◆(たてやま清隆議員) 日本共産党市議団の一人として個人質疑を行います。
 下鶴市長、このパネルを御覧ください。
 8月11日、天文館で市民の市政をつくる会が安倍元首相の国葬に賛成か反対かシール投票を呼びかけた結果です。110人が回答して、賛成、24人、22%、反対、80人、73%、どちらとも言えない、6人、5%でした。
 各種世論調査でも明らかなように安倍元首相の国葬に反対する多くの国民世論と法的根拠もなく憲法第14条、法の下の平等と第19条、思想・良心の自由に反する国葬について市長の見解をお示しください。
 答弁願います。
   [市長 下鶴隆央君 登壇]

◎市長(下鶴隆央君) たてやま清隆議員にお答えいたします。
 安倍元首相の国葬につきましては、国民の間で様々な意見があることは承知しておりますが、国におかれましては、8年8か月もの長きにわたり我が国が直面する様々な課題に取り組まれ、内閣総理大臣の重責を担われたその功績などを踏まえ、国葬として閣議決定されたものと認識しております。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 国葬の違憲性への懸念を表明されず、政府の見解を代弁される答弁でした。国民に弔意を強制するものではないと言われていますが、岸田首相は、国葬とは「故人に対する敬意と弔意を国全体として表す儀式」と述べました。国全体には私たち国民が含まれています。下鶴市長は安倍元首相の功績と言われましたが、安倍元首相の政治的評価は国民の間で分かれており、約16億6千万円の血税を使って国葬を強行することは憲法上許されない行為であります。また、反社会的カルト集団、旧統一教会と自民党国会議員との関係性が問われる中、安倍元首相もその一人でした。市長におかれては、9月27日、国葬当日、半旗の掲揚や黙祷の呼びかけはされないよう強く求めて、この質問を終わります。
 新しい質問に入ります。
 本市が世界平和統一家庭連合(旧統一協会)の関連団体が主催する行事をなぜ後援し、そして取り消す事態となったのか。再び同じ問題が繰り返されないように今後どのように対応していくのか明らかにする立場から、以下質問してまいります。
 初めに、本市が後援を取り消した行事について、1点目、行事名と主催及び共催の団体名称及びそれぞれの申請日と承認日。
 2点目、後援を取り消した理由と確認方法も含めてその根拠をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) お答えいたします。
 総務局関係では、ピースロード鹿児島の主催は鹿児島県ピースロード実行委員会、共催は鹿児島県平和大使協議会など、申請日は、令和3年6月9日、4年5月26日、承認日はそれぞれ6月17日、6月13日で、行事終了後一連の報道等を受け調査した結果、宗教団体の関連団体が参画していることが分かり、後援承認基準に抵触するとして取り消したものでございます。
 以上でございます。

◎環境局長(稲田祐二君) お答えいたします。
 環境局関係では、鹿児島未来フォーラム2021の主催は鹿児島県平和大使協議会、申請日は令和3年4月13日、承認日は同月14日でございます。共催はございません。
 行事終了後、一連の報道等から宗教団体の関連団体が主催であったため後援承認基準に抵触するとして取り消したものでございます。
 以上でございます。

◎こども未来局長(遠藤章君) お答えいたします。
 こども未来局関係では、第2回YOUTH FESTIVALの主催はYSP鹿児島、共催は鹿児島県平和大使協議会、申請日は令和3年11月30日、承認日は同年12月3日でございます。
 行事終了後、一連の報道等から宗教団体の関連団体が主催などであったため後援承認基準に抵触するとして取り消したものでございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 後援を取り消した4つの行事の主催、共催団体が報道等を通して旧統一教会の関連団体だと確認したとのことですが、後援申請が行われたとき各行事と旧統一教会の関連団体との関係性についてどのように審査したかが問題です。
 そこで、2点質問します。
 1点目、申請後の審査の進め方と主催団体等の調査方法、ネット検索の有無。
 2点目、初めての行事であるにもかかわらず、主催団体を実質書類のみで審査した理由と環境局では申請の翌日に承認した理由をお示しください。
 以上、答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) 後援に当たりましては、必要書類やイベント内容のホームページを確認するとともに申請者に対し内容等の聞き取りを行っており、初めての行事についてもこれまでに倣って審査してまいりました。
 以上でございます。

◎環境局長(稲田祐二君) 後援に当たりましては、必要書類や行事内容のホームページを確認するとともに申請者に対して内容等の聞き取りを行うなど、初めての行事についてもこれまでに倣って審査いたしました。
 また、今回の場合は主催者が申請書類を直接窓口に持参しており、その場で内容等の聞き取りができ、必要書類の不備もなかったことから承認したところでございます。
 以上でございます。

◎こども未来局長(遠藤章君) 後援に当たりましては、書類審査のみでなく、申請者に対して行事の趣旨や内容、主催団体の概要等の聞き取りを行ったほか、主催団体についてはインターネットで検索を行ったところでございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) ホームページ等でネット検索したとのことですが、申請書類の4つの団体、天宙平和連合(UPF)とピースロード、平和大使協議会、世界平和青年学生連合(YSP)のホームページには旧統一教会の文鮮明が紹介されています。なぜ気づかなかったのでしょうか。ピースロード2021は承認日まで13日間あり、調査する時間は十分ありました。一方、環境局の鹿児島未来フォーラムは翌日に承認しています。環境局の他の行事承認は4日から19日を要しているのに対して、翌日の承認は極めて不自然です。
 では、今回、後援取消しを行う際、主催団体に対して旧統一教会の関連団体との関係性をどのように確認し、どのような回答を得たのかお示しください。
 答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) 先ほど申し上げたとおり、宗教団体関連であることを確認し、後援取消しに当たり主催者団体に宗教団体関連のため取り消す旨電話で連絡いたしました。その際、相手方から、実行委員会はその目的に賛同する有志の集まりで、個々の構成員の思想信条は承知していないとのメール回答がございました。
 以上でございます。

◎環境局長(稲田祐二君) 後援取消しに当たり主催団体に宗教団体関連のため取消しする旨電話で連絡した際、承知する旨の回答がございました。
 以上でございます。

◎こども未来局長(遠藤章君) 後援取消しに当たり主催団体に連絡した際、お触れの団体との関係性について特に異論はなかったところでございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 主催団体は旧統一教会との関係性を一応認めたことになっているようですが、しかし、当局が8月21日、私ども市議団に回答した文書では、ピースロードの主催団体は、ピースロードがスタートした2013年、文鮮明総裁が既に亡くなっており、創設することはあり得ない、こういう回答が示されています。
 しかし、このパネルを御覧ください。
 これは、ピースロード2021の主催団体が県に後援申請する資料に送付されていたPeace Road 2020 in Japan趣旨文と主催者挨拶です。この中で主催者の朴鍾泌九州共同実行委員長が「創設者の文鮮明、韓鶴子総裁の創設趣旨にあるように、1つの神の下で人類1つの家族社会の建設のために共に力を合わせましょう」と挨拶しています。ピースロードが旧統一協会の目的を実現するための取組であることはこれで明らかです。しかし、県はこのような内容の資料が提出されたにもかかわらず、塩田知事がメッセージを出していたことはピースロードに県としてお墨つきを与えたこととなり、極めて問題であります。
 次に、主催団体の申請書類に疑義があるため、その事実確認のために3点質問します。
 1点目、私の調査では、ピースロード2021、2022双方とも、本市に申請した時点では鹿児島県の後援は承認されていないと思いますが、この事実を主催団体に確認することについて見解をお示しください。
 2点目、ピースロードの申請書類に添付されている役員名簿に記載されている5名の市議会議員のうち3名は承諾もなく記載されているとのことです。また、鹿児島未来フォーラムの申請書類には県平和大使協議会の理事として3名の市議会議員が記載されていますが、いずれの方も理事になることについて承知しておらず、説明も受けていないとされています。虚偽申請をただす必要がありますので、申請用紙に貼付されている名簿の事実確認を主催団体にすべきと考えますが、見解をお示しください。
 3点目、こども未来局が承認した第2回YOUTH FESTIVALの主催団体のYSP鹿児島は、世界平和青年学生連合の定款によると地方の支部に当たると思いますが、当局が主催団体の場所、住所を開示しない理由と開示を求めることへの見解をお示しください。
 以上、それぞれ答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) 提出された申請書類の内容確認等については、県承認の事実確認、名簿の事実確認など、より慎重に対応すべきものであったと考えております。
 以上でございます。

◎環境局長(稲田祐二君) 提出された申請書類の内容確認等については、名簿の事実確認など、より慎重に対応すべきものであったと考えております。
 以上でございます。

◎こども未来局長(遠藤章君) 第2回YOUTH FESTIVALの申請書に記載の住所につきましては、代表者個人の住所である可能性があり、個人の権利利益を害するおそれがあるとして開示しなかったところであり、個人情報に該当する可能性がある中においては開示は困難であると考えております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 再質問します。
 ピースロードについて、なぜ主催団体に今申し上げた点を事実確認しないのか再答弁を求めます。
 そして、第2回YOUTH FESTIVALについては主催者に個人の住所であるのか否か確認をすべきではないですか。YSP鹿児島の規約を確認すれば分かることです。
 再答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) 繰り返しになりますが、申請書類の内容確認等については、県承認の事実確認、名簿の事実確認などをそのときはやっておらず、より慎重に対応すべきものであったと考えております。
 以上でございます。

◎こども未来局長(遠藤章君) 団体の住所につきましては、団体が法人登記を行い公示している情報と合致する場合や団体自身が公表している資料等で当該住所を何人も知り得るような場合などに開示しており、主催団体に確認は行わなかったところでございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 総務局は2年連続、ピースロードの申請書類の不備を確認せず、また役員名簿に記載されている市議の事実関係も調査しない、総務局は後援基準に反する後援を承認したわけです。その原因を自らただす必要があるわけです。まずは主催団体に確認してみる、再度検討を求めたいと思います。
 こども未来局の情報の不開示は、今後、第三者機関に判断を求めていきたいと思います。
 次に、主催団体が後援申請を行う際、市議会議員が同席している行事をお示しください。
 答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) お答えいたします。
 今後につきましては、今お触れのことを含めて検討して進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

○議長(川越桂路君) しばらくお待ち願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) 先ほどの答弁に付け加えさせていただきます。
 私のほうで一括してお答えいたします。
 お触れの行事につきましては、ピースロード2021in鹿児島、鹿児島未来フォーラム2021でございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 2つの行事が申請される際、市議会議員が同席していることが明らかになりました。議員の同席が申請書類の審査にどのような影響を与えたかは定かではありませんが、先ほどの塩田知事のメッセージと同様に旧統一協会系のイベントにお墨つきを与えたことになります。また、今回の当局の誤りは市当局に旧統一協会に対する十分な問題認識があれば防げたと思います。
 したがって、後援を当局が承認したことは旧統一協会に対する問題認識の欠如が原因ではなかったかと考えますが、見解をお示しください。
 答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) 今回の後援に当たりましては、お触れのことも一因であったと考えております。
 以上でございます。

◎環境局長(稲田祐二君) 今回の後援に当たりましては、お触れのことも一因であったと考えております。
 以上でございます。

◎こども未来局長(遠藤章君) 今回の後援に当たりましては、お触れのことも一因であったと考えております。
 以上でございます。

○議長(川越桂路君) しばらくお待ちください。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 当局の問題意識が欠如していたことは認められましたが、このパネルを御覧ください。
 これは、1987年5月、霊感商法被害の根絶と被害者救済を目的に結成された全国霊感商法対策弁護士連絡会、略称全国弁連がホームページで公表している旧統一教会とその関連団体75団体のリストです。本市の後援申請書に出てくる4つの団体もここで掲載されています。
 このような情報も踏まえて、再発防止のために旧統一協会とその関連団体を市当局としても把握すべきと考えますが、答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) 今後の後援に当たっては、お触れのことも踏まえて把握するなど、より慎重に後援承認の判断を行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 把握すると理解しましたので、後日その結果を明らかにしてください。
 次に、政府も旧統一協会問題について取組を始めていますので、質問します。
 初めに、法務省の「旧統一教会」問題関係省庁連絡会議について、1点目、同会議の設置目的とメンバー構成及び開催状況。
 2点目、相談集中強化期間の内容と本市の対応について、答弁願います。

◎市民局長(牧野謙二君) お答えいたします。
 お触れの連絡会議は、旧統一教会について社会的に指摘されている問題に関し、悪質商法などの不法行為の相談、被害者の救済を目的として情報を共有するとともに、被害者への救済機関等のあっせんなど、関係省庁による連携した対応を検討するために設置されたもので、法務省、警察庁、消費者庁、総務省などで構成され、これまでに1回開催されております。
 相談集中強化期間は令和4年9月5日から30日までとされ、合同電話相談窓口を開設して集中的に対応するとともに関係省庁においても相互に連携して対応するとされております。本市といたしましては、国からの通知等を踏まえ関係課で連携を図りながら、相談が寄せられた場合、適切に対応してまいります。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 法務省は被害救済に重点を置いた相談に対応していますので、本市のホームページでもぜひ紹介してください。
 次に、消費者庁の霊感商法等の悪質商法への対策検討会の設置目的と開催状況及び本市の対応について、答弁願います。

◎市民局長(牧野謙二君) お触れの検討会は、霊感商法への対応強化を求める社会的な要請が高まっていることを踏まえ、消費者被害の発生及び拡大の防止を図る対策等を検討するために設置されたもので、これまでに3回開催されております。本市におきましては、その状況を注視するとともに関係省庁からの通知等を踏まえ必要な対応を検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 現在、全国弁連の代表を務める山口 広弁護士はその著書の中で、霊感商法とは、霊界の地獄で苦しむ先祖の因縁を開放しない限り不幸になる、幸福になれない、こう言って不当に高額な物を買わせたり、多額の献金などをさせて資金を集める手口だと述べています。
 さきの代表質疑では、本市では旧統一協会の相談はないとのことでしたが、そこで、本市での開運商法(霊感商法)に関する相談及び被害について、市消費生活センターでの平成27年度から令和3年度の相談件数の推移及び平成29年度から令和3年度の救済件数と金額の推移をお示しください。
 答弁願います。

◎市民局長(牧野謙二君) 市消費生活センターに寄せられた開運商法に係る相談件数を平成27年度から令和3年度まで順に申し上げますと、12、2、5、9、5、6、7件でございます。また、救済件数を平成29年度から令和3年度まで順に申し上げますと、3、ゼロ、3、3、1件、救済金額は同様に、41万9千、ゼロ、70万8,552、165万、150万円でございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) ただいま示された相談や被害事例と旧統一教会との関連が不明確であるため、私ども市議団は当局に全国霊感商法対策弁護士連絡会に問合せをして鹿児島での被害の実態の把握を要請しました。本市の回答と本市での被害事例の内容及び類似した相談の有無について、答弁願います。

◎市民局長(牧野謙二君) 要請に対しましては、お触れの連絡会へ問合せを行っている旨の回答をしたところであり、同連絡会からは本市での被害として先祖の供養などのため平成27年頃から数年にわたり多額の費用を支払ったが、後にだまし取られたと知り、全額返還に至った事例があったとの情報提供を受けております。なお、市消費生活センターには類似の相談は寄せられていないところでございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) このパネルを御覧ください。
 全国弁連から情報提供された鹿児島市での被害事例について簡潔な紹介でした。私ども市議団も同じ内容を全国弁連に問合せをして確認していますので、読み上げて紹介いたします。
 「2015年、平成27年4月頃、子どもの病気で悩んでいた被害者は、世界平和統一家庭連合、旧統一教会の信者であり、被害者宅に出入りしていた業者から、「子どもの病気が治るところがあるから」と、ある「ビデオセンター」に誘われました。そして、そのセンターで、家系図を作成され、霊能師役の人からは、先祖供養をするように言われ、先祖の苦しみから救うためには、「霊界解放」が必要と説かれ、被害者は、多額の費用を支払いました。しかし、2018年4月頃、キリスト教の牧師に出会ったことで、旧統一教会のおかしさに気づき、多額の金員をだまし取られたと知りました。その後、弁護団のサポートにより、2019年10月、全額返還で和解解決を図ることができました。その被害合計金額は、260万円でした」、以上です。
 このビデオセンターの場所に私は行ってきましたが、もちろん既にありませんでした。被害者の方は問題に気づくまで3年間を要しています。平成27年当時、類似した相談がなかったとのことですが、問題を認識しないまま多額のお金をだまし取られた方がほかにもたくさんいたのではないかと思います。
 このような旧統一教会の活動に最高裁が決定を下しています。平成13年2月9日の最高裁決定といわゆる「青春を返せ」裁判の内容をお示しください。
 答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) お触れの裁判は、旧統一教会団体側の勧誘等の目的、方法などが不安をあおる、相手の意思を制約するなどとして不法行為と認められたものでございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 旧統一教会とその関連団体による活動は宗教選択の自由を奪い、人格権や財産権を侵害する不法行為であると最高裁が決定を下しているにもかかわらず、平成27年の鹿児島市での被害事例が示すように今なお続けられています。
 この質問の最後に、下鶴市長に質問します。
 旧統一協会及び関連団体の不法行為に対する見解と本市への後援申請や本市の企画参加等について今後関係を絶つように指示をすべきではないかと考えますが、答弁願います。
   [市長 下鶴隆央君 登壇]

◎市長(下鶴隆央君) お触れの団体につきましては、一連の報道等から社会的に問題が生じていると認識しているところであり、今回の一連の後援取消しを踏まえ、今後とも政治的な中立性を確保する政教分離の原則に十分配慮しながら市政運営に当たってまいりたいと考えております。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 答弁いただきました。
 下鶴市長、社会的な問題ではなくて反社会的な問題が起きている、こういう立場で認識を新たにしていただきまして、今後の市政運営に臨まれることを求めて、この質問を終わりたいと思います。
 新しい質問に入ります。
 国保行政について質問します。
 初めに、令和3年度鹿児島市国民健康保険事業特別会計決算について、1点目、前年度より約1億4千万円減少している国保税収の減少の要因。
 2点目、新型コロナウイルス感染症の影響による国保税減免の実績と財源措置について。
 以上、答弁願います。

◎市民局長(牧野謙二君) 令和3年度決算における国保税収については、収納率が上昇した一方で加入世帯数が減少したことなどにより2年度と比べ減少したものでございます。
 3年度の新型コロナウイルス感染症の影響による国保税の減免実績は、233件、4,096万1,700円で、全額国から措置されております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 新型コロナの特例減免による減少分を除くと約1億円の減少ですが、収納率がアップしても税収が減少している最大の要因は世帯数の減少です。しかし、現役世代が減る一方、疾病率の高い65歳以上の前期高齢者の増加によって必然的に上昇する1人当たりの医療費の水準で国や県が市町村に財政負担を求めていることは問題です。
 次に、このような決算を踏まえて、令和5年度の予算編成に向けた課題について3点質問します。
 初めに、長期の国保税の滞納者に交付され医療機関を受診した際、10割負担となる資格証明書について、1点目、令和2年度と3年度の交付世帯数と国保世帯数に占める割合及びその収納率向上への効果。
 2点目、コロナ禍での資格証明書の交付世帯の受診状況。
 3点目、仙台市、名古屋市、横浜市の政令市では資格証明書を交付していない理由について、それぞれお示しください。
 答弁願います。

◎市民局長(牧野謙二君) 資格証明書の交付世帯数及び国保世帯数に占める割合は、2年度、1,359世帯、1.74%、3年度、1,378世帯、1.78%で、資格証明書による医療費の支払いが納付相談等に結びついている面もあることから、収納率の向上に一定の効果があるものと考えております。
 資格証明書による受診実績については把握していないところでございます。
 仙台市及び名古屋市においてはコロナ禍において医療機関を受診する機会が損なわれることを防ぐため、また、横浜市においては差押え等の滞納処分を強化することにより収納率の向上を図ることとして資格証明書の交付を行っていないとのことでございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 本市では既に市民の約2割に相当する12万4千人が感染しています。資格証明書の交付世帯の受診状況を把握していないとのことですが、大都市の政令市のようにコロナ禍での受療権を最優先にして資格証明書の交付を中止すべきと考えますが、当局の見解をお示しください。
 答弁願います。

◎市民局長(牧野謙二君) 本市におきましては、被保険者間の負担の公平性を確保する観点から資格証明書の交付は必要な制度であると考えておりますので、制度の運用に当たりましては、今後とも法令等に基づき適切に対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 負担の公平化を図るためとのことですが、横浜市では令和元年度から短期保険証の発行も廃止して医療を受けることと滞納徴収することを明確に区別しています。新型コロナの終息が見通せない中、仙台市や名古屋市のように市民の命を守ることを最優先にすべきであり、資格証明書の交付を中止することを再度要請します。
 次に、住民税非課税世帯を対象にした県のこども医療費制度の拡充が本市国保事業費納付金に与える影響額と県の対応について、答弁願います。

◎市民局長(牧野謙二君) 県のこども医療費制度による本市国保事業費納付金への影響額を3年度決算額で試算いたしますと、約2,900万円となります。なお、県においては国に対して減額調整措置制度を廃止するよう強く提案しているとのことでございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 国に対して国保の国庫負担の減額調整措置、いわゆるペナルティーをやめるように要請することは当然ですが、県が補助事業として高校卒業まで拡充したことによって、本市は、来年度、県に納める納付金が2,900万円も増加することになります。本市の負担が増えないように県に財政負担を強く求めるべきです。
 次に、県国民健康保険財政安定化基金の運用方針と本市の対応について質問します。
 初めに、県との協議の場で示された基金運用の考え方と本市が提案した意見をお示しください。
 答弁願います。

◎市民局長(牧野謙二君) 県の基金残高約72億円のうち財政調整に活用可能な額は約38億円で、県全体での1人当たり国保事業費納付金額の対前年度伸び率が10%を超過した場合に基金を活用する案が示され、本市としては率の引下げを県に求めたところでございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 県の1人当たり平均の納付金が前年度比10%を超えた場合、基金を活用する考え方が示され、本市は10%引き下げるように提案したとのことです。
 そこで、県の1人当たり平均国保事業費納付金額と前年度比の推移と本市の1人当たり平均国保事業費納付金額と前年度比の推移、平成30年度から令和4年度の推移をそれぞれお示しください。
 答弁願います。

◎市民局長(牧野謙二君) 県全体の1人当たり国保事業費納付金額は、制度が開始された平成30年度が12万4,094円で、令和元年度から4年度までの同納付金額及び対前年度比率を順に申し上げますと、13万3,110円、7.3%の増、14万6,110円、9.8%の増、13万2,044円、9.6%の減、13万6,175円、3.1%の増となっております。
 本市の同納付金額は、平成30年度が12万7,930円で、令和元年度から4年度までの同納付金額及び対前年度比率を順に申し上げますと、13万9,196円、8.8%の増、15万1,440円、8.8%の増、13万6,835円、9.6%の減、14万2,284円、4.0%の増となっております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) これまでの県の納付金の推移を見ると10%を超えたことが一度もないことが明らかになりました。これでは活用できる38億円の基金が1円も活用されないことになります。
 本市が県に10%の引下げを求めていることは当然だと思いますが、今後どうしていくのか、11月の仮算定に向けた県のスケジュールと本市の意見を反映させるための今後の取組内容をお示しください。
 答弁願います。

◎市民局長(牧野謙二君) 県のスケジュールでは10月中に関係部会の市町村の実務者レベルでの協議が行われ、11月中旬に全市町村の担当課長で構成する会議が開催された後、仮算定を示す予定とのことでございます。本市としては引き続き関係会議等において要請を行ってまいります。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 11月、県の仮算定が示されてからでは遅いと思います。仮算定が示されるまでに基金が活用されるように各面からの取組の強化が必要と考えますが、答弁願います。

◎市民局長(牧野謙二君) 本市におきましては、今後、県内全市の国保主管課で構成される協議会で基金の有効活用を県に要望することについて働きかけを行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 本市がイニシアチブを発揮して、全市が一致して県に要求してください。しかし、私が入手した県の資料では、県の案でまとめたとあり、10%下げてほしいという本市の意見は反映されていません。昨日の県議会の質疑でも県当局は県の案で了承されたと答えています。したがって、各面からの取組の一環として下鶴市長も県市長会に働きかけ、市長会として県に要請していただきたいと思います。その点も強く要請して、この質問を終わります。
 新しい質問に入ります。
 中小業者を苦しめることになるインボイス制度について質問します。
 初めに、2022年7月21日、日本商工会議所の2023年度中小企業・地域活性化施策に関する意見・要望の中から、1点目、基本的考え方で述べている内容。
 2点目、消費税インボイス制度導入に関する要望項目の内容。
 以上、それぞれお示しください。

◎総務局長(枝元昌一郎君) 基本的考え方では、消費税インボイス制度の導入に関する周知徹底と十分な検証を求めるものとされております。
 要望項目は、制度の導入に際し免税事業者に対する検証と周知等の徹底、事業者の事務負担などの軽減や支援策、導入時期の延長などでございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 新型コロナの長期化に加え、円安による物価高騰など、多くの中小業者が経営の先行き見通しが厳しいという認識であり、インボイス制度の導入延期を求めています。
 日本商工会議所は、昨年に続き今年も5月から6月にかけて調査に取り組み、3,771件の回答が寄せられ、9月8日、消費税インボイス制度等に関する実態調査結果を発表していますので、その内容について質問します。
 まず、全体と売上高1千万円以下の事業者ごとに1点目、「インボイス制度導入に向けて特段の準備を行っていない」の割合。
 2点目、既にインボイス発行事業者登録申請を行った事業者の割合をそれぞれお示しください。
 次に、3点目、インボイス制度導入に向けた課題の上位4項目の割合。
 4点目、課税事業者が免税事業者との取引を見直す割合とインボイス発行事業者になるよう要請する割合。
 以上、答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) 特に何もしていない割合、登録申請をした割合を順に申し上げますと、全体では42.2、10.5%、売上高1千万円以下の事業者では60.5、1.6%とされております。
 課題の上位4項目の割合は、「制度が複雑でよく分からない」、47.2、「請求書等の様式変更」、35.5、「仕入れ先が発行事業者か確認」、26.0、「受け取った請求書等の要件確認」、19.7%とされております。
 次に、「免税事業者との取引を見直す」割合は28.4、そのうち「発行事業者になるよう要請する」は64.8%とされております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 調査結果の一部を示していただきましたが、インボイス発行事業者の登録申請が全体の10.5%にとどまっているという事実は同制度に対して事業者の納得がいかに得られていないかというあかしでもあります。
 そこで、前年の調査結果と今回の実態調査結果に対する市当局の見解をお示しください。
 答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) 調査結果を比較すると前年より割合が減ってきているものの、小規模な事業者ほど準備が進んでいないようでございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 前年と比較すると周知が進む一方、小規模事業者の問題点や課題も一層明確になってきていると思います。
 次に、インボイス制度への本市の対応について質問します。
 初めに、地方公共団体等のインボイス発行事業者登録申請と本市の対応状況をお示しください。
 答弁願います。

◎企画財政局長(橋口訓彦君) お答えいたします。
 本市がインボイスを発行するためには一般会計と特別会計それぞれの会計で4年度末までに発行事業者としての登録を行う必要があり、交通事業や水道事業など5会計が申請済みで、その他の会計は現在検討中でございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 2023年3月末が登録申請の締切りですが、それまでには本市も登録申請を終えるようです。
 では、次に、一般会計、特別会計、企業会計ごとに今後の本市の対応を質問します。
 まず、一般会計の場合について、1点目、適用される特例の内容。
 2点目、本市が売手となる場合のインボイス発行の事例。
 3点目、本市が買手となる場合のインボイス発行の有無。
 以上、答弁願います。

◎会計管理室長(小林拓史君) お答えいたします。
 一般会計は、消費税法上、売上げと仕入れの消費税額を同額とみなすこととされており、消費税の申告義務が免除されております。
 本市が売手となりインボイスを発行するのは、本市が商品販売やサービス提供を行い相手方が仕入れ税額控除の適用を受けようとする場合であり、財産の売却代金などがございます。
 本市が買手となる場合、インボイスの発行は求めないものと考えております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 一般会計では本市からインボイスの発行を求めることはないとのことですが、昨年の第4回定例会の質問では、国や他都市の動向を調査し検討すると答弁されていた免税事業者が多数と思われる小規模修繕希望者登録業者に対してインボイスの発行を求めるのかという点について、答弁願います。

◎企画財政局長(橋口訓彦君) 小規模修繕希望者登録業者に対してインボイス発行は求めないことになると考えております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 一般会計についてはという前提があると思いますが、小規模修繕希望者登録業者に対して発行を求めることはないということは確認いたします。
 ただし、特別会計については課題が残されています。
 そこで、次に、特別会計の場合について、1点目、適用される特例の内容とインボイス制度の影響を受ける本市の特別会計。
 2点目、本市が売手となる場合のインボイス発行の事例。
 3点目、本市が買手となる場合、インボイス発行を求める場合の事例。
 以上、それぞれお示しください。
 答弁願います。

◎会計管理室長(小林拓史君) 特別会計は、消費税法上、その特別会計が行う資産の譲渡等の対価の合計額のうち一般会計に対して行う資産の譲渡等の対価の合計額に占める割合が95%以上である場合、みなし一般会計として消費税の申告義務が免除されております。また、本市の特別会計においては中央卸売市場特別会計が発行事業者として登録済みで、その他の会計は現在検討中でございます。
 本市が売手となりインボイスを発行するのは相手方が仕入れ税額控除の適用を受けようとする場合であり、使用料などがございます。
 本市が買手となる場合、インボイス発行を求める事例といたしましては、物品の購入などがございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 一部の特別会計では消費税申告の義務があることから、本市が買手となる場合、相手にインボイス発行を求める場合があることが明らかになりました。
 次に、現在も消費税申告の義務がある公営企業の令和3年度決算の消費税納税額とその算出方法等の消費税の決算上の取扱いと各公営企業の取引業者への周知と免税事業者への対応について、市立病院、船舶局、交通局、水道局それぞれの場合についてお示しください。
 答弁願います。

◎副市長(松枝岩根君) お答えいたします。
 交通局における消費税及び地方消費税につきましては、収入に係る仮受け消費税から支出に係る仮払い消費税などを控除する計算を行い、令和3年度決算の納付税額は1億911万9,700円でございます。
 次に、取引業者への周知については適切に取り組んでまいります。また、免税事業者への対応については今後検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◎水道局長(鬼丸泰岳君) お答えいたします。
 水道局における消費税及び地方消費税につきましては、交通局と同様の算出方法により水道事業特別会計の3年度決算の納付税額は4億3,962万400円、公共下水道事業特別会計は1億3,155万2,600円でございます。また、工業用水道事業特別会計につきましては、免税事業者のため納付はございませんでした。
 次に、インボイス制度の取引業者への周知については適切な周知・広報に取り組んでまいります。また、免税事業者への対応については引き続き検討してまいります。
 以上でございます。

◎船舶局長(有村隆生君) お答えいたします。
 船舶局における消費税及び地方消費税につきましては、交通局と同様の算出方法により3年度決算の納付税額は7,868万9千円でございます。
 次に、取引業者への周知については適切に取り組んでまいります。また、免税事業者への対応については今後検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◎病院事務局長(尾堂正人君) お答えいたします。
 市立病院における消費税及び地方消費税については、交通局と同様の算出方法により3年度決算の納付税額は2,578万5,500円でございます。
 取引業者には適切な周知・広報を行うとともに免税事業者の対応については今後検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 4つの公営企業が税務署に納めた消費税納税額が合計で約7億8千万円であることが明らかになりました。
 各公営企業が取引をしている事業者、とりわけ免税事業者への対応については今後の検討課題とのことですが、免税事業者に対して著しく低い取引価格を一方的に設定したり、それに応じない相手との取引を停止する行為は独占禁止法上問題になるおそれがあることは指摘しておきたいと思います。そもそもインボイス制度を導入する政府の狙いは年間売上げ1千万円以下の消費税の免税事業者をインボイス発行事業者にして消費税の納税義務者にすることです。
 そこで、免税事業者がインボイス制度で直面する問題について質問します。
 1点目、インボイス発行事業者に登録することによって税負担が増えることについて。
 2点目、課税事業者との商取引から排除されることによって廃業の危機に直面することについて。
 3点目、課税事業者からの取引価格の値下げ要求により営業困難に陥ることについて、それぞれ見解をお示しください。
 答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) インボイス制度は複数税率の下で適正な課税を確保するために必要であると考えておりますが、一方的な排除や値下げの要求は独占禁止法などで問題であり、国において取引環境の整備にさらに取り組まれるべきものと認識しております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 先ほどの日本商工会議所の調査では、免税事業者の62%が「消費税負担により資金繰りが苦しくなる、厳しくなる」と答え、44.8%が「消費税分の価格転嫁が難しく利益が減少する」と回答、4.2%が「廃業を検討する」と答えています。本市の地域経済を守るためにインボイス制度が本市の免税事業者に及ぼす影響調査を行い、その問題点について国に提言を行うとともに、市独自の支援策を検討すべきと考えますが、答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) 国は各団体の意見等を踏まえて対策に取り組んでおり、市独自の調査や提言を行うことは考えていないところでございます。本市は現行の小規模事業者ICT導入促進支援事業等による支援や周知・広報に努めてまいります。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 国のメニューだけでなく、本市が国にインボイスの制度の中止を求める考えがないのであれば、影響調査を行い免税事業者が営業を継続できるように市独自の支援策を検討することが市の責務であるということを申し上げ、この質問を終わります。
 新しい質問に入ります。
 代表質疑で待機児童について質疑が交わされた保育行政について質問します。
 初めに、第1回定例会で質疑した保育士の処遇改善について質問します。
 まず、補助事業による処遇改善の実績について、1点目、補助事業の対象施設数と申請施設数及び月ごとの補助金総額の推移。
 2点目、保育士の配置基準が1人未満の補助基準額の算定。
 3点目、申請施設の保育士総数と公定価格の配置基準に基づく保育士総数。
 以上、それぞれお示しください。
 答弁願います。

◎こども未来局長(遠藤章君) 保育士等処遇改善補助金は令和4年2月から9月までを対象期間としており、実績が確定した3年度の2か月分の対象施設数及び申請施設数はいずれも178施設でございます。3年度の補助金額は約8,514万円、ひと月当たりの額は4,257万円でございます。
 本補助金の補助基準額において保育士の配置基準上での必要数が1人未満の場合どのように算定されているかにつきましては国から示されていないところでございます。
 本補助金は非常勤を含む施設で勤務する全ての職員が対象となり、本補助金を受けた保育士を含む職員数は4,793人ですが、本補助金の補助基準額において公定価格の配置基準に基づく保育士数をどのように算定しているかにつきましては国から示されていないところでございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 公定価格に基づく保育士の補助基準が依然として国から示されていないのは問題ですが、対象となる全ての178施設から申請があり、月額で推計すると1施設平均約27人の職員に約24万円の賃金改善が行われたことになります。
 そこで、国が求めた月額9千円の賃上げの評価と課題認識についてお示しください。
 答弁願います。

◎こども未来局長(遠藤章君) 対象施設の全てが本補助金を受け職員の賃上げを行ったことで保育士等の処遇改善が図られたものと考えております。施設によっては対象職員の範囲などに違いが生じたことは課題の1つであると考えております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 1人平均月額約9千円の改善が行われたことは評価しますが、私はパートの保育士の方から自分が務める施設では賃上げが行われていない、このような相談を受けていますので、その点は問題だということは指摘いたします。
 次に、10月からの処遇改善について、1点目、10月からの国の方針と本市の対応及び財政負担。
 2点目、法人役員が園長以外の職員を兼務している場合の対応。
 3点目、パート等の非常勤の保育士の処遇改善の担保。
 以上、それぞれお示しください。
 答弁願います。

◎こども未来局長(遠藤章君) 国は、4年10月からの公定価格を改め新たな処遇改善加算を設ける予定であり、本市におきましては、公定価格の見直しに係る措置が示され次第、速やかに対応することとしております。財政負担は国が2分の1、県と市がそれぞれ4分の1となる見込みでございます。
 法人役員が施設長以外の職員として勤務している場合、加算の対象となる見込みでございます。
 非常勤の保育士につきましても加算の対象となる見込みですが、具体的な対象職員やその賃金改善額については施設の判断により決定される取扱いとなる見込みでございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 9月までは全額国の補助による処遇改善が、10月から公定価格になると市の財政負担が増え、先ほどの実績から私の試算では毎月1千万円の負担増となります。また、法人役員と職員の兼務は処遇改善の対象とのことですが、勤務実態のない法人役員への加算はやめるべきです。
 また、パートの保育士の処遇改善は施設長の判断とのことですが、全ての保育士の処遇改善を保障するための対策を講じるべきと考えますが、答弁願います。

◎こども未来局長(遠藤章君) 4年2月からの本補助金や10月からの公定価格の加算新設は3年11月の国のコロナ克服・新時代開拓のための経済対策における分配戦略として実施されていることから、保育士全体の処遇改善を図るためには、今後、国において施設の判断に任せるのではなく、全ての保育士を対象として実施することなどが考えられるところでございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 国に対策を求めると同時に、全施設にパートを含む全職員の処遇改善を行うように通知を発出してください。
 次に、待機児童の要因を分析するために14地区ごとの未就学児に占める利用定員数と利用児童数の割合について質問します。
 1点目、全ての保育所等の利用定員数と利用児童数。
 2点目、市立保育所の利用定員数と利用児童数、以上、それぞれお示しください。
 答弁願います。

◎こども未来局長(遠藤章君) 令和4年4月1日現在の各区域の未就学児数に対する認可保育所等の利用定員数の割合、利用児童数の割合を順に申し上げますと、中央、29.7、25.8、上町、58.0、56.3、鴨池、43.5、42.2、城西、39.2、37.9、武・田上、50.2、47.6、谷山北部、44.5、40.1、谷山、47.2、47.1、伊敷、45.4、43.3、吉野、39.9、39.7、桜島、120.0、68.0、吉田、88.1、87.4、喜入、61.0、58.5、松元、34.9、36.2、郡山、55.6%、56.3%でございます。
 次に、同時期の各区域の未就学児数に対する市立保育所の利用定員数の割合、利用児童数の割合を順に申し上げますと、中央、7.1、5.2、上町、7.5、4.7、鴨池、6.1、4.8、城西、2.9、2.8、武・田上、ゼロ、ゼロ、谷山北部、3.1、3.0、谷山、ゼロ、ゼロ、伊敷、ゼロ、ゼロ、吉野、ゼロ、ゼロ、桜島40.0、8.0、吉田、23.6、17.9、喜入、ゼロ、ゼロ、松元、ゼロ、ゼロ、郡山、17.9%、17.1%でございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 未就学児童数に占める保育の利用定員数及び利用児童数の全体の平均比率は約45%ですが、低い比率の地区順に申し上げますと、中央、松元、城西、鴨池、谷山北部のうち4つの地区で27人の待機児童が発生しています。一方、市内には11の市立保育所があります。既に50%以上の比率である喜入は除きますが、松元、吉野、谷山、伊敷、武・田上が市立保育所ゼロ地区ですが、このうち3つの地区で109人の待機児童が発生し、谷山地区が最大の102人です。なぜ谷山北部と谷山の2つの地区に待機児童が集中しているのか、それは保育の受皿不足の要因として市立保育所の占める比率が低いからだと考えています。
 そこで、市立保育所について質問します。
 1点目、過去5か年の市立保育所の利用定員数及び保育士数の推移。
 2点目、正規の保育士の定年を除く退職数と採用及び受験者数の推移。
 3点目、正規の保育士の新卒、30歳、40歳のモデル賃金と民間との比較。
 以上、それぞれお示しください。
 答弁願います。

◎総務局長(枝元昌一郎君) お触れの退職者数等は、平成29年度から令和3年度まで順に、退職者、6、2、4、1、4人、採用者、3、11、6、11、4人、受験者、19、23、31、20、25人でございます。
 また、本市の保育士の給料月額は短大卒の場合、初任給、30歳、40歳の順に、16万5,900円、24万5千円、30万9,600円で、県内の民間保育士は令和3年統計調査で平均年齢42.1歳で平均給与月額23万2,900円でございます。
 以上でございます。

◎こども未来局長(遠藤章君) 直近5年間の各年4月1日現在の市立保育所の利用定員数はいずれも890人、保育士定数は、平成30年、90、令和元年、90、2年、92、3年、93、4年、93人でございます。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 市立保育所の定員総数は890人のまま5年間変化せず、正規の保育士もほとんど増えていませんが、中途退職が少なく、採用数を大幅に上回る応募が多いのは処遇面での評価が高いからです。一方、この5年間、民間の認可保育所等は436人分の定員を増やしていますが、保育士が確保できないので定員を減らしたいという意見もあります。谷山地域での保育の受皿を確保するために本市が直接責任を果たすときではないでしょうか。
 そこで、谷山地域での市立保育所の定員増及び増設についての当局の課題認識をお示しください。
 答弁願います。

◎こども未来局長(遠藤章君) 今後の受皿の確保につきましては、現在取り組んでいる第二期鹿児島市子ども・子育て支援事業計画の中間見直しにおいて保育需要の見込みと受皿の必要数を精査するとともに関係団体等の御意見も踏まえながら効果的な対策を検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   [たてやま清隆議員 登壇]

◆(たてやま清隆議員) 下鶴市長は「2年後には必ず待機児童をゼロにする」と断言されました。しかし、谷山地域での市立保育所の定員増及び増設については課題認識そのものを示されませんでした。効果的な対策を検討すると言われましたが、児童福祉法第24条第1項には、保育を必要とする場合においては保育所において保育しなければならないと定めています。131人の待機児童が発生していることはこの義務を本市が果たしていないことになります。
 したがって、この公的責任を果たすためには本市自らの責任で公立保育所の定員増と増設について検討する課題があってしかるべきと考えますので、引き続きこの問題を取り上げていくことを申し上げ、私の個人質疑の全てを終わります。