◆(大園たつや議員) 日本共産党市議団の一人として個人質疑を行います。
安倍政権が新型コロナウイルスの感染拡大に対応するとして編成した2020年度の第2次補正予算が成立しました。補正予算には、医療、雇用、中小業者、学生への支援などで一定の拡充策が盛り込まれました。第1次補正予算における1人10万円の給付金の実現や法解釈をねじ曲げて定年延長を図る検察庁法改正案がツイッターデモを背景に撤回されるなど、まさに国民世論の力が政治を動かしていると感じます。
新型コロナウイルスの感染拡大は、政治への関心だけではなく、世界の在り方そのものについての議論も高めることになりました。大企業のもうけを何よりも優先する新自由主義、市場原理社会など利潤第一の社会では人の命は守られないことが浮き彫りとなり、命と暮らしを守る社会はどうあるべきかが問われています。
このような中、4月の市議選に続き、県知事選、市長選とコロナ禍の下での新しい鹿児島の将来を占う選挙が行われることから、最初の質問は、現県知事のこども医療費助成制度についての公約とそれに対する市長の評価について、以下伺ってまいります。
質問の1点目、三反園 訓鹿児島県知事は、4年前の県知事選で、こども医療費助成制度は窓口での一時払いを完全ゼロにしますとの公約を掲げましたが、平成30年度の制度の充実では、非課税世帯の未就学児のみ立替払いをなくすにとどまりました。全国では国が立替払いをなくした自治体に対して行っている国保会計への補助金の減額、いわゆるペナルティーを未就学児に限って廃止したことから、これまで償還払いを採用していた地方公共団体も含む全ての都道府県が何らかの形で現物給付方式を導入しました。しかしながら、本県のように、現物給付など給付方式に年齢制限ではなく所得制限をかけている都道府県がほかにあるものか、数と都道府県名をお示しください。
質問の2点目、これまでの本会議での質疑で今後の県の制度充実が来年4月に高校卒業までの非課税世帯に立替払いをなくす方針であることが明らかになっていますが、県知事の公約である完全ゼロはいつ実現するのか、進捗に対する市長の評価をお示しください。
質問の3点目、市長には本会議の場で何度も何度も答弁をいただいておりますが、県市長会の要望としては、中学校卒業まで所得にかかわらず病院窓口で立替払いのない無料の制度のはずですが、そのとおりに進まない県知事との連携について課題をお示しください。
質問の4点目、コロナ禍の下、日本経済や地域経済への打撃は子育て世帯の生活困窮につながり、受診抑制はさらなる感染拡大を引き起こす可能性があり、立替払いをなくして、お金の心配なく病院に通うことができる環境づくりは喫緊の課題です。小児の受診抑制が経済的なものから生じないために、病院窓口での負担ゼロは県、市共通の緊急を要する課題であることの認識をお示しください。
以上、答弁願います。
[市長 森 博幸君 登壇]
◎市長(森博幸君) 大園たつや議員にお答えをいたします。
知事は公約として、こども医療費助成制度の窓口での一時払いの完全ゼロを掲げており、平成30年10月から住民税非課税世帯の未就学児を対象にするなど、公約の実現に向けて一定の取組はされているものと理解をいたしております。
私は、これまで県に対しましては、県市長会等を通じて、市町村への財政措置等にも十分に配慮しながら、所得制限を設けることなく中学校卒業までの医療費の窓口負担解消の実現に取り組んでいただくよう要望をいたしております。このことは、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中においても、県、市が取り組むべき共通の課題であると認識をいたしております。県に対しましては、窓口負担解消の早期実現に取り組んでいただくよう、引き続き要望をしてまいりたいと考えております。
◎こども未来局長(吉田幸一君) お答えいたします。
こども医療費助成制度の現物給付の対象につきまして、年齢制限ではなく非課税世帯のみとする所得制限をかけている都道府県について調査したところ、鹿児島県のみであるようでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
4年前、こども医療費完全ゼロの公約を掲げた県知事の誕生に、この運動に携わってきた皆さんや多くの子育て世帯の皆さんが期待したのは事実です。しかし、現県知事は、ほかにも子育て支援策をたくさんやっている、政治は難しいなどと述べて、立替払いなしを一部の児童にとどめた上、今後は自治体に負担を強いる形での充実を検討しており、市長としても意思疎通に苦慮されたのではないかと思います。しかしながら、公約は誰かがしてくれるではなく、自分がどうするかを市民に約束するものです。市長は、日頃から子育て支援を最重要施策と位置づけ、選挙では県知事と同様の公約をしたにもかかわらず、全国の自治体の中で遅れた制度になってきている現状にあっても、今任期中一度たりとも独自の充実はされませんでした。この公約はコロナ禍の下、本市の子供たちの命を守る緊急の課題であることを改めて申し上げ、残りの任期の中で御努力が目に見える形でなされますよう強く要請いたします。
新しい質問に入ります。
税、手数料の滞納による差押えの本市の対応については、これまで特に連絡が取れない方について通帳の預金から目いっぱい差し押さえる対応となっており、生活に困った市民からの相談が相次いでいたことから、本会議で質疑を交わしてまいりました。
コロナ禍の下で市民生活が深刻な影響を受けていることもあり、差押えに当たっても生活困窮に陥らない対応を求める立場から、以下伺ってまいります。
まず、令和2年度の預金債権への対応について、質問の1点目、給与債権については、国税徴収法施行令第34条で、世帯主10万円、世帯に属する人員1人4万5千円を残す差押限度額が示されていますが、全国ではこの取扱いを預金債権にも行っている事例があることから、当局にも同様の対応を求めてきました。令和2年度の取組として、これまでの対応や根拠とする判例の違いがあるのかお示しください。
以上、答弁願います。
◎総務局長(松枝岩根君) お答えいたします。
預金債権等の差押えについては、国税徴収法の規定も踏まえた上で、滞納者の生活状況等を勘案し、適切に対応しているところでございます。近年出された判決では、これまでの判例に基づき、給与等が振り込まれた預金債権は直ちに差押禁止債権とするものではないとしつつも、最低限の生活を維持するために必要な費用等について差押えを禁止した趣旨は尊重されるべきであるとされたものでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
昨年来、他都市の事例を紹介して改善を求めてまいりましたが、根拠とする判例が変わり、具体的にどのような対応がなされているのか伺います。
質問の2点目、これまで当局は、通帳の預金を目いっぱい差し押さえる理由について、金融機関での調査では預金残高しか分からず、年金なのか給与なのか、どのようなお金なのか判別ができないためと述べてきました。しかし、このような対応では、差押禁止財産となっている特別定額給付金等を差し押さえてしまう懸念があります。そこで、当局の具体的な取組をお示しください。
以上、答弁願います。
◎総務局長(松枝岩根君) 差押えに当たっては、預金等の取引履歴の調査を行い、振込の内容を確認しているところでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
今後は預金残高のみでなく取引履歴を確認するようになったことから、どのような種類の収入を得ているのか判断ができるものと理解します。
質問の3点目、今回の改善は連絡が取れない滞納者の実態をつかみ、最低生活費に配慮し、生活再建につなぐ差押えの在り方に道を開くものでありますが、これまでの質疑を踏まえ、実態はどのように推移しているのか、直近の令和2年1月から5月までの各月ごとの市税における差押件数と金額を前年同月比でお示しください。また、その特徴についてもお示しください。
以上、答弁願います。
◎総務局長(松枝岩根君) 令和2年1月から5月における市税の差押件数、金額及び件数の前年同月比を順に申し上げますと、1月、645件、2,215万円、マイナス1%、2月、653件、2,788万円、マイナス19%、3月、614件、6,208万円、プラス4%、4月、223件、521万円、マイナス19%、5月、44件、167万円、マイナス91%となっており、4月以降は新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえて対応し、差押件数は減少しているところでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
特に直近の5月については、前年度比91%減と、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言も発令される中、国からの通知やこれまで質疑してきた対応を踏まえ、当局の市民生活に寄り添った取組が実績上も明らかであり、大いに評価するものです。
次に、中小企業や個人事業主へ給付される国の持続化給付金、県の休業等協力金、本市の継続支援金等の取扱いについて、以下伺います。
質問の1点目、これらの給付金等については差押禁止財産となっていないと考えますが、その理由と国の動向をお示しください。
質問の2点目、持続化給付金、休業等協力金、継続支援金等のそれぞれの給付状況を併せてお示しください。
以上、答弁願います。
◎産業局長(鬼丸泰岳君) お答えいたします。
国の持続化給付金及び地方自治体が独自に設けた給付金については、これまで差押禁止の法律が整備されていなかったことから、去る6月8日にそれぞれの差押えを禁止する法案が衆議院に提出されているようでございます。
それぞれの給付状況につきましては、報道等によりますと、国の持続化給付金は6月12日現在、全国で約140万件、県の休業等協力金は6月4日現在、県内で約2千件、県の事業継続支援金は12日現在、県内で184件、本市の事業継続支援金は12日現在、582件でございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
中小企業や個人事業主への行政からの給付金等は差押禁止財産となっていないにもかかわらず、既に一定の給付が始まっており、差し押さえられた市民がいるのではないかと懸念するところです。
そこで、質問の3点目、国の持続化給付金は、感染症拡大による営業自粛等により特に大きな影響を受ける事業者に対して、事業の継続を支え、再起の糧としていただくためとの趣旨がありますが、滞納があるからといってこのような給付金等を差し押さえては、なりわいも地域経済の再起も成り立たなくなってしまいます。差押禁止の法整備を待っていては、せっかくの給付金が差し押さえられてしまう懸念があります。給付金等の趣旨を踏まえて差押えはやめるべきと考えますが、本市の対応をお示しください。
以上、答弁願います。
◎総務局長(松枝岩根君) 新型コロナウイルス感染症対策に係る給付金等につきましては差押えはしていないところでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
差押えしていない、今後もしないというふうに確認をしたいと思います。コロナ禍における本市の差押えについての対応を伺ってまいりましたが、今後も地域経済の冷え込みや市民生活の困窮は長期的になることも考えられます。
そこで、今後も原則的には、連絡が取れずにやむなく差し押さえる場合であっても、預金債権を国税徴収法施行令第34条の給与債権の属性を承継して、当初から差押限度額を控除する取扱いを実施すべきと考えますが、見解をお示しください。
以上、答弁願います。
◎総務局長(松枝岩根君) 督促状発送後、一定期間を過ぎても納付がない場合は、法により差押えをしなければならないとされており、税負担の公平性を図る観点からも厳正な滞納処分は必要と考えておりますが、給与や年金が振り込まれる預金口座の差押えにつきましては、最低生活費相当額を控除するなど、生活維持が困難とならないよう、適切な対応を図っているところでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
初めから最低生活費を控除する、つまり残すということを明言されたと理解します。当局におかれましては、今後とも市民生活の再建を重視した取組を進めるとともに、一方で、税負担の公平性の観点から、払える余裕があるにもかかわらず滞納を繰り返す悪質な者については毅然とした対応をされますよう要請し、この質問を終わります。
新しい質問に入ります。
新型コロナウイルス感染拡大における緊急事態宣言下の認可、認可外等の保育施設の登園自粛の影響と対応について、以下伺ってまいります。
まず、登園を自粛した家庭ではどのような影響があったのか。保育施設等の行事、運動会を早めに実施する園や健康診断などは中止や延期になったものか、影響についての認識をお示しください。
以上、答弁願います。
◎こども未来局長(吉田幸一君) 登園自粛による家庭への影響については把握しておりませんが、保育施設等においては、運動会の中止や健康診断の実施方法を変更した施設もあったようでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
家庭での影響は把握していないとの答弁でしたが、認可、認可外問わず、児童や家庭への心のケアなどの支援はもとより、行事等の再設定などに頭を悩ませる園へのフォローなど、当局としても取り組まれるよう要請いたします。
次に、保育施設等への具体的な影響について、認可、認可外、それぞれの状況を伺ってまいります。
質問の1点目、登園自粛した施設や児童の状況について、保育料の負担がある世帯の特徴と保育料額及び児童数をお示しください。また、登園を自粛した施設数や児童数などを把握しておられれば併せてお示しください。
以上、答弁願います。
◎こども未来局長(吉田幸一君) 保育料の負担が生じるのは市町村民税が課税されている3歳未満児の世帯であり、認可保育所等における保育料の5月の総額は約1億500万円、児童数は約4,400人となっておりますが、認可外保育施設の保育料額や児童数については把握していないところでございます。なお、認可保育所等の登園自粛期間中の欠席児童数などにつきましては、現在、施設に確認を行っているところでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
保育料を負担している対象は4,400人とのことですが、登園自粛の実態把握はこれからのようです。問題は、現在の保育料無償化の下でも保育料を負担している世帯があり、登園を自粛したにもかかわらず、場合によっては満額の保育料を支払っているということです。また、認可外保育施設も同様と考えます。
質問の2点目、一方で、施設の運営費等への影響について、その認識をお示しください。また、補償についての考え方をお示しください。
以上、答弁願います。
◎こども未来局長(吉田幸一君) 施設運営への影響でございますが、認可保育所等においては、在籍する児童数に応じた施設型給付費の支給により影響はないところでございます。認可外保育施設において、利用日数に応じて保育料が生じる場合は影響があったものと考えておりますが、一定の売上げが減少した場合には、国の持続化給付金や本市の事業継続支援金の対象となるところでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
認可施設については、市からの施設給付費で運営への影響はないようですが、認可外保育施設については、民間の企業として国の持続化給付金等を受けることで補償がなされるようです。
そこで、質問の3点目、認可外保育施設にはしっかりこの補償の考え方の周知が図られているのか。また、給付金を申請したのか、相談は寄せられなかったのか、実態をつかんでおられればお示しください。
以上、答弁願います。
◎こども未来局長(吉田幸一君) 認可外保育施設に対しましては、本市の事業継続支援金について周知したところでございますが、個別の申請状況については把握していないところでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
持続化給付金だけでなく、市の継続支援金、雇用調整助成金等、受けることができる支援については余さず施設にお知らせいただき、職員が少数の施設も多いので、事務手続などの援助も要請いたします。
次に、登園自粛における保育料等の負担については先ほど伺いましたが、その返還については、国からの要請で認可、認可外問わず、登園を自粛したにもかかわらず、認可外保育施設だけ保育料が返還されないのはおかしいと自治体や国に負担軽減を求めるネット署名が広がっていることから、本市の対応について、以下伺います。
質問の1点目、登園自粛と保育料等の返還についての国の考え方と財源及び見込みをお示しください。
以上、答弁願います。
◎こども未来局長(吉田幸一君) 国は、認可保育所等において、市町村が登園自粛要請を行った場合は保育料を日割計算することとしており、その財源については、施設型給付費の負担割合に応じて国及び地方公共団体が負担することとしております。また、本市における保育料の減免額につきましては、現在、調査を行っているところでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
国は、登園自粛期間中の各月の保育料について軽減額を算定して返還する指示を出していますが、対象は認可施設のみとなっています。認可外保育施設においては、認可保育施設と同様の対応が取られなかった場合に園独自で返金に応じると、施設側が経営難に追い込まれる可能性があり、また、登園自粛に応じた家庭も満額徴収され続けると経済的に苦しくなってしまい、認可外保育施設全体が倒産危機に陥って、本市の保育の受皿を失ってしまう社会問題に発展しかねません。
質問の2点目、認可外保育施設利用者への保育料返還について、本市の考え方と見込みをお示しください。
以上、答弁願います。
◎こども未来局長(吉田幸一君) 国において、企業主導型保育施設での保育料返還の実施が示されましたことから、現在、その他の認可外保育施設における実態について調査を進めているところでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
本市としては、認可外保育施設保育料の独自の返還を検討されているとのことです。私ども党市議団は、これまで認可外保育施設の皆さんと、子供は社会の子としてひとしく健やかに育つ環境を整えるために、認可、認可外の分け隔てのない支援を求めてきたことからも当局の取組を大いに評価するものです。
この質問の最後に、今回の登園自粛における課題と今後に備えての対応についてお示しください。
以上、答弁願います。
◎こども未来局長(吉田幸一君) 今般の緊急事態宣言下では、都道府県により登園自粛期間が異なったことから、他自治体の保育所等を利用する児童の取扱いに課題があったと考えております。今後におきましては、感染状況等を踏まえ、保育機能を維持するための必要な措置を適宜適切に判断する必要があると考えております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
コロナ感染はいつ起こるか分かりません。今後に備えての対応については、早急に構築されるよう要請をいたしておきます。また、保育料等の返還については、全ての保育料を無償化することやこれまで本会議でも提案してきた認可外保育施設保育料も立替払いなしの現物給付を実施することで、緊急事態に陥ったときの子育て世帯の負担軽減につながることも指摘いたしまして、改めて検討されるよう要請し、この質問を終わります。
新しい質問に入ります。
児童虐待防止対策について、新型コロナウイルスの感染拡大による休校や登園自粛、世帯の収入の減少による虐待の増加が懸念されていることから、本市の対応と今後の対策について、以下伺ってまいります。
まず、コロナ禍における児童虐待等のリスクについての当局の認識をお示しください。
また、厚生労働省は、コロナ禍における児童虐待の動向をいち早く速報値で4月まで公表していますが、国、県、市における児童虐待の相談件数と前年度との比較について、令和2年1月から4月まで各月ごとにお示しください。
以上、答弁願います。
◎こども未来局長(吉田幸一君) 国によりますと、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、学校等の休業や外出自粛が継続すると、子供の見守り機会が減少するなど、児童虐待等のリスクが高まるとされております。
国、県、市における児童虐待の相談件数について、令和2年1月から4月までと前年同期間、増減を順に申し上げますと、国、6万6,789、5万9,596、7,193件の増、県、420、413、7件の増、市、107、114、7件の減となっております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
全国では虐待相談件数が増加していますが、本市は微減となっているようです。しかし、数字上明らかになっていない5月は、緊急事態宣言の発令もあり大変懸念されます。
次に、国が示す子どもの見守り強化アクションプランについて、以下伺います。
質問の1点目、アクションプランの概要と経過をお示しください。
以上、答弁願います。
◎こども未来局長(吉田幸一君) 子どもの見守り強化アクションプランにつきましては、要保護児童対策地域協議会が中核となり、関係機関との連携により定期的に支援対象児童等の状況把握と早期対応などを行うもので、学校等の休業や外出自粛の継続により虐待リスクの増加が懸念されることから実施するものでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
概要を踏まえ、引き続き伺います。
質問の2点目、アクションプランについては、「様々なチャンネルを通じた子どもの実態把握と支援」として、要保護児童対策地域協議会等を通じた支援児童等の状況の把握、学校等との連携を通じた子供の情報の共有、市町村の母子保健事業と連携、子育て支援事業の活用を、「児童虐待通報・相談窓口の周知」として、児童相談所虐待対応ダイヤル等の相談窓口の周知、SNSによる相談窓口の設置を、「児童虐待防止施策とDV施策の連携強化等」として、児童相談所等と配偶者暴力相談支援センター等の連携強化、児童相談所と警察の連携の推進を、「体罰等によらない子育ての推進」として、体罰禁止を含む改正法の施行と周知・啓発、民間団体が実施する相談支援等との連携をさらに推進することとなっていますが、国が示した項目で、本市の具体的な対応がなされたものについてまとめてお示しください。
以上、答弁願います。
◎こども未来局長(吉田幸一君) 本市におきましては、これまでも関係機関と連携した支援や児童相談所虐待対応ダイヤル「189」の周知、家庭児童相談員と女性相談員との連携した相談対応などに取り組んでおり、アクションプランの実施に当たっては、保育所や幼稚園、小中学校のほか、保健センターや県児童相談所等との連携を強化し、登園時における状況確認や電話、訪問等により児童の状況把握や支援を行ったところでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
本市としては週1回の訪問などの状況確認を行ったものの、これまでの延長線上の取組にとどまっているのではないかと思われます。
質問の3点目、アクションプランを受けての要保護児童対策地域協議会の開催状況と訪問件数や対応件数など、先ほどの答弁でも把握をしたというふうに述べられましたので、実態をどのように把握されておられるのかお示しください。
以上、答弁願います。
◎こども未来局長(吉田幸一君) アクションプランを受けての会議は現在のところ開催しておりませんが、適宜、関係機関と連携を図っており、それぞれの機関単独では児童の状況確認が困難であった56件のケースにつきましては、庁内の関係部署に加え、外部の関係機関とも協力して訪問するなど、状況把握を行ったところでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
アクションプランを受けての要対協も実務者会議も開かれておらず、取材の段階では把握をしていないと、要対協を組織するそれぞれの機関がどのような取組を行ったのか取りまとめがされていないということでしたが、その後、取りまとめをされて、この56件のケースについて状況把握をしたというふうに理解させていただきますが、今後、独自の児童相談所を設置しようとしている本市の対応としては問題ではないでしょうか。
質問の4点目、今回の取組の教訓と課題をお示しください。
以上、答弁願います。
◎こども未来局長(吉田幸一君) 今回の取組を進める中で、転校や進学などにより、児童の直近の状況把握に時間を要するケースもあったことから、今後、速やかな情報共有が図られるよう、関係機関との連携を強化する必要があると考えております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
厚生労働省の要対協の基本的な考え方は、虐待を受けている子供をはじめとする要保護児童の早期発見や適切な保護を図るためには、関係機関がその子供等に関する情報や考え方を共有し、適切な連携の下で対応していくことが重要であるが、こうした多数の関係機関の円滑な連携・協力を確保するためには、運営の中核となって関係機関相互の連携や役割分担の調整を行う機関を明確にするなどの責任体制の明確化、関係機関からの円滑な情報の提供を図るための個人情報保護の要請と関係機関における情報共有の関係の明確化が必要とされています。今回は、補正予算の中で、子ども食堂への支援策や妊産婦への寄り添い事業、独り親世帯への臨時特別給付金等の事業がありますが、児童虐待防止との連携が見えてきません。本市の取組についてはこのようなことが課題だと指摘いたします。
これまでの質疑を踏まえて、緊急事態宣言等を想定した今後の取組の基本的な考え方をお示しください。
以上、答弁願います。
◎こども未来局長(吉田幸一君) 今後も学校の休業等があった場合は、児童の状況の変化と支援ニーズの高まりが想定されることから、あらかじめ関係機関との役割分担を整理しておくなど、速やかに状況把握ができるよう努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
実効ある組織づくりと連携の構築に取り組まなければ、本市独自の児童相談所ができてもその効果が発揮できないと考えますので、今回の取組の教訓と課題を要対協でしっかり洗い出して生かしてくださいますよう強く要請し、この質問を終わります。
新しい質問に入ります。
本年2月27日、安倍首相が新型コロナウイルスの感染拡大を受けて学校の一律休校を突然発表し、その後の緊急事態宣言解除まで、児童生徒や保護者、学校関係者の皆さんは、政府の対応に翻弄されてきたといっても過言ではありません。文部科学省は、この間の通知や考え方などを踏まえ、5月時点での最新の知見に基づいて、学校の新しい生活様式についてのマニュアルを公表しましたが、このことを踏まえ、本市の課題と今後の対応を求める立場から、以下伺ってまいります。
まず、緊急事態宣言が解除され、6月1日から全国の学校が3か月ぶりに再開しましたが、学年の締めくくりと新たな学年のスタートの時期の休校は、児童生徒に計り知れない影響を与えています。子供たちの学習の遅れや不安とストレスは大変に深刻です。現在、様々なアンケートや実態調査等が行われていますが、今回は、国立成育医療研究センターの「コロナ×こどもアンケート」調査から見る児童や家庭への影響と特徴をお示しください。
以上、答弁願います。
◎教育長(杉元羊一君) お答えいたします。
お触れの調査は、全国緊急事態宣言中の4月30日から5月5日まで、児童生徒や保護者を対象に実施され、その中間報告によると、生活のリズムの乱れや運動不足等の現状と助言がまとめられております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
学校再開後、学力の遅れを取り戻そうと、土曜授業や夏休み、学校行事の大幅な削減、7時間授業など、授業の詰め込みでは、子供たちにも新たなストレスをもたらしかねません。まずは、子供たちを温かく迎え、学びとともに、人間関係の形成、遊びや休息をバランスよく保障する柔軟な教育がなされますよう要請いたします。
次に、学校の新しい生活様式では、地域の感染レベルによって学校の行動基準が示されていますが、レベル1から3までそれぞれどのような内容となっているのかお示しください。また、本市ではこの間、どのレベルの取組がなされたものか状況をお示しください。
以上、答弁願います。
◎教育長(杉元羊一君) 国が示します衛生管理マニュアルにおいて、本市は新しい生活様式を踏まえた学校の行動基準のレベル1に該当し、身体的距離の確保については、1メートルを目安に学級内で最大限の間隔を取ること、音楽の合唱や理科の実験観察など感染リスクの高い教科活動については、十分な感染対策を行った上で実施することなどが示されており、学校においてはこの基準を踏まえた教育活動を再開したところでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
本市では、いわゆるレベル1の取組でしたが、それ以上になると、2メートル以上の身体的距離の確保、20人学級、分散登校・時差登校などに取り組まなければなりません。
そこで、次に、今後は各学校で、この行動基準が物理的に可能なのかどうかの検証が必要と考えることから、吉野小、吉野東小などの過大規模校での課題について伺います。
質問の1点目、吉野小、吉野東小の児童、教室、空き教室、特別教室の数をお示しください。
質問の2点目、身体的距離の確保、20人学級、分散登校・時差登校の組合せなどの対応が可能なのかどうかお示しください。
以上、答弁願います。
◎教育長(杉元羊一君) 児童数、特別支援学級の利用を含む教室、特別教室、余裕教室の数を令和2年5月1日現在で順に申し上げますと、吉野小、1,166人、43、7、ゼロ、吉野東小、1,121人、45、8、ゼロでございます。
先ほど述べましたとおり、本市は学校の行動基準のレベル1に該当しており、身体的距離を1メートルを目安に最大限確保するとともに、十分な換気やマスク着用を併せて行うことで対応することとなっております。なお、20人学級など学級のグループ分けや分散登校・時差登校は、新規感染者や感染経路不明の感染者が多数確認されるレベル3及びレベル2の地域での例示であります。理論上は可能であると考えますが、長期に及んだ場合、授業時間の確保が困難になるなど様々な課題が生じるものと考えております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
子供の集う学校で万全の感染症対策を行う重要性は言うまでもありませんが、その学校で3つの基本、すなわち身体的距離の確保、マスクの着用、手洗いの1つである身体的距離の確保ができないという重大な問題に直面しているのではないかと思います。児童数1千人を超す過大規模校ともなれば、学級の人数を減らして対応しようとしても空き教室もない、分散登校・時差登校をしてもかなりの児童数になることから3密が避けられない現状で、教育長は理論上可能との答弁をなされましたが、新たな生活様式など物理的に不可能だと思われます。
質問の3点目、中山小を含む3つの過大規模校のうち2つが隣接をし、児童数も高止まりしている吉野地域では、新たな生活様式の下、どのような学校規模が適切なのか、考え方をお示しください。
以上、答弁願います。
◎教育長(杉元羊一君) 本市学校規模適正化・適正配置に関する基本方針においては、市立小学校は特別支援学級を除く12学級から24学級を適正な学校規模としております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
新型コロナウイルスが確認される以前から、吉野地域では、「新しい学校が必要ではないか」、「新しい学校を造ってもいずれ人口が減少して無駄になるのではないか」との様々な地域住民の声が寄せられており、吉野地域での学校規模の問題は喫緊の課題であることを申し上げておきます。
この質問の最後に、今後の新しい生活様式を踏まえ、過大規模校の規模適正化こそ急がれるべきではないかと考えますが、見解をお示しください。
以上、答弁願います。
◎教育長(杉元羊一君) 学校規模の適正化につきましては、基本方針に基づき取り組んでいるところでありますが、当面は学校の新しい生活様式を含む新型コロナウイルス感染症対策の今後の状況等を注視していく必要があるものと考えております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
「学校の新しい生活様式」の第2章の冒頭では、「感染拡大リスクが高い「3つの密」を徹底的に避けるために、身体的距離の確保といった「新しい生活様式」に、学校を含めた社会全体が移行することが不可欠です」と述べられています。これまでの学校規模適正化の議論を根本から検討し直す契機ではないでしょうか。
私ども日本共産党は、抜本的な教員の増員とそれを少人数学級の実現のステップにしていく緊急提言を発表しましたが、今後はそれに基づいて引き続き議論させていただくことを申し上げ、この質問を終わります。
新しい質問に入ります。
鹿児島交通のバス路線廃止による影響への対応について、以下伺ってまいります。
まず、令和2年第1回定例会では、鹿児島交通が明和地域や常安団地などを含む4路線の4月からの廃止を突然打ち出し、危機感を持った地域住民の皆さんから当局に対して要望書などが提出されたことから、市民の移動権を保障する対応を当局に求めた経過がありますが、バスが地域から姿を消して2か月がたった今、それ以降の状況について伺ってまいります。
質問の1点目、調査を行った路線数と具体的な影響。
質問の2点目、地域住民からの要望等をそれぞれお示しください。
以上、答弁願います。
◎企画財政局長(池田哲也君) お答えいたします。
鹿児島交通のバス路線廃止による影響への対応でございますが、廃止された4路線について現地調査を行ったところです。地域住民の方々からは、「近隣のバス停まで歩いているが、高齢者には負担が大きい」、「タクシーを利用しているが、費用がかかる」などの意見が寄せられており、特に高齢者の方への影響が多いようでございます。
また、「早急に代替交通手段を確保してほしい」などの要望も寄せられているところでございます。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁をいただきました。
要望書が提出された地域以外の実態把握にも努めていただいていることを評価します。また、地域住民の方は、第1回定例会後も当局の下に足しげく通って要望をお伝えしていることも分かりました。
質問の3点目、調査や要望を踏まえた現状についての当局の受け止めをお示しください。
以上、答弁願います。
◎企画財政局長(池田哲也君) 本市といたしましても、地域の現状を踏まえますと、代替交通手段についての検討が必要と考えております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
当局としても実態把握や要望などをお聞きする上で、改めて代替策の検討が必要と、その認識を持っていただいていることを確認いたします。
次に、私どもの下にも明和地域の住民の皆さんから、「様々な手法を検討中と思いますが、これまで乗り慣れてきた小型バスを運行してほしい」と切実な声が届けられました。地域の皆さんは、どのような路線だと乗りやすいのか、どのような場所に行きたい要望が多いのか、実際に自分たちでルートを引いてみて、車を走らせて時間を計るなど、当局の皆さんに理解していただこうと熱心に取り組んでおられます。
そこで、各路線に対する具体的な検討状況と課題をお示しください。
あわせて、小型バスか、乗合タクシーかを判断する基準についてもお示しください。
以上、答弁願います。
◎企画財政局長(池田哲也君) 廃止された路線バスの利用状況や地域の特性等を踏まえ、代替交通手段について、対象地域の基準や運行方法などを検討しているところでございます。課題といたしましては、バスの運転者不足などがございます。
対象地域に導入する交通手段については、地域の道路状況や利用見込みのほか、運行事業者の体制などを総合的に勘案して判断することになると考えております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
小型バスか乗合タクシーかを判断する明確な基準はないようですが、小型バスの運行については、現下の運転手不足等が課題となっているようです。地域の課題を総合的に検討して決定されるとのことですが、ぜひ先ほど紹介した地域住民の取組や要望をしっかり受け止めて検討していただきますよう強く要請いたします。
この質問の最後に、一刻も早い代替策の具体化が必要だと考えますが、見解をお示しください。また、地域の皆さんとの対話を含め、今後どのような進め方を考えておられるのか、併せてお示しください。
以上、答弁願います。
◎企画財政局長(池田哲也君) 本市といたしましても、地域住民の方々からの要望を受けて、代替交通手段についての検討が必要であると考えており、今後、地元との意見交換等を行いながら、運行方法などの検討を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
[大園たつや議員 登壇]
◆(大園たつや議員) 答弁いただきました。
一朝一夕でできるものではないということは理解しつつも、路線が廃止された地域の皆さんにとっては死活問題であるにもかかわらず、既に2か月という時間が過ぎていることから、第1回定例会の委員会審査でのスピード感を持って対応したいとの当局が述べられた答弁に期待し、今後の取組を可能な限り早急に進めていただきますよう強く要請いたします。
以上で、私の個人質疑の全てを終わります。