◆(大園たつや議員) 日本共産党市議団を代表して質疑を行います。
 割愛する項目があること、質疑の展開上、重複する部分があることをあらかじめ申し上げておきます。
 まず、市長の政治姿勢について伺います。
 質問の1点目、市長の今任期において私ども党市議団は、安倍政権の消費税率の10%への増税が市民生活や地域経済に大打撃を与えたことや、市民に負担を与える一方で桜を見る会などの政治、税金の私物化等によって国民の政治への信頼を損なっている問題など、県においては、こども医療費助成制度の現物給付の充実の方向性や鹿児島本港区、県総合体育館などのまちづくりの問題など、機会あるごとに市長の政治姿勢と対応を求めてまいりました。市民に最も身近な自治体の長として、国や県にいいものはいい、悪いものは悪いとはっきり意見することが求められていたと考えますが、国、県に対してどのような基本姿勢で対応を求めてきたのか見解をお示しください。
 質問の2点目、市長の今任期は、消費税増税や社会保障の給付減、負担増など市民生活が苦しくなる中で、豊かさ実感都市を目指す市長として、市民の命、暮らし、平和を守る防波堤の役割が求められていたと考えますが、生活保護の夏季加算や敬老祝い金など、市独自事業の廃止・縮小、介護保険料等の値上げなどの負担増が行われました。そのことについての見解と公約で残されている課題についても併せてお示しください。
 次の新型コロナウイルスへの対応と本市への影響については、代表質疑で各面から明らかにされましたので割愛をいたしますが、九州でも福岡県と熊本県で感染者が確認され、早急な検査・治療体制が求められています。特にPCR検査については、昨日の国会答弁でも1日3,800人の検査体制がありながら、中国への渡航者や濃厚接触者に条件を限っているために1日900人程度しか検査を受けていないことが明らかになりました。同程度の感染被害を受けている韓国に比べても極端に少ない現状で、抜本的な検査体制の拡充が必要です。本市からも国に求めていただきますよう要請いたします。
 新しい質問に入ります。
 現在、国会で審議されている新年度の政府予算案は、一般会計の総額で102兆6,580億円となり、過去最大を更新しました。補正予算である15か月予算を合わせると、総額は一般会計で106兆円に迫ります。安倍首相の政権復帰以来増え続けてきた防衛費は、過去最大の5兆3,133億円となりました。F35B戦闘機の導入費用を盛り込むなど、兵器爆買いの予算となっています。
 一方、社会保障は、高齢化などに伴う自然増分を約1,200億円カットする国民に冷たい予算です。消費税を増税したことで消費税収は過去最大の22兆円に迫る見込みで、これまで最大の税目だった所得税を上回ります。国民にこれほど大きな負担を押しつけながら軍拡や大企業向けの予算を優先し、国民向けの社会保障の予算を圧縮するというのは、文字どおり逆立ち財政です。しかも国の借金である国債の発行は、19年度補正予算案での2兆円余りの赤字国債の発行を含め2つの予算案で37兆円に迫り、20年度末の国債発行額の合計は900兆円を超す見通しです。
 私ども日本共産党は、軍拡、大企業優先の財政をやめ、消費税を経済対策として緊急に5%に戻し、大企業と富裕層に適切な負担を求め、暮らしに予算を回すべきと考えます。
 このような国の予算編成を背景に、令和2年度の本市の予算案の特徴について、各面から、以下伺ってまいります。
 まず、消費税増税後、初めてとなる予算編成において、一般会計の予算規模が2,771億円と過去最高を更新した中での税収の特徴についての質問です。
 質問の1点目、消費税増税後、初めての予算編成における税収の特徴。
 質問の2点目、消費税増税の地域経済への影響と市税収入等へどのように見込まれたものかお示しください。
 質問の3点目、国が示す事業を民間委託などをすることで地方交付税を増減させるにもかかわらず、詳細を自治体には示さないトップランナー方式の影響と本市の対応状況をお示しください。
 質問の4点目、税、手数料等の滞納の差押えについて、この間、本会議で質疑を交わしてまいりましたが、令和2年度の取組について伺います。
 まず、令和元年度の現時点での差押件数と見込み。
 次に、政務調査課を通じて独自に調査したところ、預金債権についても国税徴収法施行令第34条の給与債権の属性を承継して当初から差押限度額を控除している旭川市や横須賀市などの事例があるようですが、事例の把握と根拠とする判例をお示しください。
 次に、本市としても市民の生活再建の観点から預金債権についても国税徴収法施行令第34条の給与債権の属性を承継して当初から差押限度額を控除する対応を検討すべきと考えますが、見解をお示しください。
 次に、こども未来局新設と今後の子育て施策についての質問です。
 まず、こども未来局新設の考え方をお示しください。
 次に、昨年は地域子育て支援センターの廃止・再配置の方針について、子育て世代の皆さんを中心に見直しを求める声が大きく広がり、本市としても現行の体制を据え置いた経過がありますが、令和2年度の地域子育て支援の充実について、以下伺います。
 質問の1点目、新規・拡充事業について、子育て支援施設職員スキルアップ研修事業、地域子育て支援活動推進事業、親子つどいの広場等体制強化事業の各事業の内容をお示しください。
 質問の2点目、3つの事業を新設・拡充された理由、背景をお示しください。
 質問の3点目、新規事業での支援強化は歓迎すべきことですが、それを理由に地域子育て支援センター廃止・再配置の布石とならないか、今後の進め方をお示しください。
 次に、毎年、児童虐待件数が過去最高を更新し、昨年の国の第15次報告でも1週間に1人の割合で児童が虐待によって死亡しているという現状を踏まえ、早急な対応が求められている市独自の児童相談所の設置について、以下伺います。
 質問の1点目、令和2年度の具体的な取組。
 質問の2点目、中核市独自の設置に対する国の財源措置の動向。
 質問の3点目、専門的な知識を持った職員等人材の育成と地域やNPOとの連携の構築の考え方をお示しください。
 次に、こども医療費助成制度について、三反園知事は、「こども医療費助成制度は窓口での一時払いを完全ゼロにします」、森市長は、「オール鹿児島でこども医療費助成制度の窓口負担解消を実現します」をそれぞれ公約に掲げておられることから、今任期最後の新年度予算案に期待しておりましたが、その動向について、以下伺います。
 質問の1点目、県の拡充の方針をお示しください。
 質問の2点目、昨年12月議会では病院窓口で立替払いをなくす現物給付方式の全国の実施状況について質疑を交わしました。国が非課税世帯の未就学児に限ってペナルティー、いわゆる国保の減額調整を廃止したことから、これまで立替払いだった自治体が全て現物給付方式を実施しましたが、所得制限をかけ非課税世帯の一部にとどめたのは鹿児島県だけであり、全国で最も遅れた制度となったことを指摘し、その実態を市当局から県に伝え、充実の在り方を検討してもらうべきと要請しておりました。
 そこで、全国での実施状況を県に伝えたのかお示しください。
 質問の3点目、県の充実の方向性について昨年9月議会で質疑を交わしたところ、県が考えている充実策によって小中学生の医療費分約3千万円を県の制度で負担することになり、市の財政負担の軽減になるものの、現物給付を実施することによって国からのペナルティー、いわゆる国保の減額調整の影響で2,800万円が市の負担増になってしまうことが明らかになりました。県は各自治体の負担が増えることになるとして現物給付の実施をしてこなかった経過もあり、問題です。
 そこで、国保の減額調整、いわゆるペナルティーやシステム改修費などは県が負担すべきと考えますが、現段階ではどうなっているのかお示しください。
 質問の4点目、今後の本市の対応をお示しください。
 次に、幼児教育・保育の無償化における認可外保育施設保育料について、以下伺います。
 質問の1点目、2月補正予算で大幅な減額補正となった要因の1つに認可外保育施設利用者が見込みより大幅に少なかったことが挙げられましたが、令和2年度予算案での見込みをお示しください。
 質問の2点目、私どもは利用見込みが少なかったことの一因に無償化で負担軽減になるはずが立替払いのために負担が重くなっている現状があるのではないかと考えていますが、当局の認識をお示しください。
 質問の3点目、認可外保育施設保育料において現物給付を実施している中核市を把握していればその事例とその仕組みについてもお示しください。
 質問の4点目、他都市の事例を研究し、本市でも現物給付を検討すべきと考えますが、見解をお示しください。
 次に、高齢者の生活については、現役時代の低賃金や生活苦、高齢期に入ってからの年金削減、社会保障改悪などにより多くの高齢者の生活は逼迫しています。日本の高齢者世帯は年収200万円以下の層が4割を占めています。国民年金だけを受給する人の平均受給額は月5.1万円、厚生年金でも女性の平均受給額は基礎年金分を含め月10.2万円にすぎません。生活保護受給者の半分は高齢者で、自殺者の中に高齢者が占める割合も日本は世界のトップクラスと言われています。
 高齢者の生活への新年度予算の特徴について、以下伺います。
 質問の1点目、後期高齢者医療制度の保険料や保険料軽減特例の見直しなど、制度変更及びその影響額、人数をそれぞれお示しください。
 質問の2点目、マクロ経済スライド発動による影響をお示しください。
 質問の3点目、高齢者の生活状況についての市の見解と高齢者福祉における令和2年度の取組をお示しください。
 次に、地域経済活性化について、以下伺います。
 質問の1点目、鹿児島市商工業振興プランの現時点での達成状況と課題をお示しください。
 質問の2点目、街なかリノベーション推進事業について、令和2年度の取組と拡充内容、期待される効果をお示しください。あわせて、街なかリノベーション推進資金の活用状況と現在、リノベーションスクール参加者のみに限っている対象者をセミナー受講者まで拡大することについての考え方をお示しください。
 質問の3点目、安全安心住宅ストック支援事業について、令和元年度の補助件数の見込みと経済効果をお示しください。
 次に、同制度においては、高齢者や子育て世代以外の一般のリフォームへの補助の復活などを求める声もありますが、今後の課題もお示しください。
 質問の4点目、両事業はそれぞれ産業局と建設局が所管している事業でありますが、本市において既存ストックの価値を向上させる事業はかなりニーズもあり、これらの事業の推進や充実を中心に地域経済活性化を一層図る必要があると考えますが、当局の見解をお示しください。
 次に、観光行政について、以下伺います。
 質問の1点目、大型クルーズ船における新型コロナウイルス感染への政府の対応について当局の評価をお示しください。
 質問の2点目、人工島(マリンポートかごしま)における影響と今後の寄港の受入れの判断はどうなっているのかお示しください。
 質問の3点目、款土木費、項港湾費、目港湾費、鹿児島港港湾整備事業費負担金中、人工島(マリンポートかごしま)関連予算について、以下伺います。
 まず、事業内容について、工期やケーソンの数などの詳細。
 次に、事業費及び負担金の額を国、県、市それぞれお示しください。
 また、繰越明許費を含む令和2年度の事業費総額及び市の負担金の財源と要件、これまでの市債の累計。
 基盤整備を含むこれまでの事業費を国、県、市それぞれお示しください。
 質問の4点目、クルーズ船誘致・受入事業について、まず、事業内容と事業費をお示しください。
 また、新型コロナウイルスの影響によるクルーズ船寄港の減少や今後の見通しが立たない今、やらなければならない事業なのか当局の見解をお示しください。
 次に、教育行政について、以下伺います。
 質問の1点目、小中学校の規模適正化について、私ども党市議団は、これまで本市が1市5町の合併時にも学校の統廃合を行わず発展させるために施策を講じてきたことを評価しており、今回の規模適正化については、過大規模校こそ適切な規模にするべきとの立場であることを申し上げ、以下伺ってまいります。
 まず、令和2年度の取組といつまでにとの期限についての考え方をお持ちかお示しください。
 次に、本市では3つある児童数1千人以上の過大規模校の1つ、吉野東小学校の校舎新設の予算が計上されていますが、その内容と今後、仮設校舎が解消されるのか見通しをお示しください。
 次に、もう1つの過大規模校である吉野小学校への仮設校舎の解消など対応の検討状況をお示しください。
 質問の2点目、昨年、学校給食費の公会計化ガイドラインが示され、学校徴収金に係る教員の負担軽減や就学援助で無料になっているにもかかわらず立替払いとなっている給食費の現物給付の実施などが期待され、早急な取組が必要と考えますが、学校徴収金の公会計制度への令和2年度の取組をお示しください。
 以上、1回目の質問とします。
 答弁願います。
   [市長 森 博幸君 登壇]

P.179 ◎答弁 市長(森博幸君)

◎市長(森博幸君) 大園たつや議員にお答えをいたします。
 国や県の制度、施策等における重要事項につきましては、これまで全国市長会や県市長会、県市意見交換会などを通じまして要望等を行ってきたところでございます。今後も国や県の動向を十分注視するとともに市民福祉の向上と市勢の発展という観点から、あらゆる機会を通じて国や県に強く働きかけてまいりたいと考えております。
 私は、市政の推進に当たりましては、社会情勢の変化を踏まえ、創意工夫を重ねる中で、優しさとぬくもりのある様々な施策を可能な限り盛り込み、誰もがそれぞれのステージで生き生きと暮らし、活躍できるよう取り組んでいるところでございます。また、4期目のマニフェストに掲げた項目につきましては、全体としておおむね順調に進めることができていると考えておりますが、田上小学校周辺での土地区画整理事業の検討につきましては、検討・協議中となっているほか、実施・推進中の項目の中においても時間を要するものなどがありますことから、なるべくこれらの早期の具現化に取り組んでまいりたいと考えております。

P.179 ◎答弁 総務局長(白石貴雄君)

◎総務局長(白石貴雄君) お答えいたします。
 令和2年度予算における税収の特徴は、地域間の税源の偏在性是正に伴う法人税割の税率引下げにより法人市民税が大きく減少するとともに、給与所得の減等により個人市民税の減が見込まれる一方で、家屋の新増築等による固定資産税等の増、法人事業税交付金の新たな交付、地方消費税交付金の増などでございます。
 市民税は、税制改正や法人企業景気予測調査、令和元年の給与所得などを参考に見込むため、消費税率引上げによる影響の把握は困難でございますが、固定資産税等を7億8千万円の増、個人市民税を2億9千万円の減、法人市民税を11億8千万円の減とし、市税全体で877億2千万円を見込んでおります。
 また、預金債権の元年度の差押えは、1月末現在、市税が4,278件、国民健康保険税が1,645件などで、引き続き、収入未済額の縮減に向けて取り組んでおりますことから、見込みをお示しすることは難しいところでございます。
 旭川市及び横須賀市は、差押えに当たって預金調査を実施し、給与振込口座など、明らかに生活に支障が生じるおそれがある債権については、生活困窮に陥ることがないよう最低生活費相当額を控除しているようでございます。なお、横須賀市は、平成30年1月31日、前橋地裁の前橋市による預金差押処分取消等請求事件及び令和元年9月26日、大阪高裁の滞納処分取消等請求控訴事件の判決を受けて対応しているようでございます。
 本市といたしましても明らかに生活に支障が生じるおそれのある債権の差押えに当たっては、生活状況等を勘案して生活困窮に陥ることのないよう処理しており、今後とも他都市の状況等を踏まえながら適切に対応していくこととしております。
 次に、こども未来局は、「子育てをするなら鹿児島市」のさらなる充実に向け、児童福祉や子育て支援のさらなる推進を図るとともに、児童相談所設置の整備体制を強化するなど、子供と家庭に対する施策を総合的に推進するため新設するものでございます。
 以上でございます。

P.180 ◎答弁 企画財政局長(原亮司君)

◎企画財政局長(原亮司君) お答えいたします。
 本市トップランナー方式の対応業務は、道路の維持補修やごみ収集の民間委託など14業務で、影響額は示されていないところでございます。国に対しては、各団体の実情を十分に踏まえ、行財政改革により生み出された財源は地方に還元するよう、今後とも全国市長会等を通じて要望してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

P.180 ◎答弁 市民局長(古江朋子君)

◎市民局長(古江朋子君) お答えいたします。
 令和2年度の年金額の改定率は、マクロ経済スライドに基づきマイナス0.1%が乗じられ、プラス0.2%となっております。
 以上でございます。

P.180 ◎答弁 健康福祉局長(中野和久君)

◎健康福祉局長(中野和久君) お答えいたします。
 地域子育て支援に関する令和2年度の新規・拡充事業の内容でございますが、子育て支援施設職員スキルアップ研修事業は、施設職員のスキルアップと施設間の連携を図るため、専門的な知識習得等に係る研修を行うとともにケース検討などの情報交換等を行うものでございます。
 地域子育て支援活動推進事業は、地域の子育て力の向上等を図るため、子育てサロンへ保育士を派遣する保育所等に対して補助を行うとともに運営者を対象とした研修を実施するものでございます。
 親子つどいの広場等体制強化事業は、親子つどいの広場及びすこやか子育て交流館においてきめ細かな支援体制を強化するため職員を増員するものでございます。
 これらの事業につきましては、親子つどいの広場などの拠点施設間の連携による支援の質の向上や利用者へのよりきめ細かな支援等の提供、また、地域の子育て支援グループへの支援の充実などが地域における子育て支援の課題であると考えておりますことから、その解決に取り組むため、実施しようとするものでございます。
 地域子育て支援センターの再配置につきましては、利用者の方々の御意見等を伺いながら、地域における子育て支援体制の在り方について、引き続き検討してまいりたいと考えております。
 次に、児童相談所の設置に関する令和2年度の取組といたしましては、現在策定中の鹿児島市児童相談所基本構想・基本計画において設置場所に必要な条件等を定めることとしておりますので、これに基づき候補地などの検討を進めてまいりたいと考えております。
 国の財源措置の動向につきましては、令和2年度の地方財政計画の中で児童福祉司等の増員や処遇改善について普通交付税措置の拡充を講じることや児童相談所や一時保護所の整備に当たり地方財政措置の拡充が検討されているようでございます。
 職員の確保につきましては、本市の児童虐待対策の強化と児童相談所に必要な職員の確保・育成を図るため、現在、職員2人を県中央児童相談所に派遣しておりますが、令和2年度はさらに2人を加えて4人を派遣することとしており、今後も段階的な人材育成に努めてまいりたいと考えております。また、地域やNPO法人など関係機関等との連携につきましては、基本構想・基本計画において、支援部門が部門間の調整や関係機関との連携などコーディネーターの役割を果たすこととしております。
 次に、子供に対する医療費助成に係る県の拡充方針につきましては、現在、住民税非課税世帯の未就学児を対象としている現物給付方式の助成対象を高校生まで拡充するもので、令和3年4月から予定しているとのことでございます。
 本市といたしましては、県の有識者懇談会幹事会などの場で現物給付の実施に当たっては全国の実施状況を調査し、その実態を踏まえて実施してほしい旨を要望しているところでございます。
 現物給付方式の拡充による国民健康保険の減額調整措置やシステム改修費については、現時点で県が負担するとの考えは示されていないところでございます。
 県は今後、市町村に対し説明会を開催するとのことでありますので、本市といたしましては、制度の詳細について確認するとともに国民健康保険の減額調整措置については十分に配慮していただくようさらに要望してまいりたいと考えております。
 次に、令和2年度における認可外保育施設の無償化対象人数は延べ1,524人、事業費は約5,700万円を見込んでおります。
 認可外保育施設を利用する保護者は、無償化により経済的な負担軽減が図られる一方、償還払いのため施設から発行される領収書等を基に窓口で手続を行う必要がございます。
 中核市においては現物給付を実施している市もございますが、その給付方法として、市が施設から児童数等の報告を受けた後、無償化対象経費を施設に支払うこととされており、保育料が無償化の上限額を超過した場合には施設が保護者から徴収しているようでございます。
 また、現物給付を実施することについては、定期利用する認可外保育施設以外の施設を利用した場合、子供1人当たりの上限額の管理などの課題もありますことから、今後、他都市の状況等も調査してまいりたいと考えております。
 次に、後期高齢者医療制度につきましては、令和2年度の保険料は、均等割額が5万500円から5万5,100円に、所得割率が9.57%から10.38%となり、約7万6,800人、4億6,140万円の影響があるものと考えております。また、軽減特例の見直しにより8割軽減が7割軽減に、8.5割軽減が7.75割軽減となり、約3万7,400人、1億6,360万円の影響があるものと考えております。
 高齢者の負担につきましては、後期高齢者医療保険料の改定の面では増えるものと考えております。高齢者に対する本市の令和2年度の主な取組につきましては、成年後見センターや地域包括支援センターの機能を強化するほか、短期集中予防サービス事業等を拡充することとしております。
 次に、新型コロナウイルスに係る大型クルーズ船に関する政府の対応につきましては、現在も継続中であり、今後検証が進められるようでございます。
 以上でございます。

P.181 ◎答弁 産業局長(鬼丸泰岳君)

◎産業局長(鬼丸泰岳君) お答えいたします。
 消費税率引上げによる地域経済への影響につきましては、1月末に公表された地元金融機関の県内景況調査によりますと、昨年10月の引上げ直後は一部で駆け込み需要の反動等の影響が見られたものの、近頃は和らいできているとされております。
 次に、商工業振興プランでは、4つの商工業振興の方向性ごとに成果指標を設定しており、食料品製造業における粗付加価値額や卸売業、小売業の年間商品販売額は既に令和3年度の目標値に達しておりますが、海外での見本市等への延べ出店事業者数や産学官連携等により製品・商品化された件数などは目標値に届いていない状況にあります。本市の商工業振興の課題としては、商品サービスの競争力強化、国内外への販路拡大、人材育成、労働力の確保などがあることから、引き続き、本プランに基づく各種施策に取り組んでまいります。
 街なかリノベーション推進事業につきましては、令和2年度は新たに受講者を公募して空き店舗等を活用する事業計画作成を支援するセミナーを開催することで、まちづくりに関わる人材の育成や交流の場の創出につながっていくものと考えております。
 街なかリノベーション推進資金については現時点での実績はございません。また、対象者の取扱いにつきましては、セミナー受講者の取組状況等も踏まえ、今後検討してまいりたいと考えております。
 同事業は、遊休不動産を有効活用することによりまちのにぎわいや新たな雇用の創出が図られ、地域経済の活性化につながることから、積極的に推進してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

P.182 ◎答弁 観光交流局長(有村隆生君)

◎観光交流局長(有村隆生君) お答えいたします。
 マリンポートかごしまへの大型クルーズ船の寄港につきましては、2月26日現在、20回のキャンセルとなっているところであり、新型コロナウイルス感染症の影響が出ているところでございます。今後の寄港受入れに当たりましては、港湾管理者の県、検疫を行う国がその時点の状況に応じて判断されるものと考えております。
 クルーズ船誘致・受入事業につきましては、大型クルーズ船の誘致や受入体制の充実を図るため、寄港時の歓迎行事や観光案内等を担う鹿児島海外観光客受入協議会への負担金や観光交流センター等への乗船客向け案内表示の設置委託料など643万5千円を計上しているところでございます。
 大型クルーズ船の寄港は令和元年は106回でありましたが、県の計画によりますと、マリンポートかごしまの新たな岸壁が完成する令和4年に230回、その後14年には310回と大幅な増加が見込まれており、交流人口の拡大につながることから、新型コロナウイルス感染症の影響が沈静化した後の取組が重要になるものと考えております。
 以上でございます。

P.182 ◎答弁 建設局長(松窪正英君)

◎建設局長(松窪正英君) お答えいたします。
 安全安心住宅ストック支援事業における元年度の補助件数見込みは464件で、経済効果はおよそ8億円と試算しております。
 今後の課題は、耐震診断・改修補助の活用促進を図ることなどでございます。
 次に、マリンポートかごしまの2年度予算の内容等ですが、鹿児島港国際クルーズ拠点整備事業については、国において岸壁の本体工などを、県において駐車場整備を行う予定でございます。なお、国の内示が未定であることから、工期やケーソンの数などは示されておりません。
 事業費は32億5,800万円、負担額はそれぞれ、国20億2,867万円、県9億1,809万3,500円、市3億1,123万6,500円でございます。
 なお、国及び県の元年度の繰越額は現時点では確定しておりません。市の負担金の財源は市債を90%充当しており、累計額はおよそ29億2千万円でございます。
 また、2年度までの事業費の累計はおよそ344億円で、内訳は、国109億円、県194億円、市40億円でございます。
 以上でございます。

P.182 ◎答弁 教育長(杉元羊一君)

◎教育長(杉元羊一君) お答えいたします。
 学校規模適正化・適正配置に関する令和2年度の取組につきましては、引き続き、検討対象校等の希望する保護者や地域の方々と学校や児童生徒を取り巻く状況等について意見交換会等を行ってまいりたいと考えております。また、期限については定めていないところであります。
 吉野東小学校の校舎につきましては、敷地の制約等から7教室の増築を見込んでおりますが、児童数の増加傾向を考慮しますと、既存の仮設校舎の一部は必要となる可能性があると考えております。
 吉野小学校の仮設校舎の解消に向けては、現在、児童数の推移を注視しているところであり、今後具体的に検討を進めてまいりたいと考えております。
 学校給食費等の徴収管理につきましては、国からの通知やガイドラインとともに、先進事例等を踏まえながら対応を検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.183 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
 市長の政治姿勢について答弁いただきました。
 安倍政権における2度の消費税増税は、市民生活にも、地域経済にも大打撃を与えています。県は大型クルーズ船に対応する新たな岸壁づくりを推進する一方で、こども医療費助成制度の現物給付実施は一部にとどめています。その上に本市が独自の負担軽減を廃止・縮小していては、優しさやぬくもりを感じることはできません。森市長の今任期は、市民に最も身近な行政の首長として国や県の悪政から市民の命、暮らし、平和を守る防波堤の役割を十分果たしてきたとは言えないのではないでしょうか。今年は4月に市議会議員の改選、その後に県知事選、市長選、衆議院解散も予測される選挙イヤーであり、これまでの取組を市民が評価し、これからの本市の将来を託す大事な機会となります。私ども日本共産党も全力を尽くす決意を申し上げておきます。
 本市予算案の特徴についてそれぞれ答弁いただきました。
 税収について、政府は地方消費税を地方財政の軸にするとともに、都市間の格差を是正するという名目で法人市民税を国税化し、地方の自主財源を取り上げるという手法は、トップランナー方式と併せて地方自治の自主性や裁量を奪うもので問題です。そもそも地方財政の確立は消費税増税に頼るのではなく、内需の拡大と累進税制の強化で行うべきです。社会保障費を初め、地方が必要とする財源を十分に確保するために地方交付税の法定率を抜本的に引き上げることこそ求められていることを指摘いたします。
 また、税や手数料の差押えについては、ここ3年間で急激に増加しています。市民の生活状況を勘案して処理しているとのことですが、昨年12月議会で質疑も交わしたように、年金が振り込まれる通帳と事前の相談で分かっていたのに、そのほとんどを差し押さえられるという事例がありました。国税徴収法施行令を給与債権だけでなく預金債権も対象にして最初から控除する自治体もあることから、当局におかれてはこの手法について具体的に検討されるよう強く要請します。
 子育て支援策について答弁いただきました。
 地域子育て支援センターの廃止・再配置については、地域上の重複を理由に現状や利用者の声を聞かずに決定ありきで進めたことが先輩議員の質疑で明らかになり、利用者から強い懸念の声が広がり、当面の現状維持となった経緯があります。新規事業による充実は充実として、むしろセンターを各地域に増やしていく取組が必要ではないかということを指摘いたします。
 本市独自の児童相談所の設置については、基本構想・計画の策定と候補地の検討、職員の県中央児童相談所への派遣を増やすということで設置への準備が進められます。あわせて、地域やNPOとの連携も必要と考えますので、設置されるまでの間に連携を構築する取組を要請いたします。
 こども医療費助成制度について答弁いただきました。
 市当局から県に対して制度が全国で最も遅れている実態をお伝えいただいたようですが、聞き入れてもらえないようです。その上、自治体がペナルティーなどで負担増になることへの対応も検討されていないことは問題です。制度充実は来年とのことですので、今後も県に対してしっかりと要望していただくよう要請します。
 県市長会が要望する中学校卒業まで所得にかかわらず病院窓口での立替払いなしの制度にするためには、オール鹿児島などと県任せにせず、本市が無料の対象を広げるなど、独自の努力も必要だったことは厳しく指摘します。私どもも今後、高校卒業まで所得にかかわらず病院窓口での立替払いなしの制度を実現するために全力を尽くしていくことを申し上げます。
 幼児教育・保育の無償化における認可外保育施設保育料について答弁いただきました。
 私は、今期を振り返ったとき、こども医療費助成制度や就学援助の給食費など立替払いが子育て世帯にとって重い負担になっていることを指摘し、繰り返し本会議で現物給付の実施を質疑してまいりましたが、認可外保育施設における保育料も同様です。この件についても実際に実施している他都市の事例もあることから、検討されるよう要請するとともに、市の施策全体でまず立替払いという考えを払拭していただき、市民の負担軽減と利便性の向上を検討していただくよう併せて要請いたします。
 高齢者の生活について答弁いただきました。
 公的年金のマクロ経済スライドによるわずか0.2%の増加分を上回る後期高齢者医療制度の負担増となります。これまで市独自の敬老祝い金の縮小・廃止や高齢者福祉センターの浴室利用料の新設などを含めてぬくもりや優しさは感じられないのではないでしょうか。誰もがそれぞれのステージで生き生きと活躍できるような施策の展開ではないということは厳しく指摘をいたします。
 地域経済活性化について答弁いただきました。
 商工業振興プランの進捗をお示しいただきましたが、今後は厳しい経済状況もあり、一層の支援が必要と考えます。
 リノベーションまちづくりについては、空き店舗等をこれまでと違うコンセプトでリフォームし、地域の価値を向上させる事業であり、同事業においての実績はまだ少ない現状ですが、ポテンシャルのある事業と考えますので、成功に導くセミナーとなるよう見守ってまいります。既に大きな経済効果を発揮している安全安心住宅ストック支援制度と併せて本市の地域経済活性化の柱となるよう一層の充実を要請いたします。
 人工島関連の港湾負担金について答弁いただきました。
 補正予算で質疑を交わしましたが、元年度予算もまだ未執行の部分がありながら、2月補正予算で約6億円の追加、新年度は新たに約32億円が工期やケーソンの数などの詳細は分からないまま事業費が計上され、本市もそれを負担することになることは問題です。今後の負担金協議の際には、2月補正予算で指摘したように事業期間や内容の詳細な把握と適切な予算執行なのかを明らかにした上で適切な負担金を計上する対応を強く要請いたします。
 今回の大型クルーズ船での新型コロナウイルス感染について、政府の対応については多くの乗船客が感染し、死亡者まで出していることからも適切な対応だったとは言い難いのではないでしょうか。
 マリンポートかごしまへの大型クルーズ船の寄港も既に20回のキャンセルとなっています。鹿児島県や本市は観光に力を入れており、それ自体は大事だと考えますが、今回のような要因や外交問題などで影響を受けるインバウンド政策の負の面が表れたものです。外需依存ではなく負担軽減など、市民の懐を温めることへの転換が必要であり、今新たな岸壁の建設や案内板の設置ではなく、感染対策に力を入れることや各種イベント等の中止などの影響を受ける市内中小企業への支援こそ必要ではないかということは指摘をいたします。
 教育行政について答弁いただきました。
 小中学校の規模適正化については、期限を区切らず対話を続けるとのことですが、対象となっている地域住民からいつ結果が出るのか心配する声が多く寄せられています。対話の上、現状維持などが決まった地域については早く周知をされるよう要請しておきます。過大規模校である吉野小学校については、中山、吉野東に続いて具体的な対応の検討を進められるようです。早急な対応による仮設校舎解消を強く要請します。
 公会計制度への取組は前向きな答弁と受け止め、早期実現が図られるよう注視いたします。
 新しい質問に入ります。
 交通局バス路線民間移譲と本市の交通政策について、地方公営企業法第3条、「地方公営企業は、常に企業の経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならない」を踏まえて、今こそ地域住民の移動権を保障する対応が求められていることから、以下伺ってまいります。
 まず、交通局バス路線民間移譲については、鹿児島交通のバス路線廃止・減便が報道されたこともあわせて、市民から、「このままでは地域に住むことができなくなる」など、強い懸念の声が寄せられています。
 質問の1点目、令和2年度交通事業特別会計予算におけるバス路線民間移譲の影響について、まず、バスの台数、走行距離、影響額をお示しください。
 次に、減らされる人員数と影響額及びそれぞれの処遇、再就職等の対応をお示しください。
 質問の2点目、市政出前トークなどでの交通局の説明では、交通局は民間企業と同じ独立採算で経営しており、一般会計からの支援は受けられませんとのことでしたが、2年度予算案に計上されている経営安定化補助金の金額と内容及び法的根拠と支出する理由をお示しください。
 質問の3点目、バス路線民間移譲についての市政出前トークの回数、参加人数、主な意見と当局の受け止めをお示しください。
 質問の4点目、昨日の代表質疑でも取り上げられましたが、明和地域では、坂が急な上、道路が狭く、一般の大型バスなどが通れないということで地域住民の皆さんが交通局や民間バス事業者へ粘り強く訴えて実現した小型バスが廃止されることになり、突然の発表に地域住民の皆さんの危機感が高まっています。鹿児島交通への交通局の路線移譲によって、その他の不採算路線は廃止するというような影響を与えたのではないかと考えますが、見解をお示しください。
 質問の5点目、少なくとも現状維持するために鹿児島交通への要請や臨時便等の緊急的な対応をすべきと考えますが、見解をお示しください。
 次に、本市の交通政策についての質問です。
 質問の1点目、交通局バス路線の民間移譲や鹿児島交通の路線廃止・減便が公共交通ビジョンの目指すコンパクトなまちづくりの実現に向けた公共交通の利便性向上と持続可能な交通体系の構築へ与える影響についての見解をお示しください。
 質問の2点目、熊本市での交通事業者の共同経営について伺います。
 まず、設立の概要と国の法改正の動向。
 次に、期待される効果と課題及び本市としての評価をお示しください。
 質問の3点目、交通局バス路線の民間移譲や鹿児島交通の路線廃止・減便に伴う公共交通不便地域の見直しについての考え方をお示しください。
 質問の4点目、公共交通ビジョンの早急な見直しと市民の足を守る具体的な対応を検討すべきと考えますが、見解をお示しください。
 新しい質問に入ります。
 吉野地域の土地区画整理事業について、以下伺ってまいります。
 まず、吉野地区土地区画整理事業についての質問です。
 質問の1点目、令和2年度予算案における工事概成の見込みを事業費ベース、建物移転ベースでそれぞれお示しください。
 質問の2点目、今後の流れと全ての使用収益が開始される時期をお示しください。
 質問の3点目、工事概成を迎えるに当たって同事業の効果や教訓とすべき課題などの総括をお示しください。
 次に、吉野第二地区土地区画整理事業についての質問です。
 質問の1点目、令和2年度の取組をお示しください。
 質問の2点目、新規事業の小宅地等対策事業について、まず、予算額と必要とする面積、募集の見通し、今後のスケジュール。
 次に、小宅地対策の今日的な意義とこれまで果たしてきた役割をお示しください。
 質問の3点目、同事業の課題については機会あるごとに本会議で質疑を交わし、見解を求めてきたところですが、現時点での考え方と対応について伺います。
 まず、同事業の県道拡幅が完了するまでの間、渋滞対策としてのバス停車帯の設置。
 次に、県道整備補助金を5%から元の10%に戻すことについての本市の県への要請と県の対応。
 次に、吉野地区土地区画整理事業では設定しなかった保留地をなくして地域住民間の公平性を図るべきと考えますが、見解をお示しください。
 以上を2回目の質問とします。
 それぞれ答弁願います。

P.186 ◎答弁 企画財政局長(原亮司君)

◎企画財政局長(原亮司君) 交通局への経営安定化補助金についてでございますが、交通事業については、災害時の避難輸送など市民生活を支える重要な役割を担っていることから、経営計画を着実に推進し、持続可能な経営基盤の確立と経営の安定化に資する必要な財政支援を行うため、地方公営企業法に基づき3億円を支出することとしたものでございます。
 次に、公共交通ビジョンにおいては、将来にわたり持続可能な公共交通ネットワークの構築を実現するために交通事業者は運行サービスの提供や効率的な事業運営に取り組むこととしており、バス路線の移譲や廃止・減便につきましては、各交通事業者の経営的判断において検討されたものと考えております。
 熊本市によりますと、熊本県内のバス事業者5社が独占禁止法の適用を緩和する特例法の成立後に共同経営型の事業形態へ移行することに合意したとのことでございます。新聞報道によりますと、独占禁止法の特例法につきましては、今通常国会に提出される見通しとのことでございます。
 共同経営による効果としましては、重複区間及びダイヤの調整を行えることや共通の定期券を発行できることなど、効率的な事業運営により持続可能な公共交通ネットワークの構築につながる面もございますが、運行計画案の作成など複数のバス事業者間での調整が必要になるものと考えております。
 本市の公共交通不便地につきましては、選定された全ての地域において対策を実施しており、地域の見直しについては考えていないところでございます。
 公共交通ビジョンにつきましては、持続可能な公共交通ネットワークを構築するために中長期的な視点から基本理念や基本方針を定めるものであり、令和3年度中の次期ビジョン策定に取り組んでまいりたいと考えております。なお、本年4月にバス路線が廃止される地域については、運行事業社に対して利用者への説明を要請したところであり、本市としましては、今後の在り方として、まずはそれらの地域の状況把握に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

P.186 ◎答弁 建設局長(松窪正英君)

◎建設局長(松窪正英君) 吉野地区土地区画整理事業についてですが、令和2年度末での進捗率は、事業費ベースで98.5%、建物移転ベースで100%となり、工事概成を見込んでおります。
 使用収益については、道路築造が完了しライフラインが整備された宅地から順次開始しているところでございます。その後、換地処分を行い、土地・建物の登記及び清算金の徴収、交付を行ってまいります。
 当事業では、道路、公園などの公共施設の整備改善及び土地利用の増進が図られ、良好な居住環境が形成されているものと考えております。教訓とすべき課題は、優良財源の確保や計画的かつ効率的な事業への取組が挙げられます。
 吉野第二地区についてですが、2年度は換地設計に先立ち土地評価等を行ってまいります。
 小宅地等対策事業における募集面積はおよそ6千平方メートルで、本年1月末時点でおよそ3.7倍の応募があり、3月末まで募集を行うこととしております。2年度は、2億796万8千円を計上しており、今後は取得する土地の選定等を行い、3年度までの2か年で用地取得を行ってまいります。
 当事業は、減歩された小規模宅地の利用効果の低下を防ぐために本市が独自に取り組んでいる事業であり、これまでの市施行の土地区画整理事業においても生活環境の向上に寄与してきているものと考えております。
 バス停車帯の設置については、引き続き機会あるごとに道路管理者である県へ要請してまいります。
 県道整備に係る県補助金については、これまでも補助率の引上げについて要請しており、さらに、昨年12月には県知事に対し要請書を提出したところでございます。県としては、行財政運営戦略に基づき、引き続き行財政改革に取り組んでいるところであり、現行どおりでまいりたいと考えているとのことでございます。
 吉野第二地区の事業を円滑に進めるに当たっては、保留地処分金は必要な財源であると考えております。
 以上でございます。

P.187 ◎答弁 交通局長(鞍掛貞之君)

◎交通局長(鞍掛貞之君) 市営バス路線の民間移譲についてお答えいたします。
 令和2年度予算では、バスが58両の減、走行距離が215万キロの減で、営業収支約2億3,600万円の改善を見込んでおります。
 職員に関するものといたしましては、運転士が正規及び嘱託それぞれ15人の減、それらの人件費約1億5,900万円の減を見込んでおります。また、処遇につきましては、意向調査の結果なども踏まえながら、市長事務部局等への異動や局内配置換を行うとともに、引き続き企業説明会や民間企業の情報提供など再就職支援に努めてまいりたいと考えております。
 路線移譲に係る市政出前トークにつきましては、本年2月までに3回開催し、延べ99人が参加されております。主な御意見といたしましては、「3年後も路線が維持されるのか心配である」、「移譲決定後ではなく事前に情報提供して市民と議論してほしい」、「交通局の経営状況や路線移譲の理由についてよく分かった」、「路線を維持するために住民もしっかり利用していくべき」などがあり、路線移譲に係る関心の高さを実感するとともに、利用者への周知広報が大切であると認識したところでございます。
 鹿児島交通の路線廃止等につきましては、報道等によりますと、利用者の減少や乗務員不足が理由とのことでございますが、市営バスの路線移譲との関連については分からないところでございます。
 また、廃止理由がただいま申したとおりであることや局においても路線移譲により事業規模の縮小を進めていることなどから、お触れになりました要請等は難しいところでございます。
 以上でございます。
   [大園たつや議員 登壇]

P.187 ◆質問 (大園たつや議員)

◆(大園たつや議員) 交通局バス路線移譲と本市の交通政策について答弁いただきました。
 本市交通局は、旧交通局跡地の売却益を原資に経営健全化計画の中で時間をかけて収支均衡を図っていく考えでしたが、想定外の土壌汚染対策に多額の経費を要したため、経営審議会において緊急にバス路線の民間移譲を決断されたと考えますが、新年度予算案に計上された一般会計からの経営安定化補助金をもっと早く支出していれば、市政出前トークでも意見があったように地域住民へ説明して理解を求め、もっと利用していただくなどの取組もできたのではないかと考えます。この間の結論ありきの強引な進め方は、交通局だけではなく、補助金を支出することができた本市も市民のライフラインである公共交通を守る責任が厳しく問われるということは指摘いたします。
 また、鹿児島交通の路線廃止・縮小についての影響については分からないとのことでしたが、他のバス事業者において同様の対応が続けば本市の交通不便地域が広がり、周辺地域の衰退が進んでしまいかねません。今後の現状把握による公共交通ビジョンや交通不便地のエリアの早急な見直し、他都市の共同経営などあらゆる手段を講じることも必要ですが、まさに4月1日の路線廃止から市民のライフラインを守る迅速な対応が必要です。要請は難しいとのことでしたが、市当局や交通局の責任で対応がなされるよう改めて強く要請いたします。
 吉野地域の土地区画整理事業について答弁いただきました。
 私は、議会に押し上げていただいてから12年間、吉野地区について、事業計画の延長ありきではなく、一刻も早く終わらせてほしいと地域住民の皆さんの声を届けてきました。使用収益の開始や清算事務が残るものの、新年度で工事概成を迎えることは感慨深いものがあります。当局からこの間の課題や総括も答弁いただきましたが、私は吉野地区が何度も事業期間を延長したことが地域住民の大きな負担になったことを踏まえ、事業を一度開始したら計画どおり終わらせる当たり前のことこそが一番の教訓だと考えますので、これから始まる吉野第二地区で生かしていただくよう要請いたします。
 また、吉野第二地区は、先ほど質疑した内容に加え県養護学校跡地の本格的な活用など、吉野地区とは異なる課題を背負ってのスタートとなりますので、地域住民の負担は極力軽減し、住民本位のまちづくりに努めていただきますよう強く要請いたします。
 以上で、私の代表質疑の全てを終わります。