◆(たてやま清隆議員) 日本共産党市議団を代表して、ただいま上程されました17議案のうち、第97号議案 令和元年度鹿児島市一般会計補正予算(第5号)中、款土木費、項港湾費、目港湾費の鹿児島港港湾整備事業費負担金中、人工島(マリンポートかごしま)関係補正予算について、反対する立場から討論を行います。
 同補正予算では、鹿児島港港湾整備事業費負担金全体について、国直轄港湾改修事業費は1億2,185万円、県施行重要港湾改修事業費等が2,925万4千円それぞれ減額補正となっていますが、人工島、いわゆるマリンポートかごしまについた国の補正予算は、鹿児島港国際クルーズ拠点整備事業の進捗を図るため、国が施行する新たな岸壁の本体工と県が施行する歩行者用上屋の工事等が計上されたものであり、次のような理由から反対します。
 第1に、今回の補正予算における事業費6億6,500万円のうち、国が4億715万円、県が1億8,978万7,500円を負担し、本市が6,806万2,500円を負担させられており、その財源は100%市債という借金であり、後年度の市債の累計額は26億4千万円となり、国際クルーズ拠点整備による今後の経済効果も示されない中、孫子の代まで市民に負担を強いることは問題であります。
 第2に、新たな負担金の計上に至る経過と本市の姿勢が問題です。当初予算では、航路、泊地の土質調査、岸壁の実施設計、ケーソンの製作及び据付け等に必要な経費が計上されており、本年3月19日にはケーソン11函の製作、8月20日にはケーソン7函の据付けが完了することが発注済み工事として確認されています。しかし、今回の補正予算については、そもそも国からケーソンの数や施行期間等は全く示されておらず、したがって、工事の進捗率も不明であるにもかかわらず、国や県に確認しないまま負担金を支出することは問題であります。
 また、県施行事業である歩行者用上屋については、かごしまクルーズターミナルに隣接するタクシー駐車場において観光客の利便性向上のために整備する一環とのことですが、大型船が着岸する岸壁からタクシー乗り場までの歩行者用上屋は、場所からしても駐車場整備の一環とは言い難い上に、県から詳細な設計内容も示されていないにもかかわらず、根拠もない4,500万円の事業費に本市の負担金が計上されていることは問題であります。これまで人工島に係る港湾負担金は新年度予算では計上せず、年度間の実績を現地で確認した上で負担金を設定し、2月補正予算で計上してきた経過があります。しかし、鹿児島港国際クルーズ拠点整備事業の負担金については、事業の具体的な内容や工期や根拠が分からないにもかかわらず、国や県の言われるままに市民の税金で負担金を計上する市当局の姿勢は問題であります。今後、市当局は、予算執行に当たり市民への説明責任を果たすために国や県との現在の負担協議の在り方を改める必要があることを強く要請いたします。
 以上の理由から、人工島関連の補正予算を含む第97号議案に反対することを申し上げ、討論を終わります。(拍手)