児島市は年に一度の立入調査を行うとのことですが、市が直接所管しない企業主導型保育施設との連携は保育の質の低下につながらないのか。
答弁願います。
◎健康福祉局長(中野和久君) 先ほど申し上げましたように、同施設に対しましては本市による立入調査も実施しており、連携する施設としての保育の質は一定の確保がなされているものと考えております。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
保育の質は一定確保されるとのことですが、児童福祉法は一定の保育水準ではなく、子供の成長発達のために最善の利益を保障することを求めています。今回の改正は保育士資格のない職員配置を前提にして、家庭的保育事業等と企業主導型保育施設との連携を容認するものであり、認可保育所と認定こども園を中心に、今、保育行政を進めている本市の方針にも合致しない条例改正であり問題だということを指摘いたします。
次に、去る五月、滋賀県大津市で保育所の園外活動中の児童の列に車が衝突し、多数の死傷者が出る事故が発生しました。事故に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げます。二度とこのような事故を発生させないためにも保育所等での園外活動の安全対策について、以下質問いたします。
一点目、国及び県からの通知内容と本市はどのように対応されたのか。
二点目、保育所保育指針等では、保育所や認定こども園、幼稚園での園外活動に関して、その意義と必要性や事故防止と安全管理についてどのように述べているのか。
三点目、園外活動を行う場合の引率職員の配置基準と安全確保に必要な配置基準の有無。
以上、それぞれ答弁願います。
◎健康福祉局長(中野和久君) 国及び県の通知の内容は、大津市の事案を踏まえ、園外活動の際の移動経路の安全性や職員体制などを含めた安全確保の再確認を求めるもので、本市といたしましては、通知を踏まえ、保育所等に対する周知を行ったところでございます。
指針等におきましては、園外活動については、子供が身近な自然や地域社会の人々の生活に触れ、豊かな体験を得る機会として重要な活動であるとされております。園外活動においては、日常的に利用する散歩の経路や公園等について、異常や危険性の有無、工事箇所や交通量等を含めて点検し記録をつけるなど、情報を全職員で共有することとされております。
園外活動を行う場合の引率職員の配置基準でございますが、施設内における配置基準と同様でございます。なお、安全確認に必要な職員の配置に関する基準は特に示されていないところでございます。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
国の通知を受け、本市としては周知を行っただけのようであります。園外活動は、子供の健やかな成長発達のために欠かせない重要な活動であることが示され、保育園等に事故防止や安全管理の義務も課せられています。園外活動の際の安全確保のための特別な職員配置の規定はないとのことですが、実態はどうでしょうか。
そこで、保育所等の園外活動の本市の現状について質問します。
一点目、活動の頻度や目的地の把握。
二点目、危険箇所等の把握。
三点目、保育園等から出される安全対策の要望と対応。
そして、園外活動の安全対策に向けた国の取り組みや本県の動きはどうか。
以上、答弁願います。
◎健康福祉局長(中野和久君) 保育所等の園外活動の頻度や目的、危険箇所等について現時点では把握していないところでございます。
なお、保育所等から園外活動中の安全対策について要望があった場合には、必要に応じて所管部局を案内するなどの対応をすることといたしております。
国において、先般、未就学児が日常的に集団で移動する経路の緊急安全点検を含む交通安全緊急対策が決定され、保育所等や地方公共団体、道路管理者、警察など関係機関が連携し、九月末までに合同点検の実施を行うことなどが示されているところでございます。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
本市は園外活動の現状について把握していないということがわかりました。このパネルをごらんください。これはある保育所の園長先生が保育所から近くの公園に行くまでの経路を図にして、危険箇所を明らかにして、転落防止のために側溝にふたをしてほしい、カーブで見通しが悪いので速度制限をしてほしい、また、子供が横断するための横断歩道を設置してほしい、こういう具体的な要望をまとめたものであります。現時点では、このような要望が保育園から出されても関係部局を案内するだけの対応にとどまっているわけです。国から新たな緊急対策が示されて、九月末までに合同点検が実施されるとのことですが、文部科学省の登下校時における児童生徒等の安全確保の取り組みが参考になると思います。
一点目、取り組みが開始された背景と実施対象及び実施主体。
二点目、これまでの本市の通学路の合同点検箇所数と効果。
三点目、令和元年度の取り組み内容と現在の進捗状況について。
以上、答弁願います。
◎教育長(杉元羊一君) お答えします。
平成二十四年四月以降、登下校中の児童等に死傷者の出る交通事故が続発し、この事態を受け、文部科学省、国土交通省及び警察庁が連携して、同年五月、通学路における緊急合同点検等実施要領が作成され、本市では七月から八月にかけて七十八校全ての小学校の通学路を対象に、教育委員会、学校、警察、道路管理者等による合同点検を実施したところでございます。
また、二十四年度から三十年度までに合計六百四十八カ所で実施し、路面標示や横断歩道の補修、見守り活動の強化など、通学路の安全性を高める取り組みを推進しております。
本年度は約八十カ所の合同点検を予定しており、対応結果につきましては市ホームページにおいて公表されることとなっております。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
小中学校の通学路等の合同点検も痛ましい事故が契機となって始まり、これまで六百四十八カ所の点検が行われ、通学路の安全性向上に寄与していることが示されました。
保育所等の園外活動は、通学路とは異なってその活動内容はさまざまであります。本市の保育所等の園外活動の今後の安全対策について、私のほうから四つの点を提案したいと思います。
一点目、保育所等から園外活動の際の危険箇所を集約し、小中学校区の通学路合同点検の取り組みと同様に、経年的に道路管理者や警察署、関係者と合同の点検を行い、対策を検討すべきではないか。
二点目、危険箇所の解消に向けて、ガードレール等の設置や信号機等の新設、歩車分離や歩道の確保、ふたのない側溝や用水路の対策、キッズゾーンの指定など有効な対策を推進すべきではないか。
三点目、安全対策や安全確保に必要な職員の配置のための予算措置を国に求めるべきではないか。
四点目、関係各局が連携して安全対策に取り組むための横断的な体制を庁内に確立すべきではないか。
以上、それぞれ見解をお示しください。
答弁願います。
◎健康福祉局長(中野和久君) 国におきましては、先ほどの緊急対策の中で、未就学児を中心に子供が集団で移動する経路の安全対策を進めることといたしておりますので、関係機関と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
保育所等での園外活動における安全対策や安全確保に必要な職員の配置増に伴う予算措置につきましては、今後、国の動向を注視してまいりたいと考えております。
関係部局との連携につきましては、先ほどの緊急対策を踏まえる中で適切に対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。
[たてやま清隆議員 登壇]
◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
今後の国の動向を注視するとの答弁でありますが、今回の事故を受けて、今、保育所の中にはこの園外活動を自粛しているところが実はあるんです。安全対策について、さまざまな親から、保護者からそういう意見が出されている。それにしっかりと応えるためには対策を打たなければいけない。そこで、この園外活動を今、自粛しているところもあると仄聞しております。
私は、今回、この園外活動の安全対策について最も重要な点は、関係者が子供の健やかな成長発達に欠かせない園外活動を保障するためにはどうすればよいのかという共通認識に立って安全対策に取り組むことだと思います。
この点を強く要請して、私の個人質疑の全てを終わります。